報道発表資料

平成21年12月24日
自然環境
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2010年以降に向けた生物多様性条約戦略計画改定に関する東・南・東南アジア地域ワークショップの開催結果について(お知らせ)

 環境省は、生物多様性条約事務局との共催により、12月15日-17日に「2010年以降に向けた生物多様性条約戦略計画改定に関する東・南・東南アジア地域ワークショップ」を開催しましたので、その結果概要をお知らせします。

1 目的と概要

 来年10月に愛知県名古屋市で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)においては、主なテーマの一つとして、条約の2010年目標の達成状況評価、ポスト2010年目標を含む条約戦略計画の改定について議論が行われる予定である。
 生物多様性条約事務局では、来年2月までに新戦略計画の事務局案をとりまとめる予定としており、今般、我が国との共催により、東・南・東南アジア地域各国の意見交換を行うためのワークショップを開催したもの。

2 日程

 平成21年12月15日(火)−17日(木)

3 開催場所

 三田共用会議所3階大会議室(東京都港区三田2−1−8)

4 議題

(1)
現在の生物多様性条約戦略計画について、その実施と2010年目標達成への進捗状況
(2)
2010年以降に向けた戦略計画改定への提案
(3)
新戦略計画の概要と要素についての詳細検討
(4)
新戦略計画と多年度作業計画の実施
(5)
COP10の準備に向けて

5 参加者

(1)
アジア地域(東・南・東南アジア)16か国(日本、タイ、ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、シンガポール、イラン、インド、パキスタン、モンゴル、スリランカ、マレーシア、インドネシア、ネパール、ブータン)の実務担当者
(2)
生物多様性条約事務局、国連環境計画(UNEP)、国連大学高等研究所(UNU/IAS)、ASEAN生物多様性センター、バードライフアジア、世界自然保護基金(WWF)、国際自然保護連合(IUCN)、国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)の専門家など

6 結果の概要

ワークショップでは、各国および国際機関の参加者から、それぞれの取組に関するプレゼンテーションが行われたほか、条約事務局が作成した「新戦略計画の概要と盛り込むべき要素」に関し、参加者が複数のグループに分かれてディスカッションを行った。

12月15日(1日目)

田島環境副大臣より開会の挨拶が行われ、世界規模での生物多様性損失に迅速に取り組むことの必要性、また、そのためには、2010年のCOP10において新しい戦略計画を完成させることの重要性が強調された。あわせて、本年10月に決定されたCOP10のロゴマーク及びスローガンが紹介された。
条約事務局より、「地球規模生物多様性概況第3版(GBO3)」の作成の進捗状況と、現在の戦略計画の実施状況および2010年目標達成への進捗状況の解説、2010年以降に向けた戦略計画改定について条約事務局が作成した「新戦略計画の概要と盛り込むべき要素(案)」の説明が行われた。
我が国政府より、我が国の「生物多様性総合評価」の取組状況、「ポスト2010年目標に関する日本提案(案)」に関する説明を行った。
UNEP、ASEAN生物多様性センター、バードライフアジア、WWF、IUCNから、新戦略計画への提案に関するプレゼンテーションが行われた。

12月16日(2日目)

冒頭、荒木COP10担当大使より、ポスト2010年目標に関する日本提案(案)の考え方及びCOP10準備に向けたこれまでの日本の取組に関するスピーチが行われ、その後、4つのグループに分かれてディスカッションが行われた。
新戦略計画の課題として、途上国が実施するための配慮や支援(能力養成など)が必要であること、2015年の短期目標を設定することの重要性、条約の第3の目的であるABS(遺伝資源へのアクセスと利益配分)の要素を適切に考慮すること、地域的な目的や目標設定の必要性等が提案された。また、各締約国の国家戦略への反映の必要性、生物多様性の主流化が不十分であること等が指摘された。
ポスト2010年目標を含む新戦略計画のあり方について、各グループで議論が行われ、ビジョン(2050年までの中長期目標)およびミッション(2020年までの短期目標)に関する条約事務局案、日本提案に対してはおおむね肯定的な意見が出された。
また、インド、カンボジア、インドネシアから自国における生物多様性国家戦略や2010年以降に向けた取組、新戦略計画への意見に関するプレゼンテーションが行われた。我が国政府がアジア太平洋生物多様性観測ネットワーク(AP-BON)及び東・東南アジア生物多様性情報イニシアティブ(ESABII)について、また国連大学高等研究所がSATOYAMAイニシアティブに関するプレゼンテーションをそれぞれ行った。

12月17日(3日目)

前日からの議論を継続し、新戦略計画の個別目標に関して、各グループで議論された。各グループからは、条約事務局案に対しておおむね肯定的な意見が出されたが、生物多様性損失へのあらゆる関係者の参加や生物多様性・生態系サービスの強化、条約の効果的実施のための取組の重要性が指摘された。
また、条約事務局より、新戦略計画の実施、モニタリング、再検討および評価の手法やそのための支援メカニズム及び多年度作業計画に関する説明があった。
その他、条約事務局及び我が国政府より、COP10と国際生物多様性年に向けての取組と準備状況に関する報告を行った後、条約事務局よりワークショップの議論をまとめた報告書の草案が報告された。報告書に盛り込まれる予定の勧告の概要は以下のとおり。
-
各国が2010年目標を達成できなかった理由について分析が必要
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世界的な戦略計画は、各地域や各締約国がそれぞれの戦略に目標を反映させるための枠組みを提供すべき
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新戦略計画は条約の3つの目的、特に遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)についてバランス良く盛り込むべき
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中間目標やマイルストーンの設定が必要
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ポスト2010年目標実施のための能力養成の必要性
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実施状況のモニタリングと報告を的確に行うための指標とベースラインの設定が重要
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新戦略計画の実施のため、全ての関係者、関係部局への普及啓発を図るべき

 なお、本ワークショップの最終報告書については、参加者からのコメントを反映した上で、条約事務局のホームページにおいて公開される予定である。
 また、戦略計画の改定案は各国からの意見を踏まえて条約事務局によって来年2月中にとりまとめられ、同年5月のSBSTTA(科学技術助言補助機関会合)及びWGRI(条約実施に関する作業部会会合)等での検討を経て、10月のCOP10において検討、採択が行われる見込みである。

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
代表:03-3581-3351
直通:03-5521-8150
室長:鳥居 敏男(内線6480)
室長補佐:中島 尚子(内線6488)
担当:奥田 青州(内線6476)

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