報道発表資料

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2009年10月15日
  • 地球環境

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)第5期(2010年度目標)目標保有参加者の決定について(「平成21年度温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の採択結果)(お知らせ)

 環境省は2005年度から自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を実施していますが、本年7月下旬からの追加公募に応募いただいた事業者より、第5 期(2010 年度目標)目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)の12 案件を決定しました(別添1 参照)。今回採択した12 件に、本年5 月21 日に公表した目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)57 件、7 月6 日に公表した目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)6 件を加えた合計75 件が第5 期採択事業者となります。
 これらの事業者には、設備補助を受けながら一定量のCO2排出削減を約束し、積極的に削減に取り組んでいただくと同時に、排出量のモニタリング・算定体制の整備、第三者検証の受審や排出枠の取引等の実務を通じ、排出量取引制度についての知見・経験を獲得する機会が提供されます。
 また、これらの事業者は、昨年秋より開始された「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキームの参加者として位置付けられることとなります。

1.自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)とは

(1)概要(別添2 参照)

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)は、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、環境省が2005 年度に開始したものです。
温室効果ガスの排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引き換えに、CO2排出抑制設備の整備に対する補助金を交付することにより支援します。
排出削減約束達成のために排出枠の取引という柔軟性措置の活用も可能とします。

(2)制度への参加方法

自主参加型国内排出量取引制度への参加には、以下の3 通りの方法があります。
[1]目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)
一定量の排出削減を約束し、CO2排出抑制設備の整備に対する補助金と排出枠の交付を受ける参加者
(「温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の採択事業者)
[2]目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)
設備補助を受けることなく、基準年度排出量に比べ、2010年度において少なくとも1%の排出削減を約束する参加者
[3]取引参加者
排出枠の取引を行うことを目的として、登録簿システムに口座を設け、取引を行う参加者。取引参加者に対しては、補助金及び排出枠の交付はなされない。
今回、[1]の目標保有参加者タイプAの公募について、費用対効果の優劣の観点(以下、費用効率性という)と削減の主な取組内容を踏まえて審査を行った上で、採択事業者を決定したものです。
今回の追加公募においては、[2]の目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)の採択案件はございません。
[3]の取引参加者については、「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキームにおいて一元的に募集することとし、本制度においては募集しないこととします。
なお、今回は追加公募であり、1 次公募については、目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)は本年5 月21 日に、目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)は7 月6 日に、それぞれ採択事業者を発表しております。
○JVETS 第5 期 目標保有参加者の決定について(5 月21 日発表)
https://www.env.go.jp/press/11146.html
○JVETS 第5 期目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)の決定について(7 月6 日発表)
https://www.env.go.jp/press/11329.html
制度の詳細については、下記のWEB サイトを御参照下さい。
 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS) http://www.et.chikyukankyo.com/
 試行排出量取引スキームポータルサイト http://www.shikou-et.jp/

2.目標保有参加者タイプAの概要

(1)補助対象となる事業
・ 国内における省エネルギー等によるCO2排出抑制設備の整備
(2)補助額
・ 事業に必要な経費の1/3 を上限とした額(ただし、1 案件あたり1 億円を上限とする)
(3)予算
・ 1 億円

3.採択結果について(別添1 参照)

(1)採択事業者数(目標保有参加者数)
12 案件    ※うち、グループ参加(複数の工場・事業場をまとめての参加)は3 案件です。
(2) 対象となる工場・事業場の基準年度排出量について
本制度は、全社単位ではなく、対象となる工場・事業場を特定し、対象工場・事業場からの排出量全体を算定・検証するルールとしています。
採択案件の工場・事業場からの基準年度排出量の合計は、年間35,661t-CO2 です。(今後、検証機関による第三者検証を経て確定する必要があり、現段階では確定値ではありません。)
(3)採択案件の2010 年度排出削減予測量の合計
各事業者には、応募にあたり、参加工場・事業場について、基準年度排出量(2006 年度~2008 年度の平均排出量)から2010 年度にどれだけ排出削減できるか(2010 年度排出削減予測量。この数値は以後変更できません。)を、あらかじめ登録いただきました。
各事業者には、2010 年4 月に、「基準年度排出量-2010 年度排出削減予測量」の分の排出枠(JPA)が初期割当量として交付されます。
申請にあたり、2010 年度の排出予測量が2008 年度の排出量実績を上回らないよう、排出削減予測量を登録いただきました。
2010 年度排出削減予測量は、別添1のとおりです。
採択案件の2010 年度排出削減予測量の合計は5,466t-CO2 です。
これは、参加工場・事業場の基準年度排出量((2)参照)の15.3%にあたります。
(4)導入設備の法定耐用年数分の排出削減予測量
事業者には、応募にあたり、導入設備の法定耐用年数分の排出削減予測量(=2010 年度排出削減予測量×導入設備の法定耐用年数)についてもあらかじめ登録いただきました。
これは、2010 年度排出削減予測量が法定耐用年数分続くと仮定した場合の数値です。
採択に当たっては、この法定耐用年数分の排出削減予測量をもとに、「補助の費用効率性」を判断した上で、効率に優れたものを採択しています。このため、各事業者には、採択されるためになるべく多くの削減量を登録しようというインセンティブが働いたものと考えられます。
ここでいう「補助の費用効率性」とは、「補助金額/法定耐用年数分排出削減予測量」を指しています。
t-CO2削減当たりの補助金額を表す数値であり、これが小さいほど費用効率が良いこととなります。
法定耐用年数分の排出削減予測量は、別添1 のとおりです。
採択案件の法定耐用年数分の排出削減予測量の合計は75,235t-CO2 です。
(5)補助の費用効率性(=t-CO2削減当たりの補助金額)
補助金総額/法定耐用年数排出削減予測量合計(※補助金全体としての費用効率性)= t-CO2削減当たり1,329 円です。

4.今後のスケジュール

<2009 年度>
補助対象設備の整備
基準年度排出量(2006 年度~2008 年度の排出量)について、第三者検証機関による検証を受審
<2010 年度>
導入設備の稼働、CO2排出削減
排出枠(JPA)交付、必要に応じ排出枠の取引
<2011 年度>
2010 年度のCO2排出量について、第三者検証機関による検証を受審
2010 年度排出量に応じた排出枠(JPA)を登録簿システム上で償却(2011 年8 月末まで)

以上

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表:03-3581-3351
室長:戸田英作(6737)
補佐:二宮康司(6757)
担当:岸本拓之(6781)

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