報道発表資料

この記事を印刷
2009年09月18日
  • 自然環境

「平成21年度生物多様性関連技術開発等推進事業」の新規課題の採択決定について(お知らせ)

 環境省では、生物多様性の保全・再生や持続可能な利用に関する政策課題へ対応するため、下記要件に該当する分野の技術開発について実施機関を公募し、平成21年度生物多様性関連技術開発等推進事業選定委員会(委員長 山岸 哲 (財)山階鳥類研究所所長)による評価結果を踏まえ、応募された9課題のうち、2課題を採択しました。

  • [1]開発された技術の実用化により、生物多様性保全施策に直接応用可能なもの
  • [2]既存の知見や技術の応用により、短期間(約2~3年間)で技術開発が可能なもの
  • [3]商業ベースに乗るまでの需要が見込みにくい、開発能力を有する民間企業が存在しないなどの理由により、民間主導による製品開発が見込めないもの
  • [4]本事業による成果が地方公共団体等の推進する施策への寄与が大きいもの

1.事業の概要

(1)事業目的

 本事業は、生物多様性の保全に必要な技術開発や応用的な調査研究が推進されることにより、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の一層の推進を図るものです。なお、本推進費により実施する技術開発は、公募により研究者から提案のあった研究課題候補を競争的に選定・採択します。

(2)対象分野

 生物多様性の保全や持続可能な利用に関する緊急的政策課題に直結した技術開発や応用的な調査研究のうち、下記要件[1]~[4]に該当するものを対象とします。

[1]
開発された技術の実用化により、生物多様性保全施策に直接応用可能なもの
[2]
既存の知見や技術の応用により、短期間(約2~3年間)で技術開発が可能なもの
[3]
商業ベースに乗るまでの需要が見込みにくい、開発能力を有する民間企業が存在しないなどの理由により、民間主導による製品開発が見込めないもの
[4]
本事業による成果が地方公共団体等の推進する施策への寄与が大きいもの

(3)募集内容(主なテーマ)

林内環境等における野生鳥獣(トキ、ツシマヤマネコ等)の行動追跡システムの開発

 野生鳥獣の行動把握には古くから小型無線装置等による行動追跡が行われており、各種のシステムが開発されてきていますが、現在使用可能なGPSアルゴス衛星や特定小電力テレメトリなどの既存技術では(特に林内や見通しの悪い谷地形の間等、電波の届きにくい里山、山林内環境において)リアルタイムな位置把握は困難であり、結果として多大な人的労力を必要としている状況です。
 そこで、こうした環境における追跡調査を省力化・効率化するため、より正確かつリアルタイムでの位置確認を可能とする、超軽量かつ長寿命な行動追跡システムの開発が求められています。

侵略的外来種である中型哺乳類(アライグマ、ジャワマングース)の効果的・効率的な防除技術の開発

 国内に定着し、希少な野生動物や農作物に被害を及ぼしている侵略的な外来種であるアライグマ及びジャワマングースについては、捕獲等による防除が進められていますが、より効果的・効率的な捕獲用トラップの開発、低密度分布地域での生息の確認技術の開発を進めることにより、防除の推進に寄与するものです。

薬剤注射によるオニヒトデ駆除手法の開発

 オニヒトデによる食害は、白化現象とともにサンゴ礁破壊の二大要因となっています。現在でもオニヒトデの大発生箇所においては、手かぎなどを使用して一匹一匹を捕獲する人海戦術による駆除が実施されていますが、駆除効率の観点から捕獲区域は限られたものとなっています。
 このようなことから、薬剤注射法によるオニヒトデ駆除について、課題の整理や改良等を体系的に実施し、主要な駆除方法として確立させる必要が高まっています。

(4)平成21年度新規課題の採択審査について

 有識者等により構成された平成21年度生物多様性関連技術開発等推進事業選定委員会(委員長:山岸 哲 (財)山階鳥類研究所所長)において、応募書類審査及びヒアリング審査を実施しました。

(5)平成21年度新規研究課題について

  • 審査結果を踏まえ、応募された9課題のうち2課題を平成21年度新規課題として決定しました。
  • 採択が決定した課題の概要については、別紙のとおりです。
  • 応募課題数及び採択課題数は以下のとおりです。
対象分野(募集内容) 応募課題数 採択課題数
[1]林内環境等における野生鳥獣(トキ、ツシマヤマネコ)の行動追跡システムの開発
[2]侵略的外来種である中型哺乳類(アライグマ、ジャワマングース)の効果的・効率的な防除技術の開発
[3]薬剤注射によるオニヒトデ駆除手法の開発
[4]その他

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性地球戦略企画室
直通:03-5521-8275
代表:03-3581-3351
室長:鳥居 敏男(内線6480)
補佐:平野 明徳(内線6490)
担当:石川 勉 (内線 6478)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。