報道発表資料

この記事を印刷
2009年07月06日
  • 地球環境

自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)第5期目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)の決定について(お知らせ)

 環境省は2005年度から自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)を実施していますが、本年2月下旬からの公募に応募いただいた事業者より、第5期目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)の6件の採択を決定しました(別添1参照)。今回採択した6件に、本年5月21日に公表した目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)57件を加えた合計63件が第5期採択事業者となります。
 これらの事業者には、一定量のCO2排出削減を約束し、積極的に削減に取り組んでいただくと同時に、排出量のモニタリング・算定体制の整備、第三者検証の受審や排出枠の取引等の実務を通じ、排出量取引制度についての知見・経験を獲得する機会が提供されます。
 また、これらの事業者は、昨年秋より開始された「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引スキームの参加者として位置付けられることとなります。

1.自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)とは

(1)概要(別添2参照)

  • 自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)は、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、環境省が2005年度に開始したものです。
  • 排出削減約束達成のために排出枠の取引という柔軟性措置の活用も可能とします。
  • 設備補助を受けることなく自主的に排出削減を行う参加方法(タイプB)を第3期(2007年度)から設けました。

(2)制度への参加方法

  • 自主参加型国内排出量取引制度への参加には、以下の3通りの方法があります。
[1]目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)
一定量の排出削減を約束し、CO2排出抑制設備の整備に対する補助金と排出枠の交付を受ける参加者
(「温室効果ガスの自主削減目標設定に係る設備補助事業」の採択事業者)
[2]目標保有参加者タイプB(補助金なし参加者)
設備補助を受けることなく、排出削減に取り組む参加者。2010年度を含め2012年度までの全部又は一部の年度を削減対策実施年度として任意に選択し、2010年度については、基準年度排出量から少なくとも1%の排出削減を、2011年度以降については、当該年度の前年度の目標に比べ1%以上の排出総量削減を約束することが求められる。
[3]取引参加者
排出枠の取引を行うことを目的として、登録簿システムに口座を設け、取引を行う参加者。取引参加者に対しては、補助金及び排出枠の交付はなされない。
  • 今回、[2]の目標保有参加者タイプBの公募について、削減の主な取組内容等につき審査を行った上で、 採択事業者を決定したものです
  • [1]の目標保有参加者タイプA(補助金あり参加者)については、本年5月21日に採択事業者を発表致しました。
      ○自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)第5期 目標保有参加者の決定について
      https://www.env.go.jp/press/11146.html
  • [3]の取引参加者については、「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」における試行排出量取引ス キームにおいて一元的に募集することとし、本制度においては募集しないこととします。

※制度の詳細については、下記のWEBサイトを御参照下さい。
  自主参加型国内排出量取引制度(JVETS) http://www.et.chikyukankyo.com/
  試行排出量取引スキームポータルサイト http://www.shikou-et.jp/

2.目標保有参加者タイプBの参加要件

対象工場・事業場のCO2排出量合計が1,000t-CO2/年以上

3.採択結果について(別添1参照)

(1)採択事業者数(目標保有参加者数)

  • 6件   ※うち、グループ参加(複数の工場・事業場をまとめての参加)は5案件です。

(2) 対象となる工場・事業場の基準年度排出量について

  • 本制度は、全社単位ではなく、対象となる工場・事業場を特定し、対象工場・事業場からの排出量全体を算定・検証するルールとしています。
  • 採択案件の工場・事業場からの基準年度排出量の合計は、年間22,712t-CO2です。(今後、検証機関による第三者検証を経て確定する必要があり、現段階では確定値ではありません。)

(3)採択案件の2010年度排出削減予測量の合計

  • 各事業者には、応募にあたり、参加工場・事業場について、基準年度排出量(2006年度~2008年度の平均排出量)から2010年度にどれだけ排出削減できるか(2010年度排出削減予測量。この数値は以後変更できません。)を、あらかじめ登録いただきました。
  • 各事業者には、2010年4月に、「基準年度排出量-2010年度排出削減予測量」の分の排出枠(JPA)が初期割当量として交付されます。
  • 申請にあたり、2010年度の排出予測量が2008年度の排出量実績を上回らないよう、排出削減予測量を登録いただきました。
  • 2010年度排出削減予測量は、別添1のとおりです。
    採択案件の2010年度排出削減予測量の合計は711t-CO2です。
    これは、参加工場・事業場の基準年度排出量((2)参照)の3.1%にあたります。
  • なお、第5期よりタイプB参加者は、2010年度を含め2012年度までの全部又は一部の年度を削減対策実施年度として任意に選択し、削減対策実施年度毎に排出削減目標を設定することが可能となりました。2010年度については、基準年度排出量から少なくとも1%の排出削減を、2011年度以降については、当該年度の前年度の目標に比べ1%以上の排出総量削減を約束することが求められます。

4.今後のスケジュール

2009年度

  • 基準年度排出量(2006年度~2008年度の排出量)について、第三者検証機関による検証を受審

2010年度

  • CO2排出削減
  • 排出枠(JPA)交付、必要に応じ排出枠の取引

2011年度

  • 2010年度のCO2排出量について、第三者検証機関による検証を受審
  • 2010年度排出量に応じた排出枠(JPA)を登録簿システム上で償却(2011年8月末まで)

※2011年度、2012年度を目標設定年度として参加する場合、削減対策実施年度のスケジュールについては、2011年度以降も初年度(2010年度)と同様とします。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
代表:03-3581-3351
室長:高橋 康夫(6737)
補佐:二宮 康司(6757)
担当:岸本 拓之(6781)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。