報道発表資料

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2022年02月25日
  • 地球環境

第12回「持続可能な都市ハイレベルセミナー」の開催結果について

 日本国環境省、ラオス人民民主共和国天然資源環境省等は、令和4年2月21日(月)~22日(火)に、第12回「持続可能な都市ハイレベルセミナー」をWeb会議形式で開催しました。
 本セミナーでは、グリーンで包摂的なコロナ禍からのリカバリーという観点から、世界の各都市が、より持続可能で強靭な都市へと変革すべく、着手している取組について共有されました。環境省からは、中央政府と自治体のパートナーシップなどマルチステークホルダー間での連携と、各都市の取組の面的展開が重要であることを紹介しました。

1.日程

令和4年2月21日(月)~22日(火)

2.開催地

  東京(Web開催)

3.出席者

東アジア首脳会議(EAS)諸国からラオス天然資源環境省のプーヴォン・ルワンガナソナ副大臣を含む16か国の政府関係者、自治体、国際機関から約250名が参加。日本からは環境省正田地球環境審議官が出席。

4.主催等

  主催 ラオス人民民主共和国天然資源環境省、日本国環境省、ASEAN事務局、持続可能な都市ASEANワーキンググループ

共催 公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)

5.概要

 都市は、COVID-19への対応と復興の最前線にあり、また、貧困、廃棄物管理、衛生管理、エネルギー供給、公共交通など、その他の持続可能な発展に向けた課題を幾つも抱えています。本セミナーでは、ハイレベルセッションにおいて、北九州市を始めとするASEANの複数都市の市長から、これらの社会課題に対する包括的な取組が紹介され、テーマ別セッションにおいては、「循環経済(主に海洋プラスチックごみ)」、「気候変動への適応、防災・減災」「SDGsのモニタリング評価」「持続可能で脱炭素な都市に向けた統合アプローチ」のそれぞれについて、各主体から取組事例が紹介されました。

 我が国からは、正田地球環境審議官から、「持続可能な都市」の実現に向けて、中央政府と自治体のパートナーシップなどマルチステークホルダー間での連携と、各都市の取組の面的展開が重要であることを紹介しました。

 セミナー全体を通して参加者間で共有された主な取組と今後の方針は以下のとおりです。

・ COVID-19の影響下にありつつも、各国・各都市が、廃棄物管理、海洋プラスチックご み、気候の緩和と適応など、地域と地球規模の持続可能な課題に取り組み、地域の持続可能性を強化・向上する努力を続けている。

・ 国レベル、地域レベルともに、政策・計画の策定、能力開発、データ・情報の蓄積が進み、海洋プラスチックごみ対策が強化されており、ローカル・アクションを一層強化するため、教育・意識啓発と地域ステークホルダーの巻き込みが重要である。

・ レジリエンスの強化のためには、都市部、地方ともに適応の取組を進めることが重要であり、Nature based solutionの推進等、包括的なレジリエンスの視点が重要である。

・ ローカルレベルでのSDGsのモニタリングである自発的なローカルレビュー(VLR)は、世界的なトレンドとなっており、エビデンスに基づく政策立案に貢献し、様々なステークホルダーとのコミュニケーションと意識改革を促進する。

・ SDGsを地域課題に合わせて地域化することが重要であり、地域経済の活性化、高齢化・過疎化などの社会課題、環境保全・気候変動対策に総合的に取り組むことで相乗効果が期待される。

・ SDGsフロントランナーシティプログラムが、ASEAN地域の持続可能な発展を目指す都市が互いに学び合うプラットフォームを形成し、人々の行動変容と現場での政策変更に貢献した。今後は、海洋プラスチックごみと都市のレジリエントに焦点を当て、一層マルチステークホルダーの参加を促していくことが期待される。

・ 本セミナーは、相互学習と共創を促進する場として継続し、SDGs・気候変動対策に関する自治体の進捗を共有・モニタリングし、今後の対応を協議する場として継続することが望ましく、その際、関連する他のイニシアティブとの連携も期待される。

・ ASEAN事務局と、ハイレベルセミナーの事務局であるIGESが、引き続きASEANの都市の声を聞き、アジア太平洋持続可能な開発フォーラム(APFSD)、持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF)などの国際主要会議・プラットフォームにメッセージを発信することが重要である。

6.結果

 持続可能なハイレベルセミナーの議論は「議長サマリー」として、関係者の最終的な確認を経て、以下のホームページに近日中に掲載される予定です。

http://www.hls-esc.org/

(参考情報)

 平成20年にベトナムで開催された第1回東アジア首脳会議(EAS)環境大臣会合において、EAS諸国における環境協力の優先活動分野として「環境的に持続可能な都市(ESC)」が決定されました。

 この決定を踏まえ、我が国のイニシアティブにより、平成22年からEASの枠組のもとで、ESCをテーマとし、セミナーを開催してきました。第9回のセミナー(2018年3月)から、2030年アジェンダ及びパリ協定等を踏まえ、「持続可能な都市(SC)」に焦点を当てることとし、セミナー名称をESCからSCに変更しました。

連絡先

環境省地球環境局国際連携課国際協力・環境インフラ戦略室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8248
  • 室長杉本 留三(内線 5740)
  • 室長補佐渡辺 聡(内線 5742)
  • 担当井上 侑香(内線 5749)
  • 担当菊地 心(内線 5747)