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2022年01月24日
  • 地球環境

令和4年度革新的な省CO2実現のための部材(GaN)や素材(CNF)の社会実装・普及展開加速化事業の公募について

この度、「令和4年度革新的な省CO2実現のための部材(GaN)や素材(CNF)の社会実装・普及展開加速化事業」のうち、GaNに関する新規課題の公募を開始することとなりましたので、お知らせします。

令和4年1月25日(火)更新:「5.予算」に誤字があったため訂正しました。

1.事業の概要

 環境省が脱炭素社会実現に向けて、実用化・製品化に向けて開発してきた革新的な部材や素材(窒化ガリウム(GaN)、セルロースナノファイバー(CNF))は従来の部材・素材を用いた製品に比べて大幅な省CO2を達成することが可能であるため、社会実装・普及展開を加速し、実際のCO2削減につなげていくことが必要です。GaNやCNF等の新部材・素材技術は自動車分野、鉄道分野、家電等民生機器分野、及び通信機器分野など様々な分野に展開できるポテンシャルを秘めている一方で、新部材・素材の性能評価や性能向上、コスト面で課題があり、未だ開発・実証が必要であることから民間事業者が単独で実施するにはハードルが高く、インセンティブも十分ではない現状にあります。このため、本事業では省CO2性能の高い部材や素材を活用し、実機搭載における低コスト化技術の開発、安全性・信頼性・省エネ効果・品質向上策の検証等を実施し、革新的部材・素材を量産向けの実製品に実装する段階の普及を支援・推進することで、2050年までのカーボンニュートラル実現に貢献します。

2.公募実施期間

令和4年1月24日(月) ~ 同年2月14日(月)17:00

3.対象等

 対象:民間企業等

 内容:委託

4.募集テーマ

 GaNに関する以下の技術開発、安全性・信頼性・省エネ効果・品質向上策等の検証等を実施する事業者を募集します。

【募集テーマ】: 次世代高効率・走行インバータの量産機開発・検証

 2050年カーボンニュートラルの実現に向け、世界レベルで自動車の電動化、ゼロエミッション車両(電気自動車)への転換が加速している。更なるCO2排出量削減には、電動化技術の高効率化として次世代パワーエレクトロニクス技術の開発が不可欠である。本事業では、縦型GaNパワー半導体を適用し、エネルギー効率の高い電動車を実現するための走行インバータの量産型開発・実用化を目指し、以下の(a)(e)に示す2030年度における目標の達成に資する技術開発・実証を行う。 

a)ゼロエミッション車両(電気自動車)が駆動可能な縦型GaNパワー半導体素子を採用した最大出力    100kWの走行インバータを開発すること。開発するインバータは、低損失パワー半導体素子に対応した実装技術と大型インバータにシリーズ展開できるモジュール技術により構成されること。出力性能については、開発したインバータを電気自動車に搭載して実機実証すること。また、2030年度頃を目途に100kW級のインバータの製品化が可能であること。

b)開発する走行インバータは、縦型GaNパワー半導体素子を採用することにより最大効率98%の高い省エネルギー性能を実現するインバータであること。また、その省エネルギー性能については、モーターベンチによる実機実証すること。

c)開発する走行インバータは、電気自動車の走行モーターの高効率駆動制御に対応し、インバータのみならず、モーターも含めた電気自動車の総合駆動性能を向上できること。キャリア周波数10kHz以上の周波数帯におけるモーターの駆動損失を改善し、設定可能なキャリア周波数は最大20kHzに対応できること。電気自動車の低速走行領域から高速走行領域におけるモーターの動作点において、インバータのキャリア周波数を適切に調整できる仕様であること。また、その高効率駆動制御の効果についてはモーターベンチによる実機実証すること。

d)転位密度5×10/cm以下、抵抗率1×10-3Ωcm以下のGaN基板を用いることで、電気自動車のモーター駆動に必要なデバイス特性と信頼性を確保すること。特にモーター駆動には大電流デバイスが必要であり、1チップ当たり100Aまで実現可能であること。また、モーター駆動用大電流モジュールの開発には、特性のそろった素子を供給することが必要なため、大口径基板の品質、面内均一性向上に加え、特性バラつきのない素子構造及び製造プロセスを開発すること。

e)転位密度5×10/cm以下、抵抗率1×10-3Ωcm以下、曲率半径(反り)100m以上、かつ面内均一性の良好なサイズ6インチ以上のGaN基板を開発することで、デバイスの特性向上と低コスト化及びモジュールの高信頼性を確保し、電気自動車の高速走行での一層の省エネ効果の実現が可能であること。また、その効果を検証(実証)し、2030年度頃を目途に製品化が可能であること。

5.予算

 新規採択課題の1課題当たりの令和4年度の予算額は22億円21億円を上限とします。令和5年度以降の予算額は原則同程度としつつ、事業予算及び中間評価における査定を踏まえ各年度に決定します。

6.実施期間

 

 原則として5年以内とします。

7.応募方法

 以下の環境省ウェブサイトから本事業の応募様式等をダウンロードし、公募要領・作成要領に従って必要事項を記載の上、所定の方法で提出してください。

 「令和4年度革新的な省CO2実現のための部材(GaN)や素材(CNF)の社会実装・普及展開加速化事業の公募について」

 https://www.env.go.jp/earth/ondanka/biz_local/04_a01_2/r4_gancnf.html

連絡先

環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8339
  • 室長加藤 聖(内線 6771)
  • 室長補佐今野 孝紀(内線 7738)
  • 担当矢作 雄人(内線 6795)