令和2年7月21日
地球環境

令和2年度革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業の公募について

この度、「令和2年度革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業」新規課題の公募を開始することとなりましたので、お知らせします。

本事業の公募要領等を修正いたしました(令和2年8月3日)。

 公募要領上の「2.本事業の対象、実施期間等」及びTRL調査票に誤記・誤植があったため、修正を行いました。応募をご検討されている事業者におかれましては、最新の公募要領及び様式をご確認の上、ご応募いただきますようお願いいたします。大変ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご理解の程、よろしくお願いいたします。

1.事業の概要

 環境省が革新的な省CO2実現に向けて実用化・製品化に向けて開発してきた部材や素材(窒化ガリウム(GaN)、セルロースナノファイバー(CNF))は従来の素材・部材を用いた製品に比べて革新的な省CO2を達成することが可能であるため、社会実装・普及展開を加速化し、実際のCO2削減につなげていくことが必要です。GaNやCNF等の新素材技術は自動車分野や鉄道分野、家電等民生機器分野や通信機器分野など様々な分野に展開できるポテンシャルを秘めている一方で、新素材・部材の性能評価や性能向上、コスト面で課題があり、未だ開発・実証が必要であることから民間事業者が単独で実施するにはハードルが高くインセンティブも十分ではない現状にあります。このため、本事業では省CO2性能の高い部材や素材を活用し、実機搭載における低コスト化技術の開発、安全性・信頼性・省エネ効果・品質向上策等の検証等を実施し、革新的部材・素材を量産向けの実製品に実装する段階の普及を強力に支援・推進することで、第五次環境基本計画における大幅なCO2削減の目標達成を目指します。

2.公募実施期間

  令和2年7月21日(火) ~ 同年8月28日(金)17時

3.対象等

対象:民間企業 等

内容:委託

4.対象枠及び分野

本年度においては、以下のGaNを適用した製品の量産に関する技術開発、安全性・信頼性・省エネ効果・品質向上策等の検証を実施する事業者の公募を行います。

テーマ① 次世代超省エネ高出力青色レーザーの量産機開発・検証

 ※公募要領の修正に合わせて修正しています。

 レーザー加工は熱影響が少ない、切断幅が微小、切断部の酸化が少ないなどの特性があるものの、従来技術のレーザーは赤外波長域で波長が広く、反射率の高い金属加工においては反射損失が大きいため、過度な入熱が必要で加工不良も発生するなど、現行のレーザー加工技術(補助光源等を用いたハイブリッド型システムを含む)は消費電力や加工速度・精度の観点で課題がある。本事業では、GaN系半導体を適用し、熱利用効率が高く、良品率を向上し、多くの素材や複合材料等に適用可能で、切断・溶接等幅広い加工作業にも適用可能な、大幅なCO2削減効果を実現する高出力青色レーザーの量産機開発・実用化を行なう。

 なお、応募に関しては、以下の要件を満たすこと。

(a) 既存のレーザー技術と比較して大幅なCO2削減効果と高い加工精度を実現する新規のGaN青色レーザー加工システム(パルス駆動による入熱制御機能を付加した実使用に耐えうる加工システム)を開発すること。また、その効果を本事業期間内に検証(実証)でき、事業終了後に製品化が可能であること。

(b) (a)のGaN青色レーザー加工システムにおいて、高効率のパルス駆動技術により従来のCW方式よりエネルギー利用効率を20%以上改善し、転位密度が105 /cm2以下のGaN基板を用いることでレーザーダイオードの信頼性が従来の2倍以上の長寿命化の達成を見込めること。この実証及び目標は、環境省が推進する大口径GaN基板の開発状況を踏まえること。

テーマ② 次世代高効率・小型・省エネ複合型電力変換装置の量産機開発・検証

 ※公募要領の修正に合わせて修正しています。

 近年、温暖化対策の観点から太陽光発電インバータ、電気自動車充放電装置、蓄電池充放電装置等の電気エネルギー変換装置、並びにこれらを電力接続し一体化した複合型電力変換装置の普及が望まれているが、これら装置の普及を加速化していくためには、更なる高効率化、小型化や信頼性の向上を実現していくことが必要である。本事業では, GaN系半導体を適用し、装置間を送電エネルギー効率の高い直流で接続した、高効率・小型・省エネ複合型電力変換装置の量産型開発・実用化を行う。

 なお、応募に関しては、以下の要件を満たすこと。

(a) 太陽光発電パネル/電気自動車充放電装置/蓄電池充放電装置/商用交流の電力接続が可能であり、接続装置間でのエネルギー交換が可能な複合型電力変換装置を開発すること。

(b) 複合型電力変換装置は、内部の各装置間を直流で接続するだけでなく、マイクログリッドの実現に活用できるよう複合型電力変換装置間も直流で接続可能であり、接続した複合型電力変換装置間でのエネルギー交換が可能な仕様とすること。

(c) 搭載するDC-DCコンバータとインバータは、GaN系半導体を採用することにより最大効率98%以上、装置重量は現行比30%以下を実現し、大幅な省電力化と小型化・軽量化を達成すること。また、その効果を本事業期間内に実機にて検証(実証)し、事業終了後に製品化が可能であること。

(d) 転位度が105/cm2以下のGaN基板を用いることで、良好なデバイス特性と製品化に耐えうる信頼性を確保し、特に耐圧性能については電気自動車急速充電装置の高出力化・高電圧化の動向を踏まえ、破壊耐圧1500Vまで実現可能であること。この実証及び目標は、環境省が推進する大口径GaN基板の開発状況を踏まえること。

テーマ③ 次世代小型・長寿命・高効率高周波装置の量産機開発・検証

 近年、省CO2削減、省エネの観点から、高周波電源を従来のマグネトロンなどの電子管から半導体化した、小型・長寿命・高効率な船舶・気象レーダーや産業用製造装置などの高周波装置が求められている。このような高周波装置を実現し、普及させていくためには、より高効率、高出力な半導体デバイスが必要となる。本事業では、GaN系半導体により、半導体高周波電源を実現し、速やかな社会実装と普及展開の加速を目指し、小型・長寿命・高効率な高周波装置の開発・検証を行う。

 なお、応募に関しては、以下の要件を満たすこと。

(a) 転位密度が105/cm2以下のGaN基板を用いることで、SiC基板上のGaNデバイスよりさらに高い電力効率を実証すること。この実証及び目標は、半絶縁性4インチSiC基板と同等の絶縁性、外見(寸法、反り等)を有するGaN基板が得られることを前提とし、環境省が推進する大口径GaN基板の開発状況を踏まえること。

(b) GaN系半導体を用いて、トランジスター電力効率70%以上、および、このトランジスターを組み合わせて1チップで出力25W以上を実現すること。また、単一ないしは複数のGaN系半導体チップを1パッケージ内に搭載し、パッケージ出力100W以上を達成すること。

(c) 既存のマグネトロンレーダーと比較して15%以上のCO2削減、省エネ化、及び、アンテナ端での出力電力80W以上(12kWマグネトロンレーダーと同等以上の探知性能)を達成可能なGaNレーダーを開発すること。また、その効果を本事業期間内に気象用や船舶用等の実機にて検証(実証)し、事業終了後の製品化を実現すること。

5.予算及び実施期間等

 令和2年度については、新規採択課題(3件程度を想定)の1課題あたりの単年度の予算額は4億円以下となるよう、審査委員会を経て決定されます。委託事業では、原則備品費の計上は認めておりません。実施期間は原則として5年以内とします。複数年度で行う事業の実施者は、毎年度の技術開発・実証の達成目標をあらかじめ設定し、目標の達成について自己評価を行っていただきます。設定した目標の達成状況等については、各年度末に中間評価を行うこととし、事業継続の可否について審査します。なお、複数年度の事業の実施は、後年度において所要の予算が措置されることを前提とするものであり、複数年度の事業の実施を保証するものではありません。また、複数年度の事業の場合に、2年目以降の事業費を見積もることになりますが、2年目以降の事業費については、所要の予算額が措置されなければ減額する可能性もあります。なお、環境省から事業終了後の実用化・製品化・社会実装に向けた助言や支援に係る取組の実施、特筆すべき開発成果が創出された場合には、その発信や横展開をするための展示会への出展等への御協力をお願いする場合があります。

6.応募方法

本事業へ応募される場合には、下記の環境省ホームページから本事業の応募様式等をダウンロードし、公募要領・作成要領にしたがって必要事項を記載の上、所定の方法で提出してください。

環境省ホームページ「地方公共団体・事業者向け支援事業」

http://www.env.go.jp/earth/ondanka/biz_local.html

「令和2年度革新的な省CO2実現のための部材や素材の社会実装・普及展開加速化事業の公募について」

 ※下記リンク先の公募要領及びTRL調査票の最新版をご利用ください。

http://www.env.go.jp/earth/ondanka/biz_local/02_a01_3/R2_gancnf.html

連絡先

環境省地球環境局地球温暖化対策課地球温暖化対策事業室

  • 代表03-5521-8339
  • 直通03-3581-3351
  • 室長加藤 聖(内線 6771)
  • 室長補佐野口 淳一郎(内線 6791)
  • 担当根本 俊文(内線 6795)