令和2年1月24日
地球環境

2019年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の採択案件の決定について

本日1月24日、2019年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の採択案件として10件を選定しました。これまでに採択した案件を含めた2030年までの累積温室効果ガス(GHG)削減量は、約1,400万トンを見込んでおります。
今後も、優れた低炭素技術等による世界全体の温室効果ガスの排出削減を実現するため、二国間クレジット制度をより一層推進していきます。

1.事業内容

 本事業は、優れた低炭素技術等を活用し、途上国におけるGHG排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行っていただく事業に対して、初期投資費用の1/2を上限として補助を行います。

 開発途上国における温室効果ガスの削減とともに、二国間クレジット制度(JCM)を通じて我が国の温室効果ガス排出削減目標の達成に資することを目的としています。また、平成30年6月に策定した海外展開戦略(環境)に基づき、先進的な低炭素技術等を普及・展開し、インフラの海外展開の促進を目指します。

2.採択した案件の概要

 「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の執行団体である(公財)地球環境センター(GEC)が2019年(平成31年)4月5日(金)~(令和元年)11月29日(金)まで日本の民間企業等を対象に公募を行いました。

 このたび、書面審査、ヒアリングによる二次審査及びその結果を踏まえた採否審査を実施し、下記のとおり10件を選定しました。

 今後、交付決定の手続等を進め、JCMの実施に向けて、事業を進めていきます。

<採択案件の概要①>
パートナー国 エチオピア
案件名 オロミア州メテハラ地域における120MW太陽光発電プロジェクト
想定GHG削減量 30,007 tCO2/
代表事業者 シャープエネルギーソリューション株式会社
<採択案件の概要②>
パートナー国 ベトナム
案件名 アンザン省における49MW太陽光発電プロジェクト
想定GHG削減量 24,021 tCO2/
代表事業者 株式会社兼松KGK
<採択案件の概要③>
パートナー国 ベトナム
案件名 病院へのターボ冷凍機の導入
想定GHG削減量 270 tCO2/
代表事業者 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
<採択案件の概要④>
パートナー国 インドネシア
案件名 ブンクル州における10MW小水力発電プロジェクト
想定GHG削減量 35,950 tCO2/
代表事業者 富士・フォイトハイドロ株式会社

<採択案件の概要⑤>

パートナー国 インドネシア
案件名 西スマトラ州における6MW小水力発電プロジェクト
想定GHG削減量 17,242 tCO2/
代表事業者 富士・フォイトハイドロ株式会社
<採択案件の概要⑥>
パートナー国 カンボジア
案件名 カンダール州におけるバイオマス・太陽光ハイブリッド発電プロジェクト
想定GHG削減量 1,881 tCO2/
代表事業者 WWB株式会社
<採択案件の概要⑦>
パートナー国 カンボジア
案件名 インターナショナルスクールへの1.1MW太陽光発電システムの導入
想定GHG削減量 503 tCO2/
代表事業者 アジアゲートウェイ株式会社
<採択案件の概要⑧>
パートナー国 チリ
案件名 ニュブレ州チジャン市における3MW太陽光発電プロジェクト
想定GHG削減量 1,899 tCO2/
代表事業者 ファームランド株式会社
<採択案件の概要⑨>
パートナー国 タイ
案件名 製糖工場への15MWバイオマス発電システムの導入
想定GHG削減量 11,999 tCO2/
代表事業者 株式会社グローバルエンジニアリング
<採択案件の概要⑩>
パートナー国 フィリピン
案件名 ミンダナオ島カラガ地域における33MW風力発電プロジェクト
想定GHG削減量 35,350 tCO2/
代表事業者 株式会社長大

【参考1:二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)の概要】

 JCMは、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価するとともに、日本の削減目標の達成に活用するものです。

 JCMのパートナー国は、モンゴル、バングラデシュ、エチオピア、ケニア、モルディブ、ベトナム、ラオス、インドネシア、コスタリカ、パラオ、カンボジア、メキシコ、サウジアラビア、チリ、ミャンマー、タイおよびフィリピンの17か国です。

 JCMによって、毎年度の予算の範囲内で行う日本政府の事業により、2030年度までの累積で5,000万から1億t-CO2の国際的な排出削減・吸収量を見込んでいます。

(参考サイト https://www.carbon-markets.go.jp/jcm/index.html

【参考2:海外展開戦略(環境)の策定(平成30年6月7日)】
 我が国の幅広い技術・経験を活かし、各国の様々なニーズを踏まえ、インフラや人材づくりの面から各国のエネルギー転換を支援。特に、欧米・中国企業等が事業組成力や価格競争力を武器に各国で再エネ・省エネ事業を拡大する中、我が国として再エネ・水素・省エネ等の低炭素型のインフラ技術を核に、世界をリードできる強力な官民の連携体制を構築して対抗することが重要。

 その際、二国間クレジット制度(JCM)等を活用して、我が国の先進的な低炭素技術を普及・展開し、災害に強い再生可能エネルギーなど、我が国が比較優位を有するインフラの海外展開を促進。
(参考サイト http://www.env.go.jp/press/105573.html



添付資料

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