令和元年12月25日
自然環境

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」に対する意見募集(パブリックコメント)について(国内希少野生動植物種の指定等)

環境省では、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」に基づいて、絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種*1」に指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。
今般、国内希少野生動植物種(63種。特定第一種国内希少野生動植物種*2 16種及び特定第二種国内希少野生動植物種*3 3種を含む)の指定等を行うため、「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行令の一部を改正する政令(案)」を取りまとめました。
本政令案による改正内容について、国民の皆様から広く御意見をお聞きするため、本日から令和2年1月8日(水)までの間、郵送、ファックス及び電子メールにより、御意見を募集いたします。

*1)国内希少野生動植物種:我が国に生息・生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種であって、政令で定めるもの。捕獲・採取、譲渡し等が原則禁止となる。現在ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコ等293種の動植物を指定。
*2)特定第一種国内希少野生動植物種:国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることができる等、一定の条件を満たすもの。現在、ハナシノブ、キタダケソウ等42種の植物が指定されている。
*3)特定第二種国内希少野生動植物種:「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律(平成29年法律第51号)」において新たに創設。国内希少野生動植物種のうち、個体の数が著しく少ないものでない等、一定の条件を満たすもの。現在未指定。

1.改正内容(概要)

1-1.国内希少野生動植物種の指定

 環境省では、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成4年法律第75号。以下「法」という。)に基づき、我が国において絶滅のおそれのある野生動植物種を「国内希少野生動植物種」として法施行令に基づき指定し、個体の捕獲、譲渡し等を原則禁止するとともに、必要に応じ生息地等保護区の指定や保護増殖事業を実施することにより、種の保存を図っています。

 この国内希少野生動植物種の指定は、環境省が実施する生息状況調査によりその指定に必要な生息情報が把握できた種のうち、指定要件(※)を満たすものについて行っています。

 今般、表1及び表2に示した63種について、新たに国内希少野生動植物種として政令により指定することとします。

1-2.特定第一種国内希少野生動植物種の指定

 国内希少野生動植物種のうち、繁殖技術が確立されており、その流通を認めたとしても種の保存に影響を及ぼさないと認められるものについては、特定第一種国内希少野生動植物種として、事前に届出を行った事業者による商業的取引を認めています。

 1-1で指定する63種のうち、表2の「特定第一種」欄に示した16種については、特定第一種国内希少野生動植物種の指定要件(※)を満たすため、今般、この特定第一種国内希少野生動植物種に指定することとします。

 また、今回指定される特定第一種国内希少野生動植物種の個体等の譲渡し又は引渡しの業務を伴う事業を行っている者が、法第30条に基づき義務づけられている特定国内種事業の届出を行う場合は、施行日から起算して30日を経過する日までの間に行えばよいこととする経過措置を設けます。

1-3.特定第二種国内希少野生動植物種の指定

 国内希少野生動植物種のうち、個体の数が著しく少ないものでなく、繁殖による個体の数の増加の割合が低いものでない等の条件を満たすものについては、特定第二種国内希少野生動植物種として、販売又は頒布をする目的での捕獲、譲渡し等のみを規制することができます。

 1-1で指定する63種のうち、表1の「特定第二種」欄に示した3種については、特定第二種国内希少野生動植物種の指定要件(※)を満たすため、今般、この特定第二種国内希少野生動植物種に指定することとします。

1-4.採取等の禁止の対象となる卵及び種子の追加

 1-1で指定する63種のうち、表1及び表2の「卵・種子の指定」欄に示した14種の卵又は種子については、採取等の対象となるおそれがあることから、採取等規制の対象とします。

2.意見の募集

 上記の改正内容について、広く国民の皆様の御意見を募集いたします。御意見のある方は、e-Gov(電子政府の総合窓口)(https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195190081&Mode=0)掲載の「意見募集要項」に沿って、御提出ください。皆様からの御意見は国内希少野生動植物種の指定等に当たっての参考とさせていただきます。ただし、御意見に対しての個別の回答はいたしかねますのであらかじめ御了承ください。

 新たに国内希少野生動植物種に指定する種の概要や特定第二種国内希少野生動植物種の制度概要等については、令和元年度第二回希少野生動植物種専門家科学委員会資料(http://www.env.go.jp/nature/kisho/kagaku/20191225.html)を御参照ください。

※国内希少野生動植物種、特定第一種国内希少野生動植物種及び特定第二種国内希少野生動植物種の指定要件

希少野生動植物種保存基本方針(平成30年4月17日環境省告示第38号)(抄)

第二 希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項

1 国内希少野生動植物種

(1)国内希少野生動植物種については、その本邦における生息・生育状況が、人為の影響により存続に支障を来す事情が生じていると判断される種(亜種又は変種がある種にあっては、その亜種又は変種とする。以下同じ。)で、以下のいずれかに該当するものを選定(絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七十五号。以下、第八を除き「法」という。)に基づく指定ではなく、同法に基づき指定すべき種の選定を指す。以下同じ。)する。

ア その存続に支障を来す程度に個体数が著しく少ないか、又は著しく減少しつつあり、その存続に支障を来す事情がある種

イ  全国の分布域の相当部分で生息地等が消滅しつつあることにより、その存続に支障を来す事情がある種

ウ  分布域が限定されており、かつ、生息地等の生息・生育環境の悪化により、その存続に支障を来す事情がある種

エ  分布域が限定されており、かつ、生息地等における過度の捕獲又は採取により、その存続に支障を来す事情がある種

3 特定第一種国内希少野生動植物種 

特定第一種国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種を選定する。ただし、その国内希少野生動植物種が、ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く。)又は渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種に該当する場合には、商業的に個体の繁殖をさせることが可能な種であっても、特定第一種国内希少野生動植物種には選定しない。

4 特定第二種国内希少野生動植物種

特定第二種国内希少野生動植物種については、国内希少野生動植物種のうち、次のいずれにも該当するものを選定する。

ア 第二1(1)イ又はウに該当する

イ その存続に支障をきたす程度に個体数が著しく少ないものでない

ウ 生息・生育の環境が良好に維持されていれば、繁殖による速やかな個体数の増加が見込まれる

エ ワシントン条約附属書Ⅰに掲載された種(我が国が留保している種を除く。)及び渡り鳥等保護条約に基づき、相手国から絶滅のおそれのある鳥類として通報のあった種以外の種

表1 令和元年度に指定する国内希少野生動植物種(動物)

表1

表2 令和元年度に指定する国内希少野生動植物種(植物)

表2

連絡先

環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室

  • 代表03-3581-3351
  • 直通03-5521-8353
  • 室長堀内 洋(内線 6677)
  • 室長補佐中山 直樹(内線 6685)
  • 係長杉山 昇司(内線 7474)
  • 担当田中里奈(内線 6687)