平成30年度先進的環境ビジネスの動向と成功の秘訣~AI・IoTビジネス~
調査結果より、特に「水ビジネス」「省エネ・VPP」「長寿命化」「シェアリング」「持続可能な農林水産業」といった業種において、ICTやロボット技術が環境ビジネスに資することが分かりました。
1.環境産業の定義
OECDやEurostat等による環境産業の定義・考え方を基に、環境産業は、「供給する製品・サービスが、環境保護(Environmental protection)及び資源管理(Resource management)に、直接的又は間接的に寄与し、持続可能な社会の実現に貢献する産業」と定義することとしています。
具体的には、「環境汚染防止」、「地球温暖化対策」、「廃棄物処理・資源有効利用」、「自然環境保全」の4つの分野に分けております。
※「平成30年度環境産業の市場規模推計等委託業務」の検討会にて定義したもの
2.調査対象企業及び調査内容について
平成30年度は、環境ビジネスを展開する企業のうち、「IoTやAIを始めとしたICTやロボット技術を活用した環境ビジネスを展開する企業」26社に取材を行い、「効果や課題」、「成功要因」等について検討を行いました。
3.ICT×環境ビジネスのポイント(詳細は別添資料に記載)
(1)主な課題と成功要因
【課題①】複雑な規制や成熟産業ならではの商習慣が存在する環境ビジネスに関わるICTサービス開発には、
業界知見・ノウハウが特に重要。
【成功要因①】業界知見獲得のための協業やM&A、人材獲得を実施.。あるいは、自らバリューチェーンの
川下事業を手掛けることで得られる知見やノウハウを活用。
【課題②】"自然"を相手にするICTサービスであるため、パラメータが膨大でICT技術開発のハードルが
高く、データを取得できるタイミングが年1回しかない分野もある。
【成功要因②】トライ&エラーを通じ、データ分析・サービス開発速度を加速。
【課題③】元来ICT技術があまり取り入れられていなかった環境ビジネスに関わる全国の顧客に、
効率的にアプローチする体制が重要。
【成功要因③】アプローチ先はエンドユーザーではなく、インターフェースを握る企業。
(BtoBtoCモデルの活用)また、既存コミュニティやブランドの活用により、
効率的な提案活動を展開。
(2)効果
①サービスのユーザーに同時に複数の「環境負荷削減効果」を実現、温暖化適応にも貢献
②サービス提供者は3つの「経済的効果」を享受
ⅰ)困難であった新規事業の立ち上げ
ⅱ)既存事業のコスト削減
ⅲ)既存事業の売上増
③ユーザーが抱える"人材/雇用確保"や"産業振興"等の「社会課題解決」に貢献
4.研究会の設置・開催について
調査対象企業の選定及び環境ビジネスの現状分析にあたり、専門的知見も踏まえた上で検討を進めるため、平成30年度「環境成長エンジン研究会」(座長:八木裕之 横浜国立大学教授、計8名)を設置し、3回の研究会において分析・検討を行い、報告書をまとめました。
5.報告書
報告書の概要及び詳細については、別添資料をご参照ください。
6.その他
環境ビジネスに関する情報は、「環境経済情報ポータルサイト」の「環境産業情報(「環境への取組をエンジンとした経済成長に向けて」)」に掲載しています。
http://www.env.go.jp/policy/keizai_portal/B_industry/index.html
添付資料
連絡先
環境省大臣官房環境計画課環境経済政策調査室
- 代表03-3581-3351
- 直通03-5521-9265
- 室長中島 恵理(内線 6227)
- 補佐森島 健人(内線 6250)
- 担当真田 裕示(内線 6256)
関連情報
過去の報道発表資料
- 平成30年6月19日
- 環境ビジネスの動向把握・振興方策等に関する報告書の公表について