平成31年4月16日
保健対策

カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会報告書について

 環境省(庁)及び富山県では、カドミウム汚染地域住民の健康管理を推進することなどを目的として、昭和54年以降、神通川流域のカドミウム汚染地域に居住している住民を対象に「カドミウム汚染地域住民健康影響調査」(以下「住民健康調査」という。)を実施しています。
 この住民健康調査の結果は、地域住民の健康状態の把握など健康管理に役立てられているほか、医学専門家からなる「カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会」(以下単に「検討会」という。)において解析・評価を行い、これまで平成元年、14年、21年に報告書をとりまとめ、公表しています。
 今般、その後のデータの蓄積を踏まえ、平成9~26年度の調査結果等について検討会において解析・評価が行われ、報告書がとりまとめられましたのでお知らせいたします。

1.今回の検討会報告の概要

 本報告書は、平成9~26年度の住民健康調査で得られた約6,800人の検査データを中心に、近位尿細管機能の経時的変化や腎機能との関連などについて解析・評価した結果をとりまとめたものである。その結果、健康調査の対象者において、

  1. これまでの報告と同様に、汚染地域住民の近位尿細管機能(β2-MG値)は、受診時の年齢よりも出生世代と強い関連性を有し、同地域に居住する古い世代ほど、近位尿細管機能への影響が強い可能性が示されたこと
  2. 現時点で尿中β2-MGが高値で持続する群において、慢性腎臓病(CKD)に関連する疾患の発生状況を調査したところ、研究期間中の発生が少なかったため十分な評価が行えなかったが、「CKD診療ガイド2012」(日本腎臓学会編)の重症度分類における最もリスクの高いステージに該当する者が多いことが示唆され、引き続き地域住民に対する適切な健康管理、生活指導を行うことが必要であると考えられること
  3. 現時点で尿中β2-MGが低値で持続する群は、今後も大きな変化はないと予想され、腎機能が急激に悪化する可能性は低いと考えられること

などが明らかとなった。

2.今後の対応

 環境省としては、富山県の協力を得て、地域住民の健康管理及び更なるデータの収集のため、今後も住民健康調査を継続するとともに、近位尿細管障害を呈する住民に対する健康管理の必要性の周知・広報の強化や適切な保健指導を進めていくこととする。

 また、対象地域で認められる近位尿細管障害に伴う慢性腎臓病の予後や、他の原因による慢性腎臓病と比較し、どの程度心血管障害等の健康障害と関連するかについて、引き続き検討することとしたい。

 地域住民に対する健康調査とともに富山県立イタイイタイ病資料館等における教育啓発も重要と認識しており、引き続き富山県の取組に協力していく。

添付資料

連絡先

環境省大臣官房環境保健部環境保健企画管理課保健業務室

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