平成29年12月7日
地球環境

「中国の環境と開発に関する国際協力委員会」への南川秀樹元環境事務次官の委員就任について

 「中国の環境と開発に関する国際協力委員会(チャイナカウンシル、CCICED:China Council for International Cooperation on Environment and Development)」は、中国政府に対し、環境と開発の統合に関する建設的な提案をするためのハイレベルの諮問機関です。本委員会は、中国政府の首脳と先進国側の環境分野における有識者等で構成されています。
 今般、中国環境保護部から環境省にCCICED委員の推薦依頼があり、環境省は、南川秀樹元環境事務次官を推薦しました。同委員は平成29年12月9日から11日に北京にて開催されるCCICED年次総会に出席します。

1.「中国の環境と開発に関する国際協力委員会(CCICED)」の概要

  • 中国政府は、1990年10月に北京で開かれた「中国における経済発展と環境の統合に関する国際会議」を受けて、環境と経済成長の調和が必要であるという認識に立ち、環境と開発に関する中国と国際社会の協力促進を目的として、同委員会を1992年に設立。
  • CCICEDは、中国政府に対し、環境と開発の統合に関する建設的な提案をすることを目的とするハイレベルの諮問機関であり、中国政府の首脳と先進国側の環境分野における有識者等で構成されている。
  • 張高麗国務院副総理が本委員会の主席を務め、李幹傑環境保護部長及びカナダのキャサリン・マッケナ環境・気候変動大臣が執行副主席を務めている。さらに、全国政治協商会議人口資源環境委員会の解振華副主任(中国気候変動事務特別代表)、全国政治協商会議人口資源環境委員会の周生賢副主任、国連環境計画(UNEP)のエリック・ソルハイム事務局長、国連開発計画(UNDP)のアヒム・シュタイナー総裁及びノルウェーの気候・環境省のヴィーダル・ヘルゲセン大臣が副主席を務めている。CCICEDは、そのほか約50名の委員で構成されている。

2.CCICEDへの委員推薦

  • 中国環境保護部から環境省に本委員会への委員推薦の依頼があり、環境省は、一般財団法人日本環境衛生センターの理事長である南川秀樹元環境事務次官を推薦した。南川氏は、今年のCCICED年次総会から出席する予定である。

3.CCICED年次総会

開催日:平成29年12月9(土)~11日(月)

開催場所:中国・北京 釣魚臺国賓館

  • 今年の年次総会は、「生態文明の実行:新時代のための共通の緑色未来(Ecological Civilization in Action: A Common Green Future for a New Era)」のテーマの下、CCICEDの第6フェーズ(2017年~2021年)憲章について合意し、「中国の緑色転換に関する展望タスクフォース2020-2050(Task Force on Green Transition Outlook 2020-2050)」について議論を行い、中国政府に提出される政策提言を策定する予定である。本会合には、中国国内及び海外から260人以上の委員、特別顧問及びオブザーバーが参加する見込みである。

4.本会議の議論の結果については、後日CCICEDのウェブサイトに掲載される。

CCICED年次総会公式ウェブサイト(英語): 

http://www.cciced.net/cciceden/Events/AGM/

5.今後の方向性

  • CCICEDは、日本及び中国の間の環境協力をさらに推進させる観点から重要な機関であり、環境省は、本委員会への委員推薦を通じて、環境課題に関する日本の経験及び知見を共有し、中国の持続可能な開発に協力することとしている。

【参考】

南川秀樹

一般財団法人日本環境衛生センター理事長、東京経済大学客員教授。1974年に環境庁に入庁し、自然環境局長、地球環境局長、大臣官房長、地球環境審議官を経て、2011年1月から2013年7月まで環境事務次官を務め、2013年に退官。主な著書に『日本環境問題 改善と経験』(2017年、社会科学文献出版社、中国語)等。

連絡先
環境省地球環境局国際連携課国際協力室
代表 03-3581-3351
直通 03-5521-8248
室長 杉本 留三(内線6765)
補佐 永長 大典(内線6764)
主査 有馬 牧子(内線6766)