平成20年10月28日
大気環境

平成19年度特定特殊自動車の使用燃料の抜取調査結果について

 環境省では、適切な燃料の使用の普及啓発等に資することを目的に、平成18年度より特定特殊自動車の使用燃料の抜取調査を実施しています。この度、平成19年度の実施結果がまとまりましたので報告します。
 硫黄分の質量比が10ppmを超えるサンプルが約29%を占める結果となりました。(50ppmを超えるサンプルは約16%

1.調査目的

 特定特殊自動車(公道を走行しない作業用自動車)は、メーカー指定の燃料以外の燃料が使用される場合があると言われています。そのため、使用燃料の実態を把握し、メーカーが指定する適切な燃料の使用に関する普及啓発等の対策に資することを目的に、平成18年度より使用燃料の抜取調査を実施しています。

2.結果概要

 平成20年1〜3月の期間に、全国の軽油を燃料とする特定特殊自動車から、使用燃料を282サンプル採取し、硫黄分の分析をしました。分析の結果、硫黄分の質量比が10ppmを超えるサンプルが84あり、全体の約29%(50ppmを超えるサンプルは47あり、全体の約16%)を占める結果(別紙参照)となりました。これらのサンプルは、軽油と比較して硫黄分の質量比が高い重油等を混合したメーカー指定の燃料以外の燃料を含むと推定されます。
 なお、平成18年度調査結果と比べると、硫黄分の質量比が10ppmを超えるサンプルが全体の約35%から29%に(50ppmを超えるサンプルが全体の約21%から16%に)減少しており、メーカー指定の適切な燃料の使用に改善傾向が見られます。

3.評価と今後の対応

 特定特殊自動車でメーカー指定の燃料以外の燃料を使用することは、法令違反(※1)ではありませんが、排出ガスの性状の悪化などをもたらすことから望ましいことではなく改善する必要があります。
 今回の調査で昨年度の調査結果から改善傾向が見られましたが、今後もさらなる適切な燃料の使用に関する普及啓発等を進めるとともに、補足調査を行い使用燃料の実態の把握に努めて行きます。
 また、特定特殊自動車の使用者がオフロード法(※2)の抑制指針(※3)に基づき、特定特殊自動車の特性を理解し、正しく使用することで、排出ガスの排出の抑制を確実なものとするため、関係機関と協力して抑制指針の周知とそれに基づく特定特殊自動車の使用を推進します。

※1
 自治体が条例により、使用する燃料を規制している場合があります。
※2
 「特定特殊自動車排出ガスの規制等に関する法律」(法律第51号 平成17年5月25日)
※3
 「建設業に係る特定特殊自動車排出ガスの排出の抑制を図るための指針」(国土交通省告示第1152号 平成18年9月28日)

添付資料

連絡先
環境省水・大気環境局自動車環境対策課
代表:03 - 3581 - 3351
直通:03 - 5521 - 8301
課長:内藤 克彦(内6520)
課長補佐:山口 崇(内6525)

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