報道発表資料

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2008年09月13日
  • 自然環境

第16回アジア太平洋環境会議(エコアジア2008)の結果について

 環境省は、平成20年9月13日(土)に、愛知県名古屋市において「第16回アジア太平洋環境会議(エコアジア2008)」を開催しました。我が国から斉藤環境大臣が議長として、またアジア太平洋地域11か国(日本を含む)及び国際機関(合計16機関)の代表等が出席しました。
 会議においては、「生物多様性」をメインテーマとし、「生物多様性-2010年への道程」及び「生物多様性のための具体的な取組」に関して、アジア太平洋地域がとるべきスタンス、協力のあり方等について活発な議論が行われ、「生物多様性国家戦略の重要性」、「SATOYAMAイニシアティブの推進」、「生物多様性に対する認識の社会における主流化」などが、議長サマリーとして取りまとめられました。

1.日程

平成20年9月13日(土)

2.場所

愛知県名古屋市(名古屋国際会議場)

3.出席者

  • 議長 斉藤鉄夫 日本国環境大臣
  • アジア太平洋地域(日本を含む)11か国の代表者
  • 国連環境計画(UNEP)、生物多様性条約事務局等の国際機関16機関の代表者
  • このほか、ファシリテーターとして、エミル・サリム インドネシア大統領顧問、岩槻邦男 東京大学名誉教授が参加

※主な参加者は別紙1のとおり

4.討議のテーマ

2回の討議セッションを設け、セッションごとに以下のテーマのもとに議論が行われた。

●セッション1(午前):生物多様性-2010年への道程
リードスピーチ:
アーメッド・ジョグラフCBD事務局長
黒田大三郎環境省自然環境局長
ジェフリー・マクニーリーIUCN主席研究員
●セッション2(午後):生物多様性のための具体的な取組
リードスピーチ:
ザクリ国連大学高等研究所所長
山田雅雄名古屋市副市長
稲垣隆司愛知県副知事
ヨーゲン・トムセンCEPF事務局長
ダバードルジン・デルゲルソット
モンゴル国自然環境省副大臣
チョイハンド・ヤンチブラムダン
モンゴル国自然環境省国際協力局課長
コロワ・ポケヤ
パプア・ニューギニア国環境省大臣補佐官

5.成果

 議論の概要は以下のとおり。なお、議論の成果は議長サマリーにとりまとめられた。(別紙2:議長サマリー(英文)、別紙3:議長サマリー(日本語仮訳))

  • アジア・太平洋地域では、生物多様性の喪失は依然として進行していることから、当地域の各国及び国際機関が協力してこの危機を克服し、生物多様性の保全と持続可能な利用を進め、2010年目標を達成することが急務であり、その点においても、本年5月のG8環境大臣会合で合意された「生物多様性のための行動の呼びかけ」が支持され、その効果的実施のための協力の推進が強調された。
  • 生物多様性条約の3つの目的の実施のために、生物多様性国家戦略の策定及び改定と、具体的な実施が重要との認識で一致した。
  • 生物多様性と気候変動問題を関連付けて取り組むことの重要性が強調されるとともに、開発計画への組み込みや、貧困削減などの政策との関連付けの必要性も指摘された。
  • 科学的な基盤の充実が必要であり、国際的なモニタリング・ネットワークの強化などの協力の必要性が強調された。
  • 日本政府が提案した「SATOYAMAイニシアティブ」については、農林業生産と密接に結びついた、水田や二次林などの人手の加わった二次的自然環境における生物多様性の保全と持続可能な利用を推進するものであり、自然との共生を実現していくうえでのアジアのモデルとなりうるものであると、多くの参加者から支持を集め、その国際的な推進が重要との認識で一致した。
  • アジア太平洋地域においては、自然の法則から学び、これと共に歩む、生物多様性保全と持続可能な利用のためのアジアモデルの構築と発信が可能であり、このための国際協力が必要との認識が共有された。
  • 生物多様性に対する認識は未だ十分ではなく、社会における主流化が大きな課題。2010年が国際生物多様性年となったことを受け、COP10に向けてあらゆる主体の関心を高めるための様々な活動を進めることの重要性について一致した。
 

6.2国間会談等

 会議期間中に斉藤大臣は、パラオの環境大臣と会談を行い、サンゴ礁の保全等、環境分野での両国間の協力の強化について、意見交換を行った。
 また、生物多様性条約事務局長を交え、生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会との懇談を行い、2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催に向けた準備等について意見交換を行った。

7.その他

 環境省、愛知県、名古屋市が、エコアジア2008を機会にカウントダウン2010に署名すべく、IUCN主席研究員のマクニーリー氏を招いて署名式を開催し、別紙4の内容で署名した。

カウントダウン2010とは・・・

 「2010年までに生物多様性の減少速度を顕著に減少させる」という2010年目標の達成に向けた取り組みのひとつ。国や地方自治体、企業、NGOなど様々な主体が、参加者共通の行動である「2010年宣言」と2010年目標達成のための各参加者独自の行動を約束して、署名します。

添付資料

連絡先
環境省自然環境局自然環境計画課(生物多様性地球戦略企画室)
電話:ウェスティン・ナゴヤ・
キャッスル 環境省事務局 052-528-1783
課長:渡邉 綱男(090-1620-9127)
室長:徳丸 久衛(090-1620-9866)
担当:鈴木 憲一(090-1621-7354)
担当:喜多さやか(090-1620-9997)

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