平成20年9月9日
地球環境

自主参加型国内排出量取引制度(2006年度)の排出削減実績と取引結果について(お知らせ)

 我が国においては、本年6月に公表された「『低炭素社会・日本』をめざして」において、「今年の秋から、排出量取引の国内統合市場の試行的実施を開始する」とされたところですが、環境省では、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、自主参加型の国内排出量取引制度を2005年度から開始しています。これまでのところ、延べ222の事業者が目標保有参加者として排出削減に取り組んでいます。今回、2006年度開始分の本制度が、本年8月末で終了したことから、 CO2の排出削減量の実績と排出量取引の結果をお知らせ致します。なお、2007年度開始分と2008年度開始分については引き続き制度運用を行っています。

1.自主参加型国内排出量取引制度とは

(1)制度の概要(別添1参照)

  • 自主参加型国内排出量取引制度は、温室効果ガスの費用効率的かつ確実な削減と、国内排出量取引制度に関する知見・経験の蓄積を目的として、2005年度から開始したものです。
  • 温室効果ガスの排出削減に自主的・積極的に取り組もうとする事業者に対し、一定量の排出削減約束と引換えに、省エネルギー等によるCO2排出抑制設備の整備に対する補助金を交付することにより支援します。
  • 排出削減約束達成のために排出枠の取引という柔軟性措置の活用も可能とします。
制度の詳細については、自主参加型国内排出量取引制度のホームページ(http://www.et.chikyukankyo.com/)または「自主参加型国内排出量取引制度第2期実施ルール」(http://www.et.chikyukankyo.com/download/)を御参照ください。

(2)参加事業者の概要

  • 自主参加型国内排出量取引制度(2006年度)には、以下の参加者が参加しております。
  • [1]目標保有参加者61社(別添2参照)※
    一定量の排出削減を約束し、CO2排出抑制設備の整備に対する補助金と排出枠の交付を受ける。
    (※ここでいう目標保有参加者とは、第2期目標保有参加者58社と第3期目標保有参加者タイプC 3社を合計したものです。
  • [2]取引参加者12社(別添3参照)
    排出枠の取引のみを行うことを目的とした参加者。補助金及び排出枠の初期交付はなされない。
 

2.基準年度排出量と排出削減量の実績について

(1)対象工場・事業場の基準年度排出量

  • 本制度は、全社単位ではなく、対象となる工場・事業場を特定し、対象工場・事業場からの排出量全体を算定・検証するルールとしています。
  • 基準年度排出量とは、本制度への参加時期(2006年)からみて過去3年(2003〜2005年度)の排出量の平均値のことです。
  • 検証機関による第三者検証を経た結果、目標保有参加者61社の基準年度排出量の合計は、
    1,122,593t‐CO2でした。

(2)排出削減実施年度(2007年度)における排出削減量の実績

  • 目標保有参加者61社がCO2の排出削減に取り組んだ結果、2007年度の1年間で
    280,192t‐CO2のCO2が削減されました。
    これは、対象工場・事業場の基準年度排出量(上記(1)参照)の25%に相当します。
  • 本制度開始時点で目標保有参加者が約束した排出削減予測量の合計は、217,167t‐CO2(基準年度排出量の19%)でしたが、その削減予測量をさらに6%上回る削減実績となりました。

(3)排出削減の目標達成結果

  • 目標保有参加者61社は、排出削減に取り組むとともに、目標達成に不足する差分がある場合には、排出量取引を活用し、すべての参加者が制度参加時点で約束された削減目標を達成しました。

3.排出量取引の結果について

(1)取引期間

  • 参加事業者は、2007年4月から2008年8月29日までを取引期間として、必要に応じて排出枠の過不足分を取引する排出量取引を実施しました。

(2)取引データ

  • 取引件数の合計…51件
  • 取引量の合計…54,643 t‐CO2
  • 平均取引単価…概ね1,250円 /t‐CO2

添付資料

連絡先
環境省地球環境局地球温暖化対策課市場メカニズム室
直通:03-5521-8354
代表:03-3581-3351
室長:高橋 康夫(6737)
補佐:二宮 康司(6757)
担当:岸本 拓之(6781)