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「未来のためのエコライフ5つの提案」

        ―「自分一人がやっても意味がない?」―

 

1998年7月13日 

中央環境審議会企画政策部会長 

森嶌 昭夫  

 

 中央環境審議会では、毎年、環境基本計画の進捗状況の点検を行っております。

 第3回目にあたる今回の点検では、各省庁が環境保全のために連携し一体となって施策を進めていくための取組体制を格段に強化するとともに、現在の経済社会のあり方そのものにまで踏み込んだ見直しを行っていくことが必要だということを強く指摘しました。

 近年の環境問題は国民の一人一人の日常的な行動と密接に関わっており、これらの問題の解決は、国民の皆様のライフスタイルを転換することなしに行うことは不可能です。

 そのためには、先ず自らの生活行動と環境の関わり合いを知ること、そしてどうしたら少しでも環境に与える負荷を減らすことができるか考えること、日常生活の中で少しずつでもよいから環境に配慮した暮らし方を身につけ実践していくこと、が必要です。

 「自分一人がやっても意味がない」という考え方こそが環境問題の解決を遠ざける

一番の原因です。このままでは、次の世代に負の遺産を残すことになります。たとえ、毎年わずかずつでも経済社会の舵取りを望ましい方向に変えていけば、私たちの子孫の時代には、我が国の進路は大きく変わっているでしょう。

 さあ、一人一人が望ましい環境を目指して船の運航に参加しましょう。

 

 中央環境審議会は、国民の皆様に、21世紀に向けたエコライフ5つの提案を行います。

 

 

 

  1 知りましょう、生活からの環境負荷

  ものやエネルギーを消費すること、ごみや生活排水を出すことなど日常生活による環境への影響等について、消費者講座や新聞・雑誌等の生活情報などから情報を入手し、正しい認識を持ちましょう。

 

  2 考えましょう、むだをはぶいてシンプルライフ

 シンプルライフは、「車のアイドリングを控える」、「使っていない電気を消す」「必要以上に冷暖房をしない」、「むだに水を使わない」などの身近なところから始めましょう。

 

  3 進めましょう、有効利用とリサイクル

 「ごみの量を減らす」、「ごみの分別をきちんとする」、「買い物袋を持参する」「再生紙などのリサイクル商品を使う」「使い捨て製品の購入を控える」などの具体的な取組を進めましょう。

 

  4 築きましょう、自然と人の豊かな関係

 「ハイキング、森林浴に出かける」、「自然を観察したり、知るための活動に参加する」、「緑を育て、守る」、「身近な自然に目を向け、大切にする」などにより、自然とふれあい、自然を知り、自然を大切にするよう心がけましょう。

 

  5 持ちましょう、一人一人が自覚と責任

 私たちの行動を少し変えるだけで環境への負荷を大幅に減らすことができます。

 私たち一人一人が自覚と責任を持ち、常に環境に配慮し行動しましょう。