今日、通常の事業活動に起因する環境への負荷が増大している中にあって、経済活動の大きな部分を占める事業者の取組が極めて重要です。様々な事業活動に際して、公害防止のための取組はもとより、資源・エネルギーの効率的利用や廃棄物の削減、生産工程や流通過程からの環境負荷の削減など、製品やサービスのライフサイクル全体を見渡した取組を自主的積極的に進めることが必要です。
特に、事業者は、環境保全のための新たな技術の開発や、環境に配慮した製品設計の実施、製品の流通方式における工夫などにより、消費や廃棄の段階における環境負荷の低減にも寄与しうる立場にあり、そのような面において、その能力をいかした積極的な取組を行うことが必要です。
また、環境保全に資する製品やサービスを提供するエコビジネスは、各主体の環境保全のための取組の基盤の整備に資するものとして、環境への負荷の少ない持続可能な社会の形成に重要な役割を担うものであり、積極的な展開が期待されます。
さらに、事業者の行動への環境配慮の織り込みをより普遍的なものにしていくため、事業者が環境管理システムなどの適切な環境管理のための仕組みを導入して環境に配慮した事業活動を行うことが期待されます。また、その成果が、環境会計、環境パフォーマンス評価、ライフサイクル・アセスメント(LCA)などを活用して適切に評価され、環境報告書や環境ラベルなどによって適切に情報開示されることにより、消費者や投資家などの環境配慮型の行動と呼応して環境配慮型の行動が拡大、助長されていく社会的なサイクルが形成されていくことが期待されます。
このような個別的な事業者の取組に加え、事業者が集団的に環境保全のための取組を行う事例が増加しており、そのような取組の拡大が社会全体の環境保全の取組の目標設定に寄与していくことが期待されます。