総合環境政策

環境省環境配慮の方針

I はじめに

 環境省では、自らの行動への環境配慮の織り込みを推進するに当たり、自主的に環境配慮の方針を明らかにすることとした「環境基本計画-環境の世紀への道しるべ-」(平成12年12月22日閣議決定。以下「第二次環境基本計画」という。)に基づき、平成14年11月に環境基本計画の実行計画となる自らの「環境配慮の方針」を策定し、達成目標を含めた具体的取組とその推進体制の枠組みを定め、環境配慮の取組を推進してきました。

 平成18年4月に閣議決定された「環境基本計画-環境から拓く 新たなゆたかさへの道-」(以下「第三次環境基本計画」という。)では、第二次環境基本計画から一歩進めて、各主体における自らの行動への環境配慮の織り込みについて最大限努めるものとするとともに、特に、関係府省については、環境基本計画を踏まえながら、オフィス、会議、イベント等における物品・エネルギーの使用といった通常の経済活動の主体としての活動分野と、各般の制度の立案等を含む環境に影響を与え得る政策分野の両面において、それぞれの定める環境配慮の方針に基づき環境配慮を推進することとし、取組の一層の充実が示されました。

 平成24年4月に閣議決定された「第四次環境基本計画」においても、第三次環境基本計画と同様、経済活動の主体としての活動分野と環境に影響を与え得る政策分野の両面において、環境配慮を推進することとされました。

 さらに、平成30年4月に閣議決定された「第五次環境基本計画」では、新たに「地域循環共生圏」の概念が提唱され、環境・経済・社会の統合的向上という方向性を政府内外で共有し、全ての主体が協力して、この具現化に向 けて行動していくことが示されました。

 以上を踏まえ、環境省では、引き続き「環境省環境配慮の方針」に基づき、環境配慮の取組を推進していきます。

 また、この取組に関する情報開示を進めることで、国民に対する行政の透明性と説明責任を徹底するとともに、全ての主体が自らの環境保全活動を進めることを触発するよう配慮します。

II 環境省環境配慮の方針の理念

 環境基本計画は、環境基本法(平成5年法律第91号)に掲げられた環境政策の基本理念を具体化していくための戦略を明らかにしたものです。環境保全に一元的な責任を持つ中央行政機関である環境省は、「環境省環境配慮の方針」によって同計画の着実な推進を図り、各主体の参画も得ながら「簡素」で「質」の高い活力ある持続可能な社会の実現を目指します。

 環境省においては、経済活動の主体としての活動を環境に配慮したものとするため、「環境省環境マネジメントシステム」を構築し、目標設定と実施状況の点検を行っているところであり、また、政策の企画立案と実施については、「環境省政策評価基本計画」(平成14年4月決定、令和3年5月改定)により、毎年、目標設定及び実施状況の評価を行っています。

 「環境省環境配慮の方針」の推進に当たっては、これらの仕組みを活用し、計画(Plan)、実施(Do)、点検(Check)、見直し(Act)を繰り返すことによって自らの継続的な改善を図る手続である環境管理システムを構築・運用します。

 このように、環境省自らの達成目標を含めた具体的取組を明らかにし、これを適切に進行管理することで、組織としての取組の効果的な実施を進めるとともに、職員一人ひとりの自覚と意識向上を促し、環境保全施策の効率的・効果的な推進を図ります。

III 環境配慮の基本的な方針

 環境省の活動を以下のような3つの類型に区分し、そのそれぞれについて基本的な方針を示します。

(1)環境保全のための政策の企画立案と実施

  環境省の任務は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全を図ることであり、これら施策の全てが環境保全を目的とするものです。

 このため、環境省は、全ての施策について、環境基本計画を踏まえた目標とその達成のために推進すべき事務事業を示した「環境省政策体系」を定めます。そして、この体系に示した施策及び事務事業の実施と、「環境省政策評価基本計画」による評価を通じ、環境基本計画の着実な推進を図ります。

 なお、年度ごとの取組については、重点施策も踏まえて進めます。

(2)公共施設整備等における環境配慮

 環境省の施策の中には、環境の保全を目的とした施策であっても、その実施に当たり環境に負荷を与える可能性がある施策があります。このような場合には、環境への負荷をできるだけ最小限にとどめるための配慮を行います。

  このうち、自然公園等の施設の計画・設計に当たっては、「自然公園等施設技術指針」(平成25年7月制定、令和4年3月改定)に基づき環境に配慮した取組を行います。

 また、廃棄物処理施設整備に当たっては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)及びその他の関係法令・通知等の遵守により、環境への負荷をできる限り低減します。

(3)通常の経済活動の主体としての活動における環境配慮

  通常の経済活動の主体として国の占める位置は極めて大きく、国自らがその経済活動に際して環境保全に関する行動を実行することによる環境負荷の低減が大きく期待されています。また、地方公共団体や事業者、国民の自主的かつ積極的な行動を求めるためにも、国自らが率先して実行することの意義は高いと考えられます。平成12年5月には、国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号。以下「グリーン購入法」という。)が制定され、また、令和3年10月には、地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号。以下「地球温暖化対策推進法」という。)に基づく政府の実行計画が5年ぶりに改定され、経済主体としての国の活動に環境配慮を織り込んでいく取組が進められています。

 環境省としても、自ら率先して、通常の経済活動の主体としての活動について、グリーン購入法や地球温暖化対策推進法に基づく政府の実行計画の適切な実施に努めるため、「事業者としての環境省の環境方針」を定め、「環境省環境マネジメントシステム」により、目標を設定し、その取組を推進します。

IV 環境省環境配慮の方針推進システム(環境管理システム)

 本方針の進行管理のための基本的事項及び体制については、「環境省環境配慮の方針推進システム設置要綱」において定めます。このうち、上記Ⅲ(1)及び(2)の進行管理については「環境省政策評価基本計画」、(3)の進行管理については「環境省環境マネジメントシステム」において行うこととします。本方針の実施状況については、自律的な仕組みである環境省環境配慮の方針推進システム(以下「推進システム」という。)の趣旨を踏まえ、毎年個別の進行管理の中で評価を行うことにより、自己点検を実施します。自己点検の結果や環境配慮の方針に関わる事項については、環境省の取組の透明性及び説明責任の確保を図るため、個別の進行管理の仕組み及び推進システムにおいて広く国民に公表します。さらに、本方針及びその推進システムの継続的改善を図るため、毎年の自己点検結果や中央環境審議会の意見等を踏まえ、取組の改善措置を講じるとともに本方針及び推進システムの見直しを行います。

 

                                     平成14年11月25日制定

                                     平成29年 4月17日改正

                                     平成31年 4月 1日改正

                                      令和5年 4月 5日改正

                                           環 境 大 臣