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第1回グッドライフアワード グッドライフ特別賞

ユニー株式会社

世界をお買いものでハッピーに!
〜Re DESIGN PROJECT〜

株式会社ユニーが開催している『Re DESIGN PROJECT(リ・デザイン プロジェクト)』は、第1回グッドライフアワードのグッドライフ特別賞を受賞しました。2014年9月12日。ユニーが展開する『リーフウォーク稲沢』というショッピングコートを舞台に、今年のデザイン入賞者発表会が開かれたので、レポート取材に行ってきました!


入賞作品を作ったデザイン学校の学生さんたち。
企業と学生、障がい者の作業所が連携して幸せなグッズを作る!
活動のきっかけは?
デッドストックの繊維資材を活用したい!

ユニー株式会社は『アピタ』や『ピアゴ』など全国チェーンで展開する総合小売業の会社です。『Re DESIGN PROJECT』が始まったのは、2009年のことでした。ユニーの本社がある愛知県の尾張地方は昔から繊維業が盛んな土地柄で、ユニーも繊維業界に多くの取引先がありました。

ところが、繊維会社の倉庫には、規格外で引き取り手がなくなってしまったようなデッドストックの布地がたくさん眠っていました。売れる見込みがなければ捨てるしかありません。見かねたユニーの担当者が繊維業の企業ご担当者と話すうち「デザイン学校の学生にデッドストックを使った商品をデザインしてもらおう」というアイデアが生まれたのです。

稲沢市は名古屋市に隣接しています。名古屋を中心に服飾関連のデザイン学校が多くあったことも、このアイデアが誕生したきっかけのひとつといえるでしょう。


材料はデッドストックの繊維素材。
どんな取り組みを?
商品化を実現してますます発展中!

プロジェクトが始まって3年目からは、学生たちがデザインしたアイデアを商品化して、実際にユニーの店舗で販売しようというプランが実現しました。商品化するアイデアは、百戦錬磨のユニーのバイヤーさんが吟味します。また、集めたデッドストックの布地を使って商品を作るのは、障がい者の方々が働く作業所に声をかけました。

資源の無駄になってしまうデッドストックを活用し、デザイン学校の学生たちがデザインして、障がい者作業所で商品を作るというプロジェクトの流れが確立されたのです。

2014年、6回目となったプロジェクトには、素材提供などの28社の企業や団体が参加。7つのデザイン学校から293名の学生たちが応募しました。生産は4カ所の障がい者支援施設で行うことになっています。それぞれ、昨年と比べても参加企業や団体、人数がますます増えて、プロジェクトはどんどん盛り上がっています。

ちなみに、今年の「ユニー大賞」を受賞したのは、長野県長野市にある岡学園トータルデザインアカデミーの竹内杏里さんが作った『三つ編みgirl』という作品でした。この作品は実際に商品化も決定し、バイヤーの意見で持ち手部分を強度のある素材に変えるなどした試作品が、会場に展示されていました。


大賞受賞者とユニー社長、障がい者作業所の
みなさんで記念写真!

ユニー大賞を受賞した竹内杏里さんの
『三つ編みgirl』。

会場では約一週間、入賞作品が展示されました。
成功のポイントは?
チャリティではなく、魅力的なアイテムを!

商品化されたアイテムは、クリスマスの時期に全国各地の8店舗で販売されます。値段はアイテムによって異なりますが、おおむね500〜1000円程度とお手頃です。素材の布地は参加企業が無料で提供してくれているからこその価格ともいえるでしょう。

ただし「学生がデザインして障がい者が生産し、安価に販売するからといって、ただのチャリティにしてしまうつもりはありません。商品を手に取ったお客様が本当に素敵だなと思えるような、魅力的なアイテムを生み出していきたいですね」(ユニーグループ・ホールディングス株式会社グループ環境社会貢献部部長 百瀬則子さん)というように、ユニー関係者のみなさんはこのプロジェクトに本気で取り組んでいます。

デザインを募集する前には、グループ環境社会貢献部担当者の土井万寿美さんらが中心となり、企業から提供された布地をもって参加するデザイン学校を巡り、学生さんたちへの説明会を開くそうです。

会場で入賞者発表会の運営に当たっていた担当者の土井万寿美さんは「きちんと説明会を開いて過去の入賞作品なども示して説明することもあるからでしょうか、応募してくれる学生さんたちのレベルも年々あがってきている印象です。デザイン画やアイデアだけのコンテストではなく、学生さんたちが手作りの実物を応募してくれるのも、このプロジェクトの楽しいところですね」と笑顔で話してくださいました。


環境社会貢献部の百瀬則子部長と土井万寿美さん。

説明会の様子
レポート
参加企業のご担当者も楽しそうでした!

 入賞者発表会には、素材を提供した参加企業のご担当者も集まって、各企業賞などのプレゼンテーターを務めていました。このプロジェクトがなければ廃棄処分にするしかなかったデッドストックを活用したデザインの数々にご担当者のとても楽しそうな表情が印象的でした。 「学生のみなさんが、生地を見る目があることに驚いた」といったお褒めの言葉のほかに、デザイナーの卵である学生さんたちに「プロになって、私たちと一緒に仕事をしましょう」といった言葉の中に、関係しているみなさんがこのプロジェクトに本気で取り組んでいることが感じられました。

「将来的には、この活動をもっと大きな輪にしていきたい」(前出の百瀬さん)という思いがある一方で、企業から提供されるデッドストック素材には限りがあり、「夏にデザインコンテストを開催して、クリスマスに8店舗で販売するための商品を生産するのがスケジュール的にはギリギリでもある」ということです。地元の産業や人材を活かした現在の取り組みを、地道に続けていくことに価値があるといえるでしょう。来年以降も、もっともっと盛り上がることでしょう!


企業賞では参加企業のご担当者がプレゼンテーター!

会場には、昨年のアワードの表彰状も 飾ってありました。

入賞者発表会に集まったみなさん。
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