環境省総合環境政策超長期ビジョン検討について

第8回超長期ビジョン検討会議事録


平成19年4月17日(火)14:00〜17:00
虎ノ門パストラル新館5階「オーク」

○議事次第

1.開会

2.議事
  (一)2050年の環境・社会像と定量的分析について
  (二)今後の検討の進め方と報告のまとめ方等について
  (三)その他

3.閉会

配付資料一覧

【資料】

資料1−1
2050年の環境・社会像について
資料1−2
2050年の環境・社会像に係る定量的分析について

【参考資料】

参考資料1
超長期ビジョンの今後の検討項目と手順(案)
(平成19年3月6日付け第7回検討会において配付(資料3−4))
参考資料2
第7回超長期ビジョン検討会(平成19年3月6日開催)議事録
参考資料3
超長期ビジョン検討会名簿

出席委員

安井至座長、西岡秀三主査、明日香壽川委員、沖大幹委員、川島博之委員、柴田康行委員、花木啓祐委員、森口祐一委員、山本博一委員、湯原哲夫委員、若林敬子委員

午後2時03分 開会

○苦瀬企画官 では、局長がおくれておりますが始めさせていただきたいと思います。あと、山本先生はご連絡があり、少々の遅れで来られるということです。

○津森課長補佐 では、まずお手元の配付資料のご確認をお願いしたいと思います。
 一番頭に本日の座席表がございますが、その下に議事次第を配付させていただいております。議事次第の方に資料一覧がございますので、ご確認願います。
 資料1−1としまして「2050年の環境・社会像について」、資料1−2としまして「2050年の環境・社会像に係る定量的分析について」、そして参考資料1としまして、これは前回、第7回検討会において配付した資料でございますけれども、「超長期ビジョンの今後の検討項目と手順(案)」、参考資料2としまして、これも前回の議事録でございますが、「第7回超長期ビジョン検討会議事録」、そして参考資料3としまして「超長期ビジョン検討会名簿」となります。
 それでは安井座長、よろしくお願いいたします。

○安井座長 それでは、本日は第8回目になりますが、超長期ビジョンの検討会を始めさせていただきたいと思います。またよろしくご協力お願いしたいと思います。
 今日の議題でございますが、実を言いますと、なかなか今日は難しくて、(一)と(二)、それから、(三)のその他とございますが、議事の(一)は、2050年環境・社会像の定量的分析についてということで、具体的にどういう考え方でこれをやっていくかという話でございます。それから、(二)は、さらにもっとピンポイントで、一体何点ぐらいのモデルを計算してもらうかというような話でございまして、今日こちらで考えておりますのは、いろいろ提案をさせていただいた上で、(一)についてご議論をいただき、途中でちょっと休憩を入れさせていただいて、それで事務局側がそれこそ過労死になるかならないかといったような観点からどのぐらいできるのかというのを内部的に相談をさせていただいて、具体的にこんな対応という形で、最後にそれを提示させていただくというようなニュアンスでどうかなと私は個人的に思っております。従いまして、(一)と(二)は切り分けは極めて困難というような状況でございます。
 議題の(一)も、今までの整理から入りますので大変長い時間がかかりますが、中の説明は多分お三方で分担になるのかな──と思いますので、それは適宜よろしくお願いをしたいと思いますけれども、まず苦瀬さんから口火でよろしくお願いいたします。

○苦瀬企画官 それでは、資料の1につきましてご説明させていただきます。
 本日の議題の1つ目が、2050年の社会・環境像と定量分析についてということでございますが、前回までの流れで申しますと、前回は、今回の参考資料1、前回の番号でいうと資料3−4というのがございまして、参考資料1をごらんいただきますと、その3ページ目に目指すべき環境像を実現している2050年の社会像というものがございます。前回、余り長時間ではございませんでしたけれども、ここについて若干ご議論いただきまして、BとCの違いがよくわからないとかというようなご指摘もありましたし、それから、AとBは目指すものとして書いているのか、あるいは、世界の状況が決まって、それに応じてなのかというような、そういうことに関するご議論もございましたが、その後、事務局では座長とも相談しながら、一応軸としては、やはりこの国際的な関係、グローバルなのか、それとも自立なのかという、そういうところでの軸で分けたものを考えるということは一応しようかと。それで、社会像Cなり玉鋼というのについては、これはどういう性格のものかというのがまた議論があるので、ある意味いいところ取りのような、いいものという一つの像として3つ目を立てるのかもしれないけれども、むしろ2050を目指す途中の過程における状況に応じて適切な戦略をとっていくんだという、そういうしたたかな戦略というか心構えというか、そういう方針みたいなものだとすれば並べるものでもないのかもしれないとか、いずれにしても、割とはっきりとある軸をとって、対照的なコントラストのはっきりしたもので検討していくというのは、検討のやり方としては明確でわかりやすいのではないかということもあり、そのAとBを、前回の資料でいう社会像AとBに対応するようなものを、ちょっと言葉を若干修正したりして書き直して2つ立てたというのが、今回の資料1−1に書いてある、これからご説明するものになります。
 それで、この資料1−1、今回の資料の方にまいりまして、その1の(1)でございますけれども、ここで想定する社会像を、割と検討の最初から前回までのところでは、環境上あらねばならぬところを1つないし複数、前回の議論でいうと1個という感じだったんですけれども、それを定めたら、それを満たす社会というのが2つぐらい、AかBか、どちらでもそういう持続可能性を満たすような社会の像を描いて、それを固めた上でそれを目指すのか、それともそうじゃないかというのが、そうでもないんじゃないかという議論がだんだん出てきたかと思うんですけれども、その後の前回の検討会の中での議論も踏まえますと、必ずしも目指すものを固めたというよりは、こういう設定ではこうなるという分析をしていって、それでどういう成り立ちの社会だったらどういうふうに可能なのかというような分析をするということがいいのかなという方にしているつもりであります。
 それから、2つ目ですね。そのために今後のあり得る情勢変化の主要な要素というものに対して対照的な設定を行ったシナリオについて検討するということで、具体的にはグローバル化型と国家自立型ということです。ただし、その2つに分けていますが、後でも説明しますけれども、実は世の中の動きは対照的といったところで全部が違うというわけではないので、実際に要素を考えていきますと、大半のものは共通するけれども、かなりはっきり違うところもある。そのかなりはっきり違うところの主要な観点はグローバル化とか国家自立型ということであろうかという、そういうような設定でモデルに当てはめる的なものも考えていくということです。
 それから、(3)環境像についてですが、これは今日の後半の議論にまで影響する話でございます。前回の資料の3−4、今回参考資料の1としてつけておりますところの5番、先ほどの1つ手前の2ページ目のところですけれども、こちらをごらんいただきますと、目指すべき2050年の日本と世界の環境像ということで、(1)から(4)まで、すなわち地球温暖化、エネルギー資源問題が(1)、(2)は物質循環問題、(3)が生態系に係る問題、(4)がその他というふうに立ててございまして、それぞれで目標を完全に固めて、それぞれ、ここは案ではございますけれども、目標ラインが1個あるという形の書き方にどちらかというとなっておりますが、やはり環境目標水準というのも最低限持続可能なところはどこかというのは必要だろうというのは当初から議論してきています。ただ、それももしかすると多少大きく変わるけれども、どちらか検討してみる必要がある、あるいは成り立つかもしれないというようなところを複数考えてみるということが必要なのではないかというのを、事務局で座長と相談しまして、これは後半にまた、この後ご議論いただきますけれども、全部が全部を2つとか3つとかとは限りません。例えば温暖化だけの話じゃないですけれども、1つ目の温暖化の例をとってみれば、今は2度と言っていますけれども、何かしら厳し目の目標水準と、それから甘目の、これはちょっとだめだろうなというぐらいのやつと、あるいはその間ぐらいで、ちょっとだめかもしれないけれども、これぐらいもあるのかなみたいな中間とか、そういうような設定をしてやるという必要性があるのかなということも考えているということです。
 それから、2番にまいりまして、そういうような考えのもとに、先ほど言った、ここでの社会像の軸をもとに2つの像というと、その1つ目が、社会像のIのグローバル化志向型社会シナリオ。この社会像というのは、趣旨は前回と基本的に同じなんですが、国境の壁を低くし国際的な連携を重視して持続可能な社会づくりの対応を進めている社会。国境の壁の低いグローバル化した世界市場を活用して、世界全体の効率的で活発な経済活動の中で、世界及び我が国の持続可能性を確保しようとする道筋。我が国としては、国境を低くして、国際的な経済活動の発展の中で持続可能性を確保していこうとする。
 この考え方の背景となる世界の動向についての認識というのは、世界の動向が、国際社会におけるグローバリゼーションの潮流は今後も続くであろうし、グローバル化は今後も続き、経済合理性に基づいた競争原理で資本も自由に流動するであろう。各国は自国の得意分野に特化することで競争を行っていく。面積や地下資源のない我が国ではエネルギーや食糧の自給率を高めていくことは経済的に不利である。環境対策についてもアジア諸国や国際枠組みを十分に活用し、最も経済に効率的なフレームを構築することを目指すべきであると、こういう認識、考え方の場合ですね。それがI。
 社会像IIというのは国家自立志向型社会シナリオということで、これは概要ですけれども、世界全体の共通性・相互依存性よりも各国の独自性・自立性をより強め、それぞれの持続可能性を高めることで、世界全体としても持続可能性を確保する道筋。我が国としては、各種の物質や農林水産品について自給率を高めることに重点を置き、国内での循環の確保に努めることなどで持続可能性を確保していこうとする。
 イ、この考え方の背景となる世界の動向についての認識ですが、経済等のグローバル化の進展がある一方で、今後、資源枯渇や食糧問題が顕在化するおそれも高まる。資源・食糧を海外に大きく依存するような社会システムは極めて不安定なものとなるであろう。そのため、我が国はエネルギーや食糧の自給率を高め、世界的な価格の高騰などの非常時の状態にも耐え得るようにしていく必要がある。また、社会文化的な意味でもグローバル化と同時にそれぞれの独自性を確保することも必要である、こういう考え方でございます。
 ちょっと状況と考え方がまじっているようなところもありますけれども、それぞれの仕分けで、それぞれの状況認識に基づいて、それぞれのシナリオがあるであろうという考えでございます。
 先ほどもちょっと申しましたように、どちらかをかなりコントラストをつけたとしても、当然共通の要素はたくさんあるわけですね。一応コントラストとしてはそういうことということです。
 それから、下に説明と書いてございますけれども、先ほどもちょっと読みましたように、玉鋼というのはどうなったんだといいますと、それは、それを固定した社会像としてここで設定するというのとちょっと違うかもしれないというのと、それから、コントラストを足した分析で今やるというのとちょっと違うと、そういったようなところから今外しております。ただ、今後、じゃ、どういう経路でというようなことを考えるときには、多分これを考えなければいけないでしょうし、あるいはそれ以前に、そもそもそういう像を入れるべきだという議論がまたございましたら、ちょっとそのように考えなければいけないかもしれないと思っております。
 それから、(2)ですけれども、今、まず今日は2050年の時点の社会についてということで、この2つで定量的分析を行っていくことを考えているという提示でございますので、この後、これをモデルに落とすときには具体的にどうなるかという説明を別の者からさせていただくということになります。
 あと、(3)ですが、2050年時点での社会像の成り立ちについての検討を定性的にも、それからモデルを使った定量的な分析でもするわけですけれども、その2050年に向かう可能な道筋についての検討というのもやる必要があるでしょうから、あるいは課題にもなっておりますので、2050年に向かう途中時点について今後やりたい。それをどの時点でどのぐらいの設定を最低限すればいいかということも、今日後でご議論いただければというふうに思っております。
 この後、この資料1−1の3ページ目からが表になっておりますけれども、これは、シナリオI、IIについての社会、経済の各要素を並べて比較して、その特徴をさらに詳しく説明するようなものでして、このところは日比野さんの方から説明をしてもらおうと思います。では、お願いいたします。

○安井座長 すみません。これからまたこの説明に入っちゃってよろしいでしょうか。ご意見ではなく、何か意味不明のところがあればご質問を受けたいと思いますが、よろしいですか。ぴんとこない。

○沖検討員 すみません。ご説明を聞いてからでいいですから。

○安井座長 じゃ、日比野さん、お願いいたします。

○日比野氏 では、A4の横向きの表でご説明させていただきます。
 この表は何かといいますと、今、苦瀬さんの方からご説明いただいたシナリオ、これが具体的に各要素でどのような違いがあるのか、またどのようなところに共通部分があるのかというのを示したものです。ここではまだ叙述的な表現にとどまっておりますが、これを見つつ定量的な数字を想定しまして、最終的にはモデルのインプットデータをつくり込んでいくという作業のベースとなる資料ということです。
 ちょっとページ数を振っていないんですが、最初からいきますと、最初のこの表の見方ですけれども、一番左の赤のちょっと薄い、朱色っぽい部分については、今ご説明いただいた2つのシナリオの共通部分が書かれています。真ん中の青いところについてグローバル志向シナリオの表現、一番右の国家自立志向シナリオのところは、そのシナリオの中身について書いております。
 その中が2つに分かれておりまして、BaUで折り込む目指すべき社会をつくるための対策というのは、考えました想定の方向性で自然とそういう方向に向かっていくであろうというようなものについてBaUで折り込む方に書かれておりまして、先ほどもご説明がありましたが、環境像、地球温暖化とか生態系、そういった目標を達成するためにはこういう方策をとらなければいけないということを別に書いてあります。
 では、行方向に従っていきたいと思います。
 概要とシナリオの背景となる世界の動向についての認識は、今ご説明がありましたので飛ばさせていただきます。
 目指すべき社会をつくるための対策の骨格としては、まず共通部分に書いておりますけれども、技術開発と普及、ライフスタイル改善の両輪による脱炭素・循環型社会の構築。要は、厳しい目標を達成するためには、技術だけ、もしくはライフスタイルの改善だけ、どちらかに頼っては達成できないので両方必要であろうということで、どちらのシナリオに行こうが、両方アクセルを踏んで目標を達成していこうというのが背景にあります。グローバル志向の方の大まかな骨格としては、国家連携の枠組みを活用していこう。シナリオIIの方、国家自立志向の方では、資源・食糧自給率向上、国内でうまく循環していこうというのが大きな骨格となっております。
 続きまして個別の話に移りますが、まず最初に人口です。人口の、まず日本全体としての総人口を2つのシナリオで書いています。結論としましては、グローバル志向シナリオの方が若干多いことを想定するのかなと考えていまして、出生率については両方とも大きく差はないシナリオを考えまして、ただ、グローバル志向ですと移民の方が入ってこられる反面、日本人も出ていくことが考えられるんですが、差し引き人口がやや多くなるということをシナリオIの方で想定しております。
 続いて人口配置なんですが、これについては大きく言いますと、今でいう大都市圏、東京地区、関西地区、あと一部の政令指定都市の中心、そういったところに集まる。もしくは今でいう農村部、林間部というところに人がばらけていくというところで、グローバル、国家にかかわらず、そういったマトリックス的に2掛ける2のシナリオもあるんではないかという意見もあるかと思いますが、ここではそれぞれに人口配置を張りつけまして──というのは、やはり自給率を高めていくということは、おのずと農産物、第一次産業の生産高が高くなっていきます。どうしても一次産業は当然面積を必要としますので、地方の各地に職が生まれる。職が生まれれば、当然人はそこに住んでいきますので、国家自立型シナリオの方が地方に分散していく、グローバル志向の方は自給率をさほど高めない。シナリオでは、どうしても都市部の方が職があるので都市部に集まっていくということがありますので、そういった形で整理いたしました。
 そのときに目指す対策としては、どうしても都市部に集まる。経済合理性にのっとっておりますので、非効率な地域からはどんどん撤退していくというのがグローバル志向です。片や国家自立の方では、利便性の低い地域で計画的な撤退を行わないと、都市部といえどゴーストタウン化する可能性があるのではないか。グローバル志向の方で、どうしても自然地域の重要性が生まれてきますので、人はある程度配分するような政策を持たなければいけないんでしょうけれども、それを行うということは、おのずと分散していくシナリオIIに比べて、シナリオIは対策に費用がかかるんではないかという整理をしております。
 続きまして、2ページ目にいきます。
 2ページ目につきましては経済について書いております。大まかに言いますと、まず全体の経済の規模が大きいか小さいかという話ですと、やはり世界がボーダーレスになって、自由に資本や人が移動できる社会の方が経済成長率が高いと考える方が自然と考えまして、1人当たり成長率年当たり1.5%と考えております。片や国家自立志向のシナリオの方では1%程度と考えています。
 続いて、一次産業、二次産業、三次産業、どこに力を注ぐのか、どこに重きが置かれるかということなんですが、当然自給率を高めますので、農林水産業の生産量が大きいのはシナリオIIになりまして、相対的には一次産業が大きいのがシナリオII。
 続いて第二次産業。合宿の際にもいろいろ議論が出ましたけれども、やはり日本としては物づくりで外貨を獲得していかなければならないというのが一致した意見かなと思います。そういったところで、どちらかに二次産業を減らすとかいうようなシナリオを当てず、物づくりはやはり依然として大切であるというようなことを想定しています。
 第三次産業につきましては、やはり人、資本が1カ所に集中していた方が情報の流通が盛んですので、グローバル志向シナリオの方が第三次産業の生産性が高まると考える方が自然かと考えまして、Iの方が第三次産業のシェアが高いというようなことを考えています。
 続きまして鉄鋼です。鉄を日本でつくるのか、海外でつくるのかというところなんですが、グローバル志向のシナリオの方では、やはりそれなりに特許、知的財産を守るルールというのがある程度世界規模で整備されるということを考えますと、必ずしも日本でつくるのではなくて、現地でつくり、消費されるそばでつくって、そこに運んで使ってもらうという方が経済的にも環境的にもいいはずですので、各拠点でつくる。ただ、ここで当然、日本の鉄の技術というのはすぐれておりますので、そのノウハウというのは日本が保持しつつ現地で生産を行い、ライセンス料として日本はもうかっていくというようなことを考えております。片や国家自立型の方では、日本からいえば輸出していくということを考えております。スクラップの利用については、これが、日本のスクラップをアジア地域に出して、まだまだ鉄の需要が大きい建築物の需要が大きい中国等で使っていただくというのがIのシナリオなんですが、国内でなるべく循環していこうというIIの方のシナリオでは、日本で蓄積されたスクラップ、鉄──とはいうものの、公共需要、建築需要の方が今より下がっていることが考えられますので、そこから高品質の鉄を生産する技術というのを開発して、今蓄積されている鉄をうまく消費していくシステムをつくる必要があるのかと思います。
 セメントにつきましては、公共インフラの需要が低下してきますので、生産は低下していくのかなと。
 紙につきましても、ICTが今より──50年ですので、今ではICTによって逆に紙が増えたという議論もありますが、より使いやすいICTが開発されてくれば、紙の需要はもっと減ってくることが考えられますので、いずれにせよ減るということが考えられます。
 環境誘発型ビジネス、これにつきましては、日本の省エネ・新エネ製品の製造、環境支援サービスなどが我が国のリーディング産業になり、海外に向けてはライセンスペイを稼げるような産業になっているということを想定しております。
 続きまして3ページ目になります。ここではエネルギー及び資源、それについての想定が書いてございます。
 前半の方がエネルギーになります。エネルギーにつきましては、大まかに、同じ脱温暖化社会を目指すのでも、原子力やCCSを使うのか、新エネを使うのか、バイオマスを使うのか、水素社会を構築するのか、いろいろ選択肢があるかと思います。これをグローバルだからどれ、国家自立型だからどれと当てはめるのもなかなか難しいので、これはいずれのケースでも感度分析的にそれぞれのケースをやってみて、どのような違いが生じるのかというふうに取り扱うべきかなと考えます。ただ、原子力については、やはり自給率を高めようとするシナリオIIの方が比較的大きいと考えるのが自然かなと。
 あと、バイオマスなんですけれども、やはりグローバルで融通していく。要はブラジルでつくって、日本はそこから買ってくる方が経済合理性的に考えても理にかなっておりますので、海外バイオマス。片や自給率を高めるという観点から、なるべくクローズドなシステムの中で国内バイオマスを調達するというのがシナリオIIにふさわしいかなと思います。
 続きましてレアメタル。これにつきましては、どのシナリオにせよ、レアメタル系につきましては非常に価格が高騰していくということが考えられます。そういった中で、各国協力しつつ非常に高度なリサイクル技術を開発していって、むだのない消費を振興していくということを想定しております。
 続きましてリサイクルです。リサイクルにつきましては、リサイクル自体をもう日本の閉じた枠組みではなくて、アジア規模、地球規模で融通していこうというのがシナリオIで考えられます。片やシナリオIIの方では、地域内・自国内でのクローズなループシステムといった中で循環させようと考えます。
 続きまして木材自給率です。木材自給率につきましては、やはり森林の役割としましてはバイオマスエネルギー、紙、木製品、そういったものとして使われるわけですが、やはりとりやすさ、生産しやすさを考えますと、海外への依存が非常に大きいのがシナリオI。片やクローズドなシステムに乗りまして木材自給率が非常に高位に推移するというのがシナリオIIとして考えております。
 続きまして、ちょっと水について書いておりますが、どの社会に向かおうが節水型社会を構築していくというのが共通のこととしまして、幾つか違いがありまして、シナリオIの方では都市部に人が集まりますので、その結果、おのずと下水道利用率が高まってくるということが言えるかと思います。片や農林水産業の生産量が高いシナリオIIの方では、農業施設、排水処理施設、これを充実させていく必要があるのではないかと考えます。
 続いて食糧です。食糧につきましては、自給率がIが低くてIIが高いということが書いてあるんですけれども、やはり日本では、日本で経済合理性的に考えて理にかなっているものについては海外から輸入する。日本では、日本でしかとれない付加価値の高い農産物に特化して、それについて輸出して、片や安いものについては輸出国からとっていくという違いを設けるのかなと考えております。
 続いて4ページ目です。4ページ目については技術の想定を書いておりますけれども、省エネ技術、リサイクル技術、汚染防止・除去技術が並んでいるわけですが、どの技術についても、グローバル志向であれ国家自立志向であれ、開発・普及を促進させていくということは共通として言えるかと思います。ただ、どの程度技術効率が進んでいくかというのは、シナリオに応じて変化を持たせてもよいかなと。つまり、地球規模でいろいろな研究開発の資本・人が自由に交流していく社会、そういった方が技術効率が進んでいくと考える方が自然かと思われますので、シナリオIの方がその効率が高い、シナリオIIの方が相対的に低いというような想定を置いております。
 ICTにつきましては、やはりこれはどちらに向かうにせよ、今から50年たてば今以上に進んでいるというようなことを考えております。
 続きまして公共インフラです。国土面のシナリオです。公共インフラについては、基本的なインフラについては成熟して、公共インフラ整備需要が減少していくというのが共通の部分として言えるだろうと思います。国家自立の方ではクローズドに、システムの中でスクラップ素材、木材などの国内資源を十分に活用してインフラを構築していく、そういったことが行われるかと思います。
 農地面積については食糧自給率に大きく影響を受けまして、当然自給率が高いシナリオでは農地面積もおのずと大きくなるというところです。農地面積だけではなく、いわゆる食糧だけではなくて、バイオマスエネルギーも国内で賄おうとしますので、さらに国家自立シナリオの方では農地面積は大きくなると考えております。
 森林面積につきましては、これも木材自給率に大きく依存しますので、IIが大きくてIが小さいというところになるかと思います。ただ、森林につきましては、必ずしも経済材だけではなくて、CO吸収、生態系サービスという役割がありますので、それを維持していかなければならないというのがあります。ですので、海外に物を依存して日本の森林をほったらかしというわけにはいかないので、やはりそこに人が張りついていなければなりません。そのために、グローバル志向シナリオの方では人が余りいませんので、そこに人を張りつけるというために維持管理費用が高くなることも考えられます。片や、もうそこに人が住んでいる国家自立志向シナリオでは、森林の維持というものが安く済むということを考えております。
 続きまして、最後のページになります。
 まず最初は都市・建築物の想定です。まず住居ですけれども、人口が減ってきて総戸数が減少してくる。超断熱住宅、長寿命住宅を普及させていくというのが共通部分として考えております。片や、都市に集まる、都市に集まらないということが大きくきいてきまして、都市部に集まるグローバル志向シナリオの方では集合住宅が相対的に多くなっていく。その分、ヒートアイランド、景観に配慮した都市設計が非常に重要になってくると考えられます。
 続きまして、建築・土木構造物ですが、高度成長期に大量につくったもの、これがやがてこの50年間で更新時期を迎えてくるというのが共通として考えられます。それに対して維持管理を徹底して、建築廃棄物の大量発生を抑える。これはいずれにしろやっていかなければならないことと考えます。
 続きまして交通です。まず国際間交通。主にほとんど飛行機の話ですが、グローバル志向の方が当然大幅に増加していく。国家自立シナリオは現状程度。これを最終的に排出量に組み入れるかどうかというのは、まだ今のところは入っておりませんので、これをどう扱うかというのが検討していく必要があるかと思います。
 旅客交通につきましては、ITSの進展により自動車の交通の安全性が飛躍的に向上する。自動車についてはリースを拡大させて、必要に応じた車格の自動車が利用できるようにするというようなあたりは共通部分として考慮いたします。グローバル志向の方は都市部に集まりまして、大都市部はもう既にある程度鉄道インフラが整備されております。ですので、モーダルシフト、自動車から公共交通機関に移すというような費用については比較的安く済むのかなと。分散型の中でも、やはり都市中心部に人をある程度集めるようにしていけば公共交通機関の採算性はとれてくるので、公共交通機関も十分に活用できるとは言えるものの、今も鉄道が十分に発達している都市に比べて、既にそこまでの公共交通機関が整備されているかというとそうではないので、やはりそこにコストがかかってくるということが考えられます。
 続いて貨物・物流インフラ。これについてはサプライ・チェーン・マネジメント、鉄道・船舶へのモーダルシフトによって省エネの貨物輸送インフラを構築していくというのが共通部分として考えられます。
 続きましてライフスタイル。消費行動につきましては、それぞれの消費者が製品の長期使用、リユース、リサイクルの活用などによって物的資源の絶対的需要水準を低下させるようなライフスタイルを軸としていくというのが共通部分として挙げられるかと思います。
 続きまして勤務形態。ITがある程度、すごく先端的になってきますので、自由な勤務形態が選択できる。通勤による環境負荷が低減されるような交通インフラ・都市構造が、ITとかとあわせましてできてくるというようなことを考えております。
 続いて生態系なんですけれども、それぞれの生物の特性に応じて、生育・生育空間のつながりや適切な配置を確保した地球的視野の生態系ネットワークを形成していくという試みについては、これはいずれのシナリオについても引き合っていくことだとは考えております。
 続いて国際貢献ですが、グローバルシナリオの方が、よりアフリカ諸国の貧困とか熱帯地方の生態系破壊について積極的に関与していくということが行われるかと思います。
 ここには、すべてこの現時点のモデルでここまで反映できるかというと、まだそのような段階ではないと思いますが、中期的に開発しているモデルの方にこういった要素がすべて取り込まれるようになっていくということを考えまして、今の考えているモデルよりは大きいくくりで整理をしておりますけれども、叙述的なものとモデルとの間でこういう整理をして作業を進めているところです。
 以上です。

○安井座長 ありがとうございました。
 多分ご議論は幾らでもあるので、ここはとりあえずこのまま次に進ませていただいて、それで、具体的には増井さんからのご説明が終わってから、関連いたしますのでご議論いただきたいと思います。

○増井氏 それでは、お手元の資料1−2に基づきまして説明させていただきます。
 私の方からの説明は、先ほど日比野さんの方からご説明いただきました、将来の叙述的なシナリオ、ストーリー、それを定量的に評価するという作業を行っております。モデルそのものにつきましては、前回の検討会で大体の概要を紹介しております。今回の資料では、お手元の資料の10ページ目以降にもう少し詳しく書いたものを準備しておりますので、また後ほど時間があれば紹介したいと思っております。今日は時間も限られておりますので、日比野さんが紹介された内容をどのように定量的にあらわして、その結果どういうふうなものが出てきているのかということを説明させていただきたいと考えております。
 今回の結果は、まだ仮にこういうふうに想定したというものがかなり多くございますし、また、結果の違いをかなり明確にさせるために、前提条件を結構大きく振らしているところもありますので、その点、ぜひ検討員の先生方からいろいろコメント、あるいはご批判をいただきたいと考えております。また、シナリオであらわされているすべての要素を取り上げるということはなかなか難しく、時間的にも限られていたということがありまして、やりやすいところといいましょうか、代表的なところから分析を始めているという点にもご留意いただければと思っております。
 1ページ目から順番に説明させていただきますと、最初に、現時点での部門分割ということで、全部で32部門の経済部門を想定してモデルを構築いたしております。これらのモデルで評価する際に一番重要になってきますのが人口なんですけれども、総人口につきましては、シナリオの方ではグローバル志向シナリオでは相対的に多い、あるいは国家自立志向シナリオでは相対的に少ないという想定を行っています。定量化におきましては、昨年12月に報告されました国立社会保障・人口問題研究所の新しい将来推計に基づきまして、2050年に1億人を超えるシナリオと、それを下回るシナリオを想定いたしております。また、人口配置につきましては、このモデルが一国モデルということもありまして、評価はいたしておりません。とりあえず総人口だけを考えております。
 就業者数につきましては、その人口の中の15歳から64歳、あるいは65歳以上、そのうちの6割ぐらいが何らかの形で就業しているだろうという想定を行っております。2ページ目の上の方のグラフには過去のデータをプロットしておりますけれども、それから余り大きくは変わっていないという前提を想定しております。
 また、出生率につきましては、先ほど人口のシナリオと関係してくるんですけれども、そこに書いてあるような数字を代表的なものとして想定いたしております。この出生率と人口との関係は、合理的といいましょうか、整合性がちゃんととれております。
 続きまして経済規模につきまして、これはシナリオに与えられておりますとおり、グローバル志向シナリオでは1人当たりが年間1.5%で、国家自立シナリオでは年間1%というような想定を行っております。その推移を示したのが3ページの上の方のグラフになります。
 続きまして産業の想定につきまして、第一次産業では、まず活動そのものを想定するというのはなかなか難しいので、輸入の比率、あるいは輸出の状況を想定いたしております。
 ちょっとすみません、1点記述ミスがありまして、その表の記述のグローバル志向シナリオなんですけれども、「国家自立シナリオよりも大」と書かれておりますけれども、これは「小」の間違いですので、申しわけございませんけれども訂正して下さい。
 グローバル志向シナリオでは輸入の比率──本来ですと、もっと細かくきちんと分けないといけないんですが、全体として一次産品、農林水産品というふうな形で評価しておりますけれども──、輸入の比率は現状程度。輸出の比率は倍増というふうに書かれておりますけれども、かなり付加価値の高いものを生産する。現在でも非常に高付加価値な製品を輸出している面がございます。そういうようなものを今後さらにふやしていくということで、ちょっとこの辺は極端なんですけれども、輸出比率を倍増させていくということを想定しています。一方、国家自立志向シナリオでは、輸入の比率は現在の半分になるということで、国内の自給率が高まるということを想定しております。そのかわりといいましょうか、輸出の比率はグローバルシナリオ志向と対比させるために現状のままということで想定いたしております。
 続きまして第二次産業なんですけれども、こちらも輸出入の比率で想定いたしております。グローバル志向シナリオでは輸出の比率というものが全体的に半減している。国内需要に占める輸入の比率というのが倍程度に上がっていくという想定をいたしております。国家自立シナリオでは、輸出の比率は現状程度、輸入の比率も現状程度ということで、どちらも現状と変わらずという想定をいたしております。
 第三次産業なんですけれども、これは輸出入というよりは最終消費、家計がどういうような最終消費をするのかという、そこの想定を変更いたしております。特に教育ですとか、あるいは医療・保健──高齢化が進んでいるという背景もございますので、こういう教育、医療、あるいは保健というようなサービスの最終消費が増えていくというような想定を、これは両方共通で行っております。
 続きましてエネルギー・資源なんですけれども、[1]番目の発電形態。こちらはいろいろな形態が考えられるかと思いますので、今回の試算では余り大きな変更というのは想定いたしておりません。これは今後、いろいろ検討していくところになると考えております。
 続きまして、2番目の原油価格です。現在かなり乱高下をいたしておりますけれども、2000年の時点で大体30ドルを少し下回る程度。それが2050年には100ドル程度という想定をいたしております。原油価格が高騰するというような予想がされておりますので、こういうような数字、特に根拠はないんですけれども、を想定いたしております。また、レアメタル等も同様に価格が上昇すると想定しています。価格上昇は原油と同じ比率だけ、約4倍弱ほど上昇する、というような想定をいたしております。
 次の技術のところなんですけれども、これも財別、産業別にいろいろ想定することはできるんですけれども、今の時点では、それぞれのもので一律の想定をいたしております。例えばグローバル志向シナリオでは、エネルギー効率と、あるいは省エネ効率、リサイクルの効率、そういうものが一律で1%程度上昇していく。国家自立シナリオでは、そういう比率が0.5%にとどまるという想定をいたしております。また、別途IT化が進むということで、紙の需要も若干は減少していくという想定をしております。
 次に交通の方なんですけれども、これは、本来ですと住み方等が違うということで、かなり需要が変わってくる可能性があるんですけれども、特に交通の中身を細かく分けていませんので、自動車利用がどう変わる、公共交通がどう変わるということは想定できておりません。これはもう2つのシナリオとも一律に、投入係数といいましょうか、生産活動当たりの運輸サービスの導入量、需要量というのが10%低下する、どちらのシナリオでも同様にそのようになるという想定を行っております。
 次にライフスタイル。これは家計の最終消費という形なんですけれども、先ほど第三次産業のところでも説明いたしましたように、教育ですとか医療、こういうサービス需要のシェアが伸びるという想定を行っております。これは過去30年程度の歴史的な推移を見てもそういう傾向が言えます。特に歴史的な傾向からいきますと、保険、金融、あるいは不動産、こういうところがかなり伸びているんですけれども、先ほど言いました医療等が伸びるという想定を行っております。
 ここまでが前提でございまして、こういう前提を組み込みまして実際にモデルを走らせてみた、計算してみた。その結果が6ページ目以降にございます。
 まず部門別の生産額ということで、想定されている3ページ目の上のグラフに示されているグローバル化シナリオではGDPで850兆円、国家自立型シナリオでは635兆円という、この数字ぴったりにはなっていないんですけれども、大体その値を再現するように、いろいろなパラメーターを調整いたしております。そういうような状況下で、それぞれの部門の生産額はどうなるのかということが6ページ目の上の方の図に書かれております。経済規模が全然違うということもありますので、グローバル志向シナリオの方が活動量といいましょうか、部門の生産が大きくなっているという結果が出ております。ただ、1つ特徴的なのが金属製品・機械の生産なんですけれども、これは逆に国家自立シナリオにおいて値が高くなっているという結果になっております。これは輸出入の想定のところがまさに効いておりまして、グローバル化シナリオでは輸出が減る、逆に国家自立シナリオでは輸出量が余り変わらないという、そういう前提が大きく影響し、国家自立シナリオの方が輸出が高くなっているという結果になっております。
 その下のところが最終消費ということで、ちょっと見づらいところがあるんですが、生産量、所得の増加に伴いまして、各財とも消費は増えているんですけれども、主にサービス側の需要が増えているという計算結果になっております。
 先ほども申し上げました輸出入の結果が7ページ目のところに書いてございます。先ほどの繰り返しになりますけれども、グローバル化シナリオでは機械製品の輸出が減る。国家自立シナリオの方は輸出がほぼ維持される、あるいは経済活動が増加していくに伴って輸出が増えていくという結果になっております。全体的に見ましても、グローバル化シナリオの方は輸出が減るというような結果になっております。逆に輸入側の方なんですけれども、グローバル化シナリオの方は輸入をふやすという想定になっておりますので、輸入量が増えていく。国家自立シナリオの方は現状と余り変わらないか、若干減っているという結果になっております。通常、こういうふうな形で見ますと輸入が増えるということで、日本からどんどん外貨といいましょうか、お金が流出していくということになってしまうんですけれども、前提としましては、いろいろな設備等を海外に移転し、そのライセンス収入があるという想定を行っていますので、この輸出入の差額については、このライセンス収入で賄うというようなことになっております。
 それで、今回のシナリオの分析で一番重要になってくるのは、こういう社会像とともに環境負荷なんですけれども、環境負荷の試算結果は、8ページ目、9ページ目のところに書いてございます。今回の評価では、主に温暖化、循環、生態系という、この3つの指標を取り上げると申し上げておりましたので、それぞれについて代表的なものを指標として考えております。
 温暖化に関するところではCOの排出量を取り上げておりまして、COの排出量がどのシナリオでも若干減少していきます。この背景には、エネルギー効率の改善が進んでいくという想定が反映されております。ただ、この想定はゆるやかなもので、脱温暖化2050プロジェクトにあるような大幅な削減というのは当然のことながら見られていないという結果になっておりまして、持続可能な社会を築き上げていく超長期ビジョンでは、もっとCOを下げていくことが目標値として掲げられるかと思います。
 続きまして廃棄物です。このモデルでは、生産活動に合わせまして廃棄物を全部で9種類、8ページ目の下の方に書いてありますけれども、W01からW09という9種類の廃棄物に分けて想定しております。逆に一般廃棄物、産業廃棄物というのは区別せずに、こういう種類の廃棄物がとにかく出てくるという想定をしております。それぞれの廃棄物がどれぐらい再利用されるのかが評価の対象となります。このモデルでは、海外との廃棄物のやりとりというようなものは想定しておりませんので、出てきた廃棄物がすべて何らかの形で国内で処理されるという前提がかなり強く支配しているわけなんですけれども、どの廃棄物がどれだけ再利用されるのかということを示しておりますのが、次の9ページ目のグラフです。
 現在、廃棄物の量的に非常に多いW05ですとかW09、これは動植物性の残渣ですとか動物ふん尿、あるいは鉱滓、燃え殻、汚泥、こういうものが非常に量的には多いんですけれども、これらのリサイクル量はあまり変わりません。これは、リサイクルに関連する活動量そのものが結果的にそれほど現状と変わらないために、このような結果となっております。
 そのほかの廃棄物、ちょっとスケール的に見にくいところがあるんですけれども、紙ごみですとか金属くず、そういったものについても、それぞれのシナリオにおいてどれだけ再生利用されるかということが載っております。最終的には前回の検討会で循環的資源というような形で指標化するということを宣言していたかと思いますけれども、そこまではまだ行っておりませんで、まだそれぞれの廃棄物がどれだけ再利用されるかということだけを、今のところは評価しております。
 土地につきましては、9ページ目の真ん中以降のところに書いてございます。土地の評価をどうするのかということで、ちょっと悩ましいところではありまして、まだちょっとこのあたり、修正すべきところがあると認識しています。ここでは、それぞれの活動にどれだけ土地が必要なのかということをあらかじめ想定いたしまして、その活動に必要な土地全体を我が国の国土面積から差し引いたもの、これを仮に自然の土地と定義をいたしまして、その自然の土地がどれだけ活動に必要な土地に変わるのかということを見ております。ちょっとこの辺、自然の土地というものの定義があいまいなので、2000年の値を基準に相対的に評価いたしておりますけれども、グローバル化志向シナリオで自然の土地というのは若干増えます。これは、かなり土地が高度に活用されるということもありますので、産業活動に必要な土地というふうなものが減ってきて、逆に自然の土地が増えてきます。国家自立シナリオではその逆でして、やや自然の土地というふうなものが減少するというような結果になっています。今後、データの精査ですとか、あるいはモデルの修正等も踏まえて、これらのデータや計算結果を修正していきたいと考えております。
 以上です。

○安井座長 西尾さん、ここで何かお話しになりますか。

○西尾局長 総合環境政策局長の西尾です。遅れて参りましてすみません。
 今の説明と前後で、今来たもので話が合っていないかもわかりませんが、これからこのご議論をしていただくんだと思っています。その中で、どういう形で整理してお願いすればいいのかということがあるんですけれども、最近の状態で気になっていることがありますので、ちょっとご参考までに申し上げておきたいなと思っています。
 ただいま、このシナリオで、グローバルなシナリオと、それから自立型のシナリオ、ある面で両極端を作って分析すると非常にくっきりわかるじゃないか。これは非常に私もよくわかります。従来、この超長期ビジョン、専門的にいろいろなことを分析して、非常にそこを解析しておもしろい結果が出れば、それをこの秋口までにずっとやって打ち上げれば、そういうことが来年の例えばG8、日本のサミットに向け、いろいろな大きな石になって、環境のことに大きな石を投じることができる、そうなればいいなと思っております。
 ただ、少しいろいろ展開が早くなっている部分もありまして、総理から21世紀の環境立国戦略をまとめろと、こういう議論でございまして、6月にはまとめろと。そこはそんなに詳しいことはできないと思いますけれども、そこでコンセプトが出てくる。そうすると、その後は、いずれにしても、例えばロー・カーボン・ソサエティーなら、ロー・カーボン・ソサエティーというのはどんなものだろうと、あちこちで非常に百家争鳴になってくると思うんですね。そういう中にこのビジョンが出ていくというのは非常にいいことではあるんだと思うんですが、そこで、そうすると、ロー・カーボン・ソサエティーだとか、そういうものビジョンを環境省そのものではないけれども、そちらサイドで何かこういうことを見せたように見える人には受けとめる。ある面でアピールする好機だと思うんですけれども、そうすると、例えば今のようなシナリオの分析をやって、こちらの端とこちらの端のシナリオを分析していろいろなことがわかりましたけれども、あとは考えてくださいと言っていると、多分こちらの端のシナリオはグローバリゼーションで、国際競争はいいんだけれども、主要産業は全部外へ行っちゃうとか、そんなのは耐えられないねと言う人が片方にいて、それから、都市にそんなに集中できるかと言う人がいる。こちらの端は、多分また自立分散は大変いいんだけれども、それで成長なり何が整うかねという両端を提示しているんですかと言われると、そうでもないんですね。じゃ、そうしたらどういうプレゼンをするのかというのは、秋口に非常に大事になってくるかなと思います。
 だから、これは分析としては両側をやって、実はそこから何をプレゼンをするのかねということを大分ご議論をいただいてと、こういうことになるのかもわかりませんし、しかし、何かあらかじめそういうことであれば、この途中のところを分析できるように考えておく必要があるかというようなことも、この時点で少しお考えいただければありがたいかなということがちょっと非常に気になっていまして、どのように言うたらいいのかわからないのですが、何かある意味で、9月、10月ごろに超長期ビジョンの検討結果といって出していくときに、多分相当程度何か、次のロー・カーボン・ソサエティーなり、次の社会の偶像を書いているんじゃないかと人が見ているということを意識した組み立てが、ちょっとこの後に要るんじゃないかということを含めてご検討いただければということが非常に気になっておりました。
 多分苦瀬の方から申し上げましたけれども、温暖化の温度の問題なんかもそうなので、結局、分析としてはこういうふうにやるんだけれども、じゃ、このビジョンの打ち上げのときに一体どこまで何をやるのかというのは、どうしてもまた一遍先生方に議論していただかなければいけなくなる。そういう場面をちょっと意識しながら、この分析のところの議論をしていただければありがたいなと、非常にわかりにくい言い方で恐縮なんですけれども、そういうことが気になっておりましたので、ぜひよろしくお願いしたいということであります。

○安井座長 ありがとうございました。今のご指摘もごもっともでございまして、いろいろとメジロ押しの予定の中で、これが出ていくのが大体秋だろうとすると、そのときに何を出すとどういうインパクトがあるかというのはまたしっかり考えろという話でございまして、プラスの面もマイナスの面もありますので、いろいろ考えてほしいことでございます。かなり先読みをしなければいけないので難しい状態ですが……。
 さて、議論のやり方なんですが、とりあえず今、3種類の資料が出てきているんでありますが、最初に日比野さんの方にご説明いただきました環境社会像についてという色刷りの表がございます。それから、今、増井さんの方にご説明いただきました、何かテスト版まで行われているものがございますが、具体的には、ちょっとこれはどういうふうに整理したか、私も今よくわからないんですけれども、日比野さんのこのテーブルと、それから増井さんの計算とが必ずしも全部が全部載っているわけじゃないですよね。ですから、その辺はどういうふうに理解したらいいかあたりをちょっとご説明いただかないと、例えば資料の1−1につきまして何か議論を詳細に詰めても、それは実は計算に乗りませんと言われるとどうしようもないようなところがあって、そうなりますと、先に計算ありきなのかどうなのか、その辺も含めてちょっとご説明いただければと思います。

○増井氏 簡単にご説明いたしますと、すべて網羅しようとはしているんですけれども、まだ時間的にできなかったというのが1点でございます。
 それとあと、このモデルというのが国を対象としたモデルということですので、地域の細かい違いというようなものがなかなか出しにくい。そのあたりを平均化して評価しないといけない。その点は、ちょっとご配慮といいましょうか、考えていただければというふうに思っております。
 以上です。

○安井座長 ということは、絶対的に言うと、この1−1にありますような項目は何らかの格好で数値化されて入ると考えていいということで、そうだとすると割合とわかりやすくて、今日お出しいただいたものの意味をもう少しご説明、質問をしながら資料の1−1について詰めていくみたいな感じなのかな。
 これは今、局長がおっしゃったように、実を言うと2つのシナリオということで、両極端なのかどうなのかもよくわからないんだけれども、とにかく2つのシナリオがありまして、それに対してどういうふうに考えるかと、まさにプレゼンテーションするときに、これとこれが結果が出てきたときに、じゃ、この超長期ビジョンチームは一体何をやっていたんだと説明するかというところあたりもやはり問題にはなり得るんですね。ただ、だからといって、やはり増井さんたちが過労死してしまうみたいにいっぱい何でもやれと言うわけにはいかないところがあって、それじゃ、一体何をどうモデルをつくり、それでAというモデルとBというモデルが補間ができるのか、そうでないのか。多分こんなに多次元形ですから補間はきかないと考えた方がいいかもしれないですよね。だから、そこをどうするかなんですね。だから、実際にはどの要素が一番きいているかというあたりまでわからないと、補間も実は難しい。ですから、そういうこともあって、皆さんにどういうふうにお考えいただくか。これあたりを最終議論していただいた上で、最後にちょっと休憩をとって、それじゃ、とりあえずワークロードとしてはこのぐらいのところを提案してくださいというのが今日の最後になる予定なんです。
 そういうわけで、非常に難しいご議論をお願いすることになりますが、とりあえずは、そうしますと、資料の1−1、日比野さんにご説明いただいたところのシナリオの妥当性みたいなものについて、できれば最初、とっかかりとしてお話をいただき、今はとにかく、先ほど申しておりますように2つのモデルが出ていますが、これで何か最後にプレゼンテーションするときに足りているのか、足りていないのか。そもそも大体この2つはおかしいのか、おかしくないのかあたりもありますし、どこでも結構でございますが、それぞれのまずご専門のところあたりかごらんいただいて、まずおかしなところはないのかとか、いろいろな観点で結構でございます。どちらからでも。

○花木検討員 今のこの2つの関係なんですけれども、私が思うには、この1−1は非常に網羅的に書いてあって、将来望ましい姿というのが書いてあるわけですね。だけれども、それがすべてモデルにならないだろう。例えば、この中で望ましい我々の住まい方だとか水環境だとか、いろいろ出てきますよね。それが全部モデルにならなくてもいいんじゃないかと思うんですね。ここに望ましい姿があって、その中でとりわけ産業にかかわる部分、エネルギーにかかわる部分で数量化して姿を示すのがふさわしいものはモデルにする。そうでないのは望ましい姿を示す。それも超長期ビジョンとしては大事じゃないかなというふうに思って、そういう意味で、後ろのモデルと直接は余り関連しないところで、私に近いところでコメントをちょっとさせていただきたいと思います。
 3枚目の水というところをちょっとコメントすると節水型と書いてあるんですが、ちょっと節水型だけだと狭いので、これは将来シナリオ共通部で望ましい姿として、水循環を重視した社会の構築としたほうが良い。これは雨の浸透だとか、あるいは下水、排水管理だとかはみんな今水循環を考えています。それから、将来シナリオの2つあるうちのIのグローバルシナリオのときの下水道利用率について、それはこういう傾向だと思うんですが、言葉とするとこれは恐らく「普及率」だと思うんですね。そして、そのときの対策が水の再利用の促進。一番極端なのはシンガポールで、今、下水をそのまま処理してもう一回使うんだと言っていますが、ある意味で極端がそこにあります。そして、国家自立志向のシナリオの中では農業施設排水と書いてありますが、これに限らず環境省は浄化槽もやっておられるわけだし、分散型の排水処理施設とされる方がいいと思うんですね。分散型というと、下水道の小さいやつも入って、これはどんどんこうやって分散で住むと、まとめるよりもそっちの方がいいだろうという考え方です。
 それから、その次の裏のページにいくと、国土の公共インフラのところですけれども、ここで共通の将来シナリオとして、インフラの維持の負担が非常に大きくなるということがある。これは経済的な負担も非常に大きいということです。Iのシナリオの対策のところで、メリハリをつけた戦略的な整備というのが必要になってきて、この辺は言葉使いが難しいんですけれども、都市部にはお金をつけるけれども、人が余り住まないところは余り整備しないという、それをうまい言葉で言わなければいけないんですが、Iのシナリオの場合にはそういう割り切りが必要になってくる、そういう世界ですね。その根本は、維持の負担、建設の負担が大きいからそうなる。だけれども、一方でIIのシナリオの場合はそうではなくて、今、対策のところにリサイクル、国内資源というのがありますが、これはちょっと後で別の項目の建築とか土木とかありますけれども、そこに持っていった方がよい。ここにくるのは地域特性を生かした整備と維持でしょう。ローカルにつくってローカルに維持するみたいな、メリハリじゃなくて、みんなやるんだけれどもこれまでとは違ったやり方というのが対策になるだろうということですね。
 それから、そのすぐ次ですけれども、都市・建築というところで言うと、建築・土木構造物のところが今はグレーになっていて何も入っていないんですけれども、将来シナリオIの場合には、用途変更に対応できる長寿命構造物とかが入ります。これはスケルトンインフィルという考え方です。長寿命にするんだけれども、Iの世界というのはすごくダイナミックなので使い方が変わる。そうやって長寿命化していくのかなと思っています。
 それから、その下のページの方の生態系のところがなかなか難しいんです。私は専門家じゃないんだけれども、あえて申し上げると、グローバルシナリオのところでは、これは人が住む場所はかなりはっきりくっきりしてくるので、計画的な保全地域をつくって、そこはあえて人が余り住まないようにするというのがIのシナリオ。IIのシナリオの場合はみんな分かれて住みますので、生態系と共生する人間の居住を進めるというような、そういう違う戦略が必要になるのかなと思っています。
 ついでに最後、国際貢献のところで、Iのシナリオにアフリカ諸国というのがここにぽんと出てきているんですが、これは恐らく共通でいずれにせよやらなければいけない項目の方がいいかなと思います。
 以上です。余りモデルにはつながってこないかもしれませんが。

○安井座長 そうでもないかもしれませんね。例えば、余り大きくはないかもしれませんけれども、ODAだって、多分GDP0.7%でやっていきますからね。右側のシナリオでゼロ、左が0.7だと、ちょっといくかもしれませんね。
 それでは、あと、いかがでございましょうか。こういうふうにご注意いただいたものは、しかし、どうやって生かすのかな。後で事務局でまとめていただいて、また場合によってはフィードバックしつつということかもしれません。ですから、今、とりあえず言いっぱなしで恐縮でございますが、各ご専門の方がご専門のところにつきコメント歓迎ということで、しばらくの間やりたいと思いますが。

○森口検討員 各論に行く前に、今、日比野さんが説明されたこの表、今、花木先生の方からコメントがあったところと、増井さんが説明されたところのモデルというか、定量的なものとの関係を、ちょっともう一度共通認識を得ておいた方がいいかなと思うんですけれども、これは花木先生もおっしゃったことの繰り返しになるかもしれませんが、現時点でモデルで再現できることとできないことってありますね。それから、今後ともなかなかモデルで扱いにくいものもあるかもしれない。しかし、こうやってグラフとかが出てくると、やはりこのグラフの描いているのはこの検討成果だというふうに見えてしまうかもしれないので、今、ここのグラフなんかに出ているものについて余り細かく議論するのは、少なくとも今日の段階では余り生産的じゃないんじゃないかなという気がしています。これは恐らくモデルで扱えるのは現時点ではこの程度のものですよと、あるいは将来的にもこういったところが難しいですよということは、ある種の限界を示していかなければいけないかなと思っていて、そのときにモデルで説明し切れないところではシナリオを書けないというふうになっちゃうと、モデルというツール自身がここでの検討を縛ってしまうところに行くことになってしまう。一方で、ただやはりモデルでしっかり裏付けられることは、そのようにしにくいというある種の呪縛もあるにはあるんですけれども、そこに縛られ過ぎると、表の方で書こうとしていることとうまく合わなくなってくる可能性がある。だから、最後、その覚悟をちょっと今の時点で決めておかなければいけないなと思うんですけれども、どっちのことを最終的なアウトプットを目指すのかと。ちゃんと数量的に描くものだけはアウトプットを目指すとすると、どっちかというと表の方の表現の方は、ひょっとするとそぎ取っていかなければいけなくなっちゃうかもしれない。それでは何か本末転倒じゃないかなという気がするものですから、そういう意味で、ちょっと今日の議論の中で、現時点のモデルで再現できていることとできないことを余り細かく議論し過ぎない方がいいんじゃないかなという、それは共通理解を既に得られているかもしれませんけれども、最初に申し上げておきたいと思います。

○安井座長 今、非常に重要なポイントだと思いますので、関連のご意見があれば。私も大体同様の理解で、むしろ数値モデル──こういう形で今の資料1−1に基づいてこうやってやっていって、それでモデルになるところはモデルに乗せる。それを眺めて再びこの表を見たときに、むしろこのカラムは増やしてくるのかなと思っているんですよ。ですから、そういうような状態で、本当のアウトプットはむしろこっちなのかもしれないというような気がするんですね。
 ただ、問題は、ここは今、縦にずらっ、縦にずらっと並んでいますが、これとこのカラムを入れかえたらどうなるかというのはなかなか微妙な問題で、入れかえたモデルも今考えるとあり得るように思うんですよ。その辺が微妙な問題で、それをどうするのかなというのは、ちょっと今のところよくわからないということですね。

○沖検討員 各論はもう、水に関して、水の生態系を花木先生がおっしゃっていただいたのは──そうじゃなくて、全体の話でよろしいですか。

○安井座長 まず全体の話でお願いします。

○沖検討員 私、ちょっと最初に質問しようかと思ったのは、後から全部聞いてからということだったんですが、これが目指すべき社会なのか、不確定性、両端を押さえておいて真ん中がという話なのか、やはり何が原因で何が結果か。フィードバックがあるのでどれもあるんですよということなのか、ちょっとその辺がやはりすっきりしないところがあって、何となくどう質問していいかもわからないんですが、例えば1つ申しますと、ここに書かれたことを実現するのに、どのぐらいの技術投資が必要そうで、どんなイノベーションが必要で、公共投資はどのぐらいで、そのときに国家財政のバランス、あるいは地方財政のバランスはどうなるんだといったことがあると、きっと政策的なアウトカムはあると思うんですが、何かこれだと、それをこうやって、こういう社会になります、こういう経済構造になりますといって、それは放っておいてもなると思っているのか、例えば関税のコントロールでこういう社会にしていきますということがアソシエートしているのか、その辺がちょっとすっきりしないところがございますので、その辺、よくわからないということが1点ございます。
 それから、もう一つが、私が今回試算結果──試算結果まで出ると本当にイメージがわかるのであれなんですが、これを見ますと、もしこの結果がぱっと出ると、金融株を買うか、製造業の株を買うかというのがどっちかだ。あと、炭素排出量に関しては、どんな社会になっても余り関係ないと、そんな結論に見えるんですけれども、多分国民の視点ということを考えますと、じゃ、暮らしにどういう違いが出てくるのか。例えば最終消費ですね。これはかなり違うので、そうしたら、これは具体的に暮らしの形態がどう違うんだ。あるいはふだんの私の専門の水でいいますと、水辺にどのぐらいアクセスできるとか、レクリエーションで山間部にどのぐらい行ける世の中なのか、あるいは居住形態はどうなっているのか、安全・安心はどうなるかといったことが、もうちょっとこの辺から何か読み取れるような結果が出るのであれば、そうすると、なるほど、こういうグローバル社会、あるいは自立社会というのは、こんな将来の暮らしに違いが出てくるんだなというのがわかってきて、もしそれに付随して大きな政府、小さな政府というのが違ってくると、大体こっちになりそうですなんていうのがあると、こういう社会にしていこうという選択をする指針になるかなという気がするんですが、ちょっとその辺のところをうまく整理していただければと思います。

○安井座長 実を言うと大変難しい問題で、これはアドバイザリーボードあたりでも一番問題になっているところなんですけれども、要するに、我々の先には、2050年の今書いているのは目指すべき望ましい社会なのか、そうじゃなくて一つの社会像なのかというところは、かなり議論があってよくわからない。でき得るならば、要するに目指すべきと言い出すと、これはまたそれだけで議論になっちゃうので、その部分はできたらなるべく避けたくて、それで幾つかの社会像を描いてみましたと。それで、どれになるとどんなイメージですよというところを書く方がいいんじゃないかと個人的には考えていますね。

○沖検討員 わかるんですけれども、そうしますと、やはり2つ今の状況だと少しわかりにくいところがあって、1つは、それぞれ目指すべき社会をつくるための対策というのが入っているんですが、この対策が、かなりこうしなければいけませんねという価値が物すごく入っていて、どちらもカウンターバランスなんですね。つまり、グローバル志向のシナリオのときにはグローバル志向の社会になるから、そうじゃない方のいろいろな手当てをしましょうということが書いてありますし、国家自立志向型シナリオのときには分散型でやっていくので、もう少し都市の機能も果たさなければいけない、国家的なものを果たさなければいけないと書いてあるので、非常にわかりにくくなっている気がします。
 もう一つが、先ほど右と左を入れかえていくお話がありましたけれども、各コンポーネントが無矛盾かというところが何かすべて規定されているので、実はモデルをつくるときも難しいんじゃないかと思うんですね。もうちょっと、外生変数はこれとこれとこれ、そうすると、そういうときには中はこうなりますといったふうに整理されているとわかりやすいんじゃないかと思うんですけれども。

○安井座長 おっしゃるとおりですね。それで、特に今おっしゃったより、その前におっしゃったことで、例えば国の税制がこれだとどういうふうになるかとか、そういうことまで本当は書かなければという気がするんですよね。例えば、今と同じ税制で、所得税の要するに配分とか、そういったものがどういうふうになっているかとか、法人税がどうなっているかとか、そんなことまで多分本当は最後書かなければいけないんじゃないかなという気はしているんですよ。
 例えば、先ほど増井さんがお出しになった2つのシナリオだってGDPが結構違うんですよ。そうなってくると、多分国の財政は随分違うんですよ。ですから、そういうことを──本当に今、なかなか難しいのは、幾つもあって、これは物の限界なのか、そうじゃなくて作業量の限界なのかよくわからないんですが、要するに、今、増井さんがやった一つの計算というのは、2050年度のこの時点において社会は一応成り立っていますというようなことでしかないんですね。だから、それまでの積分量としてどのぐらい社会的投資が行われたかとか、どこに資本がストックされたかとか、そういう積分量は何も評価していないんですよ。それって評価できるのという、これはまた難しいところで、もしそれをやろうとすると大変だよね。全部結局ずっと積分してくれという話になっちゃうね。一応整合性のあるモデルを、無矛盾というところは難しいけれども、一応それなりに成り立つ社会をずっと書いていって、その積分値をやっていくみたいな話になるから、多分現実的には実行不能に近いかもしれない。
 そういった方法論を考えたところで、本当に一体何を出すのという話だから、物を知れば知るほど、ちゃんとクリアに物を言えなくなるみたいな部分がありますよね。だから、そこで、西尾さんの話じゃないけれども、何をメッセージとして出すのというようなことだと思いますね。そんな理解なんですよ。だから、その辺を技法的に解決ができるかどうかというと、どうなんだろうな。皆さん、目をそらしているから、余りしゃべりたくないみたいだけれども。

○西尾局長 それは望ましいのか、目指すべきなのかという部分で、ちょっと行政との関係で言えば、きっと「べき」は幾つも書きようがあるんですけれども、今普通に皆さんに望ましいのはどういうのですかと聞いたら、多分直感的に、経済成長とか鉱工業のところはこっちのグローバルシナリオですよといった、しかし、実は生産基盤と国土系のやつは全部こちらの自立シナリオでいくと、それがみんないいんだと、こうなるに決まっているんですね。ですから、多分政策技術というのはそういうよじれたやつだということなんだと思うんですが、実は最初言ったのも、きっとみんなそういうイメージを持っている。そうすると、こっちとこっちと書いたときに違うねと思っている。それはうまく両立するのか、どれだけ近寄れるのかという議論になるんじゃないかなということを思ったものですから。ただし、このシナリオで要素互換ではないというと、そうしたら、あとはどうやって議論になるんだろうなというのは、私にはとてもわからないので、ちょっと今拝聴していると、こんな感じでございます。

○西岡主査 まず質問なんですけれども、今の2つのシナリオを考えたときに、環境という言葉自身がどこに入っているんですかという質問なんですけれども、それはどうなんでしょうか。また後でちょっと質問は続くんですけれども。

○日比野氏 先ほどの沖先生の目指すべき社会をつくるための対策が書かれているというところにもつながるんですが、規範的なものを設定しないんですけれども、一部には規範的な社会である必要もあります。それが環境でして、まだ何%削減かわからないですけれども、COについては大幅に削減していなければならない、循環社会が構築されていなければならない、生態系は維持できていなければならない。そのうち具体的な数値も設定しますけれども、それを達成するための対策をここに書いております。ですので、環境という意味では、ちょっと表現を間違えて悪かったんですけれども、目指すべき社会をつくるための対策、ここのところに書かれていることが環境目標を達成するためにやるべきことというふうな整理をしているところです。

○西岡主査 次に増井さんの方なんですけれども、増井さんの方、これはアウトプットとして環境の状況が出ていますね。これは、じゃ、そういう面では日比野さんのお話とは違うわけですね。

○増井氏 違うといいますか、当然要素としては入ってくるんですけれども、日比野さんがさっきおっしゃったように環境をどうするのかという、その目標の値は外生的に前提条件として与えることになります。

○西岡主査 少なくとも、このCOを見る限りは、この2つのシナリオだととてもじゃないけれども……

○増井氏 今のところは減らせないですね。ですから、今はまだその対策については検討されていないとお考えください。今後対策を入れていくような社会の前提はあるんですけれども。

○西岡主査 といいますのは、これは表題を見ると「超長期ビジョン」といって、日本の国のビジョンなのか、日本の環境ビジョンなのかよくわからないところがありましてね。何を言いたいかというと、今論議しているこの2つというのは、本当にそんなに環境のことを念頭に入れて、シナリオにしてもモデルにしても書かれたものなんだろうかという疑問があって、次のステップとして、この2つから出てくるアウトプットをどう環境の面で押し込めるかということをやることによって、両方のシナリオでも共通にやらないといけないことが浮かんで、あるいはその2つで相反するところが出てきて、政策的にどうここらをあれしなければいけないかという部分を映し出すところの、まずはそのステップではないかと思うんですけれども、そのあたりの解釈はどうなんですか。

○増井氏 今、西岡先生におっしゃっていただいたとおりでして、その中で共通のものとしてどういう対策が重要になってくるのかということを検討したものが玉鋼のシナリオになると私は解釈しています。ですから、まずは環境については、どちらかというと目標として取り扱い、最初に社会像をまずは描いておいて、そういう社会像で環境というようなものが果たしてどうなるのか──それがいわゆる成り行きの社会ですね──成り行きの社会では、持続可能なビジョンというものが果たして達成できるのかどうか。できないのであればどういう対策を打たないといけないのか。違う想定、違う社会像においても共通の対策というようなものがあれば、今からそれを準備していくということが必要ですし、全く違う対策がやはり有効だということになれば、その社会像というものをにらみつつ、今から少しずつ社会を動かしていくと言ったらちょっと大げさですけれども、将来こういうふうなるんだろうなということをにらみながら、そういう政策、あるいは対策というものを準備していくという、そういう準備といいましょうかが役に立つというふうに思っております。

○安井座長 すみません、よろしいですか。順番で、それでは一番先に明日香先生。

○明日香検討員 すみません。今の西岡先生のご質問にちょっと関係するというか、ちょっと教えていただきたいんです。確認なんですが、グローバル志向シナリオなり国家自立志向シナリオでは、16%、18%減少するというのは、じゃ、これは、例えば人口が減少するというようなイメージで、ほかの対策は全然入れていないということですか。低炭素社会の50%、60%の削減とのどう整合性を立てるかというのは、これからなさると。

○増井氏 はい。

○明日香検討員 それは、低炭素社会の方のシナリオのこの技術をこういうふうに入れれば、これはどのぐらい減るというということはある程度見えそうだということですか。

○増井氏 はい、そのとおりです。

○明日香検討員 わかりました。この前もちょっと申し上げたんですが、逆に50%、60%減らすということをやると、ほかは結局全部、全然マイナーなファクターになってしまって、グローバル志向シナリオも国家自立志向も、余りほかは変わらなくなっちゃうかもしれないのかなというのが1つと、あと、どう考えるかだとは思うんですが、前も言ったんですけれども、カーボンの取引を入れないのか、それとも入れるのかというのがある程度見える方向にしておいた方がいいのかなというふうに──というか、質問でもあるんですが。あと、CCSというのは国内でやるという感じで入れるんでしょうかというのも……。各般の質問ですみません。

○増井氏 最後の質問からお答えしますと、CCSは今のところ特に考えていません。もちろん脱温暖化を実現させるためにどうしても必要になるということになれば、必要によって入れていくことになりますけれども、今のところは特にこの想定には入っておりません。
 COの排出量取引につきましても、それを前提ですので、実際どれぐらい買ってくるのか、あるいは幾らぐらいだったら買うのか、ということもある種外生条件的に想定する予定にはいたしております。
 脱温暖化ということを実現すると、ほかの要因がかなりマイナーになってしまうんじゃないかということなんですけれども、その可能性もあります。ただ、脱温暖化社会を実現しても、じゃ、ほかの問題がどうなるのかということを、やはりきちんと見ておかないといけないというところもあります。ちょっとそこのところはまだ実際答えが出ておりませんので何とも言えないところではあるんですけれども、温暖化とともにほかの問題がどうなっていくのかということを、やはりきちんとした整合性のある図を描きたい。温暖化に対しても脱温暖化2050プロジェクトがありますので、そちらでいろいろ想定されて、あるいは考案されているようなものをどんどんこちらの方でも入れていって、その中で生態系だとか、あるいは循環という課題がどうなるのかというのを見ていきたいということは考えております。

○安井座長 それじゃ、どうぞ。川島先生。

○川島検討員 2つあるんですが、まず第1に試算の結果で、先ほど沖先生がお示しいただいたこの図があるんですが、私、自分の何となく思っている印象とは随分違って、大して成長していないんですね。1957年と現在を考えたときに、例えば単位が兆円単位ですが、デフレーターを掛けたとしてもまるで違った世界ですよね。これだと50年で大して成長していない。そこのところがどうなっているのかということと、あと、私の中の農業からの演繹が多いんですが、1957年だと農業から発生するGDPが20%ぐらいあったんですね。20%をもう割っている時代だと思うんですが、それがもう今や1%に下がっている。そのぐらい劇的な変化が50年の間にあったわけですね。私は、恐らくは次の50年は、日本の二次産業はかなり落っこちていくと思うんですね。サービス部門が増えていく。そういうようなドラスチックな変化がここになくて、これは恐らく過去何年かのトレンドを前につなげたようなことをやったのでこういうものが出てきて、やはりそこのダイナミックな変化がちょっと読み切れていないんじゃないかということを一つ思いました。それは後でちょっと答えていただきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほど西尾局長の方から両極端というお話があったんですが、これも過去からのインプリケーションを考えますと、私は農業が専門なんですが、日本の農業は常に自立型の路線を、農業関係者も、それから何となく国民も支持してきたんだと思います。農業関係者は必死の思いでやっていたし、国民は何となくですよね。聞かれれば「自給率を上げた方がいいんじゃないか」と。ところが、どんどん自給率は下がっていって、今はカロリーベースで40%というところでここ10年ぐらい落ち着いているんですが、実際にはそういうことを思ったんだけれどもできなかった。それは、政策手段として、じゃ、何かやったのかといえば、結構いろいろな手段を打っているわけですね。農水省とか、何回も何回も、これからの農業の見直しというのは10年おきに何か新しい施策を考えるんですが、要するにどの薬も効かなかったわけですね。
 とすると、望ましい未来というのを私たちが設定できるのかという話が私はあると思うんですね。これは、農業の場合だと、必ず相手のあることで、恐らく相手が工業製品は買ってくれるけれども農産物は買ってくれなくていいよというような条件があった世界では、そういうことができたんだと思いますが、日米の農業交渉なんかをずっと続けていく中で、要するに工業部門の、何となく、自動車を売りたいと思ったら牛肉とオレンジを買ってくれという話になってきて、そこら辺で要するに選択の幅がなかったと。望ましい未来はどっちなのかという日本の国民に選択肢がなくて、とりあえずやっていったらこうなっちゃったということがありますよね。ですから、恐らくこれ、望ましい未来って先ほどからも出てきていますが、両極端のグローバルとそうじゃないシナリオというのが2つがくっついちゃっていて、2つを提示することがほとんど余り意味がないという気はすごくしているんですね。その辺はどう考えたらいいのかということもお聞かせいただければと思います。

○増井氏 最初に、大して成長していないということで、資料1−2でいきますと、ちょうど3ページのところに、過去大体50年ぐらいのGDPの変化と、この超長期ビジョンで想定されている将来のGDPの変化がどうなのかという、そのグラフがまさに出ているわけなんですけれども、この辺は想定の仕方次第です。今回は1人当たり1.5%とか1%というようなことを想定しているので、こういう結果になっています。もちろん2%、3%というような姿も描けるでしょうけれども、ただ、やはり戦後ずっと歩んできた高度成長期を含んだ時代と、これからの時代というのは果たして同じなのかどうかというのも、やはり疑問があり、一応今回はこういう形で想定させていただいたということです。
 やはり、その中身がかなり違っているんじゃないかというお話につきまして。農業が1950年代は20%ぐらいだったということなんですけれども、今回、GDPの内訳そのものは示しておりませんが、例えば6ページの最終消費の中身を見ていただきますと、2000年が一番下にございます。2050年の2つの社会が上2つなんですけれども、伸びているのが、もうほとんどサービス業なんですね。やはり物の消費そのものというのは、もうほぼ成熟して余り増えないだろうと。今後は、追加的に増える所得、稼いだものをどこに使うのかというと、サービスに使う、ある意味、生活の中身そのものがかなりやはり変わっていくんじゃないかという想定をしています。先ほど沖先生の方から、どういう暮らし方をしているのか、そこの図をきちんと描かなければいけないというお話がありましたけれども、まさにサービスをふやすということで我々の生活がどう変わるのかというのを、今回の結果は本当に単に数字的にどうだということだけしか示しておりませんので、その辺のイメージが非常に貧困、貧相だとは自覚しているんですけれども、今度はこれを解釈するというようなことが必要になると思っております。
 あと、望ましい未来を設定できるのかということで、今回、日比野さんの方で示していただきましたいろいろな表の項目ですね。これは、それぞれの項目が独立して動くものと、やはりあるものを動かすと、ほかのものがその変化したものに応じてババッと変わっていくというものと、2つを分けて考えておかないといけないと思っております。そういう意味で、今回はざっとそれぞれの項目という形で羅列してはいるんですけれども、この項目とこの項目はやはりきちんと連関しているよというところまできちんと示す、それが一つの整合的なストーリーを描く上で重要なんじゃないかと思っています。

○安井座長 今の川島先生の最後の方の視点は結構重要というか、すごく重要なんですけれども、だからといって、それじゃ、一つの絵をかくというのかという話と、またトレードになるんですよね。それで、確かに自動車を売ろうとするとオレンジ、牛肉を買わざるを得なかったというのは、過去はそうだったし、今までのWTOの枠組みが今は半分ぐらい崩れつつありますけれども、そういったものが将来どうなるかというあたりがやはり非常に大きいんだけれども、何というか、FTAみたいな話で交渉次第という部分もありますよね。最近だと、韓国が米をとってほかの農業製品を捨てちゃったみたいなところがありますよね。だから、そういう意味では、ある意味、ああいうバイラテラルな交渉を各国でやることによって、少し今までよりはやはり自由度もあるのかなという気もしないでもないというような感じなんですけれどもね。その辺も余り明確にはお答えできないんですけれども。
 さて、他にどなたかどうぞ。細田先生、お帰りになる前にぜひ。

○山本検討員 私、森林の立場から今回のお話を聞いていて、最終的に2つのシナリオで炭素の排出量も余り差がないという、そういうことになるんですけれども、この2つのシナリオの中で、シナリオIIですとバイオマスのエネルギーを国内に依存するというシナリオと、その部分がどの程度きいてくるのかというのが気になるところです。ここでどれぐらいのエネルギーを国内のバイオマスに依存するという、そういうモデルをつくられているのかをお伺いしたいなと思います。
 それで、片方でこのシナリオIIですと、今度は木材自給率を高めるという絵になってきますと、やはりこれもその場面においては森林の炭素固定量は食いつぶすことになります。これはマイナスのところにきいてくるんじゃないかなと思っています。ただ、逆に今度は、どんどん森を回転させることによって森林が若返って活力が増す。そこで今度は生産性が増えて、それで結果的にチャラになっているのかどうなのか、そこのところですね。どういう要素が森林のエネルギー資源を使うことと炭素の関係、何がきいてくるのかというのは、もうちょっと整理した方がいいんじゃないかと、そのように思いました。
 もう一つ伺っておきたいのは、やはり日比野さんのシナリオの中で人口配置のお話の中で、生態系を維持するために人を配置する必要があって、そこにコストが発生するという、そういうシナリオになっていますね。たしかその後にも同様な、人間を配置することの維持管理のためのコストという、そういう表現が出てくるわけなんですが、そこで張りつけられた人間というのは何をしたらいいのかなというのが、私、ちょっとぴんとこなかったんですが、そこら辺のところについてちょっと伺いたい。その2点を質問したいと思います。

○日比野氏 ありがとうございます。バイオマスについては、先ほど増井さんからもお話がありましたように、まだ対策係数のイメージどまりで、具体的に定量的に何メガトン入れる必要があるかというところの詰めはまだ行えておりませんので、具体的に幾つとは言えないんですが、少なくとも菜の花畑とかいうレベルではなくて、木材まで手をつけたようなバイオマスエネルギーを国内で供給していくという程度のものは想定しております。
 それで、木材自給率についても、今植えてある寿命の長い木ではなくて、もうちょっと寿命が短くて成長の早い木に植えかえて、どんどん生産性を高めていくということまで自給率を高める際には必要だと考えておりますので、そこら辺も加味したものにしていきたいと思っております。
 それで、あと人の分散なんですが、地方の農村部、林野部に住んだ人が何をしているかというと、確かに職も特にそこではないので、そうすると、ある程度の給料を払ってそこを管理する人、それだけの人という、それが環境省の職員なのかちょっとわからないんですけれども、そういった、それに特化した人というのを多数張りつけていく。確かにITを進めて無人でそういうものをやってくという選択肢もあるかと思いますけれども、それだけに特化した人を張りつけるのでお金がかかるんではないかということを考えております。

○安井座長 あと、いかがでしょうか。湯原先生、どうぞ。

○湯原検討員 初めに、ちょっと2点ほど経済の専門の方に質問があるんですけれども、この今のグローバル志向シナリオで貿易赤字が40兆円ですよね。貿易赤字が40兆円ということで、そういう経済を続けていくことがモデルとしてあり得るのかということと、先ほど来いろいろ議論になっているように、海外から安い農産物や何かが入るという議論、あるいは海外に工場をつくるという議論は、結局購買力平価と為替相場が余りにも乖離しているからそういうことが起こっているので、例えば今、中国の場合、購買力平価、1元が77円ですけれども、購買力平価と為替相場が一致していく方向に成長とともにあるわけですけれども、そうなったらだれも中国で生産しようと思わないし、それから、農産物も1元77円だったらそんなに安くないわけですよね。だから、そういうふうな発展とともに起こっていく経済の均衡化というんでしょうか、購買力平価と為替相場がだんだん近づいていくということに、少なくとも2050年にはかなりの部分がそうなっていくと思うんですね。そういうことはやはりカウントしなければいけないんじゃないかと思うんです。
 私の意見なんですけれども、やはりわかりやすい高度に発達した産業社会の姿を日本モデルとして、発展途上国、あるいはこれから発展していこうという国々に示すことが一番の基本であると思うんです。それはやはり非常に強い環境制約のもとに──450ppmでいいと思うんですけれども、そういう環境制約のもとにどういうエネルギー構成をとって、いろいろな産業化、付加価値の高い産業構成をとっていけるように、鉄鋼業をこの間みたいに乱暴に減らさないで、それぞれの製造業が高付加価値で省エネルギーな発展をとるべきで、サービス産業に移行するなんていうことは言わないで、やはり一国の工業生産力がその国の実力なわけだから、そういうものを維持しながら、あるべき産業社会モデルをアジアや世界に示していくということを基本にもし置くとしたら、それはそんなに複雑な社会像にならないわけで、既に私がここでご説明したようなエネルギー構成と環境制約で私はよろしいのではないかと思うんです。
 それで、もう少し具体性を持ったものが必要というのでしたら、やはり運輸や民生や産業のそれぞれの中でどういうイノベーティブな技術開発をもたらさせて、それが社会のエネルギー・インフラ・ストラクチャーなり産業のエネルギー消費を削っていくかということをいうのが一番重要なような気がするんです。2050年には少なくとも二酸化炭素排出量を今に比べて50%減らすようなシナリオを高度に発達した産業社会モデルとして日本が先行して世界に示すのが一番重要なのだというのが私の主張です。

○安井座長 ありがとうございました。今、湯原先生にご指摘いただいたことは、実をいいますとこの次の議題に非常にかかわるんです。そろそろそちらに移ってしまってもいいんですが、実を言いますと、環境制約というのを外的因子としてこれから決めて、一応この2本のシナリオがありますよね。これが2本がいいかどうか、3本なのかもしれないんですけれども、それに対して、例えば2度シナリオ、3度シナリオ、4度シナリオを書くのか、そうじゃなくて別のやり方があるのかという話でもあるんですね。実を言うと、そこをまだ議論していないんですね。そこがまず1つでございます。
 それからあと、これまたアウトプットの書き方なんですが、一応これまた私の個人的な理解なんですが、環境立国云々でどこがどこまで書かれるかよくわからないんだけれども、このシナリオも環境立国論を補強するためには多分使えるはずで──私の立国という意味はどこで金を稼ぐかという意味なんですけれどもね。どんな環境の国にするかじゃなくて、この国がどうやって金を稼げるか。環境ということでどれぐらい金が稼げるかという話なんですが、そうなると、結局環境技術の開発ターゲットとしてこんなものが必要だとおっしゃっていただいて、今の湯原先生みたいな話が、実は環境立国の具体的戦略なのかなというふうに実は個人的に思っているんですね。ですから、こういうところに開発ターゲットを置けみたいな話になるのかなというような気がしてはいるんですね。ですから、そういうようなことがアウトプット、それで社会基盤をどういうふうに作るとかと、いろいろな話がいっぱいありますので、お金をそこにどれだけかけられるかよくわからないというところがありますが、少なくともここでの未来像の場合だと、何か技術が今の技術だけでいいのか、そうじゃなくて技術が何%進歩しなければいけないかなんていうことを書けば、それはそれなりかなとは思っていますね。
 それ以外にもいろいろ、人の配置をどうするのか、そういうような話もあるんですが、ポリシーとして、要するに政策としての提言をして何を書くかという話とも絡むんですけれどもね。個人的にはそんなところのイメージで、今、湯原先生におっしゃっていただきましたので、ちょっと自分の考え方を述べてみましたが、細田先生、あと5分ぐらい。経済学者に40兆円という貿易赤字があり得るかと。

○細田検討員 国際収支というのは経常収支と資本収支と、それから外貨準備高を足してゼロになって、国際収支というのは全体で要するにゼロなわけですよね。だから、貿易収支が、あるいは経常収支が大幅なマイナスだと資本収支でバランスをとるわけで、当然資本は入ってきますから、それは可能なわけです。それから、購買力平価が上がりますかといういろいろな議論がありまして、私の知るところでは、必ずしも購買力平価に──それはフラクチェーとして動くけれども、じゃ、収束するかというと収束しない。だから、長期をどうとるかで、どう状態を考えるかでかなり違ってきちゃうわけですね。それから、ここでは資本はどう動くのかということもよくわからないんですけれども、そういうことがあって、可能は可能である。じゃ、それが壊れないかというと、壊れる可能性は十分あるんです。
 だって、今を考えてみますと、ものすごく日本は低金利で、外貨を稼いで何をしているかというと、アメリカの国債でアメリカを食わせているわけですよね。アメリカはなぜ文句を言わないかというと、日本がいるからアメリカが食えるということをよく知っているから、たたくのは今のところ中国にしておこうと。日本が支えてくれる分ハッピーではないかということで、日本の低金利も支えているし、やがてこれが円安に振れたときに、アメリカの借金というのは棒引きみたいな状態になってくるわけですね。日本は借金を踏み倒されてアメリカの収入を支えているということを、ずっと低金利政策でこれからやっていく可能性があるわけですよね。そうすると日本はかなり大損をこいて、アメリカがプラスになる。それが破綻に出るかどうかは別として、そういうことも可能になっているのであり得る。だけれども、どこかでものすごい調整がくる可能性がある。それがいつなのかというのはわからないということが答えになっているかどうかわからないんですけれども、だから、それだけの赤字でも可能だと私は思います。アメリカだってニクソンショックのときから、今から37年たっていますけれども、同じように赤字を抱えて日本に食わせる構造をつくって頑張っているわけですから、それは壊れない。ただ、日本が壊れるとアメリカも壊れる可能性があるので、それをどうするかというのはアメリカも考えるんでしょうけれども。
 私は、ちょっとそれで、ずっと考えてよくわからないのは、シナリオをつくって両極端でどう考えるかというのはいいんでしょうけれども、1つ、このシナリオで例えば無矛盾であるのかとか、それがフィージブルであるのかという、川島先生とか沖先生からありましたけれども、例えば自立国家型というのが、何が自立型なのか。じゃ、鉄鉱石と銅鉱石はどう──それも自立型というのはあり得ないわけです。鉄鋼部分自体がなくなっちゃう。オイルはどうなのか。オイルも買わなかったら自立できないだろう。じゃ、どこを輸入して、そうすると当然貿易収支の均衡化、資本収支をどう考えるかですけれども、ある程度輸出しなければいけない。それは一体グローバルじゃないのかという話にもなるわけで、そのシナリオセッティングがいま一つ私に理解でき切れないところがあります。
 それから、もう一つは、2つのシナリオをつくったならば、その単点解をつくっておいて、単点解ですから、どこか内点解に最適解があるんじゃないかとか、それができると、それが補間ということなのかもしれませんし、そこがこのモデルの中でできるのかな。どこか凸一次結合をつくってやったら、それはもっとよくなる。環境もGNPもよくなるとか、それがあるのかないのか。そういうシナリオづくりをできればマルチなシナリオを提示できて、ああ、そうかということになるのかなという気がするんだけれども、単点解だけ示してこうだと言われると非常に困って、単点解はフィージブルなのかということも出てきちゃうし、それがちょっと気になるところなんですねというのが私の感想なんです。

○安井座長 今の話はなかなか重要だと思います。端っこ、これは多分補間できないんじゃないかと実は思っているんですよ。何となくやるとしたらば人間の頭の中で補間するのか。少なくとも一次結合で比例配分でピャッとこういうふうにやってやるという話じゃないような気がするんですよね。何せこれだけ多次元ですからね。

○細田検討員 すみません。最後に、ただ、恐らくこの中に政策パラメーターがどこかに入ってくると思うんですけれども、その政策パラメーターを置くことによって、解がこっちに揺れるか、こっちに揺れるかというのはどこかに示してやれれば、幾つかのシナリオはできるのかな。政策パラメーターは税なのか、あるいは排出権売買なのか、それは違いますけれども、こうすると解は、結果としてこっちの単点解に入れる、こっちの単点解に入れるということはあるのかなという気がするんですけれどもね。ちょっと、僕はモデルの構造をよくわかっていないので。

○森口検討員 すみません。ちょっともう一度共通理解を得ておきたいんですけれども、今日の資料1−1の頭が、特に(1)で「『これが目指すべき社会像』という規範的性格を持ったものでは必ずしもなく」と書いてあるのが、今日の資料は、基本的にまずモデルでBaUも含めてやって、かつそのBaUといわゆる対策シナリオ的なものを、この2つの社会について書く。いわば2掛ける2みたいな書き方になっていると思うんですよね。それがモデルの性格上、こういうふうに改めて整理をし直したのかですね。先ほど西尾局長はごあいさつの中で、この「べき」というのがどのぐらい行政として出し得るのかみたいなニュアンスのこともおっしゃったように私は感じたものですから、行政の方の今後の進め方として、やはりこういう整理の方が望ましいという形で、再度こういうふうに整理されたのか、あるいは両方であったのかですね。そこのところはちょっとやはり確認をした方がいいのかなというふうに、ちょっと先ほど来でありますが、最初から感じておりました。
 と申しますのは、恐らくこういう2掛ける2の割に極端なものではなくて、どこかにやはり望ましいというか、ある種のこういうところを望みたいなと、あるいはそのミックスというか、経済の姿はIみたいなのがいいし、もうちょっと別なところはIIの方がいいみたいな、ある種のやはりベストミックスみたいなものをずっとこれまでも議論してきたような気がして、それがやはり何となく、「べき」かどうかわからないですけれども、こうあったらいいなという、そういうタイプのものじゃないかと、こういう議論は多分してきたと思うんですね。それがモデルではなかなか解きにくいということであるから、改めてこういう整理をされているのか、あるいは、モデルとは無関係に、やはりアウトプットの姿としては、このBaU的なものと対策シナリオ的なものを対比するような、こういう示し方の方がよかろうというところにまた戻ったのかですね。そのあたり、ツール側の問題と、それから、我々がどういう設定で世の中に出していこうとしているのか、そのどちらかの要因が大きいのかという、ちょっともう一度、もし事務局なり環境省なりの方からお答えいただいた方がいいのかなと思ったんですけれども。

○苦瀬企画官 両面あるのかなとは思うんですが、そもそも分析のためにもそれがいいということがあるのと、そして、1つはこの検討の仕方。最初からこの検討会で議論してきたところでは、環境上必要なものを決めたら、それを満たす社会、それが望ましい社会だということだろうということであったんですが、そういうことがうまくできるのか、すべきなのかという議論も、先ほど安井先生からアドバイザリーの議論も紹介していただきました。それで、恐らく、今、今日のこの出し方ですと、それが望ましいというよりは、こちら側とこちら側でやりましたという形で出すという形の方が今日のものです。けれども、そうしてしまっても、出したところでは、やはりそれを望ましいとするのかということになるようだったら、やはりこれでは終われないだろうなということはあるということも意識しつつ、まさに両面ありつつですが、今日はこれでお出しをした。ちょっと余り答えになっていないんですが、それで、ただ望ましいところとして何が、あるいはこれを目指さなければという議論をやはりしないといけないということがあるので、それは次の過程でやらねばいけないのだろうということを、玉鋼は今はないけれども、次の過程で議論というのはそういうことなのかなと思っているです。が、ちょっとずれているところがあるかもしれませんので、また補足をしていただければと思います。

○安井座長 そのモデル的というか、ツールとしての見解みたいなものなのかというところは。

○増井氏 モデルはあくまでツールなので、もちろん限界はありますけれども、ただ、いろいろ数字をこねくり回して、今回示したような前提条件をつくるということは可能です。今回の社会像を議論するというところに関しては、モデルの限界というところを意識してつくったものではありません。今回は、社会全体を網羅的に描くということで、今回の資料1−1のような項目を出して、それがグローバルな社会なのか、あるいは国家の自立志向シナリオなのかということで、それぞれ前提となる数値を与えていったというようなところがあります。モデルの側からいいますと、限界というようなものを認識してつくったわけではない。ですから、むしろ、もっとやはり社会像を描く上でこういう要素が必要であるということをお示ししていただければ、それに関する要素をさらにどんどんつけ加えていく。モデルという側面からいくと、ご意見に合うようにパラメーターか何かを想定したり、あるいは、実際に数字を与える際には多少屁理屈をこねることになるかもしれませんけれども、数字を与えていって、後からその結果を解釈する、そういうことになるかと思います。

○安井座長 森口さん、何か追加で。

○森口検討員 すみません。なかなか言いにくいところもあるんですけれども、ちょっと基本的に確認したいのは、最近になってから何か路線変更があったのかどうかですね。ほかの環境省内の大きな施策との関係上、やはりこれの出すタイミングなり何なりということを多少気にしていかなければいけないのか、これはこれで今日ご議論させていただいていいのかどうかというところが、ちょっと気になっておりますが、それはちょっとお答えいただくのは難しいでしょうか。

○安井座長 私が述べるのが義務なのか、西尾さんがお話しになるのが一番無難かな。

○西尾局長 別に路線変更があったというふうには思っておりません。前任の局長のときのイメージは何となくわかりますが、私は、この話は大いにとにかくいろいろ議論をしていただいて、超長期ビジョンですから、特に専門の方できちんと分析をしていただいて打って出ればいいだろうというふうに基本的には思っております。ただ、打って出るタイミングが一体どういうタイミングになって、それがどういう効果をもたらすか。これはいずれにしてもご議論をいずれいただかなければいけない。そこら辺についての考えというのは、少なくとも、例えば去年の暮れとか、あの時点で余りはっきりは思っておりませんでしたが、今もそんなにクリアではないんですけれども、今年、実はやはり環境のこの制約、それから本当に来年からは第1約束期間も始まるし、日本のサミットもある。しかし、どちらかといいますと、去年の暮れとか1月ぐらいは、どうやってそれにもうちょっと危機感を持っていただいて、そのアピールをするような状態をつくっていかなければいかんということの方を気にしていたんですけれども、そこはそれなりの道筋といいますか、少し勢いがついてきたかなというふうに思っています。
 そうなると、実は今、地球局と当面のことを一生懸命やっているわけですけれども、今年の後半で環境省がどういう形で来年に向けてアピールしていくかなというときに、私どもの行政でいろいろなことをアピールするというのは、これはやっていかなければいけないんですけれども、少なくとも専門家でずっといろいろ積み上げをした上でアピールしていくツール。研究所の方もいろいろやっていただいていますが、まず行政の方で、とりあえずそういう大きなツールで予定しているツールというのは、まさにこの超長期ビジョンがそこに埋まってくるものですから、非常に好機ではないかというふうには思っております。従いまして、もちろん専門家の方にそういう行政的なことをおっかぶせるというつもりはありませんけれども、ここで議論していただいたことを打ち出したときに、それは非常にインパクトがあってつながっていくということになればいい。そういう目で見たときにということで、先ほどの、そういう目で見たときに、私はこういうところがよくわからないな、この先どうまとまるのかなということを悩みましたということを言っておりました。
 それと、すみません。こちらの事務局と、この資料1−1と1−2が必ずしもつながっているようでつながっていないことというのは、私と、それから事務局の苦瀬の方との関係もつながっているようなつながっていないような状態で、必ずしも整合はしておりません。

○安井座長 どうですかね。なかなか難しいところなんだけれども、それが次の環境制約をどういうふうに、例えばここで入れていくかみたいな話ともつながるんですよね。それで、これまでの大きな議論の中では、やはりCO、特に温度みたいなものというのがやはり大きいかなと。それを決めちゃうと、何かほかのものもばたばたと決まっていっちゃうような部分があるという意味では大きいかなという認識は多分共通に持っているような気がするんですね。そうなると、例えば、自立型にするのか国際型にするのかわからないけれども、とりあえず温度を何点か決めてそれで計算するのか、そうじゃなく、それこそ2度なら2度でいくと言ってそこしかやらないのかといういろいろな問題がありまして、そこも結局、2度というと2度なんですよね。何をどう説明して、後でシナリオをどう書こうが、例えば3度になるとこうなるよと言おうが、もう2度は2度なので、それを一体どうしたものかいなというのも一つ問題なんですね。
 BaUというのが本当に必要かどうかというのも、どうもちょっとわからなくなってきちゃって、もう意味がないんじゃないかという説もあるわけですよ。だから、何かここまで来ちゃうと、その辺のちょっと状況の変化はあるかなと思っているんですね。その辺、だから、西岡先生あたりに、世の中の情勢を少し考えたらBaUってもう余り意味がなくて、やはりある意味の制約下で何かをやっていくような社会になることは、もう大体世界じゅうみんな覚悟しているのかなと。特に日本は覚悟したのかなという気もするんですけれども、となると、もしそうであれば、一体何と何と何の検査をすべきなんだということになるんですよ。
 そこで、例えば国内の生態系を何%残すというので計算をやれと言われても苦しいので、とにかくとりあえず温度でやってみて、あとは割と散文的に処理するのかななんて感じなんですけれども、その辺の理解は、もう一遍再確認になりますけれども、よろしいですか。そんな雰囲気だったと思うんですけれども、2050年の、アプローチとしては国環研と余り違わない話になっちゃうんですが、例えば余裕があればもちろん、例えば2度、3度、4度でやれというのも言えるんですけれども、そうすると増井さんの方で健康上の理由で断られる可能性もあるんですよね。そういうようなこともあって、ちょっとその辺、何か西岡先生あたりから、世の中の全体の動きというか、どういうことをメッセージとして出す。そのときに、例えば温度でいう、濃度でいう、いろいろありますけれども、温度がいいかなと私は言っていますけれども、その辺、何かちょっとございますでしょうか。

○西岡主査 先ほど質問したときに、アウトプットって今3つ出しておられるという話をしたんですけれども、エネルギーじゃなくてCOの目標になると、比較的いろいろな意味で今の問いに対して答えろと言われればいろいろと言えるんですけれども、循環型の方の例えば目標といったのは、ここで書かれているアウトプットをごらんになって、何かこれで設定できるんだろうかということが例えばちょっとあったら。

○森口検討員 例えば、今日の資料の1−2の9ページでしょうか、廃棄物の種類ごとの数字なんかが出てくるんですけれども、例えばアドバイザリーボードで非常にアンビシャスな数字を先生方から示されて、COが70%だと、リサイクル率は90何%だろうと、こんなご議論もあって、それはできる、できないという議論は既にあって、少し数字を設定するようなことはやっていたと思うんですが。これでなければいけないという限界値を、COのように影響をここに抑えなければいけないから幾らにしなければいけないという話は、なかなかちょっと設定しにくい部分は確かにあるにはあるんですけれども、廃棄物側の制約というより、むしろ資源制約というか、資源の平等な分配みたいな観点から、規範的にこんなものじゃないかという数字がある程度出てくる可能性というのはあるんじゃないかなと思っています。だから、そういうものと、恐らく現時点で資料1−2についているものとの間では、やはりまだかなりギャップがあって、50年というスパンで考えるときと、やはり今あるデータからモデルを回していく──これは川島先生もさっきご指摘になったところなんですけれども、そういうある種の積み上げ型に近いモデルを先に延ばしていくということから出てくる限界というのは当然やはりあるなと思っていまして、そのあたりはやはりエネルギーに比べて、この辺の物の扱いって、今記述している以上、なかなかリアリティーから逃れにくいところはあるかなと思っています。そうすると、やはりここのところの数字も、ある意味では場合によってはCO並みに非常に大胆な数字が出てくる可能性は高いんじゃないかなと思います。

○西岡主査 ここでは量だけがありますけれども、回転だとか、そういうような目標もどこかでできるんだろうかというのがあるんですよね。それは入っている。

○増井氏 ここには示していないんですけれども、お手元の参考資料1というのが前回の検討会の資料3−4になるんですが、そちらの2ページ目の方に、それぞれの問題におきまして持続可能性の視点からどういうふうな水準がいいのかというのが少し議論されていますけれども。

○西岡主査 できるということですね。
 それから、もう一つ、最近の状況から見ますと、実は多様性の問題、あと2010年問題がありまして、必ず出てくるんですが、ちょっとこの面積的なものだけでは補い切れないものがあって、これを何かもう少し──これはもうこれ以上できないかもしれないけれども、できたらモデルの方でもシナリオの方でももう少しブレークダウンしたものがあってもいいと思いますし、なかったらないで、この土地面積と多様性の関係といったものをどこかで深めておく必要があるかなということがあります。大きく、もう少しほかで言いますと、多分いわゆる自然共生、里山的な話も含めた意味での指標というのもあってもいいのかなという感じであります。
 それから、環境と離れますけれども、いわゆるここでも技術的なといった場合に、自給率みたいな話だとか、それこそエネルギーと食糧の自給率というのを押さえるということもあるかもしれませんし、もう一つ、これは1%、2%のGDPで、それを満足していればいいかという了解を得られれば、それはそれでいいと思うんですけれども、いずれにしても、私が申し上げましたのは、そういう枠の中でこのシナリオがどれだけ動けるかなということを次のステップで多分やるということが期待されているわけですね。そのためには幾つか指標について深めていく必要があるかなということです。

○安井座長 あと、前に申し上げた話なんですけれども、例えばモデルを回すときに、例えば2度モデルというのを回して、後でビジネス・アズ・ユージュアルというやり方なのか、例えば2度、3度、4度でやっていくのか。その辺に関しては何かご意見等ございますか。

○西岡主査 2度、3度、4度で、多分2050年における縛りが大分変わってきて、多分二、三十年の、その間にいろんなものが出てくるんですね。だから、それはある程度段階を設定してやっておけばいいかなと思うんです。それは別にそう難しい話ではどうもないというぐあいに聞いております。
 もう一つ、ビジネス・アズ・ユージュアルという考え方がだんだんなくなってきたということが確かにあります。あれは一つの、例えば温暖化の話だと、ビジネス・アズ・ユージュアルだとこんなにひどいことが起こるよと言うためのシナリオにすぎないようにだんだんなってきて、やはり世界全体がある制約の中でそういう世界を目指さなければいけないなということで、今のむしろ私が幾つか挙げました指標でもって、どういう社会の中におさまるかという目標の方からシナリオみたいなものができてくる時代になってきたかなということは感じます。

○柴田検討員 ちょっとうまく提案できなくて、さっきから考えていたんですけれども、資料1−2のような定量的な分析を行う際に、いわゆる安心・安全の社会を目指すという意味での環境リスクのより少ない社会をどう評価すればいいかというのは、どういう評価軸を入れればうまくそこら辺の評価ができるのかなと考えていたんですけれども、なかなかアイデアがなくて、ただ、そのあたりもぜひ考えていただけないかということは、これはちょっとお願いになります。
 それに関連するんですけれども、資料1−2の1ページの人口のところの推測で、グローバル志向シナリオでは死亡中位というのを仮定して、国家自立型志向シナリオでは死亡高位と書いてあるんですが、要するに、これは想定する際に死亡率を変えているということなんでしょうか。

○増井氏 はい。

○柴田検討員 その根拠みたいな、つまり、もしここで死亡率が変わるということが自動的につくなら、それだけで、ちょっと社会のリスクが違うという言い方になってしまうかなというふうに思うんですけれども。

○増井氏 今回、2つ違うシナリオを想定したのは、例えば死亡中位を想定しますと、線の幅といいましょうか、違いがほとんど見えなくなってしまって余りおもしろくないという、本当に違いを見せるためだけの意図で想定しています。ですから、ここで死亡中位と死亡高位をそれぞれ設定したというところには、余り実は大きな意味はありません。むしろリスク的な側面から見て、どちらも死亡中位でやるべきだという、そういうご意見であれば、そのようにしたいなと思っております。

○若林検討員 人口の側面で、ちょっとここに現物の推計がありますが、まず2ページ目の下のところ、出生中位はいいのですけれども、死亡高位と、死亡の中位の数値が1億195万ということで、高位というところが中位ではないかというのが1点。
 それから、2ページ目のグローバル化志向シナリオになりますと、2050年がTFRが1.54になるという、この設定の問題なのですが、外国人を多く入れ込むと出生率がもちろん違ってきますから、そのことを考え、かつTFRを1.54で設定したという人口の推計との関係で、ここに入れ込むに当たってのご説明をひとつお尋ねしたい。
 それから、格差の問題というかGDP的な点を、こちらはもちろん全体ですが、国土の中の地域的な差がどうなのかという、これは改めての質問ですけれども、よろしくお願いします。

○増井氏 出生数の方につきましては、資料として参考とさせていただきました日本の将来推計人口、昨年の12月に出されたもの、そこに描かれておりますこういうシナリオの数字が2050年に1.54となっておりまして、中位シナリオの方は1.26という数字が出ておりましたので、それをそのまま引用させてもらっています。

○若林検討員 それはグローバルとの結びつきですよね。外国人が入ってくると、彼らは今、いわゆる都心というか、新宿区の出生届が出るのは多くが外国人出生で、日本人の子供の誕生は少ないという町内会も出てくるような、グローバル化を結びつけた要因をどう見ていらっしゃるかということと、それから、さっきの死亡のところは、多分中位。

○増井氏 それはちょっと確認させてもらいます。
 移民の方は、資料1−1のシナリオ整理の表の最初のページなんですけれども、そこに移民の想定としまして、現在より大幅増加、あるいは現在よりやや増加という違いを想定しております。これも反映させた方がいいのかなということで、一応こういう2つの違いを想定しています。ですから、本来もう少しきちんと、どれぐらいが増えるのかということも議論しないといけないんですけれども、そこまできちんと積み上げる方法がなかなか短期間に見つからなかったということで、ここの数字だけを取り上げさせてもらったということです。

○若林検討員 国連の補充移民の件については、前に発表させていただきましたけれども、それを新たな今日の段階でどう見るかという一つの推計ともかかわると思います。

○安井座長 さて、当初の予定ですと、この辺で休憩を入れようかと思っていたんですけれども、どうしようかな。今日、どこまで落としていけばいいんですかね。まず今日の会議の落としどころをちゃんと議論しなかったんですけれども、ちょっと想像なんですが、この資料1−1のこの表を詳細に眺めていただくと、これでいいのか。例えば、こことここをスワップした方がいいんじゃないかとか、何か多少あるような気もしないでもないんですよ。それで、その辺につきましては、多分ここで全部見ていただくのも無理だから宿題かな。大体いつまでぐらいにくださいと、これは最後に言っていただくことになっているんですよね。

○苦瀬企画官 この次1回ぐらいで、2050年の像がどういう像で、どういうふうに成り立つかというのは大体議論を終えたいというのが今のところの予定ではあるので、そうすると、今、大きな問題で、この2つの立て方でそもそもいいのかというのは、グローバル化という軸でいいのかという問題もあるし、もう一つ、それで、さっき森口先生からご提起があった望ましいという方でやるかどうか。そこは、本当の方向は変わってはいないはずなんです。つまり、ある種のあるべき像を設定して、それが成り立つかどうかというのを考えるべきだという、その最後の目的は多分変わっていないんですけれども、ただ、やり方としては、必ずしもそれそのものじゃないやり方をしているように今なっているというのじゃなくするのであれば、それはちょっと、ここである程度方向を議論しておかないとできなくなってしまうと思うんですね。

○安井座長 具体的に、だからいつ作業に入るかという問題があって、ここは研究会というわけではなくて一応環境省の委員会ですから、ある意味政策的なそういう使い方に一番フィットしたようなものについて、我々が一番よさそうだよというところを選んでいくという、そういうのがここのタスクだと思うんですけれども、政策的には、先ほど局長がおっしゃったように、例えば国内はこういうのが一番都合がいいという人もいて、海外はこういうのが一番いいという、そういう都合よさそうな、それを玉鋼と言うかどうかは別として、何か両方とも都合いい、都合いいシナリオみたいなものというのを書かなくていいのかという話もないではない。政策的にはあるのかもしれない。要するに無矛盾という話があって、それがどこかに矛盾を生ずるんじゃないかなという気もしないでもないんだけれども、それってどうやって検証するんだろうなというようなものもある一方ではあるというようなことなんですけれども、その辺を含めてどうしましょう。政策サイドからはそういうものがあった方がいいなというご注文があったように私は理解したんですけれども、皆さんというか、委員のご専門の立場から見て、例えばこの両者のいいところ取りシナリオ。何がいいかというのはよくわからないけれども、グローバルにも十分開けているし、しかも農業的に自立している、森林も自立しているなんていうのはあり得ないのかどうかですね。そもそも制度的に矛盾しているのかどうか。そんな話を今日でできるか、やはりできないのか。

○川島検討員 過去はなかなかうまくいかなかった。やはり過去50年ぐらい、すごく悩んだわけですよね。それでうまくいかなかったというのが現実なんですよね。だから、その次の50年で提示できるかということを考えると、私は難しいと思うんですね。というのは、グローバリゼーションというのは、これは政策手段として選んだというふうなことで書かれていますよね、私たちの意思で選べるという。でも起こっているのは、研究室でちょっとやっているんですが、要するに輸送費がどんどん安くなっているんですね。それが推し進めている要因で、輸送が安くなって、それから港湾設備とかインフラも整えられてくるわけですね。だから、これが推し進めているのであって、私たちは港湾設備を整えるのをやめて、それからいいエンジンを開発するのもやめてということなんですよね。次の50年を見ると、例えばインドの港湾設備なんかも今、どんどん投資が進んでいますから、世界はどんどん近くなって小さくなってきているんですよね。だから、私は、農業の部分を考えて直截的に言えば、過去50年で無理だということは、次の50年余計無理になるというのが科学技術の発展のこちら側にあるシナリオだと思っています。

○沖検討員 今の点に関係すると思うんですが、結局、例えば輸送コストの問題だとすると、原油価格に応じて日本がグローバル化に進むかドメスティックに進むかというのが、多分動いていくはずなんですね。そういうふうに、もうちょっとその辺に基づいて将来を描いた方がすっきりするんじゃないかな。例えば、グローバリゼーションの方は国際航空輸送が盛んになると書いてありますけれども、それは、ほかの要因で決まるものを幾つかのシナリオに一つ一つ当てはめてしまったところにちょっと苦しいところがあるので、先ほどと同じ話になりますけれども、外生は例えばもうちょっと絞って、そのときにはこうなるとやるか、もしくは逆に、こうやって2つのシナリオをやった場合の、そのときはコストはどのぐらいとか、穀物価格はどのぐらい、輸送コストはどのぐらいといった、もしくはそれを実現するためにはこのぐらいの投資が必要ですといったものを示すと、それは無理ですねとか、このぐらいはあり得ますねとか、そういう政策的な話に結びつくんじゃないかなと私は思うんですけれども。

○安井座長 今の話は、しかし、それをやろうとするとどういうふうになるんだろうな。外生因子として、沖先生の話だと何と何と何ですかね。

○沖検討員 私、経済が全然専門じゃないですが、やはり生産性と輸送コストとかエネルギーコストですね。

○安井座長 輸送コストやエネルギーコストは絡みますけれどもね。どうなんだろうな。その辺の議論をやってもらうとすると、ちょっとかなり時間的には厳しいかな。

○沖検討員 あと関税とか、そういうところですね。

○安井座長 関税はかなり変わりますよね。

○明日香検討員 カーボンのコストもある。

○安井座長 大きいかもしれないですね。

○明日香検討員 カーボンのコストは結構大きいと思いますけれども。

○森口検討員 カーボンのルールもあって、今、国際貿易(のための輸送に伴う排出)がどこの国の排出にも帰属していませんので、それを輸入国の帰属というふうに自虐的なルールを置けば、グローバル化よりは国内産業側に振ることは可能なんですね。日本国内排出量よりも、要するに今は責任を負っていませんけれども、輸入に伴うもろもろの間接エネルギーを足すと、日本の排出量は、実際の日本の領土から出ているものも多いですから、それを積極的に誘導しようと思えば、そういう国際ルールを提案していくということだってあり得るんですね、どっちかのシナリオの方に誘導したければ。

○日比野氏 ちょっと今までのここ数カ月の流れでいきますと、そもそも望ましい社会の姿を描きましょうというところで始まって、合宿等を含めていろいろ意見を出していただきました。その際、いろいろ出た中で、望ましい姿を描くために必要な観点ということで、事務局側で幾つかちょっと整理しまして、そのときに、例えば何で食うかとか、技術重視度、国際社会との関係、エネルギー、食糧自給度、移民依存度、大きな政府か小さな政府か、地域振興のあり方、価値観、環境とかというキーワードが浮かび上がってきました。詳細な議論は省かせていただきますけれども、こういった観点をいろいろ従属性とかをかんがみたり、皆さんのご意見を反映しますと、やはり必ずしも日本人が望ましい姿、ここに向かうべきだと言っても、やはり国際的な枠組みというところにおいては、日本人がこうしたいと言ってもなかなか一貫できない外的要因的なものがあるんではないか。それに付随していろいろなものもぶれてくるんではないかという議論がありましたので、この軸をつくりました。
 今、沖先生が具体的に原油価格を想定して穀物価格を想定して書いてはどうかというお話ではあったんですけれども、そうしますと、それを分析できる定量的なモデルをつくって、その定量的なモデルから出てきた答えがすべてかといいますと、そこにはやはり幾つかの想定があるので、それと同じような思考をここでやっているように僕は作業をしていまして、やはり原油価格もある程度、原油枯渇が2050年で訪れるのか、それより先になるのかという議論がある中で、50年でかなり価格が高くなるのではないかとかいう想定とか、さほどではないんじゃないか、それは国家間でうまく連携していけば防げるんじゃないかとかいうふうな議論で2つに分けて、ですので、今の定量化は難しいんですけれども、そういった定量的にやるべきことと2つに分けて、まず外的な要因を決めて、そのためにはどういうふうな社会像がいいんじゃないかというようなことを作業としています。
 ですので、この間に望ましい社会があるんではないかというふうな意見が出てしてしまうと、ちょっと事務局側の失敗でして、あくまで社会の想定、本当にグローバルの方に進む、そこに意見の違い──本当にグローバルに進むか、もっと各国家の自立性を重視していくか、そこに意見が分かれたとしても、もし皆さんが、グローバルに進むんだとしたらこういうふうになるんでしょう、自立志向に進んだとしたらこっちに進むんでしょう、これが一番最適な組み合わせなんじゃないでしょうかというところが、もしそのストーリーが納得していただけないようでしたら、これはちょっと理論的にミスが事務局側にあると考えられます。ただ、そこのどっちを選ぶかについては、もう人によって違うので、この2本を立てたという整理なので、この間に望ましい社会があるというふうな考えではないかということで整理をしております。

○安井座長 今、まさにうまくまとめていただいたのは、今までの我々の検討経過で、まさにおっしゃるとおりなんですよ。ですから、今の沖先生的な外生因子を決めて、その動きでもってどうなるかというのは、多分相当検討の方法論を変えて、別のグループをつくってやるぐらいの話なんだよね。そんな感じはあるんですよ。

○沖検討員 わかりましたので、それは取り下げますが、今、日比野さんがおっしゃったのは非常によくわかるので、そうしますと、やはり指標の方ですね。そのときの社会というのを設定したことに対して、例えばもっとマクロな経済指標で旅客が今より比べてどうなっているとか、車を使う回数がどうなっているとか、もしくは冷暖房の使い方はどうなっている。平均的にみんな集合住宅に住むのか、個別住宅に住んでいるのか、そういういろいろな指標が両方についてくると、それぞれの社会になったときのイメージがもっとわくと思うので、そこのところがちょっと今回はイメージがわかなかったかなということとご理解ください。

○安井座長 取り下げてくださってこっちとしてはありがたいんですが、確かにそういう方法も検討としてはあるんですけれども、多分それからやって出てくる社会のイメージづくりになると、きっとまた議論をやる必要があるんだよね。だから、こういった方法と、外的因子で制約でもって社会のあり得るイメージを変えていくという作業は、多分補間的に両方やらないといけないのかな。本当はそうなんだろうな。

○沖検討員 余計なことを一言申しますと、先ほど話をしたときに炭素をどう考えるかとかいう話がありましたが、水でいいますと、やはり排出規制とか総量規制をやったおかげで、過去40年で物すごく日本の水域はきれいになったわけですね。そういうような政策でコントロール可能なことに関しては、やはり感度分析みたいなものがあるとシナリオ分析というのがものすごく生きると思うんですね。それが、今は温暖化が非常に焦眉の問題ですので炭素の問題が主ですけれども、やはり生物多様性とか、そういう視点でも、国が規制とか、もしくは政策誘導でできること、それを導入することによってどのぐらい変わりますというのが、多分増井さんのこういうモデルで反映できるところがあると思うので、そういうのがあると、非常にメッセージ性豊かなシナリオ分析ができるんじゃないかと私は思います。

○安井座長 さて、ちょっと休憩をとるのが非現実的になってきちゃったんですけれども、どうしましょうか。今、例えば幾つかまだ問題があって、このシナリオI、シナリオIIという2本のシナリオだけでは何となく、補間がきくかと言われると、やはり補間はどうも多分きかないのだろうという気がするんだけれども、そこも増井さん、いいですかね。そうですよね。だとすると、やはり最初2本に絞られて、3つ目の、昔は両方のよいところ取りみたいなシナリオというのもあったんだけれども、そこを今外した形にはなっているんだけれども、一つの極端な例として、悪いところ取りというのはないから、やらないで多分いい。そうすると、よいところ取りみたいなシナリオを書いてみて、ただ、それはさっきの川島先生の話じゃないけれども、実現は難しいかもしれませんね。なぜと言われると、やはり国というものが、やはり自分の都合だけじゃ決められないからだ。関税みたいなものを完全に勝手にしろよと言われればやれるのかもしれないけれどもね。

○川島検討員 ネガティブなシナリオだったら入れられると思うので、要するに、自分一人で決められる話ですね。総量規制をやるというのは製造コストにはね返りますが、かなり努力すればできる。ところが、関税のようなことになると自分勝手には決められない。それから、恐らく少し考えて、これも細かくやるのは非常に大変でしょうが、私、自分の研究で今ここに持っているんですが、中国がどう発展するかというのを見ていると、先ほどちょっとGDPのことでお聞きしたんですが、これは私が言う前に多くの人が似たようなことをやっているんですが、例えば中国のGDPって、日本をもう2010年から15年ぐらい追いかけていって、増井さんのこのシナリオのときだと、2050年で私の計算で見ても、中国の実力の5分の1ぐらいのGDPしか日本は持っていない。現在の日本とアメリカより離れちゃうわけですね。そこで日本にどのぐらい決定権があるのかというのが何となくそちらのイメージにないと、非常に自分勝手な──将棋だと、相手の駒は全然動かないのに自分だけが動いていくような将棋の駒の動かし方になっちゃうこともあって、恐らくある意味で、先ほどちょっと私、文句というか、低過ぎるんじゃないのということを申し上げたんですが、このシナリオが進むと、もう日本にそんなに決定権はないんじゃないかなという気もしないでもないんですね。今、アメリカとのGDPの差が1対3ぐらいで、かなりアメリカの言うことを聞かなければならない運命というか状況にあるわけですね。それで、中国と日本で比較的近い国で1対5のGDPの差を持っているときに、日本が例えば関税のことや何かでいろいろなことを決められるのかなというふうにも思っています。ですから、海外の状況というのも、具体的にモデルに組み込むのは大変でしょうけれども、そこのイメージがないと、日本のグローバル化と自立シナリオというのは成り立たないんじゃないかという気がしております。

○安井座長 おっしゃるとおりなんだけれども、なかなかそれも難しいところで、例えばエネルギーコストの話なんかに関してだって、実を言うと我々が決められるわけじゃないし、それに対する各国のエネルギーコストがわっと急に上がったときには、多分各国の力関係も全部変わってくるし、日本は多分エネルギー価格が上がるとやや有利になるだろうと思うんですよね。だから、そういうようなことが早く起きれば、多分中国はそんなに伸びられなくなるしみたいな話があるから、結局、今の我々のスタンスから言うと、外国の状況までどこまで考えるか。今のところ何も考えていないわけだよね。ベトナムがどうなるかとかいうことまで考えていないわけで、だから、そうなってくるとどうなんだろう。今、川島さんがおっしゃったような話まで、その辺まで入れるべきなんだろうか。むしろ何か一番自分の好きな社会をつくるというところを超せないんじゃないかという気がするんだけれども。

○川島検討員 余計複雑になっちゃう。

○安井座長 そんな気がするんだけれども、明日香先生、何か。

○明日香検討員 すみません。達成約というのをもし入れるんだったら、やはりカーボンの価格というのは入れざるを得ないのかなと思います。多分2030年、40年、50年ぐらいで、いろいろなモデルだと30ドルとか40ドルとか計算しているので、そこら辺は国環研の方がどの計算をどういうふうに使って、どういうふうに外生に入れるかというのはあるかと思いますけれども、結構やはりきいてくるのかなと思います。
 あと、これは希望でもあるんですけれども、多分問題になってくるのは、外から全然買ってこないということは多分ないと思うんですけれども、外から全部買ってくるという話でもないと思いますので、先ほどの環境立国という話とくっつけると、やはり国内雇用なり環境ビジネスみたいなものがどの程度、どういうシナリオで、カーボンがどのぐらいの値段だと日本で交流するかとか、そういう数字みたいなものも出ると、すごくアピール──逆に日本国内で単純に言えばいろいろやった方が、環境立国という形で、かつ雇用人口も増えるというような見せ方でいろいろ議論を発展できるのかなと思いました。多分その30ドル、40ドルというのは結構いろいろな人が言っている数字ですので、それでかなり、原油価格にかえると2倍ぐらいになっちゃうかもしれませんので、その決め方でいろいろきいてくるとは思いますけれども。

○安井座長 今、原油価格と同じではない。だから、例えば倍に──30トンというと幾らなんだ。バレル当たりで幾らぐらいなんですかね。30ドル・パー・トンCO

○明日香検討員 そうです。かなり高くなるとは思いますけれども。

○安井座長 10ドル・パー・トンカーボン。バレルだと一定水準ですか。バレルにしちゃうと5ドルぐらいにしかならない。

○川島検討員 バレル150。

○安井座長 150何ぐらいですね。150を切ったぐらいですね。

○川島検討員 だから6分の1。

○安井座長 カーボンだともっと少ない。

○沖検討員 3.5倍ですよね。

○安井座長 カーボンですか。

○──   COです。

○川島検討員 今、原油が1トン当たり6倍するんだから300ドルぐらい。50ドルだと300ドルぐらいが原油の価格です。

○明日香検討員 今の数倍の炭素税をかけなければいけないというようなイメージだと、そういう価格が数十円上がるというようなイメージなんじゃないでしょうか。大ざっぱですけれども。

○安井座長 そんなに高くならないんじゃないかな。だから、そのぐらいの価格のカーボンの取引価格だったら、ほとんど何もきかないんじゃないかな。

○明日香検討員 40とか50でもですかね。

○安井座長 よくわからないですよ。ちょっと後で検討しましょう。
 そういうわけで、いずれにしても、ちょっと今日はこんな結論にさせていただけませんか。一応もう一遍事務局で考えまして、事務局でできるというか、増井さんのところでできる作業量をもう一遍推算をさせていただいて、それであと、やはりこれが政策的ツールとして有用でないというとほとんど意味をなさないので、それで、やはりそういったときに一体何が重要かというのも一遍考える。
 それで、例えばシナリオI、シナリオIIだけでいくかどうかもわからない。ですから、とりあえず、しかし本日、皆様にご検討いただいて、まだ検討は十分ではございませんが、シナリオI、シナリオIIでおかしなところ等があれば、それは早目にお知らせいただいて再検討の題材にしたい。それからあと、シナリオI、シナリオIIを適当に組み合わせてシナリオVをつくるということも考えられないわけではない。それをできるだけ、どんなところに持っていくのかわかりませんけれども、都合のよさそうな感じにするのかもしれないと。それをやるのは、しかし多分相当な説明が、やはりそこを読んでもらえるかどうかは別として書かなければいけなくて、国際社会がこんな仕組みにならなければこんなことは実現できないよと書くしかないのかなという気がするけれども、そういったこともあり得ないわけではない。
 それからあと、温度にするのか──温度でいいように思いますけれども、例えば2度、3度、4度、それも原点がどこの2度なのかよくわからないんだけれども、国環研的に産業革命前が0度なのか、1990年が0度なのかによっても違うしあれだけれども、2度、3度、4度みたいなことがもしできれば、そこが仕事量としては最大。だから、そこから過労死しない範囲内でどこまで落とせるかというあたりをちょっと詰めさせていただくのかななんて思うんですけれども、そんなところでいかがですかね。そこだと大変ですよ。3通り、3通りですから9通りになっちゃうんですね。
 しかも、今日まだ議論していないことで、時間がなくて申しわけなかったんですけれども、中間地点というのをとにかく1点か2点かつくりたいと思っていて、その時点も、もう実を言うと2030年以外にはあり得ないという事務局案にはなっているんです。なぜか。2025年だとちょっと手前過ぎる。20年、20年と考えると、やはり2030年の方がよくて、それで、2030年あたりをぽんぽんと2点ぐらいつくって、それとこちら側が9通りありますと18通りのシナリオがあるんだけれども、そこも2点か、ここで9通りつくっちゃったら、九九、八十一通りでわけがわからなくなっちゃうんだけれども、途中でポリシーを変えるというわけにいかない。こういうポリシーでいってこういうふうにきくというやり方も急を要するという話になってくるので、81通りになっちゃうんだけれども、それはちょっと無理だろうから、何か代表的な2点ぐらい、それをまたどうやって知恵を出すかの問題なんだけれども、その辺で、途中でポリシーを変えたらどうなるかみたいなこともちょっと言及したいという感じなんですね。その辺、ですから、またまた仕事量とも絡むので、ちょっと事務局側と詰めさせていただいて適当なところにおさめたい。
 それからあと、先ほど柴田委員からの話で、確かに安全・安心の話が少な過ぎるようには思うんだけれども、それを今の現状の中で事務局に考えろと言われても無理で、むしろどうしても柴田委員に考えていただかなければいけないということです。ですから、ご自分の範囲でこういう課題があるから事務局に考えろと言われても、それは無理よという、今の現状だとそういうことですね。ですから、そこは何とされるか。
 それからあと、森口先生あたりにもそれにちょっといただきたいんだけれども、循環型というものの目標値みたいなものというのは、私は循環というのは、実を言うと、そこにどれだけ金をかけるかだけの問題で、何か余り制約がないんじゃないかという気がするんですよ。そういう理解だと、一体この循環というのをどういうふうに取り上げればいいんですか。

○森口検討員 今のピンポイントのお答えにならないのかもしれないんですが、私の理解は、循環というのは、今後多分日本の廃棄物問題があるから──もちろんそれも今はあるんですよ。だけれども、それではなくて、むしろ循環というキーワードで、例えば先ほど来何回も出ている環境立国みたいなものにどういうふうに生かしていけるかという、そのキーワードとしても考えるべきじゃないかなと、こう思っています。あるいは、川島先生が先ほど来言っていたように、日本が何か決められるという話でない。経済規模から見ても明らかに中国の方が大きい。循環技術の生かしどころとしても日本じゃなくて中国という、こういう話でもう整理されるんではないか。もしくは、もう割り切って、日本で今ため込んで、コストをかけてでも開発している循環技術を20年後、30年後、いかにそれで中国で食えるかという、そこへ持っていくという話にいくのが非常に素直じゃないかなと私は思っていまして、そういう意味では、今日の2つのシナリオというのは、日本では自由にならないんだけれども、何だかんだいろいろな外的な要因でもこういうふうに決まってくるようなところがある。そこが振れたとしても、日本が何で食っていくかという部分が余り変わらないのであれば、それはそれで一つの答えなんじゃないかなと。それが望ましいなというか、社会像じゃないのかもしれないですね。「べき」というか、割に揺らがない部分を何か見つけていくようなプロセスなのかなというふうに感じていたので、だから、循環に関して言えば、むしろもちろんそれ以外も何か非常に大きな問題点が今後出てくる可能性も当然あり得るとは思いますけれども、廃棄物側の問題というよりも、むしろ日本にとってどう資源を調達するかというようなことの手段であったり、あるいはそこの技術を生かして日本以外のところの資源調達手段としてどう生かしていくかで、廃棄物問題の解決の手段としてどう生かしていくか、そっちの問題が大きいかなというふうに考えております。

○安井座長 多分そんなというか、むしろ循環と言うよりも資源と言った方が、レアメタル資源とかと言った方がいいのかもしれない部分はあるんですけれども、その辺も実を言うとなかなか……。世界全体で同じ料金になれば全然問題はないので、幾ら上がってもほとんど問題はないです。ですから、それが、だからある意味で、どこかのシナリオにちょっと書いてあるんですけれども、要するに中国側なら中国というところが資源を独占的に使い、輸出禁止にするというようなことになると、多分相当痛い。だけれども、そんなこと、このシナリオの中にとてもとてもやれないしね。そういう感じなので、ですから、そんなところでいいですかね。森口さんの意向を無視しちゃうと循環型社会がなくなっちゃうみたいなものですけれども。
 あと、生物多様性に関しては、これまた難しくて、今日湯本さんがお見えになっていないけれども、この間、ちょっと湯本さんとの話では、結局連続した手つかずの生態系の面積がどのぐらいかみたいなことで、代表的な指標にするぐらいでどうだみたいなこと。山本先生、どうですか。

○山本検討員 結局、ここで例示している1とか1.05とか、そういう指標ではかるものじゃなくて、やはり日本なら日本の国土の何割、最低限これだけ自然の森をとっておきましょうと、それが与えられた条件だというふうな形で考えていかないと、最低限の目標だけ決めておけばいいんじゃないかなというのが私の印象ですが。

○増井氏 そういう意味で、目標は大体どれくらいになるでしょうか。

○山本検討員 今、実際3割5分ぐらいが自然林が国土に占めている割合なんですね。そこを4に持っていくのか、3に戻すのか、その辺の判断だなという感じがしますけれどもね。5割に持っていくというのはなかなか厳しいんじゃないか。

○増井氏 以前のアドバイザリーボードでは、最低限現状維持という意見だったんですけれども、それではやはり突っ込まれる。

○山本検討員 つまり、どこまで行けば多様性が満たされるかという、はっきりした指標はないんですよね。割り切り方だと思うんです。

○安井座長 そういうようなところで、そうすると、目標とすべき環境の値って、それでいいんですかね。大体3つぐらい今出ていますが、だとすると、やはり──しかし余り明確ではないんだな。だから、どちらかというと、こういうふうにやったときに35%、40%が可能かどうかというのを何となく居住の仕方あたりできっと読み取るしかないんですね。そういうことになりますと、結局パラメーターの数として、目標とは言いつつも、それを目標値として設定できるのはどうも温度ぐらいかなという話にまたまた舞い戻ってしまうのでありますが、そんなところで動きますが、いかがでしょうか。

○沖検討員 これはもう単に意見で、捨ておいていただいていいんですが、やはりちょっと今、環境といったときに、地球温暖化に意識が向き過ぎているような気はいたします。というのは、それは非常に重要なんですけれども、ある意味では温暖化の影響というのは、災害となって影響が人々の暮らしにあらわれる。ところが、災害でないふだんの暮らしというのもやはり非常に重要な環境だと、みんなやはりそこがよりよくなることを期待していると思いますので、水質であるとか大気とか、非常に古い問題というふうに思われるかもしれませんが、やはり私はそういう視点もあった方がいいんじゃないかというふうに思います。

○安井座長 その辺は、実を言うとある意味で合意ができていて、今の状況より質は悪くはしない。

○沖検討員 そうではなくて、もっとよくなるはずだということを前向きに僕は考えるべきじゃないかと思っているんですね。みんながもう満足しているんだったらいいんですけれども、非常にコンサバティブですよね。温暖化でこれ以上変えない、質も変えないというのは非常にコンサバティブで、もっといい暮らしができるかもしれない、いい環境がつくれるかもしれないというような未来を描くことは、私はあっていいと思うんですよ。

○安井座長 そうかもしれないんだけれども、水質と、あるいは大気としてそう具体的に書きますかね。皆さん、どうでしょう。

○森口検討員 温暖化はあり得るんじゃないですか。温暖化対策のサイドベネフィットでの大気汚染改善効果というのは、昔からある種かなり古典的にやられていますよね。もっとそういうところを強調していくということはあるかもしれませんね。

○安井座長 ただ、もうちょっと具体的に言うと、例えばどんな感じですか。大気の質の何が……。

○花木検討員 それは、例えばサイドベネフィットというよりは、沖先生が言われているのは、もっと直接的に言えば、東京湾だとか閉鎖性水域で環境基準さえ満たされていない水循環の状況がありますね。そういう種類のものをどう描くかということなんです。私が最初に申し上げたのは、リストの中には当然入っていて、だけれども、シミュレーションをするほどいわばコントルバーシャルじゃない。幾らお金をかけるかという種類の問題なので、モデルはやらないけれども、最終的なビジョンとしてはやはり忘れちゃいけないだろうという、そういうご注意だと思います。

○安井座長 なるほどね。そうであれば、後づけと言っては悪いけれども、今、モデル側としては、結局要するに環境に非常に負荷をかけたようなモデルはつくらないということであって、しかし、それは水質、大気の質、あるいは快適性とか、そういうものが改善されるかどうかは、例えば自然との親しみやすさがよくなるとかということはわからないですよね。わからないんだけれども、その辺は実際には、まさに花木先生がおっしゃるとおり、どれだけ金をかけるかにかかっているんじゃないかという理解なんです。

○花木検討員 ビジョンにはやはり入ってくるんでしょう。今のモデルの作業の中には入れないけれども、ビジョンの中ではそれをきちんと記述的に書くということかな。

○安井座長 数値モデルの中にはちょっと入れがたいかなと。

○増井氏 モデルの中にも入れたいというのは、ちょっとそれは欲張り過ぎかなというのが正直なところでして……。

○安井座長 どうやって入れるかだよな。これだけの活動をすると、酸素の全使用量あたりにかぶせるとか、そういうのがあるんだけれども、まあ、やめておこう。
 いずれにしてもそんなところでして、それで決まれば、あとは事務局側で少し、まさに作業量と、それから政策手段としてここのアウトプットをどう見るかというあたりを最適化する。それは今日のご議論の中には残念ながら余り入っていないんだけれども、事務局側の判断を次回にお伝えするということでいいのかな。そんな形でよろしいですかね。そういうことになると、大体休憩もなしに3時間、べた一面の会議がぼちぼち終わりそうですけれども、何か最後にございますか。苦瀬さん、何かございますか。

○苦瀬企画官 若干事務的なことも含めて最後に……。
 いろいろありがとうございました。事務局側の手順が悪いところもあって、いろいろご迷惑をかけておりますけれども、当方から、環境省から必要とするもの、政策的な面の必要性と、それから、今日のご議論を踏まえてのモデルに入れなくてもビジョンにはちゃんと入れる話とか、それからビジョンの性格を書くとか、そういったところも整理をしていきたいと思います。
 それで、日程的には、次回はもう既に決めさせていただいているのは5月18日ですかね。それで、その後は6月の下旬に、近々ご連絡をとって決めていきたいと思います。
 それで、あと、本日ちょっとこういうことなので、これから事務局の方でやるかと思うんですけれども、なお、大きな進め方と、それから個々の表の中身の問題とか両面、大きい話、具体的な話がありますけれども、一応1週間をめどに、何か今日言い残したこととかご意見等があれば、メールなりファクスなりで事務局にいただければと思います。

○安井座長 次回の可能性が高い日付だけは言っておいた方がいいんじゃないですかね。6月22日午前中。

○苦瀬企画官 22日の午前中と28日の午前中の2つが、今のところ座長初め比較的多数の方がよいということで、そのいずれかを有力な候補ということで、急いで連絡をとらせていただきます。

○安井座長 そういうことでございまして、どうも今日はいろいろ大変な議論をしていただいてありがとうございました。まだこちらも途上といいますか、アイデア、まだまだ募集中というようなところもございますので、ぜひともご協力をお願いしたいと思います。
 それでは、閉じてしまってよろしいですか。

○津森課長補佐 最後、確認的に次回の日程だけご連絡させていただきたいと思います。
 第9回につきましては、5月18日金曜日、10時から12時半、ホテルフロラシオン青山2階、芙蓉西になっております。

○安井座長 ありがとうございました。
 それでは、これにて第8回を終了とさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

午後5時02分 閉会