5 化学物質の環境リスクの評価・管理に係る施策

我が国では数万種に上る化学物質が流通していると言われています。化学物質の製造・流通・使用・廃棄に当たり、化学物質による環境への影響を未然に防止するためには、化学物質の人の健康や生態系に有害な影響を及ぼすおそれ(環境リスク)の評価を行い、適切な対策を講じていく必要があります。平成18年度は第5次の取りまとめを行い、健康リスクについては2物質、生態リスクについては3物質が、「詳細な評価を行う候補」と判定されました。
化学物質審査規制法においては、新たな化学物質の製造・輸入に際し、その物質の分解性、生物への蓄積性、人や動植物への毒性を事前に審査し、化学物質の性状に応じた規制を行っています。平成18年度は、新規化学物質の製造・輸入について503件(うち低生産量新規化学物質については219件)の届出があり、事前審査を行いました。

化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の概要

また、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、環境中への排出量や廃棄物に含まれて移動する量を事業者自らが把握、報告し、国は事業者からの報告の集計及び報告以外の排出量の推計を行い、公表する仕組みであるPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)により、平成19年2月には、第5回目の集計結果が公表されました。
ダイオキシン類については、平成16年に排出量の削減目標が達成されたことを受けて、17年に削減計画を変更し新たな目標値として、22年までに15年に比べて約15%の削減をすることとしました。17年の排出総量の推計は、15年から約13%の削減がなされています。

ダイオキシン類の排出総量の推移

国内における毒ガス弾等に対する取組については、平成15年6月6日の閣議了解及び同年12月16日の閣議決定を踏まえ、旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止を図るための環境調査や処理等を実施しています。また、環境省に設置した毒ガス情報センターにおいて、継続的に情報を収集し、集約した情報や一般的な留意事項の周知を図っています。


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