第1節 国際的な3R推進の必要性と我が国の技術への期待


<第1節の要約>

世界的規模で廃棄物発生量が増加すると予想され、一方で天然資源や循環資源の価格が高騰しています。また、我が国から中国などアジアへの循環資源の輸出量も増加しており、国際的な循環型社会の構築が必要となっています。
我が国は3Rイニシアティブを通じて、国際的な循環型社会の構築に先導的な役割を果たしてきています。今後は、特に、3Rを具体的に推進するための技術面での貢献が期待されています。


1 世界的な廃棄物問題とアジアの現状

アジアを中心とした国際的な経済成長と人口増加に伴って、世界的に廃棄物の発生量が増大し、医療廃棄物や廃電気電子製品(E−waste)など、廃棄物の質も多様化しています。さらに、資源やエネルギーの需要拡大に伴って価格も上昇し、この傾向は金属くずや古紙など循環資源にも及んでいます。
平成17年4月に我が国で開催された3Rイニシアティブ閣僚会合で、各国は、地球規模の共通の課題として、廃棄物発生量の増加と持続可能でない廃棄物管理に直面していることを強調しました。岡山大学が行った世界の廃棄物発生量に関する将来予測によれば、2000年(平成12年)現在で世界の廃棄物の総排出量は約127億トンであり、2025年には約190億トン、2050年には約270億トンと見積もっています。その中でも、特に、アジア地域における伸びが大きくなっています(図)。

世界の廃棄物排出量の将来予測

中国では、1995年(平成7年)の9年間に廃棄物全体の排出量が1.8倍となり、インドネシアでは谷間を堰き止めて廃棄物を埋め立てていた処分場が豪雨の後に崩落し147名の死者を出すという惨事がありました。
また、途上国では、環境上不適切な形で廃電気電子製品のリサイクルが行われているケースが報告されています。

2 資源・エネルギーの逼迫

中国などの旺盛な資源需要を反映して、天然資源の価格の高騰が生じています。これと連動して、金属くずや古紙などの循環資源の価格も高騰し、その越境移動も活発になっています。

鉄スクラップの価格の推移

我が国においては、中国をはじめとしたアジア諸国への循環資源の輸出量が増加傾向にあり、循環資源の移動は国内では完結せず、国際的に拡がっています。また、エネルギー需要も大きく伸びており、これに関連して二酸化炭素など温室効果ガスの削減が国際的な課題になっています。

3 3Rイニシアティブと我が国の技術への期待

こうした世界的な廃棄物問題の深刻化と資源・エネルギーの逼迫などに対応するため、国際的な循環型社会を構築することが重要になっています。
我が国は、平成16年のG8シーアイランドサミット(米国)において、小泉首相(当時)が、資源及び物質のより効率的な使用を奨励するために、3Rの取組を国際的に進める「3Rイニシアティブ」を提唱し、G8の各国首脳の間で合意されました。

写真アジア3R推進会議の風景

その後、我が国は、アジア3R推進会議の開催など、3Rイニシアティブを通じて、国際的な循環型社会の構築に先導的な役割を果たしてきており、各国・国際機関から高く評価されています。平成20年には我が国がG8議長国となることから、これに向け、国際的なリーダーシップを発揮して3Rイニシアティブを推進していくこととしています。特に、3Rを具体的に推進するための技術面での貢献が期待されています。


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