5 化学物質対策

日本では数万種に上る化学物質が流通していると言われています。化学物質の製造・流通・使用・廃棄にあたり、化学物質による環境への影響を未然に防止するためには、化学物質の環境保全上の支障を生じさせるおそれ(環境リスク)の評価を行い、適切な対策を講じていく必要があります。このため、一般環境中の化学物質の残留状況を把握する調査(化学物質エコ調査)を実施しています。また、平成17年度末現在、日本国内に流通している化学物質のうち93物質について、人への健康影響及び生態系に与える影響を評価しました。
化学物質審査規制法においては、新たな化学物質の製造・輸入に際し、その物質の分解性、生物への蓄積性、人や動植物への毒性を事前に審査し、化学物質の性状に応じた規制を行っています。平成17年度末現在、PCB等15物質について製造・輸入・使用が事実上禁止されており、トリクロロエチレン等23物質について製造予定量の届出等が、800を超える化学物質について製造・輸入量の届出等が、それぞれ義務付けられています。
ダイオキシン類については、平成16年に排出量の削減目標が達成されたことを受けて、平成17年に削減計画を変更し新たな目標値として、22年までに15年に比べて約15%の削減をすることとしました。平成16年の排出総量の推計は、15年から約10%の削減がなされています。人が一日に平均的に摂取する量は年々低減し、生涯にわたって継続的に摂取したとしても健康に影響を及ぼすおそれがない一日当たりの摂取量である「耐容一日摂取量」(4pg-TEQ/kg/日)を下回っています。

グラフ ダイオキシン類の排出量の推移


グラフ 食品からのダイオキシン類一日摂取量の経年変化

また、人の健康や生態系に有害なおそれのある化学物質について、環境中への排出量や廃棄物に含まれて移動する量を事業者自らが把握、報告し、国は事業者からの報告の集計及び報告以外の排出量の推計を行い、公表する仕組みであるPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)が日本にも導入され、平成18年2月には、第4回目の集計結果が公表されました。今後は、化学物質に関する正確な情報を市民・産業・行政等のすべての者が共有しつつ相互に意思疎通を図るというリスクコミュニケ−ションの推進がより重要となります。

グラフ 届出排出量・届出外排出量上位10物質とその排出量

国内における毒ガス弾等に対する取組については、平成15年6月6日の閣議了解及び平成15年12月16日の閣議決定を踏まえ、旧軍毒ガス弾等による被害の未然防止を図るための環境調査等を政府一体となって実施しています。また、環境省に設置した毒ガス情報センターにおいて、継続的に情報を収集し、集約した情報や一般的な留意事項の周知を図っています。


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