グリーン復興プロジェクトの1つである「みちのく潮風トレイル」は、三陸復興国立公園を縦断しながら、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸をつなぐ長距離自然歩道として、地域の方との協働により路線の設定を進め、2013年から区間ごとに順次開通してきました。2019年6月9日に全長1,025kmに渡るルートの全線が開通し、全線開通を記念してみちのく潮風トレイル全線開通記念式典・シンポジウムを開催しました。また、将来にわたりトレイルを持続的に運用していくため、沿線の拠点施設であるビジターセンターや地方公共団体と連携した管理体制作りや、トレイルの利用を促進するためのウォークイベントの開催、各種イベントでのPR活動、トレイルマップの配布等を実施しました。
震災の影響や震災以降の変化状況の把握を目的に、重点地区調査を実施し、その結果を生物多様性センターのウェブサイト「しおかぜ自然環境ログ」で公開しました。また、生物多様性センターが運営する生物情報収集・提供システム「いきものログ」を利用し、身近な生きものへの震災の影響を把握するための市民参加型調査「しおかぜ自然環境調査」を継続実施しました。
三陸復興国立公園の主要な利用拠点やみちのく潮風トレイルにおいて、防災機能を強化しつつ、被災した公園利用施設の再整備や観光地の再生に資する復興のための整備を推進しました(図4-8-1)。2019年10月には、地域のエコツーリズム推進拠点として、宮城県石巻市に「牡鹿半島ビジターセンター」をオープンしました。また、青森県、岩手県及び宮城県内での三陸復興国立公園の整備について、自然環境整備交付金による支援を行いました。
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