おわりに

本章では、我が国における廃棄物問題に対する取組から循環型社会形成に向けての取組への経験とその考え方を概観し、そのうえで国際的な循環型社会形成と我が国の役割について検討しました。
発展途上国における経済の発展や、経済活動のグローバル化の進展などにより、廃棄物を含めた循環資源は、国境を越えて移動し、その量は増加傾向にあります。
我が国は食料、エネルギーなどの資源の多くを海外に依存しています。その上での廃棄物を含む循環資源の増加は、私たちがいかに多くの資源を無駄に使っているのかということを改めて考える契機となるのではないでしょうか。
国際循環の問題は、日本の循環型社会形成への取組に直結した問題でもあります。今年度の循環型社会白書は、海外へ発信するいわばナショナル・レビューの意味合いもありますが、これを通じて、私たち一人ひとりが、循環型社会の形成について改めて考え直す一助になることを期待します。


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