第1章
 廃棄物等の発生、循環的な利用及び処分の状況

 第1節 我が国の物質フロー

1. 我が国の物質フロー

 循環型社会を構築するためには、私たちがどれだけの資源を採取、消費、廃棄しているかを知ることが第一歩となります。
 また、平成15年3月に閣議決定した循環型社会形成推進基本計画(循環型社会基本計画)では、発生抑制再使用再生利用、処分等の各対策がバランス良く進展した循環型社会の形成を図るために、この物質フロー(ものの流れ)の異なる断面である「入口」、「出口」、「循環」に関する指標に目標を設定しました。
 以下では、我が国の経済社会におけるものの流れ全体を把握する物質フロー会計(MFA:Material Flow Accounts)を基に、我が国における物質フローの全体像とそこから浮き彫りにされる問題点、循環型社会基本計画で設定した物質フロー指標に関する目標の状況について概観します。

(1)我が国の物質フローの概観と問題点
 我が国の物質フロー(平成13年度)を概観すると、21.4億tの総物質投入量があり、その半分程度11.2億tが建物や社会インフラなどの形で蓄積されています。また1.2億tが製品等の形で輸出され、4.0億tがエネルギー消費、5.9億tが廃棄物等という形態で環境中に排出されています。循環利用されるのは2.1億tです。これは、総物質投入量の1割に過ぎません。廃棄物・リサイクル問題、地球温暖化問題が我が国社会の構造的・根本的な問題であることが見てとれます(1-1-1図)。

我が国における物質フロー(平成13年度)

 我が国の物質フローに見られる課題は以下のとおりです。
1)「総物質投入量」が高水準
 平成13年度の総物質投入量は21.4億tで、昭和55年度の20.6億tの1.04倍、平成3年度の23.2億tの0.92倍となっています。10年前に比べると減少傾向にありますが、総物質投入量低減に向けた一層の努力なしには、持続的な発展は確保できないと考えられます。
2)「天然資源等投入量」が高水準
 平成13年度の天然資源等投入量は、国内、輸入を合わせて19.3億tと推計されます。これは昭和55年度の18.9億t(12.8億t(国内分)+6.1億t(輸入分))の1.02倍、平成3年度の21.4億t(14.3億t(国内分)+7.1億t(輸入分))に比べ0.90倍となっています。
 また、この天然資源等投入量には、隠れたフロー(資源採取等に伴い目的の資源以外に採取・採掘されるか又は廃棄物等として排出される物質)を含んでおらず、資源生産性(コラム8参照)を高め、現在の資源採取の水準をさらに減らしていく必要があるものと考えられます。
 なお、天然資源等投入量とは国産・輸入天然資源及び輸入製品の量を指し、直接物質投入量(DMI:Direct Material Input)とも呼ばれます。
3)資源、製品等の流入量と流出量がアンバランス
 我が国に入ってくる資源や製品の量に比べて、我が国から出ていく製品等の物質量は約6分の1というアンバランスな状態が生じています。国際的な視野で見ると、適正な物質循環が確保されていない状態とも見ることができます。我が国における窒素化合物による公共用水域や地下水、大気への負荷は、諸外国に比べても並外れて多い食料や肥料・飼料などの窒素の輸入により窒素の循環が損なわれていることが原因と見ることもできます。
4)「循環利用量」の水準が低い
 総物質投入量の21.4億tに対して循環利用量は2.1億tです。循環利用量に含まれる水分を除くとこの割合はさらに小さくなります。循環型社会を形成していくためには、この割合を、適切な形で一層高めていく必要があります。
5)廃棄物等の発生量が高水準
 廃棄物等の発生量は、高水準で推移しています。その発生ひいては環境中への排出を抑えることが、適正な物質循環を確保する上で重要です。
6)エネルギー消費量が高水準
 主として化石系資源の使用に起因する二酸化炭素の排出等による地球温暖化は、人類の生存基盤に深刻な影響を及ぼすおそれがある重大な問題となっています。また窒素酸化物による大気汚染の改善も芳しくありません。我が国のエネルギー消費量は約4.0億tと高水準であり、今後、エネルギー利用の一層の効率化が必要です。
7)「資源採取」に伴って生じる「隠れたフロー」が多い
 国内では7.5億t(採取(11.7億t)の0.64倍)、諸外国では28.6億t(採取(6.9億t)の4.1倍)の計36.1億tの隠れたフローが生じていると推計されており、これは全体で見ると、天然資源等投入量の2倍程度と膨大な量になります。環境効率性の点から見れば、資源浪費型とも言えるこのような経済社会活動の在り方を見直し、必要以上の資源採取をしないことや採取方法の工夫などを通じて、循環型社会の形成に向けて、この隠れたフローを可能な限り低減していくことが必要不可欠です。
 なお、この「隠れたフロー」については現時点で詳細なデータが不足しているため、関連する統計についての情報収集や、諸外国との意見交換を行いました。

(2)我が国における循環的な利用の概観
 次に、平成13年度における我が国の循環的な利用の現状を1-1-2図に示します。1年間に5.9億tの廃棄物等が排出され、そのうち2.1億tが再使用再生利用により循環利用され、2.4億tが焼却・脱水などにより減量化されています。この結果、5,310万t(5,167万t(廃棄物)及び144万t(し尿))が最終処分されています。

我が国における循環資源フロー(平成13年度)

 以下にもう少し詳しく見てみましょう。

ア 平成13年度における我が国の循環資源フロー
(ア)発生段階
 資源や物品がある人に不要となっても直ちに廃棄物となるわけではありません。リサイクルショップや中古自動車、中古家電などの中古品を販売する業者に引き取られて、さらに販売されることがあります。また、工場等では、端材を生産工程に戻したり、溶剤を浄化して再使用したりして、廃棄物の排出抑制に努めています。
 これらの取組によってもなお、廃棄物等として排出された量は、平成13年度では5.9億tです。このうち、一般廃棄物(ごみ(0.55億t)及びし尿等(0.29億t)の合計量)が0.84億t、産業廃棄物が4.00億t、その他の副産物・不要物が1.03億tでした(1-1-3図)。国民1人当たりでは4.6t、GDP(国内総生産額)百万円当たりでは1.1tの廃棄物等が発生していることになります。
 発生量をものの性状別に見ると、有機性の汚泥やし尿、家畜ふん尿、動植物性の残さといったバイオマス系が最も多く3.2億t、無機性の汚泥や土砂、鉱さいなどの非金属鉱物系(土石系)が2.1億t、鉄、非鉄金属などの金属系が0.4億t、プラスチック、鉱物油などの化石系が0.2億tでした。
(イ)自然還元段階
 廃棄物等のうち、家畜ふん尿の一部や稲わら、麦わら、もみがらといった畜産や農業に伴う副産物が排出され、肥料などとして農地等に還元された量は0.84億tでした。
平成13年度の廃棄物等の発生量

(ウ)循環・リサイクル段階/再使用(リユース)
 平成13年度に再使用された循環資源は0.03億tです。なお、これらの量には中古品として販売された量は含まれていません。
 リユース量の内訳は、ビールびんや牛乳びんなどのリターナブルびんの再使用やタイヤの再使用などとなっています。
(エ)循環・リサイクル段階/再生利用マテリアルリサイクル
 直接再生利用された循環資源と、中間処理・再資源化処理等を行った上で再生利用された資源を合わせると、2.1億tの循環資源がマテリアルリサイクルされました。すなわち、廃棄物等として排出されたもののうち、36%がマテリアルリサイクルされていることになります。なお、これらのマテリアルリサイクル量の中には、廃油や廃木材などを燃料として使用する量も含まれています。
 このうち代表的なものとしては、非金属鉱物系資源の代替原料(再生砕石、再生アスファルト合材)として利用されるがれき類0.48億t、同じく非金属鉱物系資源の代替原料(セメント原燃料、路盤材等)として利用される鉱さい0.13億tなどが挙げられます。
(オ)熱回収(サーマルリサイクル)
 サーマルリサイクルのうち、焼却処理の際に熱回収される廃棄物等の量を見てみると、一般廃棄物のかなりの割合は、発電、蒸気・温水利用等の熱回収が行われており、これらの焼却施設から回収された熱によって発電された量は55億kWhになります(第1章第4節参照)。

イ 循環資源別の利用の特徴
 物質フローにおける天然資源等投入量については、土石などの非金属鉱物系資源が大部分を占めており、その増減が全体に与える影響が大きいこと、持続的利用が可能となるよう環境に適切に配慮して収集等されたバイオマス系資源の増加は望ましいことなどから、種別ごとの内訳も重要になります。天然資源等投入量のものの性状別及び国内外別の内訳は1-1-41-1-5図のとおりです。

天然資源等の資源種別内訳

天然資源等の国内採取・輸入別内訳

 さらに、これらの4つの種別ごとに、我が国で発生する循環資源がどのように循環利用されているか、その特徴をまとめると以下のとおりです(1-1-6図)。

(ア)バイオマス系循環資源
 バイオマス系循環資源は、廃棄物等発生量全体の54%を占めています。その中身を見ると、家畜ふん尿、下水道業や製造業などにおいて水処理の際に発生する有機性汚泥、建設現場や木製品製造業の製造工程から発生する木くず、家庭から発生する厨芥類(生ごみ)などがあります。
 バイオマス系循環資源は、水分及び有機物を多く含むため、現状で自然還元率が27%、循環利用率が14%、減量化率が55%、最終処分率が5%と、焼却や脱水による減量化の割合が高いことが特徴として挙げられます。また、循環利用の主な用途としては、農業でのたい肥、飼料としての利用が挙げられます。このほかには、汚泥をレンガ等の原料として利用している場合や、木くずを再生木質ボード等として利用する場合などがあります。我が国におけるバイオマス系資源の投入量は2.1億tですので、投入量に占めるバイオマス系循環資源の循環利用量の割合は21%となっています。
 バイオマス系循環資源の循環利用量の拡大及び最終処分量の削減に向けては、農業分野での肥料、飼料としての受入れの拡大、メタン発酵施設などでのエネルギー化や残さの焼却等による減量化処理の徹底などが考えられます。
廃棄物等の循環利用・処分状況(平成13年度)

(イ)非金属鉱物系循環資源
 非金属鉱物系(土石系)循環資源は、廃棄物等発生量全体の36%を占めています。その中身を見ると、建設現場から発生するがれき類や、鉄鋼業、非鉄金属業、鋳物業から発生する鉱さい、建設現場、浄水場などから発生する無機性汚泥、家庭、飲食店などから出るガラスびんなどがあります。
 非金属鉱物系循環資源は、無機物であり性状的に安定していることから、現状での循環利用率が58%、減量化率が27%、最終処分率が15%と、約6割弱が循環利用されている反面、最終処分される割合も比較的高いことが特徴として挙げられます。また、循環利用の主な用途としては、路盤材や骨材、セメント原料などの建設分野での利用が挙げられます。我が国における非金属鉱物系循環資源の投入量は10.9億tですので、投入量に占める非金属鉱物系循環資源の循環利用量の割合は11%となっています。
 非金属鉱物系循環資源の循環利用量の拡大及び最終処分量の削減に向けては、路盤材、骨材、セメント原料等の土木建築資材としての受入れの拡大などが考えられます。

(ウ)金属系循環資源
 金属系循環資源は、廃棄物等発生量全体の7%を占めています。その中身を見ると、建設現場から発生する解体くず、鉄鋼業、非鉄金属業から発生する金属くず、機械器具製造業から発生する加工金属くず、及び金属缶や家電などの使用済製品などが挙げられます。
 金属系循環資源は、性状的に安定しており、水分もほとんど含まれていないこと、また、従来から回収・再生利用のシステムが構築されていることから、現状での循環利用率が95%、減量化率が0%、最終処分率が5%と、循環利用される割合が非常に高いことが特徴となっています。また、循環利用の用途しては、電炉による製鉄や、非鉄金属精錬に投入される金属原料としての利用等が挙げられます。我が国における金属系資源の投入量は1.5億tですので、投入量に占める金属系循環資源の循環利用量の割合は26%となっています。
 金属系循環資源の循環利用量の拡大及び最終処分量の削減に向けては、これまで比較的循環利用が行われていなかった使用済製品中の金属類の回収・再資源化の徹底などが考えられます。
(エ)化石系循環資源
 化石系循環資源は、廃棄物等発生量全体の3%を占めています。その中身を見ると、各種製造業から発生する廃油や、プラスチック製品製造業、機械器具製造業から発生するプラスチック加工くず、家庭や各種産業などから発生する使用済プラスチック製品などが挙げられます。
 化石系循環資源は、現状での循環利用率が26%、減量化率が53%、最終処分率が21%と、焼却による減量の割合が高いことが特徴として挙げられます。また、循環利用の用途としては、建設資材や、鉄鋼業での還元剤としての利用などが挙げられます。また、プラスチックとして再生利用される場合もありますが、現状では再生利用する廃プラスチックに、様々なグレードの樹脂及び添加剤が含まれているため、多くの場合カスケード利用になっています。我が国における化石系資源の投入量は4.8億tですので、投入量に占める化石系循環資源の循環利用量の割合は1%となっています。
 化石系循環資源の循環利用量の拡大及び最終処分量の削減に向けては、「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法)や、「特定家庭用機器再商品化法」(家電リサイクル法)を契機として、使用済製品の回収及びその再資源化技術の開発が一層促進されることなどが考えられます。

(3)我が国の物質フロー指標に関する目標の状況
 平成15年3月に閣議決定された循環型社会基本計画では、物質フローの「入口」、「出口」、「循環」に関する3つの指標に目標を設定しました。

ア 3つの指標
 「入口」については、社会に投入される天然資源等が、それ自身の有限性や採取に伴う環境負荷が生ずること、また、投入されたものがいつかは必ず廃棄物(または排ガス・排液)となることを考えれば、その投入量の少なさが循環型社会形成の重要な目安となると考えられます。具体的には、経済成長と環境負荷の増大とが分離しているかどうかを点検するいわゆるデカップリング指標として、GDPを天然資源等投入量で除した「資源生産性」(コラム8参照)を指標としました。
 次に「出口」については、廃棄物の最終処分場のひっ迫という喫緊の課題に直結した指標である「最終処分量」(廃棄物の埋立量)を指標としました。
 最後に、この最終処分量を減らすには再使用・再生利用等についての対策が重要となりますが、「循環」については、これらの対策に直接かかわる指標として「循環利用率」を指標としました。この「循環利用率」は、社会に投入される資源のうち、どれだけ循環利用(再使用・再生利用)された資源が投入されているかを表す指標です。

イ 目標の設定と状況
 循環型社会基本計画では、技術革新や財・サービスの需要構造の変化に関する過去のトレンドを踏まえつつ、廃棄物等の循環利用について最大限の努力により本計画に基づく取組を進めた場合に達成可能な水準として、物質フローに関する数値目標を定めました。具体的には次のとおりです。
(ア)資源生産性(=GDP/天然資源等投入量)
 資源生産性を平成22年度において、約39万円/tとすることを目標とします(平成2年度[約21万円/t]から概ね倍増、平成12年度[約28万円/t]から概ね4割向上)。
 なお、平成13年度は約27.5万円/tでした(1-1-7図)。

資源生産性の推移

(イ)循環利用率(=循環利用量/(循環利用量+天然資源等投入量))
 循環利用率を平成22年度において、約14%とすることを目標とします(平成2年度[約8%]から概ね8割向上、平成12年度[約10%]から概ね4割向上)。
 なお、平成13年度は約9.9%でした(1-1-8図)。

循環利用率の推移

(ウ)最終処分量
 最終処分量を平成22年度において、約28百万tとすることを目標とします(平成2年度[約110百万t]から概ね75%減、平成12年度[約56百万t]から概ね半減)。
 なお、平成13年度は約53百万tでした(1-1-9図)。

最終処分量の推移


コラム 8  資源生産性

 ある変数がどのような要因で変化するのかを分析する際に、その変数をいくつかの要因に分析することがあります。例えば、環境問題を考えるときに最も基本となる要因分解は次のようなものです。

  環境負荷の程度= GDP×環境負荷の程度/GDP

 環境負荷の程度とは、CO2や様々な汚染物質の排出量や環境中の濃度、廃棄物の発生量などを代表します。この式で、環境負荷の程度を低くするためにはGDPを小さくするか、GDP当たりの環境負荷の程度を小さくする2つの方法があることが分かります。後者のGDP当たりの環境負荷の程度の逆数(環境負荷の程度当たりのGDP)は、いわゆる「環境効率性」と呼ばれるものです。
 循環型社会基本計画で目標を定めた「資源生産性(=GDP/天然資源等投入量)」も天然資源等投入量(一種の環境負荷の程度)当たりのGDPを示すものであり、「環境効率性」の一種です。
 つまり、循環型社会基本計画で「資源生産性」の改善を目指すということは、経済を抑える(GDPの抑制)という方法ではなく、産業や人々の生活がものを有効に利用している社会(より少ない資源でより大きな豊かさを生み出す社会)を実現しようとするものと言えます。


2. 廃棄物の排出量

(1)廃棄物の区分
 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)では、廃棄物とは、自ら利用したり他人に有償で譲り渡すことができないために不要になったものであって、ごみ、粗大ごみ、燃えがら、汚泥、ふん尿などの汚物又は不要物で、固形状又は液状のものをいいます。ただし、放射性物質及びこれに汚染されたものはこの法律の対象外となっており、ここからは除かれています。
 廃棄物は、大きく一般廃棄物産業廃棄物の2つに区別されています。産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、法律で定められた20種類のものをいいます。一般廃棄物は産業廃棄物以外の廃棄物を指し、し尿のほか主に家庭から発生する家庭系ごみであり、オフィスや飲食店から発生する事業系ごみも含んでいます(1-1-10図)。

廃棄物の区分

 また、これらの廃棄物の中で、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康や生活環境に係る被害を生じるおそれがあるものを「特別管理一般廃棄物」又は「特別管理産業廃棄物」と分類し、収集から処分まですべての過程において厳重に管理することとされています(第1章第4節3参照)。

(2)一般廃棄物(ごみ)の処理の状況
 平成13年度のごみの総排出量は約5,210万tとなっています。これは東京ドーム140杯分に相当します。国民1人当たりだと1日に約1.1kg排出することになります(1-1-11図)。

一般廃棄物(ごみ)の処理の流れ(平成13年度)

 ごみは、直接あるいは処理を行って資源化されるもの、焼却などによって減量化されるもの、処理せずに直接埋め立てられるものに大別されます。中間処理施設としては、焼却施設のほか、資源化を行うための施設(資源化施設)、たい肥を作る施設(高速堆肥化施設)、飼料を作る施設(飼料化施設)、メタンガスを回収する施設(メタン回収施設)などがあります。焼却施設には、発電施設や熱供給施設などが併設されて、発電、熱利用等有効利用が行われている事例も増加してきています。
 市町村の分別収集や中間処理による資源化量と住民団体等によって集団回収され資源化されるもののごみ処理量と集団回収量の合計に対する割合(リサイクル率)は、平成2年度の5.3%から平成13年度の15.0%に大きく増加しています。
 一方、直接埋め立てられる廃棄物、焼却残さ(ばいじんや焼却灰)、焼却以外の中間処理施設の処理残さを合わせたものが最終処分場に埋め立てられる量になります。直接埋め立てられるごみの量は約275万t(平成12年度308万t)で、総排出量の5.3%(平成12年度5.9%)となっており、直接埋立量の割合は年々減少しています。また、ごみ処理施設から排出される焼却灰などの処理残さを合わせた埋立総量は995万t(平成12年度1,051万t)であり、こちらも年々減少しています。
 生活系ごみと事業系ごみの排出割合を見ると、生活系ごみ排出量が約67%、事業系ごみ排出量が約33%となっています(1-1-12図)。また、1人1日当たりに排出する一般廃棄物の量は平成13年度の平均で約1,120gですが、このうち生活系ごみが約750g、事業系ごみが約370gとなっています。この排出量は都市の規模によって異なっており、一般に人口規模の大きい都市の方が排出されるごみの量が多くなっています(1-1-13図)。平成13年度の生活系ごみに占める容器包装廃棄物の割合は、容積比で約61%、湿重量比で約24%となっています(1-1-14図)。

生活系ごみと事業系ごみの排出割合(平成13年度)
人口規模別1人1日当たりごみ排出量(平成13年度)

生活系ごみに占める容器包装廃棄物の割合(平成13年度)

(3)一般廃棄物(し尿)の処理の状況
 平成13年度の水洗化人口は1億763万人で、そのうち公共下水道人口が7,357万人、浄化槽人口が3,405万人(うち合併処理人口は1,138万人)です。また非水洗化人口は1,938万人で、そのうち計画収集人口が1,882万人、自家処理人口が56万人です。
 総人口の4割強(非水洗化人口及び浄化槽人口)から排出されたし尿及び浄化槽汚泥の量(計画処理量)は3,052万klで、近年はほぼ横ばいです。そのほとんどは水分ですが、単純にごみの容量と比較するとその数値が大きいことが分かります。それらのし尿及び汚泥はし尿処理施設で2,770万kl、下水道投入で145万kl、農地還元で9万kl、海洋投入で123万kl、そのほかで6万klが処理されています。
 なお、下水道終末処理場から下水処理の過程で排出される下水汚泥は産業廃棄物として計上されます。

(4)産業廃棄物の処理の状況
 平成13年度における全国の産業廃棄物の総排出量は約4億tとなっています。
 そのうち再生利用量が約1億8,300万t(全体の46%)、中間処理による減量化量が約1億7,500万t(44%)、最終処分量が約4,200万t(10%)となっています。再生利用量は、直接再生利用される量と中間処理された後に発生する処理残さのうち再生利用される量を足し合わせた量になります。また、最終処分量は、直接最終処分される量と中間処理後の処理残さのうち処分される量を合わせた量になります(1-1-15図)。

産業廃棄物の処理の流れ(平成13年度)

 産業廃棄物の排出量を業種別に見ると、排出量の最も多い業種が電気・ガス・熱供給・水道業、次に農業、建設業となっています。この上位3業種で総排出量の約6割を占めています(1-1-16図)。
 産業廃棄物の排出量を種類別に見ると、汚泥の排出量が最も多く、全体の5割近くにも達しています。これに次いで、動物のふん尿、がれき類となっています。これらの上位3種類の排出量が総排出量の8割を占めています(1-1-17図)。
 産業廃棄物の排出量を排出地域別に見ると、関東地方からの排出量が最も多く、これに中部地方と近畿地方を合わせた地域からの排出量が全体の約6割を占めています。

産業廃棄物の業種別排出量(平成13年度)
産業廃棄物の種類別排出量(平成13年度)

3. 循環的な利用の現状

(1)容器包装(ガラスびん、ペットボトル、プラスチック製容器包装、紙製容器包装等)
 容器包装リサイクル法に基づく分別収集及び再商品化の実績は1-1-1表のとおりです。
 平成15年度の実施状況で見ると、平成9年度から分別収集の対象となった品目では、紙パックを除いて、9割以上の市町村が分別収集を行っています。なお、平成12年度から追加されたプラスチック製容器包装、紙製容器包装、段ボールについては、分別収集に取り組む市町村が着実に増加しています。

ア ガラスびん
 ガラスびんの生産量は平成14年で約168.9万tであり、減少傾向にあります。これは、重く、割れることがあるガラスびんに比べ、デザインが多様で、軽く、携帯の利便性に優れるペットボトルなどの容器に、消費者の嗜好が変化したためと考えられます。
 ガラスびんは1回限りの利用を前提として作られるワンウェイびんと洗浄して繰り返し利用されるリターナブルびんとに分けられます。
 廃棄されたワンウェイびんは砕かれてカレットになり、新しいびんを作る場合の原料などとしてリサイクルされています。カレットとはガラスを砕いたもので、カレット利用率とは新しいガラスびんの生産量に対するカレット使用量の比率を表したものです(1-1-18図)。
ガラスびんの生産量とカレット使用量

イ ペットボトル(1-1-19図1-1-20図

ペットボトルの生産量と回収量
ペットボトルの再生樹脂用途の構成比推移

 ペットボトルの用途の約90%以上を占める清涼飲料の生産量は年々増加傾向にありますが、ペットボトル用樹脂生産量の伸び率は安定化しています。
 ペットボトルのリサイクルは、事実上平成9年4月からの容器包装リサイクル法に基づく市町村による分別収集によって開始され、平成9年に9.8%であった回収率は平成14年度には45.6%となり着実に伸びています。また、分別収集を実施した市町村数についても、平成9年度の631から平成14年度では2,747へと増えてきています。これは全市町村数の84.9%になります。
 なお、清涼飲料メーカー、ペットボトル等製造メーカーの団体から構成されるPETボトルリサイクル推進協議会は、業界をあげてペットボトルの軽量化等に取り組み、飲料容量に対するボトル重量の軽減を図っています。また、食品(主に飲料)用として使用したボトルを再生し、再び食品用ボトルとして使用することを「ボトルtoボトル」と呼びますが、この実現に向けた検討に以前から取り組んでおり、この技術は平成15年度から実用化されています。リサイクルの技術開発の進展とともに再商品化施設の能力は十分に整備された状況となっています。

ウ プラスチック製容器包装 
 プラスチック製容器包装は、平成12年度から新たに容器包装リサイクル法に基づく対象品目となり、市町村による分別収集が始まりました。
 平成14年度の分別収集実績量は、28.3万tと量的にはまだ少ないものの伸び率は高く、容器包装リサイクル制度の浸透に伴い分別収集量の増加が進むものと見込まれます。
 なお、平成14年度に分別収集を実施した市町村数は、1,306であり、全市町村数の40.4%となっています。

エ 紙製容器包装
 紙製容器包装は、プラスチック製容器包装と同様に平成12年度から新たに容器包装リサイクル法に基づく対象品目となり、市町村による分別収集が始まりました。
 平成14年度の分別収集実績量は、5.8万tであり分別収集を実施した市町村数は、525にとどまっています。これは、当該数値が紙製容器包装を単独で分別収集している市町村を対象とした集計であり、各市町村が法施行前から収集を行っていた新聞や雑誌の回収ルートで紙製容器包装を併せて収集した量は、実際に分別収集が行われていても集計に含まれていないためです。

オ スチール缶
 スチール缶の消費重量は、近年下降傾向を示しており、平成14年度では94.9万tとなっています。スチール缶リサイクル協会によれば、回収され鉄スクラップとして再資源化される量は、平成14年には86.1%となっています(1-1-21図)。
 この背景には、スチール缶の受け皿の体制が確立されていることなどが考えられます。

カ アルミ缶
 アルミ缶の消費重量は、近年横ばい傾向にあり、平成14年では29.2万tとなっています。アルミ缶リサイクル協会によると、アルミ缶のリサイクル率は、平成14年で83.1%に達しています(1-1-22図)。また、回収されたアルミ缶を再びアルミ缶にするいわゆる「CAN TO CAN」の割合は70.3%となっています。
 この背景には、スチール缶と同様に回収されたアルミ缶の受け皿の体制が確立されていることなどが考えられます。

スチール缶の消費重量と再資源化重量及びリサイクル率
アルミ缶の消費重量と再生利用重量及びリサイクル率

キ 紙パック
 紙パック(アルミニウムが利用されているものを除く。)は、牛乳用、清涼飲料用、酒類用などに使用されています。平成14年度の分別収集実績量は、1.6万tであり、分別収集を実施した市町村数は、1,849と年々増加傾向にあります。
 全国牛乳容器環境協議会によると、平成14年度の飲料用紙パック出荷量は19.8万tであり、そのうち一般家庭等で17.2万t、自動販売機、飲食店等で1.7万t、学校給食で1.0万t消費されています。
 また、回収量は市町村回収、店頭回収、集団回収を合わせて4.0万tとなっており、再生用途としては、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、板紙などにリサイクルされています。

ク 段ボール
 段ボールは平成12年度から新たに容器包装リサイクル法に基づく対象品目となり、市町村による分別収集が始まりました。平成14年度の分別収集実績量は、50.3万tとなっています。
 また、分別収集を実施した市町村数は、2,105であり、同じ時期に容器包装リサイクル法に基づく対象品目となったプラスチック製容器包装や紙製容器包装と比較するとかなり多くなっています。
 これは、既に段ボールのリサイクルシステムが確立されていたためであると考えられます。段ボールリサイクル協議会によれば、利用された段ボールは回収され、再び段ボールとなって使用され、約7回まで使用可能といわれています。
 平成14年の段ボール原紙の生産量は863.1万tあり、段ボール古紙の回収量は879.2万tで、リサイクル率は101.9%となっています。

(2)紙
 平成13年度の古紙の回収率及び利用率はそれぞれ63.2%、58.3%となっています(1-1-23図)。紙の中には、トイレットペーパーなどの回収の不可能なものや、書籍のように長期間にわたって保存されるものなどがあるため、約72.9%の回収率が限界と考えられています。古紙の回収率及び利用率を向上させるためには、一人ひとりが注意して分別排出を心掛けるとともに、再生紙の利用に努めることが必要と言えます。
 なお、「資源の有効な利用の促進に関する法律」(資源有効利用促進法)に基づき、国内で製造される紙の古紙利用率を平成17年度までに60%に向上することが目標として定められています。
古紙の回収率・利用率

(3)プラスチック類
 プラスチックは加工のしやすさ、用途の多様さから非常に多くの製品として利用されています。
 プラスチック処理促進協会によると、平成14年におけるプラスチックの生産量は、1,385万tと推定され、前年とほぼ同等でした。国内消費量は前年から減少し、総排出量も減少していますが、容器包装リサイクル法で定められたリサイクル手法による処理量が増加しており、産業廃棄物の再生利用量や熱回収量を加えた有効利用量は増加し、有効利用率は55%と着実に向上し、単純焼却が18%、埋立処理が28%と推計されています(1-1-24図)。

プラスチックの生産量、消費量、排出量及び再生利用量等の推移

(4)家電製品
 家庭から排出される廃家電製品については、基本的に市町村が収集し、処理を行ってきましたが、特に、家庭用エアコン、テレビ、洗濯機及び冷蔵庫の4品目については、再商品化等をする必要性が特に高いにもかかわらず、市町村等による再商品化等が困難でした。このため、平成13年4月に施行された家電リサイクル法に基づき、特定家庭用機器廃棄物として規定され、製造業者等に一定の水準以上の再商品化が義務付けられています。
 家電4品目の素材構成は、現在生産されているモデルの場合、1-1-25図に示すような割合となっており、金属類やガラス類などの処理により、規定された再商品化率を達成することは十分可能です。しかしながら、品目によっては40%を超える構成比のプラスチックを今後いかにリサイクルしていくかが課題となっています。廃家電製品のプラスチックは素材が様々で、かつ製品によっては難燃剤が入っている場合があり、リサイクルの困難性を高めています。

家電4品目の素材構成例(平成14年度)

 家電リサイクル法施行前の状況を見ると、家庭用エアコン、テレビ、洗濯機及び冷蔵庫の4品目の家電製品の排出量60万tのうち、2割が粗大ごみ等として市町村に回収され、残り8割が販売店等により回収されていました。販売店によって回収されたもののうち4分の1が市町村により処理されており、その結果処理量で見た場合は4割が市町村に、残り6割が処理業者によって処理されていました。その処理のほとんどが直接又は破砕後の埋立処分であり、破砕後に金属回収が行われている割合は1割程度と極めて低い水準で推移していました。
 家電リサイクル法の施行により、製造業者等に対して各家電4品目の再商品化率(サーマルリサイクルを含まない。)が、家庭用エアコン60%以上、テレビ55%以上、冷蔵庫50%以上、洗濯機50%以上と義務付けられていることから、今後更にリサイクルが推進されることとなります。平成14年度に全国の指定引取場所から搬入された廃家電4品目は、合計約1,015万台でした。これは、前年度比約19%の増加であり、前年度を上回るペースで引き取られ、リサイクルが行われています(1-1-26図)。

廃家電処理の状況

 平成14年度における製造業者等の再商品化率は、エアコン78%、テレビ75%、冷蔵庫61%、洗濯機60%であり、いずれも法定の基準を上回っています(1-1-27図)。

家電4品目再商品化率の実績(平成14年度)

(5)建設廃棄物
 建設廃棄物は、平成13年度において産業廃棄物の排出量の約2割、最終処分量の約2割(建設廃棄物の最終処分量については平成14年度建設副産物実態調査結果を使用)を占め、また平成14年度において、不法投棄件数の約7割、不法投棄量の約6割を占めています(序章第1節5参照)。中でも建築物解体による廃棄物については、昭和40年代以降に急増した建築物が更新期を迎えており、今後とも発生量が増加することが予想されています。
 また、建設廃棄物の排出量のうちコンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材が占める割合は約8割で、その3品目の再資源化をまず実施することが必要です(1-1-28図)。

建設廃棄物の種類別排出量

 コンクリート塊及びアスファルト・コンクリート塊については、平成3年12月より「公共建設工事における再生資源活用の当面の運用について」(平成14年5月改訂 国土交通省)の策定、各地方整備局での運用に伴い、再資源化率が大きく伸びています。これらは、平成14年度の実績でいずれも「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」(建設リサイクル法)の目標である95%を超えており、今後はその維持が課題となっています。また、建設発生木材や建設汚泥は再資源化等が進展しているものの、さらなる取組が求められています(1-1-29図)。これらの再資源化等率の維持・向上のためには、今後とも再生品に関する技術開発や需要創出が鍵となっています。

(6)建設発生土
 建設工事現場から場外に搬出された建設発生土は平成14年度の実績で約2億4,500万m3で、このうち工事間利用した割合は30%となり、平成12年度と比較して建設工事で利用する土砂のうち新材利用量は約26%減少しました。さらなる工事間利用の推進に向けて、平成15年10月に国土交通省が策定した「建設発生土等の有効利用に関する行動計画」に基づき、各種の取組を進めていくことが必要となっています。
建設廃棄物の品目別再資源化等の状況

(7)食品廃棄物
 食品廃棄物は、食品の製造、流通、消費の各段階で生ずる動植物性の残さ等であり、具体的には加工食品の製造過程や流通過程で生ずる売れ残り食品、消費段階での食べ残し・調理くずなどです。
 これら食品廃棄物は、食品製造業から発生するものは産業廃棄物に、一般家庭、食品流通業及び飲食店業等から発生するものは一般廃棄物に区分され、平成13年度において前者が411万t、後者が1,778万t(うち一般家庭から発生するもの1,250万t)、合わせて2,189万tが排出されています(1-1-2表)。
 食品製造業から発生する食品廃棄物は、必要量の確保が容易なこと及びその組成が一定していることから比較的再生利用がしやすく、たい肥化が89万t(22%)、飼料化が104万t(25%)及び油脂の抽出その他が54万t(13%)で合計247万t(60%)が再生利用されています。
食品廃棄物の発生及び処理状況(平成13年度)

 また、食品流通業及び飲食店業等から発生する食品廃棄物(事業系一般廃棄物)は、たい肥化が35万t(7%)、飼料化が29万t(5%)及び油脂の抽出その他が33万t(6%)で合計98万t(19%)が再生利用されています。
 一方、一般家庭から発生する食品廃棄物(家庭系一般廃棄物)は、多数の場所から少量ずつ排出され、かつ組成も複雑であることから、14万t(1%)が再生利用されているにすぎません。
 これらの結果、食品廃棄物全体では、359万t(16%)がたい肥・飼料等に再生利用され、残りの1,830万t(84%)は焼却して埋立処分されています。

(8)自動車、自転車等
ア 自動車
 自動車については、年間532万台の中古車が販売(注)されています(平成15年(社)日本自動車販売協会連合会:自動車統計データ(中古車年別登録台数)より)。このほかに年間約100万台が中古車として海外に輸出されると言われています。
 中古車等としての利用価値がなく使用済みとなる自動車は、年間約400万台程度発生します。これらは、1-1-30図に示すとおり、自動車販売業者等から自動車解体業者に渡り、そこでエンジン、ボディ部品等の有用な部品、部材が回収されます。さらに残った廃車ガラがシュレッダー業者に渡り、そこで鉄等の資源回収が行われ、その際発生する残さ(シュレッダーダスト)が、主に埋立処分されています。

使用済自動車処理のフロー

 自動車については一台当たりの重量比で、20〜30%程度が解体業者によって有用部品として回収(部品リユース)され、50〜55%程度が素材としてリサイクルマテリアルリサイクル)されています。
 また、産業構造審議会及び中央環境審議会において最新のデータを用いて推計した結果によれば、自主的に行われているシュレッダーダストのリサイクルも加味した使用済自動車のリサイクル率は84〜86%程度、国内のシュレッダーダスト発生量は年間55〜75万t程度とされています。
 (注)中古車登録台数(中古新規登録、移動登録、使用者変更登録の合計)を販売台数とみなしている。

イ タイヤ
 日本タイヤリサイクル協会によれば、平成15年における廃タイヤの排出量103.0万t(平成14年104.0万t)のうち、輸出、更生タイヤ台用、再生ゴム・ゴム粉などとして、44.0万t(平成14年32.2万t)が原形・加工利用されています。また、鉄鋼・セメントにおける原材料等にもリサイクルされています。 
 廃タイヤについては有価物と不要物の区別が困難であるため、有価物等と偽って不適切に野積みされ、火災等の問題を引き起こしている事案も発生しています。このため、環境省からも、使用済タイヤを有価物であると称して野積みする事案について、厳正に対処するための通知が都道府県あてに発出されており、野積みされた使用済タイヤが廃棄物であって生活環境の保全に支障が生じるおそれがあると判断される場合には、行政処分をもって厳正に対処することを示しています。

ウ 自転車
 消費者の平均使用年数は5年程度と考えられ、平成10年の家庭系ユーザーからの粗大ごみ445万台(69%)、自転車小売店等の引取り92万台(14%)のほか、放置自転車からの未引取車111万台(17%)を合わせて計649万台が廃棄処分されています。自転車1台当たり17kgとして換算するとその廃棄量は11.0万tになります。
 また、自転車の保有台数は平成10年が8,087万台、11年が8,278万台、12年が8,481万台、13年が8,517万台、14年が8,555万台と、年々微増しており、廃棄量もそれに合わせて増加していると思われます((財)自転車産業振興会調べ)。
 廃棄自転車のうち品質のよい製品は自転車小売店40万台(地方公共団体からの引取りを含む。)、地方公共団体26万台の計66万台が再利用され、再生自転車として利用されています。他の廃棄自転車は、地方公共団体・民間処理工場において、破砕後、磁選機やミラクルセパレータにより金属資源(7.5万t)として回収され、残ったゴム・プラスチックなどのシュレッダーダスト(1.9万t)は管理型最終処分場で埋立処分されています((注)廃棄自転車再資源化実証実験データを基に再資源化量及びダスト量を推測)。
 回収された金属資源は主に建築資材等に加工され、非鉄金属は銅、アルミ、ステンレス等に選別し、二次合金として自動車部品等に利用されています。

(9)パーソナルコンピュータ及びその周辺機器
 電子機器(主にパソコン)については、平成13年度でリース・レンタル会社に引き取られた4.6万tのうち3.8万tが製品・部品中古市場に流れ、再使用再生利用されています。これ以外の回収ルートのものについては、メーカー、リース・レンタル会社、販売店及び販売会社を経由し又は直接に廃棄物処理業者に引き取られるか、地方公共団体において回収・処理されています。
 資源有効利用促進法の施行により、製造等事業者に対して平成13年4月から事業系パソコン、平成15年10月から家庭系パソコンの再資源化を義務付け、再資源化率を、デスクトップパソコン50%以上、ノートブックパソコン20%以上、ブラウン管式表示装置55%以上、液晶式表示装置55%以上と定めてリサイクルを推進しています(1-1-31図1-1-32図)。

事業系パソコンの回収・リサイクルシステム(例) 

家庭系パソコン回収基本スキーム

 平成14年度における製造等事業者の再資源化率は、デスクトップパソコン75.1%、ノートブックパソコン43.8%、ブラウン管式表示装置66.7%、液晶式表示装置63.0%であり、いずれも法定の基準を上回っています。

(10)携帯電話・PHS
 携帯電話・PHSは、軽量化・廉価化・高機能化に伴いその利用者が急増し、平成14年度末時点での携帯電話・PHSの契約数は8,112万台となっています。一方、携帯電話の平均使用期間は約1年半との推計もあり、普及率の上昇とともに買換え需要も増加し、旧機種の廃棄台数も急増しているため、資源の有効活用等の観点から循環的な利用や適正な処分が必要となっています。
 (社)電子情報技術産業協会によると、平成14年度における携帯電話(自動車電話を含む)・PHSの国内出荷台数は4,422万台ですが、それに伴い年間約3,900万台が解約・機種変更等により不要となると推計されます。
 (社)電気通信事業者協会と情報通信ネットワーク産業協会によると、そのうち回収される台数は1,137万台(回収率29%)です。この回収された携帯電話・PHSを重量に換算すると746tで、このうち再資源化される量は138t(再資源化率19%)となります。また、携帯電話・PHSで使用する電池の回収数は973万台(回収率25%)で重量に換算すると193t、そのうち再資源化される量は102t(再資源化率53%)、充電器の回収数は336万台(回収率9%)で重量に換算すると251t、そのうち再資源化される量は57t(再資源化率23%)となっています(1-1-3表)。
 なお、現在、回収された携帯電話・PHSの再資源化については焼却・破砕等を行い、有価金属を取り出す方法が主であり、携帯電話1tから金280g、銀2kg、銅140kgが回収されると推計されます((財)クリーン・ジャパン・センター「再資源化技術の開発状況調査報告書(平成12年3月))。
携帯電話・PHSのリサイクル実績と再資源化状況

(11)充電式小形電池(ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、小形シール鉛蓄電池)
 充電式電池(二次電池)には、主な材料としてニッケル〔Ni〕やカドミウム〔Cd〕、コバルト〔Co〕、鉛〔Pb〕など希少な資源が使われており、ケーシングの金属リサイクルのみの一次電池と比べ、二次電池のリサイクルは大きな効果を持っています。
 資源有効利用促進法の施行により、平成13年4月から製造等事業者に対して小形二次電池の再資源化率が、ニカド電池60%、ニッケル水素電池55%、リチウム二次電池30%、小形シール鉛蓄電池50%とそれぞれ義務付けられ、リサイクルの一層の推進を図っています。
 平成14年度における小形二次電池(携帯電話・PHSを含む)に係るリサイクルの状況は、ニカド電池の処理量792t、再資源化率72.3%、ニッケル水素電池の処理量40t、再資源化率80.0%、リチウム二次電池の処理量212t、再資源化率53.8%、小形シール鉛蓄電池の処理量3,700t、再資源化率50.0%であり、再資源化率の実績は、いずれも法令上の目標を達成しています。

(12)繊維製品
 繊維製品については、一般廃棄物産業廃棄物合わせて207.6万tが排出され、そのうち25.9万tが回収され、うち16.7万tが反毛(古着等をほぐして綿状にしたもの)やウェス(工場用油拭き雑巾)にリサイクルされたり、古着として輸出されています(平成11年度)。主な回収ルートとしては、地方公共団体の分別収集、集団回収及び回収事業者(ちり紙交換業者等)によるものが挙げられ、近年では、繊維事業者が回収することに加え、販売店等が下取りとして引き取る動きも見られます。これら回収された故繊維や工程繊維くずがリサイクルに回っています。
 繊維製品のうち、衣類については廃棄量の統計が存在しないため、正確な数字を把握することは困難ですが、繊維消費量や繊維工程くずの量、及び輸入・輸出量等から年間100万t程度と試算されています。また廃棄された衣料品のうち、古着として8.2万t(平成12年貿易統計)が海外に輸出されており、他にも、反毛やウェスとして再生利用されています。
 カーペットについては、平成14年の生産量(敷物合計)は、8,274万m2(平成14年繊維・生活用品統計年報)となっており、主に家庭用、事業者用、自動車用に利用されています。
 処理段階においては、一般家庭から粗大ごみとして排出されたカーペットは地方公共団体により焼却等の処理が行われ、また、事業系から産業廃棄物として排出されたものは産廃業者により焼却又は埋立処分されています。主要な排出源である家庭で用いられるカーペットは、引越し時まで使用されている例が多く見られ、衣料品など他の家庭向けの繊維製品に比べてかなり長期間使用されているものと見られます。
 カーペットは、その製品特性により、何種類もの基布構造物等があり、特に展示会用の大きなものや、オフィスビル用の重量物などの処理困難性は高くなっています。また、その循環的な利用の促進に向けては、事業系のカーペットを中心に、排出時にメーカーが引き取り、リサイクルを行っている例も見られます。例えば、引き取ったカーペットを原料に、産業用フェルトなどに再生利用する事例や、ポリエステルやナイロンなど単一素材で構成されるカーペットを供給するとともに、これを回収して、カーペット原料へのマテリアルリサイクルやRDF(ごみ固形燃料)化によるエネルギー利用を図る取組が見られます。
 ふとんの平成14年における生産量は、768万枚(平成14年繊維・生活用品統計年報)となっています。廃棄物として排出される量は統計上明らかではありませんが、平成11年度に東京都(23区)が行った粗大ごみの回収量は約41万枚で、各家庭からの排出がほとんどを占めており、地方公共団体等により回収された後、粗大ごみ、あるいは可燃ごみとして、焼却・埋立処分されている状況です。
 ふとんの有効利用方法としては、従来、寝具販売専門店などを中心に「打ち直し」による再使用が行われてきましたが、近年ではライフスタイルの変化や量販店の進出などの影響もあって縮小傾向にあります。他方、新たな取組としては、ふとんメーカーが素材繊維メーカーとの共同企画として、対象商品(ポリエステル等)を有償で回収し、RDF化してサーマルリサイクルを実施している例も一部で見られます。

(13)下水汚泥
 下水道事業において発生する汚泥(下水汚泥)は、下水道の普及に伴って年々増加する傾向にあります(1-1-33図)。平成13年度現在、全産業廃棄物の発生量の2割近くを占める約7,790万t(対前年度約210万t増、濃縮汚泥量として算出)が発生していますが、最終処分場に搬入される量は85万t(対前年度比約13万t減)であり、脱水、焼却等の中間処理による減量化や再生利用により、最終処分量の減量化を推進しています。なお、平成14年度において、下水汚泥の有効利用率は、乾燥重量ベースで60%となっています。
 下水汚泥の再生利用の形態は多岐に渡っています。有機物に富んでいる下水汚泥の性質に着目して古くから緑農地利用が行われています。以前は脱水ケーキの状態で利用されていましたが、最近はコンポスト化して肥料として用いる方法が主流となっています。汚泥が焼却・溶融処理されるようになった近年では、建設資材としての利用が増加しています。
 平成14年度には乾燥重量ベースで126万tが再生利用され、用途としては、セメント原料(56万t)、肥料等の緑農地利用(29万t)、レンガ、ブロック等の建設資材(41万t)などに利用されています。
 また、下水汚泥の熱回収の取組として、嫌気性消化過程で発生するメタンガスなどの消化ガスを用いた消化ガス発電を全国18か所で実施しているほか、下水汚泥焼却廃熱の利用、汚泥自体の燃料化などが行われています。
年度別下水汚泥発生量の推移

コラム 9  使用済携帯電話の回収・再利用へ向けた取組

携帯電話やパーソナルコンピュータなどの電気電子廃棄物の処理は、イーウェイスト(e-waste)と呼ばれ、バーゼル条約における取組として重要な課題となっています。例えば、世界で約11億台が流通し、年間約4億台製造されているという携帯電話ですが、先進国の使用済機器が途上国において環境配慮されずに再資源化が行われているといった問題が指摘されています。
このため、平成14年12月にスイスのジュネーブで行われたバーゼル条約第6回締約国会議では、スイスのロシ環境大臣の提案により、携帯電話メーカー10社、バーゼル条約事務局、国連環境計画(UNEP)らは、使用済携帯電話の回収・再利用システム構築検討のためのパートナーシップ・イニシアティブ(MPPI:Mobile Phone Partnership Initiative)について合意しました。現在、作業部会等において具体的な取組の検討が進められています。
日本においても携帯通信事業を行う事業者らが中心となって「モバイル・リサイクル・ネットワーク」という自主的なリサイクルシステムを運営していますが、平成14年度の携帯電話・PHS回収率は29%で、平成12年度の30%、平成13年度の35%に比べ鈍化傾向にあります。この理由の1つとしてはカメラ機能など携帯電話・PHSの高機能化に伴い、解約後も使用者が手元に機器を残す場合が増えているためと考えられます。

モバイル・リサイクル・ネットワークのマーク


 第2節 一般廃棄物

1. 一般廃棄物(ごみ)

(1)ごみの発生及び処理の状況

ア ごみの排出量の推移
 一般廃棄物(ごみ)の総排出量及び1人1日当たりの排出量は、第二次石油危機の昭和54年度以降に減少傾向が見られたものの、昭和60年度前後からバブル経済とともに急激に増加し、平成2年度から平成13年度にかけてはほぼ横ばい傾向が続いています(1-2-1図)。

一般廃棄物(ごみ)の排出量

イ ごみ処理方法の推移
 地方公共団体等に収集されたごみは直接埋立てか資源化又は直接焼却されていますが、循環型社会の形成に当たっては、できる限り資源化を進め、減量化が可能な廃棄物の直接埋立ては慎むべきでしょう。
 近年の処理方法の推移を見ると、直接埋立量が減り、資源化量が増えています(1-2-2図)。

ごみ処理方法の推移

ウ 焼却施設数の推移
 ごみ焼却施設数は全国で約1,800施設で推移していましたが、平成6年度より徐々に減少し、平成13年度のごみ焼却施設数は1,680施設でした。その燃焼方式に着目すると、1日ごとに埋火するタイプの焼却施設は減少し、ダイオキシン対策に有効でかつごみ発電が可能な24時間燃焼方式(全連続炉)の焼却施設が増加しています。なお、平成13年度の全連続炉数は549施設となっており、前年度より15施設増加しています。

(2)一般廃棄物処理対策
ア 補助実績
 ダイオキシン類の排出削減とともに一般廃棄物のリサイクル促進のため、平成15年度は、約1,220億円の補助金等により、ごみ処理施設、汚泥再生処理センター、コミュニティ・プラント、埋立処分地、リサイクルプラザ等の一般廃棄物処理施設の整備を図りました。

イ ごみ処理事業費の推移
 ごみ処理事業経費については平成13年度で2兆6,029億円であり、国民1人当たりに換算すると、2万500円となり、前年度より1,800円増加しています(1-2-3図)。
ごみ処理事業費の推移

2. 一般廃棄物(し尿)

(1)し尿処理の推移
 し尿処理人口の推移を見ると、浄化槽人口がほぼ横ばいの推移であるのに対し、下水道人口(7,357万人)の増加により、これらを合わせた水洗化人口(1億763万人)は年々増加しています(1-2-4図)。
 平成14年度末の浄化槽の設置基数は877万基(平成13年度882万基)で、初めて前年度と比べて減少しました。内訳を見ると、合併処理浄化槽(し尿と生活雑排水の処理)が195万基(平成13年度176万基)と増加しているのに対し、単独処理浄化槽(し尿のみの処理)が682万基(平成13年度705万基)と大きく減少しており、その結果、合併処理浄化槽の割合は22.3%(平成13年度20.0%)に上昇しています。国庫補助制度の充実等により合併処理浄化槽の整備が進む一方、平成12年の浄化槽法改正によって単独処理浄化槽の新設が原則として禁止され、合併処理浄化槽への設置替えや下水道等の整備により、単独処理浄化槽の廃止が進んでいることが影響しているものと考えられます。

(2)し尿及び浄化槽汚泥の処理状況の推移
 平成13年度の実績では、し尿及び浄化槽汚泥3,052万klはし尿処理施設又は下水道投入によって、その95.5%(2,914万kl)が処理されています。
 また、海洋投入処分量は、123万klと計画処理量の4.0%を占めていますが、その割合は年々わずかずつ減少しています。なお、海洋投入処分については、平成14年2月より現に海洋投入処分を行っている者に対して5年間の経過措置を設けた上で禁止されました。
し尿処理人口の推移

 第3節 産業廃棄物

1. 産業廃棄物

(1)産業廃棄物の発生及び処理の状況
ア 産業廃棄物の排出量の推移
 平成2年度以降の産業廃棄物の排出量の状況を見ると、4億t前後で大きな変化はなく、バブル経済の崩壊後はほぼ横ばいとなっています(1-3-1図)。

産業廃棄物の排出量の推移

イ 産業廃棄物の中間処理施設数の推移
 産業廃棄物の中間処理施設は焼却、破砕、脱水等を行う施設で、平成13年度末の許可施設数は、全国で1万9,474施設となっており、前年度との比較では9.5%の増加となっています。中間処理施設のうち汚泥の脱水施設が34.3%、廃プラスチック類等の焼却施設が26.0%、その他の処理施設が39.7%を占めています(1-3-2図)。

産業廃棄物の中間処理施設数の推移

ウ 産業廃棄物処理施設の新規許可件数の推移(焼却施設、最終処分場)
 産業廃棄物処理施設に係る新規の許可件数は焼却施設が微増に転じているものの、平成9年の廃棄物処理法の改正後は、許可件数が激減しており、最終処分場の残余年数の減少に大きく影響しています(1-3-3図1-3-4図)。

焼却施設の新規許可件数の推移(産業廃棄物)
最終処分場の新規許可件数の推移(産業廃棄物)

2. 大都市圏における産業廃棄物の広域移動

 首都圏などの大都市圏では、土地利用の高度化や環境問題等に起因して、焼却施設などの中間処理施設や最終処分場を確保することが難しくなっています。そのため、廃棄物をその地域の中で処理することが難しく、一般廃棄物産業廃棄物も、その多くが都府県域を越えて運搬され処分されています。
 平成13年度に首都圏の1都6県において排出された一般廃棄物のうち、最終処分されたものは255万tで、そのうち29万tが都県外に搬出され、さらにその約7割の20万tが首都圏外で最終処分されています。また、全国の市町村から都道府県外へ搬出された一般廃棄物の最終処分量は53万tであることから、首都圏はその約6割を占めていることになります。
 平成13年度に首都圏の都県において中間処理又は最終処分のために都県外に搬出された産業廃棄物の量は1,058万tで、このうち約6割の597万tが東京都から搬出されています。また、首都圏から他の圏域へ流出している量は、上記のうち110万tとなっています(1-3-5図)。

首都圏の産業廃棄物の広域移動状況(平成13年度) 

 特に中間処理目的で東京都から埼玉県、神奈川県、千葉県に移動している量が際立って多く、また、最終処分目的で移動した量としては埼玉県、神奈川県の県外搬出量が多いことから、東京都から都外に搬出された産業廃棄物は、隣接県で中間処理された後、更にほかの道府県に運搬されて最終処分されているものと考えられます。
 このような廃棄物の広域移動は、廃棄物を受け入れている地域で廃棄物が不法投棄されたり、それによる環境汚染が引き起こされたりした場合に、他の地域で発生した廃棄物を搬入することそのものに対する不安感や不公平感から、各地の地域紛争を誘発し、廃棄物の受入制限が進む結果となり、産業全般の景気回復・活性化の足かせになるとの懸念が広がっています。
 首都圏では、残余年数等の状況が示すように最終処分場の確保、特に産業廃棄物の最終処分場の確保が難しくなっており、その不足が廃棄物の地方等への広域移動の主因と考えられます。
 廃棄物の処理は、安全性や経済性を考慮すれば、できる限りその排出地域に近い所で行われることが望ましいことから、首都圏の状況にかんがみれば、減量化、リサイクルの推進等を図った上で産業廃棄物の最終処分場を確保することが重要です。特に土地利用が高度化している東京湾周辺においては、1つの都県で処理を完結することが困難であることから、2都県以上で一体的に処理することも必要です。

 第4節 廃棄物関連情報

1. 最終処分場の残余容量と残余年数の推移

(1)一般廃棄物
 平成13年度末の一般廃棄物最終処分場は2,059施設であり、その残余容量は1億5,261万m3と前年より2.9%減少し、また残余年数は全国平均で12.5年分でした(1-4-1図)。首都圏(1都7県)については残余年数は10.9年分でした。

最終処分場の残余容量及び残余年数の推移(一般廃棄物)

 都道府県別に見れば残余年数が5年未満の都道府県が5府県あり、市町村単位ではさらに残余年数の長短のばらつきがあると考えられます。実際、その市町村には既に最終処分場がなく、広域処理等によりほかの市町村で処理している例やすべて民間委託している例もあります。
 したがって、廃棄物の減量化を推進して最終処分場の延命化に努めながら、地域ごとに必要となる安全かつ適正な最終処分場を今後とも継続的に確保するよう内陸部や海面において整備する必要があります。

(2)産業廃棄物
 平成13年度末の産業廃棄物の最終処分場の残余容量は1億7,941万m3で前年より332万m3増加しました。また、残余年数は全国平均で4.3年分であり、依然として非常に厳しい状況にあります(1-4-2図)。

最終処分場の残余容量及び残余年数の推移(産業廃棄物)

 産業廃棄物の最終処分場は、排出者責任の原則によって民間事業者による整備を基本としつつ、これらの整備状況を踏まえ、内陸部や海面において必要と認められる容量を公共関与による安全かつ適正な施設整備で確保することも進めていく必要があります。

2. ごみ焼却施設における熱回収の取組

(1)ごみの焼却余熱利用
 ごみ焼却施設からの余熱を有効に利用する方法としては、後述するごみ発電をはじめ、施設内の暖房・給湯、温水プール、老人福祉施設等社会福祉施設への温水・熱供給、地域暖房への供給等がありますが、施設内の暖房・給湯が最も普及しています(1-4-3図)。
 余熱利用の動機、目的を見ると、清掃工場で使用する資源エネルギーの節約、地域還元が大きな割合を占めています。
 このような施設内での余熱利用の推進に加えて、施設外部への熱供給等を更に推進する体制づくりを進めていく必要があります。そのためには、廃棄物の量・質の変動への対処などの技術上の問題、ガスや石油による熱供給とのコスト比較、電気事業法等関係法令との調整などについて十分な検討が必要となります。
 平成4年には、ごみ焼却余熱の有効利用を推進し、ごみ焼却施設に対する社会的評価の向上を図ることを目的とした「ごみ焼却余熱有効利用促進市町村等連絡協議会」が結成され、ごみ焼却余熱の有効利用に関する諸課題について、参加している市町村等を中心に研修や連携交流などの活動が行われています。
ごみ焼却施設における余熱利用の状況(平成13年度)

(2)ごみ発電
 ごみ発電とは、ごみを焼却する時に発生する高温の排出ガスの持つ熱エネルギーをボイラーで回収し、蒸気を発生させてタービンを回して発電を行うもので、ごみ焼却施設の余熱利用の有効な方法の一つです。
 我が国で最初の実施例は、昭和40年の大阪市西淀工場であるとされます。その後、国では、ごみ焼却施設の新設、更新時における余熱利用設備や既存の施設に余熱利用設備を設置する場合に補助を行うなど、ごみ発電の推進に努めてきました。
 平成13年度末において、稼働中又は建設中のごみ焼却施設のうち、発電を行っている施設は236に上ります(1-4-1表)。また、大規模な施設ほどごみ発電を行っている割合が高いため、ごみ発電を行っている割合は施設数ベースでは14.0%ですが、ごみ処理能力ベースでは約50%となっています。その総発電量は、約55億kWhであり、1世帯当たりの年間電力消費量を4,300kWhとして計算すると、この発電は約128万世帯の消費電力に匹敵します。また、ごみ発電を行った電力を場外でも利用している施設数は152施設(約64%)となっています。
ごみ発電施設数と発電能力(平成13年度)

 ごみ焼却施設については、ごみ発電の実施を促進するため、平成7年度から、従来の施設内での消費分に加え近隣の公共施設への電力供給に係るものや電力会社への安定的な売電を行うための発電についても補助対象とするとともに、平成8年度以降に整備するごみ焼却施設のうち全連続式の施設については、極力すべての施設について発電設備、施設外熱供給設備等を整備することとしています。今後、更にごみ発電を推進する上で、発電技術の確立、発電の規模と経済的側面、人材の確保と管理運営体制、電気事業法等関係法令との調整などについて十分な検討が必要です。
 ごみ発電による発電効率は約10%ですが、数%から20%程度と施設により差があります。最近では、効率の高い発電施設の導入が進んできていますが、現状では、発電とその他の余熱利用を合わせても、燃焼によって発生する熱量の4分の3程度が無駄に失われています。発電後の低温の温水を蓄熱式ヒートポンプを用いて地域冷暖房システムに有効利用する事例も出てきています。こうした試みを更に拡大していくためには、熱供給・熱利用双方の連携による施設整備が有効です。

(3)RDF(ごみ固形燃料)
 RDF(Refuse Derived Fuel:ごみ固形燃料)は、通常のごみと比較して、腐敗性が少なく、比較的長期の保管が可能であること、減容化、減量化されるため、運搬が容易であること、形状、発熱量がほぼ一定となるため安定した燃焼が可能であること等の特徴を有しています。
 ごみをいったん固形燃料化した上で発電等に利用するシステムは、小規模な焼却施設では実現できない熱回収を可能にするものであり、環境保全とエネルギー資源確保を同時に実現する技術として考えられてきています。
 しかしながら、平成15年8月に三重県において、ごみ固形燃料発電所の貯蔵槽が爆発する事故が発生しました。このため、環境省では、「ごみ固形燃料適正管理検討会」を設置し、ごみ固形燃料の製造、保管、性状管理方法等について検討を進め、同年12月に、ごみ固形燃料の水分や温度の管理を徹底すること、長期保管する場合には酸化や蓄熱防止対策を講じること、各工程において温度や可燃性ガスの監視を行うこと等を内容とするガイドラインを取りまとめました。
 また、RDFのJIS化についてもその制定作業が進められているところです。
 今後、事故の再発防止に万全を期しつつ、循環型社会における廃棄物処理の優先順位を踏まえながら、ごみ固形燃料を利用していくことが求められています。

3. 特別管理廃棄物

(1) 概要
 廃棄物のうち爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものを特別管理廃棄物(特別管理一般廃棄物又は特別管理産業廃棄物)として指定しています。処理に当たっては、特別管理廃棄物の種類に応じた特別な処理基準を設けることなどにより、適正な処理を確保しています。また、その処理を委託する場合は、特別な業の許可を有する業者に委託することとなります。

(2) 特別管理廃棄物の対象物
 これまでに、1-4-2表に示すものを特別管理廃棄物として指定しています。

特別管理廃棄物

 なお、平成15年12月、ダイオキシン類対策特別措置法施行令の一部改正に伴い、廃棄物処理法施行令を一部改正し、4−クロロフタル酸水素ナトリウム又は2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノンを製造する施設を有する工場において生じた汚泥、廃酸、廃アルカリ等で一定濃度を超えてダイオキシン類を含むものを特別管理産業廃棄物として追加しました。

4. ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物の処理体制の構築

(1)PCB問題の経緯
 昭和43年に発生したカネミ油症事件によりPCBの人体に対する毒性が明らかとなり、さらにPCBによる環境汚染が確認され社会問題となったことから、昭和47年に処理体制の確立を待たずに緊急避難的に製造・輸入・使用を原則として禁止する行政指導が行われました。さらに、「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」が昭和48年10月に公布、昭和49年6月からは、PCBの製造・輸入・使用が、事実上禁止となりました。ただし、この段階で使用されていた電気機器等については、現に施設されている場所から外すまでの間は使用が認められ、現在も一部使用されている物があります。
 昭和48年、通商産業省の指導のもと、(財)電機ピーシービー処理協会(その後(財)電気絶縁物処理協会に改称、平成13年11月解散)が設立され、この団体が中心となってPCB廃棄物の処理体制を構築すべく努力がなされてきました。しかし、処理施設建設候補地の地方公共団体、周辺住民の理解が得られないなどの理由で処理体制の構築はできず、これまで約30年間の長期にわたり、PCB廃棄物の保管が続いています。

PCB廃棄物の保管状況(平成14年3月31日現在)
PCB廃棄物を保管する事業所におけるPCB使用製品の使用状況(平成14年3月31日現在)

(2)PCB廃棄物の処理技術・基準
 日本では、昭和51年の廃棄物処理法の一部改正等により、廃PCB、PCB汚染物等の処理基準として1,100℃以上の高温焼却が規定されました。これを踏まえ、昭和62年から平成元年に鐘淵化学工業高砂事業所で5,500tの液状PCB廃棄物の焼却処理が行われた実績があります。しかし、高温焼却処理に対する住民の不安を払拭することができなかったこともあり、それ以外にほとんどPCB廃棄物の処理は実現できませんでした。
 このような状況の下、1990年代半ば以降、環境庁、厚生省及び通商産業省の連携の下でPCBを化学的に分解処理する技術の開発促進、評価が実施されたことにより、平成10年から廃棄物処理法の処理基準に脱塩素化分解法等の化学分解法が追加されています。 
 国内では、これらの化学分解による技術を用いた、PCB廃棄物保管企業による自社処理が十数件実現しています。

(3)PCB特別措置法の制定
 PCBは、人の健康及び生活環境に係る被害を生じるおそれがある物質であり、難分解性、高蓄積性、大気や移動性の生物種を介して長距離を移動する性質を有することから、将来にわたる環境汚染及び地球規模の環境汚染をもたらします。
 このため、国際的な枠組みでの取組が求められ、平成13年5月にストックホルムで開催された外交会議において、「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が採択され、我が国は平成14年8月に同条約に加入しました。同条約では、PCBの平成37年までの使用の全廃、平成40年までの廃棄物の適正な管理が定められています。
 このような状況の中、PCBによる環境汚染を防止し、将来にわたって国民の健康を保護し、生活環境の保全を図るためには、このまま長期にわたって保管を継続することなく、その処理体制を速やかに整備し、確実かつ適正な処理を推進することが必要不可欠となっています。
 このため、平成13年6月に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特措法)の制定及び「環境事業団法」の一部改正を行い、国は費用負担能力の小さい中小企業による処理を円滑に進めるための助成等を行う基金(PCB廃棄物処理基金)の創設や、環境事業団を活用した拠点的な処理施設整備の推進など、PCB廃棄物の処理体制の構築に向けた施策を実施し、今後、平成28年までにPCB廃棄物の処理を終えることとしています。

(4)全国的なPCB廃棄物処理体制の構築
 PCB特措法等により、国は環境事業団を活用した拠点的な広域処理施設の立地を進めています。平成13年11月に北九州市におけるPCB廃棄物処理事業を環境省が事業認可し、さらにこれまでに愛知県豊田市、東京都、大阪市及び北海道室蘭市における事業について事業認可を行いました。今後、これらの地域における早期の事業の具体化に努めます(1-4-4図)。

PCB廃棄物の拠点的な広域処理施設整備の進捗状況

 また、国は都道府県と連携し、処理費用負担能力の小さい中小企業者が保管しているPCBを使用した高圧トランス・高圧コンデンサの処理に係る負担を軽減するためPCB廃棄物処理基金の造成に取り組んでいます。

5. ダイオキシン類の排出抑制

(1)ダイオキシン類とは
 ダイオキシン類は、ものの焼却の過程等で自然に生成してしまう物質(副生成物)です。
 一般に、ポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)をまとめてダイオキシン類と呼び、コプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)のようなダイオキシン類と同様の毒性を示す物質をダイオキシン類似化合物と呼んでいます。
 平成11年7月16日に公布された「ダイオキシン類対策特別措置法」(後述)において、PCDD及びPCDFにコプラナーPCBを含めて「ダイオキシン類」と定義されました。
 ダイオキシン類は、PCDDには75種類、PCDFには135種類、コプラナーPCBには十数種類の仲間があります。これらのうち毒性があるとみなされているのは29種類です。

(2)ダイオキシン問題における廃棄物焼却施設の位置付け
 ダイオキシン類の現在の主な発生源はごみ焼却による燃焼ですが、その他に製鋼用電気炉、たばこの煙、自動車排出ガスなどの様々な発生源があります。森林火災や火山活動など自然界でも発生することがあると言われています。また、かつて使用されていたPCBや一部の農薬に不純物として含まれていたものが川や海の底の泥などの環境中に蓄積している可能性があるとの研究報告もあります。
 環境中に出た後の動きの詳細はよく分かっていませんが、例えば、大気中の粒子などにくっついたダイオキシン類は、地上に落ちてきて土壌や水を汚染し、また、様々な経路から長い年月の間に、底泥など環境中に既に蓄積されているものも含めてプランクトンや魚介類に食物連鎖を通して取り込まれていくことで、生物にも蓄積されていくと考えられています。

(3)ダイオキシン問題の経緯
 昭和58年11月に都市ごみ焼却炉の灰からダイオキシン類を検出したと新聞紙上で報じられたことが契機となって、ダイオキシン問題に大きな関心が向けられるようになりました。
 廃棄物処理におけるダイオキシン問題については、早期から検討が行われており、平成9年1月に厚生省が取りまとめた「ごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドライン」(新ガイドライン)に沿って対策がとられています。
 新ガイドラインでは、緊急対策の必要性を判断するための基準として、排出濃度80ng-TEQ/ m3を設定しました。新ガイドラインの内容は平成9年8月の廃棄物処理法施行令及び同法施行規則の改正によって、新たな構造基準・維持管理基準などに位置付けられ、同年12月に施行されました。環境庁でも、ダイオキシン類を大気汚染防止法の指定物質として法的規制をかけることとし、平成9年12月から焼却炉及び製鋼用の電気炉からの排ガス基準が定められ、ダイオキシン類の排出は法律で規制されることとなりました。これにより、排出ガス中のダイオキシン濃度の測定義務が平成9年12月から、守るべき濃度基準が平成10年12月から適用され、平成14年12月からは更に厳しい濃度基準が適用されることが定められました。
 さらに、政府は平成11年2月24日に、第1回のダイオキシン対策関係閣僚会議を開催しました。平成11年3月30日に開催されたダイオキシン対策関係閣僚会議において「ダイオキシン対策推進基本指針」が策定され、政府一体となってダイオキシン類の排出量を大幅に下げるなどの各種対策を鋭意推進することとされました。特に、この基本指針に基づき、平成15年3月末までにダイオキシン類の排出総量を平成9年に比べて「約9割削減」することとされました。
 平成11年7月12日には、「ダイオキシン類対策特別措置法」が成立しました。これは、ダイオキシン類による環境の汚染の防止及びその除去等のため、ダイオキシン類に関する施策の基本とするべき環境基準を定め、排ガスや排水などの必要な規制、汚染土壌に係る措置等を内容とするものです。平成12年9月22日には、同法に基づく「我が国における事業活動に伴い排出されるダイオキシン類の量を削減するための計画」において削減目標量が設定され、毎年ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)を整備することとされています(1-4-5表)。同インベントリーによると、ダイオキシン類の排出量は年々減少し、このうち、廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出量は平成14年は平成9年から約90%減少しました(1-4-5図)。これは、規制強化や基準適合施設の整備に係る支援措置等によって、排出基準やその他の構造・維持管理基準に対応できない焼却施設の中には休・廃止する施設が多数あること、基準に適合した施設の新設整備が進められていることが背景にあるものと考えられます。なお、同法に基づいて定められた環境基準の平成14年度の達成率は、大気では99.7%、公共用水域水質では97.2%、公共用水域底質では97.6%と、ほとんどの地点で環境基準を達成しています。

我が国におけるダイオキシン類の事業分野別の推計排出量に関する削減目標量

廃棄物焼却施設からのダイオキシン類排出量の推計

6. 有害廃棄物の越境移動

 経済活動が地球規模化し、日常生活の様々な分野に至るまで相互依存が極めて高い現代の国際社会にあって、循環型社会を形成するためには、有害廃棄物の不法輸出入の防止などについても国際的に連携をとりつつ適切に対処することが必要です。
 1970年代から80年代にかけて、欧米の先進諸国から有害廃棄物がアフリカや南米の諸国に輸出され、不適正な処分や不法な投棄により環境汚染が生じたほか、輸出先国に陸揚げを拒否され、有害廃棄物を積載した輸送船が行き先もなく海上を漂うなどの事件が多発しました。その背景として、先進国でも処分が困難な有害廃棄物が、より規制が緩く処理費用も掛からない開発途上国等へ輸出されがちであることが考えられます。このような有害廃棄物の越境移動問題は、先進国間だけでなく、途上国をも含んだ地球的規模での対応が必要な問題であると言えます。
 こうした問題に対処するため、平成元年3月、国連環境計画(UNEP)を中心に、国内処理を原則とし、処理技術を有する国が他国に有害廃棄物を輸出することのないよう、有害廃棄物の輸出に際しての許可制や事前通告制、不適正な輸出や処分行為が行われた場合の再輸入の義務等を規定した「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(バーゼル条約)が採択され、平成4年5月に発効しました。同条約では、我が国において従来から廃棄物として規制が行われてきた不要物だけではなく、原材料等としてリサイクル利用される物についても有害性のあるものについては規制の対象となっています。

 我が国では、地球環境の保全に資するという観点から早期にバーゼル条約に加入することが必要であるとの認識のもと、「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律」(バーゼル法)が、バーゼル条約の国内対応法として平成4年12月に制定、公布されると同時に、廃棄物処理法が国内処理の原則を盛り込んで改正され、平成5年9月にバーゼル条約に加入しました。この条約は同年12月から我が国について発効し、同月、バーゼル法も施行されました。
 また、平成4年3月に採択されたOECDの「回収作業が行われる廃棄物の国境を越える移動の規制に関する理事会決定」についても、バーゼル条約の我が国における発効に先立ち受け入れており、同決定が適用される廃棄物のOECD加盟国との間の越境移動は平成5年12月以降バーゼル法に基づき、必要な規制が行われています。平成15年1月から12月までのバーゼル法の施行状況は、1-4-6表に示すとおりです。
 バーゼル条約の締約国は158か国及び1機関(EC:欧州委員会)となっており(平成16年2月末現在)、おおむね2年ごとに開催される締約国会議において条約の効果的実施についての検討等が行われています。
 また、バーゼル条約の制度の趣旨やバーゼル法及び廃棄物処理法の周知を図り、不適正な輸出入を防止するためのバーゼル法等説明会を全国各地で税関等の協力を得て開催するとともに、環境省・経済産業省において輸出入に関する事前相談を行っています。
特定有害廃棄物等の輸出入に係る承認状況(平成15年1〜12月)

7. 小売業者から製造業者等への廃家電の確実な引渡しについて

 福岡県において、家電リサイクル法に基づく特定家庭用機器廃棄物の収集及び運搬を小売業者から受託した業者が、その一部を製造業者等へ引き渡していなかったことが判明しました。また、その後の調査で、当該小売業者の福岡県以外の店舗においても、適正な引渡しが行われていないものがあることが判明しました。
 これを受け、環境省及び経済産業省は、大規模小売業者に対する調査の実施を行いました。
 また、全国の小売業者に対して、製造業者等への適切な引渡しと収集運搬業務の委託及び家電リサイクル券の管理の徹底等について、文書により周知徹底を図りました。さらに、自治体に対しても、廃棄物処理法の適正な運用に万全を期すとともに、各地方経済産業局等と連携し、適切な指導を行うよう通知しました。