環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成29年版 環境・循環型社会・生物多様性白書施策第4章>第2節 地域の生活環境に係る問題への対策

第2節 地域の生活環境に係る問題への対策

1 騒音・振動対策

(1)騒音に係る監視体制の強化等

地方公共団体と連携しながら、騒音に係る監視体制を充実させます。また、騒音・振動に関するより適切な評価や規制の在り方及び沿道沿線対策についての検討、低周波音に関する実態把握及び知見の収集を行います。

(2)工場・事業場及び建設作業騒音・振動対策

低騒音社会を目指し、低騒音型の機械・機器の普及を目指した騒音ラベリング制度について、引き続き周知を図ります。さらに、騒音・振動については、より実態に即した測定、評価手法について検討を進めます。

(3)自動車交通騒音・振動対策

「今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(第三次答申)」(2015年7月中央環境審議会)において示された今後の検討課題を踏まえ、引き続き、四輪車走行騒音規制の見直し、二輪車走行騒音規制の見直し、マフラー性能等確認制度の見直し及び使用過程車に対するタイヤ騒音規制の適用時期についての検討を行います。道路交通振動については、最新知見の情報収集・分析を行い、予測・評価手法の検討を行います。

(4)航空機騒音対策

環境基準等の達成に向けて対策を推進するため、「航空機騒音測定・評価マニュアル」を用い、適切な実態把握に努めます。また、「航空機騒音に係る環境基準について」の一部改正(平成19年12月環境省告示第114号)に関して、2013年4月の施行を受けて円滑に対応が図られるよう努めていきます。

低騒音型機の導入、騒音軽減運航方式の実施等を促進します。また、住宅防音工事、移転補償事業、緩衝緑地帯の整備等の空港周辺環境対策事業を推進します。

自衛隊等の使用する飛行場周辺の航空機騒音に係る環境基準の早期達成に向けて、消音装置の設置・使用、飛行方法への配慮等の発生源対策、運航対策に努めるとともに、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律(昭和49年法律第101号)等に基づき、周辺対策を推進します。

(5)鉄道騒音・振動対策

新幹線鉄道の騒音・振動については、環境基準等の達成に向けて対策を推進するため、「新幹線鉄道騒音測定・評価マニュアル」を用い、適切な実態把握に努めるとともに、引き続き発生源対策や技術開発等が計画的に推進されるよう関係機関に要請していきます。また、新幹線鉄道沿線における騒音問題の未然防止の観点から、土地利用対策等の具体的方策の検討を行います。

在来鉄道の騒音・振動問題については、関係機関と連携し適切に検討を行います。新線又は大規模改良の計画に際しては、「在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針」に基づき騒音問題の発生を未然に防止するための対策を実施するよう鉄道事業者に要請していきます。また、「在来鉄道騒音測定マニュアル」を用い、現状の把握に努めていきます。

(6)近隣騒音対策(良好な音環境の保全)

各人のマナーやモラルを向上させ、近隣騒音対策を推進するため、「近隣騒音防止ポスター・カレンダーデザイン」を一般公募し、引き続き普及啓発活動を行います。

(7)その他の対策

地方公共団体職員を対象として、低周波音問題に対応するための知識・技術の習得を目的とした低周波音測定評価方法講習を引き続き行います。また、風力発電施設等から発生する騒音等の測定・評価方法を取りまとめた報告書を公表したところであり、その周知及び普及に努めます。

2 悪臭対策

悪臭防止法(昭和46年法律第91号)の規制に関わる、特定悪臭物質の測定手法の算定方法の見直し等について検討を引き続き行います。

3 ヒートアイランド対策

「ヒートアイランド対策大綱」に基づき、人工排熱の低減、地表面被覆の改善、都市形態の改善、ライフスタイルの改善、人の健康への影響等を軽減する適応策の推進を柱とするヒートアイランド対策について、近年の暑熱環境の状況や今後の見通しを踏まえつつ適切に実施します。

具体的には、ヒートアイランド現象に関する調査、効果的な暑さ対策に関する知見の周知、熱中症の予防情報の提供、暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)のモニタリング等、クールシティ実現に向けての調査・検討を引き続き実施します。さらに、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の主要会場周辺等における暑さ指数に関する情報発信に向けて、調査・検討を実施します。

4 光害(ひかりがい)対策等

光害(ひかりがい)対策ガイドライン、地域照明環境計画策定マニュアル及び光害(ひかりがい)防止制度に係るガイドブック等により、地方公共団体における良好な照明環境の実現を図る取組を推進します。