環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成26年版 環境・循環型社会・生物多様性白書状況第2部第3章>第3節 循環型社会を形成する基盤整備

第3節 循環型社会を形成する基盤整備

1 「質」にも着目した循環型社会の形成

(1)2Rの取組がより進む社会経済システムの構築

 市町村が収集する粗大ごみ等の1~2割程度が中古品として利用可能といわれています。また市町村において使用済製品等のリユースを促進するためには、市町村の人員等の体制や保管場所、知見の不足等について対応が必要であるとの指摘もあります。このため、環境省では平成23年度から市町村、リユース事業者やNPO等と連携し、使用済製品等のリユースを進めるモデル事業を実施しています。また、各種2R(リデュース・リユース)に取り組んでいる事業者の情報を収集し事例集を作成しました。

(2)使用済製品からの有用金属の回収

 廃棄物の適正処理及び資源の有効利用の確保を図ることが求められているなか、小型家電等が使用済みとなった場合には、鉄やアルミニウム等の一部の金属を除く金や銅などの金属は大部分が廃棄物としてリサイクルされずに市町村により埋立て処分されています。こうした背景を踏まえ、小型家電リサイクル法が平成25年4月から施行されました。

 環境省では平成24年度から小形電子機器等のリサイクルシステムの構築を目的とした実証事業を行っており、平成24年度は43市町村が、平成25年度は161市町村が実証事業に参加しました。

(3)水平リサイクル等の高度なリサイクルの推進

 これまで進んできたリサイクルの量に着目した取組に加えて、素材の性質に応じてリサイクルの質を向上させ、使用済製品を原料として用いて同一種類の製品を製造する水平リサイクルが広く行われるようになれば、持続可能な資源活用の一層の推進につながります。また、分別した循環資源が最終的にどのように活用されているのか、消費者にしっかりと情報提供を行っていくことも、消費者の取組を一層促す上で重要です。これらを踏まえ、社会的費用の減少や地球温暖化対策とのバランスも考慮しつつ、水平リサイクルなどの高度で高付加価値なリサイクルを社会に定着させることが重要です。

 環境省では、プラスチック製容器包装については、材料リサイクル手法により製造されるプラスチックの品質向上を図るために、日用品等の試作品製造による品質条件調査を実施しました。また、ペットボトルのボトルtoボトルなど高度なリサイクルをより推進するために、スーパーマーケット等の店頭回収による高品質な廃ペットボトルの効率的な回収を目的とした実証事業を実施しました。使用済自動車については、回収される鉄スクラップを原料として再び自動車用高級鋼板を製造するCar to Carの実現を目指した実証事業を実施しました。

(4)有害物質を含む廃棄物等の適正処理システムの推進

 有害物質を含む廃棄物の適正処理の確保のため、廃棄物処理法に基づき、特別管理廃棄物及びこの処理基準が定められています。平成25年6月に、1,4-ジオキサン等の特別管理産業廃棄物への追加、特別な処理基準の設定等を内容とした関係政省令・告示が施行されました。

(5)災害時の廃棄物処理システムの強化

 東日本大震災をはるかに上回る規模の巨大地震(南海トラフ巨大地震や首都直下地震)においては、東日本大震災をはるかに上回る量の災害廃棄物が発生すると予測されるだけでなく、南海トラフ巨大地震では広範囲に渡って津波被害がもたらされ、首都直下地震では首都機能が麻痺すると考えられており、既存の廃棄物処理システムによる対応だけでは、災害廃棄物等を迅速かつ適正に処理することが困難であると考えられます。

 このため、環境省では、平成25年10月「巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会」を開催し、巨大災害発生に備えて、巨大災害発生時の災害廃棄物の発生量の推計、既存の廃棄物処理施設における処理可能量の推計を踏まえ、廃棄物処理システムの強靱(じん)化に関する総合的な対策の検討を進め、平成26年3月31日に、中間とりまとめ「巨大災害発生時における災害廃棄物対策のグランドデザインについて」を公表しました。

2 低炭素社会・自然共生社会づくりとの統合的取組

 廃棄物の焼却や埋立てに伴う温室効果ガスの削減を図る観点からも、その発生量の抑制を図ります。

 具体的には、廃棄物等の発生抑制・再使用・再生利用の推進によって廃棄物焼却量や直接埋立量の抑制を図ります。また、化石燃料の使用量の抑制を図るため、廃棄物発電施設や、有機性廃棄物からのメタン回収を高い効率で行う施設に対し補助するなど、廃棄物の焼却に伴って生じる排熱を有効に活用する廃棄物発電・熱利用やバイオマスエネルギーの活用を推進していきます。木くずなど有機性廃棄物の最終処分場への直接埋立については、温暖化効果の高いメタンを発生することから、原則として行わないこととし、地域の特性に応じて、適切に再生利用等を行っていく必要があります。

 また、循環型社会の形成等の観点を踏まえ、加工時のエネルギー消費量が少なく、再生産可能な資源としての特性を有する木材の利用を推進していきます。

3 地域循環圏の高度化

 地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」に対して、既存施設や基盤を最大限活用することで、エコタウンの環境保全効果や地域活性化効果を増大させる方策を検討するとともに、事業運営に資する情報提供や、情報交換の場の設定などの支援を行いました。また、平成24年度に策定したガイドラインを活用したモデル事業を実施し2月に成果報告会を行いました。

4 循環資源・バイオマス資源のエネルギー源への利用

 主に民間の廃棄物処理事業者が行う地球温暖化対策を推し進めるため、廃棄物熱回収施設設置者認定制度を活用するとともに、廃棄物エネルギー導入・低炭素化促進事業により、高効率の廃棄物熱回収施設や廃棄物燃料製造施設の整備を支援しました。

 下水道事業において発生する汚泥は、近年は減少傾向にあるものの、産業廃棄物の総発生量の約19%を占めており、下水汚泥を受け入れている最終処分場の残余年数が依然として非常に厳しい状況にあることから、今後さらなる汚泥の減量化、再生利用に加え、地球温暖化対策の推進も踏まえたエネルギー利用が必要となっています。このような状況を踏まえ、下水汚泥資源化施設の整備の支援、下水道資源の循環利用に係る計画策定の推進、下水汚泥再生利用・エネルギー利用に係る技術開発の促進・普及啓発などに取り組んでいきます。

 バイオマスの活用の推進に関する施策についての基本的な方針、国が達成すべき目標等を定めた「バイオマス活用推進基本計画」(平成22年12月閣議決定)に基づき、以下の取組を実施しました。

 国産バイオ燃料の本格的な生産に向け、原料供給から製造、流通まで一体となった取組のほか、食料・飼料供給と両立できる稲わら等のソフトセルロース系原料の収集・運搬からバイオ燃料の製造・利用までの技術を確立する取組を実施しました。

 地産地消によるバイオ燃料等の生産を進め、農山漁村における新産業の創出に向け、草本、木質、微細藻類からバイオ燃料等を製造する技術開発等を推進しました。

 なお、平成24年2月には、バイオマス利用技術の到達レベルの横断的な評価と事業化に向けた戦略の検討を行うため、バイオマス関係7府省合同の「バイオマス事業化戦略検討チーム」を設置しました。

 このほか、水産系副産物である貝殻の再資源化により資源の循環的利用を推進しました。

 また、農業集落排水事業においては、処理過程で発生する汚泥について、コンポスト化や建設資材利用等によるリサイクルを推進するとともに、地域の実情に応じて余剰汚泥の減容化を進めました。

5 循環産業の育成

(1)廃棄物等の有効利用を図る優良事業者の育成

 優良な産業廃棄物処理業者の育成を図り、「悪貨が良貨を駆逐しない」環境整備に取り組んでいます。平成25年2月5日からは、産業廃棄物の処理に係る契約が、国等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律(平成19年法律第56号)の対象契約となり、国などの公的機関は、優良産廃処理業者認定制度の認定業者を積極的に評価し、価格だけでなく環境負荷も考慮した契約を推進しています。また、優良な産業廃棄物処理業者の積極的な情報発信等の支援策の充実を図っています。

 さらに、平成25年度税制改正において、廃棄物処理業用設備に係る法定耐用年数の短縮の措置を講じました。

 国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成12年法律第100号)に基づく環境物品等の調達の促進を進めています。同法に基づく「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」に定められる特定調達品目(重点的に調達を推進する調達物品等の種類)及びその判断の基準等については、適宜見直しを行っていくこととしており、平成25年度には、新たに、会議運営の品目を役務に追加するとともに、「紙類」、「照明」等に関する判断の基準の拡充を図るなど、1品目の追加、35品目の基準等の見直しを行いました。

 また、地方公共団体のグリーン購入の取組を促進するため策定したグリーン購入取組ガイドラインについて普及を行っています。

(2)廃棄物発電設備など廃棄物処理・リサイクル施設の整備推進

 廃棄物の3Rを推進するための目標を設定し、広域的かつ総合的に廃棄物処理・リサイクル施設の整備を推進する「循環型社会形成推進交付金制度」を活用し、地域における循環型社会づくりのための社会資本整備を加速させます。

 浄化槽については、単独処理浄化槽の撤去費用に対して助成を行うことで、引き続き単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を推進しました。また、温室効果ガスの削減目標達成のための浄化槽分野におけるCO2削減対策の促進を図るため、低炭素社会対応型浄化槽の整備を推進しました。

(3)静脈物流システムの構築

 廃棄物や再生資源・製品の輸送については、リサイクル対象品目の増加、再生利用率の向上などによって、輸送の大量化・中長距離化が進むことが予想されます。また、大都市圏における廃棄物・リサイクル施設の集中立地や拠点形成により、拠点間の相互連携によるリサイクル等の廃棄物処理に的確に対応した物流システムの整備が必要となってきます。

 平成25年6月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2013-2017)」においても、資源の有効活用を促進するための静脈物流拠点を整備し、関連する制度の改善等を行うとされています。

 循環型社会の実現を図るため、広域的なリサイクル施設の立地に対応した静脈物流の拠点となる港湾を「総合静脈物流拠点港(リサイクルポート)」(全国22港)に指定し、官民連携の推進、港湾施設の整備など総合的な支援策を講じています。

6 廃棄物の適正な処理

(1)不法投棄・不適正処理対策

ア 不法投棄等の未然防止・拡大防止対策

 廃棄物処理法の厳格な適用を図るとともに、平成19年度から毎年度5月30日から6月5日までを「全国ごみ不法投棄監視ウィーク」として設定し、国と都道府県等とが連携して、不法投棄等の撲滅に向けた普及啓発活動等の取組を一斉に実施しました。また、不法投棄等に関する情報を国民から直接受け付ける不法投棄ホットラインの運用をするとともに、産業廃棄物の実務や関係法令等に精通した専門家を不法投棄等の現場へ派遣し、不法投棄等に関与した者の究明や責任追及方法、支障除去の手法の検討等の助言等を行い、都道府県等の取組を支援しました。

イ 使用済FRP船の再資源化の推進

 FRP(繊維強化プラスチック)船については、平成17年11月から国土交通省が確立したリサイクル技術を踏まえ、社団法人日本舟艇工業会(現 一般社団法人日本マリン事業協会)が廃棄物処理法に基づく広域認定制度を活用して「FRP船リサイクルシステム」の段階的な構築及び運用に取り組んでいるため、同システムの普及啓発及び事業評価などによる支援及び協力を実施しました。平成20年度には、全国において同システムの本格運用を開始し、平成24年度は581隻のFRP船をリサイクル処理しました。

(2)最終処分場の確保等

 近畿圏においては、広域臨海環境整備センター法(昭和56年法律第76号)に基づき大阪湾フェニックス計画が推進されており、尼崎沖処分場、泉大津沖処分場、神戸沖処分場、平成21年10月からは大阪沖処分場において近畿2府4県内の168市町村(平成26年4月1日現在)から排出される廃棄物を受け入れています。

 港湾における廃棄物処理対策として、平成25年度は、18港において廃棄物埋立護岸の整備に対する補助を実施しました。また、建設資源のリサイクルを促進するため、首都圏の建設発生土を全国の港湾建設資源として広域的に有効活用するプロジェクト(いわゆるスーパーフェニックス計画)を平成6年度に開始し、平成25年度は小名浜港及び相馬港において建設発生土の受入れを実施しました。

7 環境教育等の推進と的確な情報共有・普及啓発

(1)環境教育等の推進

 学校における環境教育の推進を図るため、環境のための地球規模の学習及び観測プログラム(GLOBE)協力校の指定を行いました。環境省としては、持続可能な開発のための教育(ESD)の視点を取り入れた環境教育を推進しており、「人材育成事業」において学校を中心にESDを実証する場づくりを行うとともに、「環境教育リーダー研修」の継続実施など、環境教育を担当する教員等の資質能力の向上に取り組みました。

(2)3Rに関する情報共有と普及啓発

 インターネットを利用する若い世代に対し、恒常的に周知徹底を図るため、WEBサイト「Re-Style」((PC版)「http://www.re-style.env.go.jp/(別ウィンドウ)」、(携帯版)「http:www.re-style.env.go.jp/k」)を運営し、循環型社会の形成に関する最新データやレポート等の掲載、循環型社会基本計画の周知及び循環型社会に向けた多様な活動等の情報発信を行い、国民、民間団体及び事業者等における活動の促進を図っています。

 経済産業省では、生活者が自ら積極的に3Rに取り組むことを分かりやすい形で促進するため、子供から大人まで対象にした普及啓発用DVD「レッツゴー3R」等の貸出等を実施しました。また、3R教育に資する資料等の設置や貸出を実施するとともに、企業・団体等が行っている3R教育に役立つ取組を紹介した取組事例集を広く配布しました。

8 その他

(1)財政措置等

 循環型社会基本法では、政府は、循環型社会の形成に関する施策を実施するために必要な財政上の措置等を講じることとしています。国の各府省の予算のうち、循環型社会の形成を推進するための経費は、平成25年度当初予算額で約3,093億2,255万円となっています。

(2)経済的手法の活用

 地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成11年法律第87号)によって、課税自主権を尊重する観点から法定外目的税の制度が創設されたことなどを受け、廃棄物に関する税の導入を検討する動きが各地で見られます。

 環境省の調査によると、平成24年12月現在、47都道府県中27道府県(三重、鳥取、岡山、広島、青森、岩手、秋田、滋賀、奈良、山口、新潟、宮城、京都、島根、福岡、佐賀、長崎、大分、鹿児島、宮崎、熊本、福島、愛知、沖縄、北海道、山形、愛媛)及び政令市64市中1市(北九州)において、産業廃棄物に係る法定外目的税の条例が制定されています。

(3)調査の実施・科学技術の振興

 環境研究総合推進費は、「環境研究・環境技術開発の推進戦略について」(中央環境審議会答申)に沿った競争的資金の活用により、平成25年度は72件の循環型社会形成推進研究事業(以下「研究事業」という。)及び9件の次世代循環型社会形成推進技術基盤整備事業(以下「次世代事業」という。)を実施しました。

 研究事業については、廃棄物の安全かつ適正な処理、循環型社会の形成推進に関する行政施策の推進及び技術水準の向上が期待される研究を実施し、次世代事業については、循環型社会の形成推進に関するもので、本事業として実施することにより実用化が見込まれ、かつ汎用性及び経済効率性に優れた技術の開発を推進しました。

 また、「廃棄物バイオマスのエネルギー利活用促進のための研究」、「国際3R対応の有用物質循環・有害物質適正管理技術や手法の開発」、「廃棄物焼却等によって得られた電力利用及び熱利用の効率化に向けた研究」、「使用済電気電子機器からの有用金属の効果的な回収技術の開発」を優先テーマとして社会的・政策的必要性に応じた循環型社会形成推進に係る研究を推進しました。

 さらに、「災害廃棄物の迅速・円滑な処理を目指した処理技術・システムの研究」を復興特別テーマとし、東日本大震災で生じた災害廃棄物の1日も早い処理を進めるための研究を実施しました。

 また、地産地消によるバイオ燃料等の生産を進め、農山漁村における新産業の創出に向け、草本、木質、微細藻類からバイオ燃料等を製造する技術開発等を推進しました。

 リサイクルをはじめとする省・脱レアアース・レアメタルの取組として、経済産業省では、平成19年度より実施している「希少金属代替材料開発プロジェクト」において、希少金属を豊富に存在する資源に代替、または使用量を大幅に削減する技術開発を実施したほか、平成24年度に引き続き、使用済自動車や使用済エアコン等のモーターに使用されているレアアース磁石の回収及び磁石の再利用を効率化する技術開発及び使用済製品中のレアアース磁石の市中リサイクルシステム構築に向けた支援を行いました。

 また、文部科学省は太陽光で水を分解して水素を得る光触媒の開発や、セルロースなど植物の非可食部位を分解し糖に変換する固体酸触媒の開発を進めています。さらに、経済産業省では、環境制約、資源制約克服を目指し、使用済製品の大規模・高効率回収、再資源化を推進するため、使用済超硬工具からのタングステンリサイクルを促進するための技術開発・システム実証や、次世代自動車用使用済リチウムイオン電池からのコバルトリサイクルを促進するための技術開発等を助成しました。

 独立行政法人国立環境研究所においては、第3期中期計画(計画期間:平成23年度から27年度)に掲げられた重点研究プログラムの一つである「循環型社会研究プログラム」等の着実な実施を図りました。特に東日本大震災に継続的に対応して、災害廃棄物及び放射性物質に汚染された廃棄物等に関する調査研究を実施しました。

(4)エコタウン事業の推進

 地域における資源循環型経済社会の構築を目的に、環境省及び経済産業省が連携して実施している「エコタウン事業」に対して、既存施設や基盤を最大限活用することで、エコタウンの環境保全効果や地域活性化効果を増大させる方策を検討するとともに、事業運営に資する情報提供や、情報交換の場の設定などの支援を行いました。

(5)農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理

 農業用使用済プラスチック等農業生産資材廃棄物の適正な処理を推進するため、全国段階において、不法投棄や野焼き等の撲滅を図るための啓発、排出量を削減するための生分解性プラスチックフィルム等導入技術実証、普及啓発等を行うとともに、都道府県・市町村段階において、関係者の協力体制の確立、処理・減量化計画の策定等を行いました。

(6)エアゾール缶等の適正処理

 消費者が使用し、ごみとして廃棄されたエアゾール缶については、中身が残ったまま廃棄されることが原因となって、市町村でのごみ収集時の収集車両の火災事故の発生等を招いています。このようなことから、エアゾール製品関連業界は充填物を容易に排出できる装置が装着された製品への転換を進める一方、市町村とエアゾール製品関連業界が協力して、消費者に対し、そうした装置を利用して中身を使い切った上でごみとして廃棄するよう周知する等の取組を行いました。

 また、消費生活用製品安全法施行令の一部改正により、安全対策を施したライター以外は販売できなくなりました。このため、ガスが残存するライターが従前より多量に廃棄される事態を想定し、関係省庁等が連携して、ライター使用の注意喚起及び家庭内で不要となった使い捨てライターを自治体のルールに沿って正しく廃棄するよう周知する等の取組を行いました。

(7)標準化の推進

 我が国の標準化機関である日本工業標準調査会(JISC)は平成14年4月に策定した「環境JISの策定促進のアクションプログラム」に基づき、環境JISの整備に取り組んでいます。平成24年度は、環境関連法令等の中での環境JISの位置付けを確認しながら自治体・企業・消費者のグリーン購入における環境JISの活用促進に取り組みました。

(8)使用済製品等のリユース促進事業

 循環型社会基本法においてリサイクルよりも上位に位置付けられているリユースについてさまざまな取組の活性化を図るため、平成25年度も「使用済製品等のリユース促進事業研究会」を開催し、市町村とリユース業者との連携によるリユースモデル事業の実証を行い、今後のリユース推進に向けた課題や支援策等を検討しました。