環境省環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書平成25年版 環境・循環型社会・生物多様性白書語句説明>[せ]

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生活環境項目

河川、湖沼、海域ごとに利用目的に応じた水域類型を設けてそれぞれ生活環境を保全する等の上で維持されることが望ましい基準値を定めている。

税制のグリーン化

環境への負荷の低減に資するための税制の見直し。

生態系価値評価パートナーシップ

生態系サービスの価値を評価し、国家勘定に組み入れることなどにより、生態系サービスの価値が各国の経済・開発政策の立案上、主要な考慮事項とされることを目指した、世界銀行が進める国際的な枠組。

生態系サービス

人々が生態系から得ることのできる便益のことで、食料、水、木材、繊維、燃料などの「供給サービス」、気候の安定や水質の浄化などの「調整サービス」、レクリエーションや精神的な恩恵を与える「文化的サービス」、栄養塩の循環や土壌形成、光合成などの「基盤サービス」などがある。

生態系サービスへの支払い制度

生態系サービスの恩恵を受けている人々(受益者)に対して、サービスの内容や規模に応じた対価を支払ってもらう仕組みのこと。例えば、上流部の森林に水源かん養や水質浄化という生態系サービスを提供してもらっている人々がこれを維持するための管理費用を管理者に支払う場合などがこれに当たる。

生態系と生物多様性の経済学

The Economics of Ecosystems and Biodiversity(TEEB)。生態系と生物多様性のもたらす経済的価値への理解を深め、価値を適切に計算するための経済的ツールの提供を目指した研究。国連環境計画の主導のもと、ドイツ銀行のエコノミスト スクデフ氏を研究リーダーとしてドイツ政府が中心となり実施。2010年の生物多様性条約COP10において最終報告書が発表された。

生態系ネットワーク

エコロジカル・ネットワークともいう。保全すべき自然環境やすぐれた自然条件を有している地域を核として、生息・生育空間のつながりや適切な配置を考慮した上で、これらを有機的につないだネットワークのこと。ネットワークの形成により、野生生物の生息・生育空間の確保のほか、人と自然とのふれあいの場の提供、地球温暖化への適応策等多面的な機能が発揮されることが期待される。

生物多様性情報システム(J-IBIS)

自然環境保全基礎調査などにより集積した成果をはじめ、日本の自然環境、生物多様性に関する情報を総合的に収集・管理し、インターネットにより情報提供するシステム。生物多様性情報システム(生物多様性センター(環境省 自然環境局))(別ウィンドウ)

政府がその事務及び事業に関し温室効果ガスの排出の抑制等のため実行すべき措置について定める計画(政府の実行計画)

地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき、平成14年7月19日に閣議決定し、17年4月28日に改訂。平成19年3月30日に新たな計画を閣議決定。庁舎等からの温室効果ガスの総排出量を平成13年度比で平成22年度から平成24年度までの総排出量の平均を少なくとも8%削減することを目標とすること等を定めている。

生物多様性基本法

平成20年法律第58号。生物多様性の保全及び持続可能な利用について基本原則を定め、国、地方公共団体、事業者、国民及び民間の団体の責務を明らかにするとともに、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策の基本となる事項を規定した法律。生物多様性に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、生物多様性から得られる恵沢を将来にわたって享受できる自然と共生する社会の実現を図り、あわせて地球環境の保全に寄与することを目的とする。

生物多様性国家戦略

生物多様性条約第6条に基づき、条約締約国が作成する生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する国の基本的な計画。また、平成20年に施行された生物多様性基本法の第11条においても、国家戦略の策定が規定されている。平成24年9月には「生物多様性国家戦略2012-2020」が閣議決定された。

生物多様性自治体ネットワーク

生物多様性の保全や回復を進めるには、地域に根付いた現場での活動を、自ら実施し、また住民や関係団体の活動を支援する地方自治体の役割は極めて重要なため、14の発起自治体を核として、環境省が設立準備事務局を務め、「生物多様性自治体ネットワーク」の設立を呼びかけたところ、99の自治体より参画に賛同を得て、113の自治体から成る「生物多様性自治体ネットワーク」が2011年10月7日に設立された。

生物多様性条約

生物の多様性に関する条約」参照。

生物多様性条約第10回締約国会議

生物多様性条約の締約国(193の国と地域)が集まる最高意思決定機関であり、2年に一度開催されている。その第10回の会議が、平成22年10月に愛知県名古屋市で、わが国が議長国となり開催される。2010年目標の評価と2010年以降の新しい目標の採択、遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)に関する国際的枠組の検討などが主要な議題となる。

生物多様性総合評価

1950年代後半から現在までの評価期間における、日本全国の生物多様性の損失の要因と状態等を総合的に評価。平成22年5月に公表。JBOは生物多様性総合評価(Japan Biodiversity Outlook)の略称。

生物多様性地域連携促進法

地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成22年法律第72号)(生物多様性地域連携促進法)。地域における生物多様性の保全の必要性にかんがみ、地域における多様な主体が連携して行う生物多様性保全活動を促進することによって、豊かな生物多様性を保全することを目的として、平成22年12月10日に制定され、平成23年10月1日に施行された。

生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム

Intergovernmental science-policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Services (IPBES)。科学と政策のインターフェイスの強化を図るための組織として、気候変動枠組条約のIPCCのような、生物多様性の動向評価等を行う政府間プラットフォームの創設が提案されており、現在、国連環境計画(UNEP)の下で検討プロセスが進められている。

生物多様性民間参画パートナーシップ

平成22年10月に、生物多様性の保全及び持続可能な利用に関する民間の参画を推進するため、日本経済団体連合会、日本商工会議所及び経済同友会等、経済界が中心となって設立した自発的なプログラム「生物多様性民間参画イニシアティブ」の活動主体で、中小企業や一次産業を含む幅広い事業者の参加を目指している。

生物濃縮

化学物質が、直接あるいは食物連鎖を経由して魚介類に蓄積すること。

生物の多様性に関する条約

生物の多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用及び遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的とした条約。1992年(平成4年)に採択され、1993年(平成5年)12月に発効した。日本は1993年(平成5年)5月に締結した。条約に基づき生物多様性国家戦略を策定し、これに基づく各種施策を実施している。

世界気象機関

世界の気象事業の調和的発展を目標とした国際計画の推進・調整を行うため、世界気象機関条約(1950年発効)に基づき設立されたもので、国連の専門機関の一つである。わが国は1953年に加盟。

世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約

世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約(平成4年条約第7号)。文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とする。1972年(昭和47年)に採択され、1975年(昭和50年)に発効した。わが国においては1992年(平成4年)に発効し、平成25年3月現在、文化遺産12件及び自然遺産4件が登録されている。

雪氷グリーン熱証書

雪氷エネルギーから得た冷熱量相当分の環境負荷価値を証書化して取引可能としたもの。

絶滅危惧IA類

ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの。

絶滅危惧IB類

IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの。

絶滅危惧II類

絶滅の危険が増大している種。現在の状態をもたらした圧迫要因が引き続き作用する場合、近い将来「絶滅危惧I類」のランクに移行することが確実と考えられるもの。

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律

絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることにより良好な自然環境を保全することを目的とした法律。

瀬戸内海環境保全特別措置法

瀬戸内海の環境の保全を図ることを目的として、瀬戸内海の環境の保全上有効な施策の実施を推進するための瀬戸内海環境保全基本計画の策定、特定施設の設置の規制、富栄養化による被害の発生の防止、自然海浜の保全、埋立ての基本方針等に関することを定めている。

ゼロ・ウェイスト宣言

資源やエネルギーなどの無駄や浪費をなくして、ごみを限りなくゼロにしていくという宣言。オーストラリアのキャンベラ市で始まり、アメリカ合衆国のサンフランシスコ市やニュージーランドの多くの自治体が「ゼロ・ウェイスト宣言」を行い、日本では徳島県上勝町、福岡県大木町が宣言している。

ゼロ・エミッション

ある産業の製造工程から出る廃棄物を別の産業の原料として利用することにより、廃棄物の排出(エミッション)をゼロにする循環型産業システムの構築を目指すもの。国連大学が提唱し、企業や自治体で取組が進んでいる。

全球大気監視(GAW)計画

温室効果ガス、オゾン層、エーロゾル、酸性雨など地球環境にかかわる大気成分について、地球規模で高精度に観測し、科学的な情報を提供することを目的に、世界気象機関(WMO)が1989年(平成元年)に開始した国際観測計画。

全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画

国際的な連携によって、衛星、地上、海洋観測等の地球観測システムを統合し、地球全体を対象とした包括的かつ持続的な地球観測システムを10年間で整備し、政策決定に必要な情報を創出することを目指す計画。2005年2月の第3回地球観測サミットにおいて策定。

戦略的環境アセスメント

個別の事業の計画、実施に枠組みを与えることになる政策や上位計画等の検討段階に環境配慮を組み込むため、これらの策定等の段階において、環境への影響を把握・評価し、環境への配慮が十分に行われることを確保するための手続。