第5節 国際的な循環型社会の構築

 ア G8における3Rイニシアティブの推進

 2008年(平成20年)5月に、神戸でG8環境大臣会合が開催され、今後G8各国が3Rの一層の推進に向けて取り組む具体的な行動が列挙された「神戸3R行動計画」が合意されました。当計画は、同年7月に北海道洞爺湖で開催されたG8北海道洞爺湖サミットにおいて、G8各国の首脳間でも支持されました。

 また、G8環境大臣会合の際には、日本として、アジア等における循環型社会の構築に向けて進めていく国際的取組を列挙した「新・ゴミゼロ国際化行動計画」を発表しました。

 イ アジアにおける取組

 (ア) 3R国別計画・戦略の策定支援

 わが国は、ベトナム、インドネシアなどにおいて、国連地域開発センター(UNCRD)、国連環境計画UNEP)及び地球環境戦略研究機関IGES)と連携して、国別の状況に応じて3Rを国家として推進するための計画・戦略の策定を支援しています。2009年度はベトナムにおいて、2010年度はバングラデシュにおいて国家戦略が策定されました。

 (イ) 政策対話

 わが国は、3R推進のための国内の制度強化・政策の計画的実施の方向に歩み始めた諸国との間で、廃棄物処理・3R担当部局間の政策対話も積極的に進めています。

 2009年(平成21年)5月に中国環境保護部との間で部局長級の「第3回日中廃棄物・リサイクル政策対話」を実施し、電気・電子機器廃棄物、医療廃棄物などの適正管理についての具体的な協力の可能性の検討や、廃棄物の輸出入管理について、環境保護部及び国家質量監督検験検疫総局との間で、日中の関係省庁間の連携等を協力して進めていくことで一致しました。

 また、2009年(平成21年)6月に中国国家発展改革委員会との間で局長級の「第3回日中資源循環政策対話」を実施しました。日中双方の資源循環政策及び水資源関連政策について説明し、日中循環型都市協力の進捗状況について情報共有するとともに、東アジアにおける国際資源循環のあり方について意見交換を行いました。

 さらに、2009年(平成21年)8月に韓国環境部との間で部局長級の「第4回日韓廃棄物・リサイクル政策対話」を実施しました。循環基本計画、電気電子製品・自動車のリサイクル、バイオマスガスの利活用、レジ袋削減対策の進捗、廃棄物の輸出入、3Rの国際的な取組の動向等について両国の政策の概要や課題を説明し、意見交換を行いました(図3-5-1)。


図3-5-1 3Rに関するアジア各国との二国間協力

 (ウ)アジア3R推進フォーラム

 2008年(平成20年)10月にベトナム・ハノイで開催された東アジア環境大臣会合において、アジアにおける3Rの推進に向けて、各国政府、国際機関、援助機関、研究機関、民間セクター等幅広い関係者の協力の基盤となる「アジア3R推進フォーラム」の設立を日本から提案し、参加各国より賛同を得ました。

 これを受けて、2009年(平成21年)11月に環境省と国連地域開発センター(UNCRD)の共催により「アジア3R推進フォーラム設立会合」を開催し、アジア15か国の政府代表者と国際機関、3Rに関する専門家等が参加しました。同会合で、「アジア3R推進フォーラムの設立に向けた東京3R宣言」が参加者により合意され、「アジア3R推進フォーラム」が設立され、今後アジア3R推進フォーラムの下で、3Rに関するハイレベルの政策対話の促進、各国における3Rプロジェクト実施への支援の促進、3R推進に役立つ情報の共有、関係者のネットワーク化等を進めることとなりました。

 第2回会合は2010年(平成22年)10月にマレーシア・クアラルンプールにて環境省、マレーシア住宅・地方自治省、国連地域開発センター(UNCRD)の共催により「グリーン経済と循環型社会に向けた3R」をテーマとして開催されました。同会合では議長サマリーがとりまとめられ、また、シンガポールから、次回会合を来年シンガポールで開催したいとの表明がなされ、参加者の賛同を得ました。

 また、多様な主体同士での国際的な連携を目指し、アジア3R推進フォーラムの会合と連携してアジアのNGO/NPOが開催する「アジア3R推進市民フォーラム」を支援しています。

 (エ)3Rに関する情報拠点・研究ネットワークの整備

 環境省では、アジア各国での3R施策推進に係る技術・政策情報と知識を開発・普及するための知識基盤としてアジア工科大学(AIT)に構築された3Rナレッジハブへの3Rの優良取組事例や3Rに関する研究成果の収集等を支援し、情報・技術の拠点整備を行っています。

 また財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)と共同して廃棄物の処理のための国際移動を含めアジア全体での資源循環の環境や経済等への影響、効果を評価し、アジアにおける適切な資源循環を検討する国際共同研究を行っています。

 (オ)日中韓三カ国環境大臣会合TEMM)の下での取組

 日中韓サミットや日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)等を通じて、東アジア地域における循環型社会構築に向けた協力を深めています。2009年(平成21年)10月に行われた第2回日中韓サミットにおいても、3Rをはじめとする環境分野における協力を強化することが確認され、日中韓の共同行動計画の策定が奨励されました。また、TEMMの下で平成21年11月に第5回循環経済/3R/循環型社会セミナーを開催し、循環型社会と低炭素社会構築に向けた統合的取組やE-wasteに関する各国の取組についての情報交換、及び3Rに関する日中韓の共同行動計画の検討などを行いました。

 (カ)川崎市と瀋陽市の環境にやさしい都市構築に関する協力

 2009年(平成21年)6月に、環境大臣と中国環境保護部長官は、川崎市と中国・瀋陽市による循環経済産業の発展を通じた環境にやさしい都市構築の協力を支援する覚書を締結しました。協力事業の一環として環境省は中国国家環境保護部とともに、循環型社会構築に関する政策、技術の情報共有を目的としたワークショップを、2011年(平成23年)3月に、中国・北京市と瀋陽市において開催しました。

 (キ)アジアエコタウン協力(循環型都市協力)

 2007年度から実施してきたアジアエコタウン協力事業は、我が国がエコタウン整備を通じて蓄積した経験・ノウハウを、自治体間協力の枠組みの下アジア各国に移転しつつ、我が国リサイクル産業の海外展開を支援するものです。2010年度には、中国において北九州市−大連市、茨城県−天津市、福岡県−江蘇省との間で事業実施可能性調査、人材育成事業等を実施しました。また、中国以外のアジア各国へも協力を拡大し、秋田県−タイ・マレーシア、北九州市−タイ、北九州市−インドとの間で協力事業を実施しました。

 (ク)リサイクル技術に関する協力の実施

 各地域で直面している廃棄物・リサイクル問題を解決するため、我が国のリサイクル技術・システムを活用した実証事業を実施しました。2009年には中国蘇州市において家電リサイクルに関する実証事業を、上海市において電子部品産業廃液リサイクルに関する実証事業を実施しました。また、2010年には大連市においてセメントキルンを利用した廃棄物リサイクル実証事業を開始しました。

 ウ 有害廃棄物の適正な管理

 有害廃棄物等の輸出入等の規制を適切に実施するため、2004年から毎年度環境省が主宰する「有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワーク」の活動を開始し、アジア各国のバーゼル条約担当官と税関職員、関係国際機関との対話促進や連携強化のための取組を行っています。さらに、アジア太平洋地域のE-waste及びコンピュータ機器廃棄物を環境上適正に管理するため、バーゼル条約の下で各国が進めるプロジェクトについて、財政的・技術的支援を行っています。

 エ 国連との協力

 1992年の地球サミットで採択された「アジェンダ21」の実施状況を年次計画に基づいて評価している国連持続可能な開発委員会CSD)は、平成22年(2010年)から平成23年(2011年)の2年間に「廃棄物管理」をテーマの一つに取り上げることとしています。CSDの議論に積極的に貢献するため、環境省は、2011年2月に世界全体の廃棄物管理及び3Rの専門家が参加する「国連持続可能な廃棄物管理会議」を東京で開催しました。そこでの成果は2011年5月に開催されるCSD第19回会合にインプットすることとしています。

 オ その他の取組

 OECDにおいて進められている物質フロー及び資源生産性のプロジェクトを重視し、積極的に議論をリードしています。国連環境計画UNEP)が、天然資源の利用による環境への影響の科学的評価などを目的に2007年に設立した「持続可能な資源管理に関する国際パネル」についても、3Rイニシアティブを推進する観点から、これを支援しています。

 なお、OECDが取りまとめた各国の廃棄物の発生量の1999年以降最新のデータは表3-5-1のとおりです。


表3-5-1 各国の部門別廃棄物発生量


循環型社会の形成に向けた国民、民間団体等の取組事例


 現在、さまざまな取組が進められていますが、ここでは、特定非営利活動法人持続可能な社会をつくる元気ネットが主催する「市民が創る環境のまち『元気大賞』」、3R活動推進フォーラム(※1)並びに環境省が主催する「循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰」、リデュースリユース・リサイクル推進協議会(※2)が主催する「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」における内閣総理大臣賞において平成22年度に表彰された、民間団体における先進的な取組事例を紹介します。

※1 3R活動推進フォーラム

 平成18年1月設立した「3R活動推進フォーラム」は、地方公共団体や民間団体を会員とし、3Rに関する社会的取組や先進的技術による取組をさらに進め、循環型社会への変革を強く意識した3R活動を一層推進しています。平成22年度では、「第5回3R推進全国大会」を環境省、佐賀県、佐賀市と共催し、展示会等のイベントを通して3R施策の普及啓発を行いました。大会式典で環境大臣表彰を行った3R促進ポスターコンクールには、全国の小・中学生から約9千点の応募があり、環境教育活動の促進にも貢献しています。10月の3R推進月間では環境省、経済産業省と共同で「環境にやさしい買い物キャンペーン」を実施し、全国の都道府県や流通事業者・小売事業者の協力を得て、環境に配慮した商品の購入、マイバック持参など3R行動の実践を呼びかけました。また、循環型社会の形成や食品リサイクルを推進したすぐれた取組などの環境大臣表彰の推薦、わが国の3R制度・技術・経験の変遷についての調査研究を実施するとともに、これら3Rに関する情報をホームページやメールニュース等により、全国に提供しています。

※2 リデュース・リユース・リサイクル推進協議会

 行政・消費者・産業界等が連携してリサイクルを推進することを目的に、平成3年9月「リサイクル推進協議会」として設立されました。平成14年6月に、これからの資源・廃棄物問題に対処するにはリサイクルのみならず3R(リデュース・リユース・リサイクル)を通じた循環型社会の構築が必要であることを踏まえ、「リデュース・リユース・リサイクル推進協議会」と改称し、3R推進のための啓発・普及活動を実施しています。

1 市民が創る環境のまち「元気大賞」

 「特定非営利活動法人 持続可能な社会をつくる元気ネット」は、平成13年度から「市民が創る環境のまち『元気大賞』」を創設し、全国各地域で先進な取組を行っている団体を表彰しています。

(1)平成22年度 大賞

取組名:『地域と都市を結ぶ「中ノ俣"棚田米"プロジェクト」』団体名:特定非営利活動法人 かみえちご山里ファン倶楽部(新潟県)

 棚田を中心とした里山の暮らしが残る新潟県上越市の中山間地域「中ノ俣集落」で、米作りを学ぶことを通じて自然と共存する暮らしや知恵、技術も継承していく「棚田学校」を開校。また不作時の保証や災害時の疎開受け入れ、村コミュニティへの参加の機会提供など保険機能を付加価値とした棚田米「有縁の米」事業を展開している。地域へ安定した現金収入をもたらすと共に、山村と都市両方に新たな「持続可能な生き方」の提案を行っている。

(奨励賞 [1])

取組名:『伊勢竹鶏物語〜3R(地域拡大)プロジェクト〜』団体名:四日市大学エネルギー環境教育研究会(三重県)

 大学・小・中・高、企業、NPOなどが参加して、地域のごみ問題や飼料自給率の低さ解決に向けて、鶏卵による事業展開をしています。

(奨励賞 [2])

取組名『〜四国の環境と文化を守ろう〜八十八箇所遍路道の美化推進事業の展開』団体名:特定非営利活動法人徳島共生一歩会(徳島)

 遍路道の数か所に大量に不法投棄されたごみを地域のさまざまな主体と連携して撤去。四国全域を実態調査し、「遍路道のごみ地図」を作成。各地の撤去を呼びかけています。

2 循環型社会形成推進功労者等環境大臣表彰

 循環型社会形成推進功労者表彰は、廃棄物の発生量の抑制(リデュース)、再使用(リユース)再生利用リサイクル)の適切な推進に顕著な功績があった個人、企業、団体を表彰し、その功績をたたえて、循環型社会の形成の推進に資することを目的として、平成18年度から実施しています。

 平成22年度の受賞者数は、7個人、9団体、20企業の計36件であり、平成22年11月に、佐賀市で開催された「第5回3R推進全国大会」式典において、表彰式が行われました。以下では、表彰された取組の数例を紹介します。

(1)平成22年度循環型社会形成推進功労者・3R活動推進功労(団体)

 茅ヶ崎市商店会連合会(神奈川県茅ケ崎市)

 リターナブルびんシステムの構築、商店街から出た生ごみの堆肥化、使用済み傘のマイバックへの再生、ノーパッケージによる容器包装の削減、商店街の軒先を利用した駐輪場及び共通利用レンタルサイクルシステムの運用等により、商店街を中心とした循環型社会の形成を推進してきました。

(2)平成22年度循環型社会形成推進功労者・3R活動優良企業(企業)

 ローム株式会社(京都府京都市)

 製品の製造プロセスで使用される薬品は廃液の無害化と分別の徹底による再使用の実現、廃プラスチックの固形燃料化や再使用、使用済み事務用紙の再生紙化、社員食堂から排出される生ごみのバクテリアによる分解消滅化などの3R活動を積極的に展開してきました。

3 リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰

 リデュース・リユース・リサイクル推進協議会では毎年、3R(リデュース・リユース・リサイクル)に率先して取り組み、顕著な実績を挙げている方々を表彰し、これらの活動を奨励することを目的に「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」を実施し、「内閣総理大臣賞」を含む関係7府省大臣賞を交付しています。

 平成22年度内閣総理大臣賞

 受賞者名:山形県立置賜農業高等学校MOTTAINAIプロジェクトチーム

 受賞テーマ:ワインの搾りかす等を利用した高付加価値飼料の生産・供給

 受賞者は、県、畜産試験場、食品加工業者、JA、農家、大学等と共同で、地域で発生するワインの搾りかす等の食品産業廃棄物を活用したエコフィード(リサイクル飼料)を開発しました。エコフィードを活用した生産物の販路を拡大するためのマーケティング活動をするなど、その利用促進にも取り組んでいます。


循環型社会の形成に向けた産業界の取組事例


 [1]環境自主行動計画について

 日本経団連では、1997年から、廃棄物対策に係る「環境自主行動計画」を策定し、毎年度フォローアップ調査を行うことによって、産業界における取組みを推進してきました。

 近年における循環型社会形成に向けた産業界の取り組みは、単に廃棄物対策にとどまらず、3R(リデュース、リユース、リサイクル)など、幅広く取り組んでいることから、日本経団連では、2007年3月、従来の環境自主行動計画を拡充し、同計画を「廃棄物対策編」から「循環型社会形成編」に改編しました。

 同時に、従来から掲げてきた産業界全体の目標(「2010年度の産業廃棄物最終処分量を1990年度実績の75%減とする」)を2002年度から4年連続前倒し達成したことを踏まえ、同目標を「2010年度に1990年度実績の86%減とする(第二次目標)」に改訂しました。

 [2]2010年度のフォローアップ調査結果について

 日本経団連では、産業界の主体的な取組みを推進するとともに取組みの透明性を高めるため、業種ごとの取組み状況を毎年度フォローアップしています。2010年度フォローアップ調査結果によると、2009年度の産業界全体(31業種)の産業廃棄物最終処分量は約605万トンとなり、前年度と比較して減少(▲約49万トン)しました。これは、基準年である1990年度実績(約5,922万トン)の約89.8%減の水準に相当し、産業廃棄物最終処分量削減に係る「産業界全体の目標(第二次目標)」を二年連続して前倒しで達成しました。【コラム図1】


産業界全体(31業種)からの産業廃棄物最終処分量

 [3]今後の課題

 日本経団連では、2010年12月、「2015年度の産業廃棄物最終処分量を2000年度実績の65%程度減」という目標を掲げました。本目標により、産業界は、2011年度以降も、循環型社会の形成に向けて、産業廃棄物最終処分量の削減をはじめ、3R (リデュース、リユース、リサイクル)の一層の推進に努めていきます。

 景気低迷等の影響を受け、2008年度、2009年度の実績は大幅な減少となりましたが、今後、景気回復に伴い、最終処分量が増加する可能性があります。また、現行の環境技術・法制度の下で、これ以上の削減が限界に近づいている業種も多く存在します。そこで、日本経団連としては、政府に対して、循環型社会の形成に向けた政策的支援や規制改革を引き続き求めていきます。


<具体的な取組み事例>

(1)鉄鋼業

 鉄鋼業では、鉄鋼生産に伴う副産物の大宗を占める鉄鋼スラグについて、建設材料やセメント原料としてJIS化の推進、グリーン購入法における特定調達品目の指定等の商品化に向けた認定取得の成果を挙げており、高炉スラグにおいては、約99%が再資源化されています。さらには海洋利用等の新規需要開拓を進めています。また、鉄鋼生産時に発生するダスト、スラッジについても所内リサイクルに努めることはもとより、他産業や社会から発生する廃プラスチック等を鉄鋼の原料として有効活用することで、温暖化対策に加え、循環型社会形成に向けた取組みを推進しています。

 これらの取組みに加え、鉄鋼生産時に発生する鉄鋼スラグ・ダスト・スラッジについても所内リサイクルを行い最終処分量の減少に努めています。

 なお、鉄鋼業では、鉄スクラップを転炉や電炉で原材料として再利用していますが、スチール缶のリサイクル率においては、我が国は約89%(2009年度)と世界トップレベルとなっています。【コラム図2】


鉄鋼業

(2)セメント製造業

 セメント産業では、セメントの製造工程の特色を活かしつつ、鉄鋼業界(各種スラグ類)、電力業界(石炭灰、排脱石こう)、自動車業界(廃タイヤ、シュレッダーダスト)、鋳造業界(鋳物砂)、地方公共団体(下水汚泥、都市ごみ及び都市ごみ焼却灰)など産業界及び自治体から各種の廃棄物・副産物を受け入れております。また、土地の再開発等で汚染が確認された土壌も受け入れ2009年度には、約26,291万トンの受入れを実施しました。

 これらをセメント製造の原料やエネルギー代替として活用することにより、天然資源を節約するとともに、わが国の最終処分場の延命化や経済の流動化に貢献しています。【コラム図3】


セメント製造業

(3)建設業

 建設業界では、産業廃棄物の排出量や最終処分量に占める建設廃棄物の割合の高さから、建設業界としての取組を積極的に実施しています。

 建設工事は、工事現場が一時的であり、発生品目や発生量が工事現場ごとに異なるなど一般の産業とは異なる特性を有しています。こうしたことから、建設業の特徴に合った共通契約書やマニフェストを建設8団体副産物対策協議会が独自に作成し、利用しています。

 また、資源の有効利用など循環型社会構築に向けて、アスファルト・コンクリート塊の再資源化を既に相当程度進めてきており、今後は建設汚泥、建設発生木材、建設混合廃棄物などに係る取組をさらに推進していきます。【コラム図4】


建設業

(4)電気事業

 電気事業においては、環境問題への取組を経営の最重要課題として位置付け、1996年11月に「電気事業における環境行動計画」を公表し、環境問題に対して自主的かつ積極的な取組を推進してきました。

 2009年度の廃棄物発生量は967万トンで前年度より減少しました。一方、再資源化量も922万トンであり、その結果、再資源化率は95%となり、前年度に引き続き95%という高い目標を達成することができました。

 循環型社会の実現に向けて、最終処分量のさらなる低減を目指し、「2010年度再資源化率を95%程度とするように努める」との目標達成に向け取り組んでいます。【コラム図5】


電気事業

(5)自動車製造業

 自動車製造業においては、2009年度の廃棄物発生量は約178.1万トンで、前年度より約36万トン減少しています。また、再資源化量は約178万トンで、再資源化率は99.9%となり、廃棄物を資源として有効に活用しています。

 最終処分量削減に向けた取組として、主に廃プラスチックの発生抑制と再資源化の取組を実施しています。また、設計段階から、[1]製造工程や将来の廃車時において廃棄物となるものを減らす、[2]リサイクルしやすい素材の採用を増やす、[3]部品の材料表示、[4]分解のしやすさを考慮することを推進しています。【コラム図6】


自動車製造業

(6)製紙業

 製紙業では、2009年度の廃棄物発生量は、リーマンショック以降、抄紙機の停止・廃棄による生産量の落ち込みに伴うペーパースラッジ等の減少により、前年度より46.8万トン減少して577.0万トンとなりました。一方、再資源化量は前年度より1.2万トン減少して240.6万トンとなりました。この結果、最終処分量は32.9万トンとなり、前年度より10.0万トン減少となりました。

 また、有機性スラッジを燃料として利用(303.6万トン)し、熱エネルギーを回収して工場内で再利用していることから、2007年度より発生量に対する有効利用量(再資源化量+熱利用量)の割合を独自目標として設定(有効利用率93%)し、循環型社会形成に向けて積極的に取組を進めています(2009年度実績94.3%)。

 なお、広く建設業等の他業界から発生する古材の再資源化及び廃材やRPF(固形燃料)等を燃料として利用することにより、廃棄物の埋立て量削減に貢献しています。【コラム図7】


製紙業


循環型社会地域支援事業


 循環型社会基本計画では、国の取組として、地域におけるNPO・NGOなどのさまざまな主体が行うモデル的な取組に対する支援を行うこととされています。

 これを受けて環境省では、NPO・NGOや事業者が地方公共団体と連携して行う循環型社会の形成に向けた取組で、ほかの地域のモデルとなるような事業を公募して循環型社会地域支援事業として行うことにより、地域からの取組の展開を促すこととしています。

 平成22年度は、全国から32件の応募があり、7件の事業を採択しました。採択事業の概要は以下のとおりです。

○逗子湘南 アップサイクルプロジェクト〜3R Meets Creative Power〜(特定非営利活動法人GoodDay・東京都中央区)

 湘南逗子地域における環境問題について、音楽や芸術を通じて市民の身近な問題として浸透する取組を実施する。

・地元ライブハウスと連携した海岸清掃活動

・海の家で利用できるリユースカップの導入

・美術大学との連携による廃棄されるヨットの帆等を利用したバッグ制作・販売の実証


○広がれ!小瀬エコスタジアム プロジェクト(特定非営利活動法人 スペースふう・山梨県南巨摩郡富士川町)

 Jリーグのクラブチームと連携し、ごみが発生しないスタジアムを目指す。

・ヴァンフォーレ甲府やスタジアムの売店と協力し、リユース食器を全面導入

・マイバッグ、マイ箸等の持参を推進

・スタジアムのエコ化に向け、スタンプカードを活用した募金活動を実施

・本事業のサイトの作成、シンポジウムの開催、DVDの制作等を通じた全国への情報発信


○身近なところでのリサイクルと若者などの就労支援(特定非営利活動法人 仕事工房ポポロ・岐阜県岐阜市)

 食品廃棄物の資源化、アルミ付紙パックの回収事業を実施し、地域の交流を深めるとともに、就労支援が必要な若者等の自立にも貢献する。

・家庭系食品廃棄物の資源化のためのダンボールコンポストの制作講座の実施と実際に作った堆肥による野菜の栽培

・市と連携し、市庁舎やコミュニティセンター等でのアルミ付紙パックの回収や回収した紙パックを利用した紙すき体験等の普及啓発の実施


○竹・土・水の社会循環型3R事業 〜近江八幡の三方よしを活かして〜(八幡酒蔵工房・滋賀県近江八幡市)

 竹林管理のために伐採された竹を竹炭、工芸品、堆肥などの材料として積極的に利用し、廃棄物の削減と放置竹林の管理による里地里山の保全につなげる。

・地域内の放置竹林を伐採・管理し、その竹を竹炭、工芸品、堆肥、その他の製品として利用・販売の実証

・上記の製品に加工する技術の講習会を開催


○京流「始末」「もったいない」から始める2Rスタイルプロジェクト(びっくり! エコ実行委員会・京都府京都市)

 京都の「始末」や「もったいない」文化に基づく2Rの習慣、行動、知恵を発掘・記録し、現代社会に合わせた「京流2Rスタイル」にアレンジし、実践的に検証する。

・町家の住人、高齢者等の京都市民への聞き取り調査・記録・展示

・主婦、専門家、企業、行政等による「京流2Rスタイル」へのアレンジのための検討

・「京流2Rスタイル」の具体策の実践・検証


○「衣類」も「人」も地域で活かされ循環する、持続可能な市民参加型ソーシャルビジネス実証実験(環境と福祉のコラボ)(衣サイクル研究会・愛媛県松山市)

 家庭、NPO、障害者共同作業所、企業、地方自治体が連携しながら、古着のリメイク、リペアの技術や「服育」の知識を習得するための講座等を開催し、家庭に眠る古着の回収と販売の取組を市全域に拡大する。

・リメイク、リペア講座の開催

・モデル店舗での試験販売

・夏休みの自由研究をテーマとした衣類の行方を追いかける親子バス研修の実施

・「服育」セミナーの実施


○五島内空きびん リユース・ネットワークづくり(特定非営利活動法人 ユーアイ自立支援の会・鹿児島県奄美市)

 離島内又は離島間におけるびんのリユースシステムを、地元住民や地域の特産品である焼酎のメーカーとも連携しつつ構築する。

・地元住民と連携し、集落内の公民館を活用しながら、びんの回収の仕組みを構築

・島間を結ぶ町営フェリーとも空きびんの輸送等で連携し、事業性や採算性等について実証



前ページ 目次 次ページ