環境省では、6月2日に閣議決定された「平成21年版環境・循環型社会・生物多様性白書」について、全国9カ所で「環境白書を読む会」を開催します。この会では、第1部の内容を中心に、テーマやねらいなどを編集担当者が直接解説し、会場参加者と質疑応答を行います(入場無料)。詳細は別添のとおりです。
(別添)環境白書を読む会開催場所等一覧 [PDF 178KB]
(写真:昨年の大阪会場)
今回の白書は、世界が不況に直面し、環境対策を活かした経済対策を進めようとしている中で、今こそ、環境と経済が持続的に発展する社会をつくるべきであり、世界の価値観や取組をそのような方向へリードしていくチャンスであることを述べています。
第1部 総合的な施策等に関する報告では、地球環境の健全な一部となる経済への転換の必要性や、わが国が、環境と経済が持続的に発展する社会を作り、世界をリードできる国であることを論じています。
具体的には、人口増加やCO2濃度の上昇、生態系の劣化、資源や水の不足といった問題を抱え、人類は持続可能な社会を築けるかどうかの岐路にあるとの現状認識に立った上で、有限な地球上で営まれている経済社会を、物質やエネルギーの循環、健全な生態系といった地球のシステムに収まるように変えていくべきであると主張しています。
そのためには、多くの主体の連携や様々な創意工夫により、相乗効果が上がる取組を進め、環境の価値を的確に経済に反映させることで、環境と経済の基本的なあり方として、両者が互いに助け合う形を目指すことが重要であると述べています。
第2部第3章「循環型社会の形成」では、「循環型社会の構築を通じた経済発展の実現に向けて」と題して、循環型社会の構築が温室効果ガスの削減や自然環境の保全に寄与している例をデータ等により明らかにしつつ、地域に根ざした循環型の産業の発展の可能性や動脈産業と静脈産業をつなぐ取組等、資源の効率的利用による新たな経済発展のあり方について述べています。
第2部第5章「生物多様性の保全及び持続可能な利用」では、初めての生物多様性白書であり、また、来年10月に愛知県名古屋市で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されることから、「私たちのいのちと暮らしを支える生物多様性」と題して、生物多様性の重要性を解説するとともに、生物多様性条約の発効から現在までの締約国会議やG8等での国際的な動向、地方公共団体、事業者、市民等の生物多様性に対する取組、COP10で予定される主な議題と日本の取組の方向性等を記述しています。
白書の入手方法
- ○「平成21年版環境・循環型社会・生物多様性白書」
- <1部2,700円(税込)>
政府刊行物センターや一般の書店で購入できます。 - ○「平成21年版図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書」
- <1部 350円(税込、振込手数料・送料別)>
白書の内容を広く国民に普及させ、環境保全に関する意識の啓発を図ることを目的に、白書の公表に合わせ、その内容について図表を中心に分かりやすく要約し、多くの人々に親しんでいただけるよう編集したものです。希望者には日経印刷(株)(第二営業部:電話03-6758-1012)から実費により頒布します。
電子媒体の掲載
環境省のホームページにおいて「平成21年版環境・循環型社会・生物多様性白書」、「平成21年版図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書」等を追って掲載する予定です。