第7節 環境教育・環境学習の推進及び環境保全活動の促進

1 環境教育・環境学習の推進

 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律(平成15年法律第130号)及び同法に基づく基本方針に基づき、人材認定等事業の登録を行い、登録した事業についてインターネットによる情報提供を行うとともに「21世紀環境教育プラン~いつでも(Anytime)、どこでも(Anywhere)、誰でも(Anyone)環境教育AAAプラン~」として、関係府省が連携して、家庭、学校、地域、企業等における生涯にわたる質の高い環境教育の機会を提供することが重要であり、表6-7-1を始めとした環境教育・環境学習に関する各種施策を実施しました。


表6-7-1 環境教育・環境学習に関する施策の例

 また、韓国のソウルにおいて開催された第9回日中韓環境教育ワークショップ・シンポジウムに参加し、「三カ国間の環境教育に関する交流を活発化する方法」及び「高等教育における若手環境教育リーダー」をテーマに意見交換を行いました。

2 環境保全活動の促進

(1)民間団体等による環境保全活動の促進

 ア 市民、事業者、民間団体による環境保全活動の支援

 事業者や市民が行う環境保全活動に対して助言・指導を行う環境カウンセラーを平成20年度までに4,528名登録し、インターネット上で公開しました。また、地域環境保全基金等による地方公共団体の環境保全活動促進施策を支援するため、関連する情報の収集、提供等を行いました。

 地球環境基金では、国内外の民間団体が行う環境保全活動に対する助成やセミナー開催など民間団体による活動を振興するための事業を行いました。このうち、20年度の助成については、550件の助成要望に対し、205件、総額約7.2億円の助成決定が行われました(表6-7-2)。


表6-7-2 平成20年度の助成要望と採択の状況(実績)

 さらに、森林ボランティアを始めとした企業、NPO等多様な主体が行う森林づくり活動等を促進するための事業及び緑の募金を活用した活動を推進しました。

 イ 各主体のパートナーシップによる取組の促進

 環境省は、事業者、市民、民間団体等あらゆる主体のパートナーシップの取組支援や交流の機会を提供する拠点として、国連大学との共同事業により開設している「地球環境パートナーシッププラザ」において、パートナーシップへの理解と認識を深めるための行政職員等を対象としたワークショップやセミナー、市民や民間団体等の声を政策に反映することを目的とした意見交換会などを開催しました。また、地方での環境パートナーシップ形成促進拠点として「地方環境パートナーシップオフィス」を全国各ブロック(7か所)に設置しています。

 また、NGO/NPOや企業からの優れた政策提言を環境政策に反映することを目的に環境政策提言を募集し、発表の場として「NGO/NPO・企業環境政策提言フォーラム」を開催するとともに、実現可能性のある提案を対象として調査を実施しました。


(2)ライフスタイルの変革に向けた取組

 環境と調和した国民生活の促進のため、省資源・省エネルギーに関し、各種の普及啓発活動等を実施しました。また、マイバッグを持参する、過剰包装を避ける、詰め替え商品を選ぶなど日常の買い物におけるごみの減量化や省資源化を進めるため、平成19年10月に消費者に対して環境にやさしい買い物の実践を呼び掛けるキャンペーンを、全国のコンビニエンスストア、スーパー、生活協同組合、百貨店、商店街等の協力を得ながら都道府県等と共同で実施しました。

 また、エコドライブの普及推進については、エコドライブ普及連絡会において平成18年6月に策定した「エコドライブ普及・推進アクションプラン」に基づき、11月の「エコドライブ推進月間」を中心に、「エコロード・キャンペーン」や地方公共団体との連携等を通じて「エコドライブ10のすすめ」の普及啓発を実施しました。

3 「国連持続可能な開発のための教育の10年」の取組

 「国連持続可能な開発のための教育の10年」(平成17年~26年)の推進のため、平成18年3月に決定した我が国における実施計画に基づき、パンフレット等を通じた普及啓発、地域における実践とその成果の全国への普及を行うとともに、アジアの環境人材を育成するため、産官学民が連携して環境人材育成を促すプラットフォームとして「環境人材育成コンソーシアム準備会」の立ち上げやアジアの大学院のネットワーク化支援を行いました。

4 環境研修の推進

 環境調査研修所においては、国及び地方公共団体等の職員等を対象に、行政研修、国際研修、分析研修及び職員研修の各種研修を実施しています。

 平成20年度においては、行政研修14コース(14回)、国際研修5コース(5回)(日中韓三ヵ国合同環境研修の協同実施を含む。)、分析研修17コース(24回)及び職員研修9コース(9回)の合計45コース(52回)を実施しました。また、国際環境協力の一環として、JICA集団研修「水環境モニタリング」を始め、各種研修員の受入れを行いました。20年度の研修修了者は、1,658名(前年度2,090名(平成20年度は、本館耐震工事に伴い、一部研修コースの休止及び日程の短縮等を実施。))となりました。修了者の研修区分別数は、行政研修(職員研修含む)が1,222名、国際研修が150名、分析研修が286名でした。その他、JICA集団研修「水環境モニタリング」の修了者が9名でした。所属機関別の修了者の割合は、国が22%、地方公共団体が74%、特殊法人等が4%となっています。

 国際研修では、「国際環境協力入門研修」「国際環境協力中級研修」「国際環境協力上級研修」及び「海外研修生指導者研修」を、「国際環境協力基本研修」及び「国際環境協力技能応用研修」に再編して実施しました。分析研修では、「特定機器分析研修(LC/MS)」について、年1回を年2回に回数を増やして実施しました。



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