第6節 里地里山の保全と持続可能な利用

文化財保護法に基づく文化的景観については、引き続き、地方公共団体の申出のあったものの中から特に重要なものを文部科学大臣が重要文化的景観として選定するとともに、地方公共団体が行う保存・活用事業を推進します。
全国の里地里山の代表的なタイプごとに、里地里山の保全及び再生に取り組むための実践的手法や体制、里地里山の普及啓発・環境学習活動等のあり方について具体的な検討を進めるため、里地里山保全・再生モデル事業調査を行います。また、団塊の世代の都市住民等が容易にNPO活動やボランティア活動に参加できるよう、活動場所の相談・斡旋を行うとともに、保全活動を適切な方向に促進するため専門家の紹介等を行い、基本的技術の習得を図る里地里山・里親プラン事業を行います。さらに、地域の創意工夫をより生かし、自然再生の視点に基づく環境創造型の整備を推進します。また、上下流連携いきいき流域プロジェクトにより、里山林等における森林保全活動や多様な利用活動への支援を実施するなど、活動に対する支援面でも取組を進めます。
国立・国定公園においては、土地所有者の高齢化等により管理が行き届かなくなった里地里山を対象に、国、地方公共団体、NPO等と土地所有者等との風景地保護協定の締結を推進するとともに、問題点を整理分析するなど、里地里山の自然環境の保全に取り組みます。また、特別緑地保全地区等に含まれる里地里山については、土地所有者と地方公共団体等とが管理協定を締結し、持続的に管理を行うとともに市民に公開するなどの取組を推進します。森林法では、NPO等と森林所有者とが結ぶ施業の実施に関する協定について市町村長が認可する制度を活用した国民参加の森林づくりを推進します。


前ページ 目次 次ページ