第7章 各種施策の基盤、各主体の参加及び国際協力に係る施策


第1節 政府の総合的な取組


1 環境保全経費

各府省の予算のうち、環境保全に関係する予算については、環境保全に係る施策が政府全体として効率的、効果的に展開されるよう、環境省において見積り方針の調整を行い、環境保全経費として取りまとめました。平成19年度予算における環境保全経費の総額は、2兆949億円で、前年度の当初予算に比べ、393億円、1.8%の減となっています。各府省別の環境保全経費は表7-1-1、事項別環境保全経費は表7-1-2のとおりです。

表7-1-1府省別環境保全経費一覧


表7-1-2事項別環境保全経費一覧


2 政府の対策


(1)21世紀環境立国戦略
平成19年1月の第166回通常国会の内閣総理大臣施政方針演説において、「国内外挙げて取り組むべき環境政策の方向を明示し、今後の世界の枠組み作りへ我が国として貢献する上での指針として『21世紀環境立国戦略』を6月までに策定します。」と盛り込まれたことを受けて、同戦略に関し総合的な検討を行うため、中央環境審議会会長を部会長とする「21世紀環境立国戦略特別部会」が、中央環境審議会に設置されました。

(2)環境基本計画の策定及び計画の進ちょく状況の点検
平成18年4月7日に閣議決定された第三次環境基本計画では、「環境的側面、経済的側面、社会的側面の統合的な向上」などを今後の環境政策の展開の方向として位置づけ、「地球温暖化問題に対する取組」など10の重点分野政策プログラムを定めるとともに、計画の実効性の確保に資するため、政策プログラムごとの具体的な指標及び総合的環境指標を活用することとしました。また、中央環境審議会では、19年から行う計画の進ちょく状況の点検の進め方について議論を行い、政策プログラムのうち当該年に重点的に点検を行う分野(重点点検分野)や特に焦点を当てて審議を行う重点調査事項を定め、効果的・効率的な点検を実施することとしました。

(3)環境政策の超長期ビジョンの検討
2050年頃の世界、アジア及び我が国の環境の状態や、それと相互に影響を及ぼし合う経済や社会の姿を踏まえた環境政策の超長期ビジョンを策定するため、平成18年6月、有識者による超長期ビジョン検討会等を開催し、検討を開始しました。

(4)環境政策における予防的な取組方法の考え方に関する検討
環境影響の発生の仕組みや影響の程度などについて科学的な不確実性が存在する場合における政策決定の方法としての予防的な取組方法の考え方につき、条約や諸外国の検討状況等の情報を収集、整理し、平成16年に報告書を取りまとめました(http://www.env.go.jp/policy/report/h16-03/)。また予防的な取組方法の考え方に基づく施策の進め方については、第三次環境基本計画に盛り込むとともに、具体的にどのような場面でどのように当てはめていくか等について、国際的な議論の動向の把握等を進めています。

(5)適正な国土利用の推進
国土利用計画は、健康で文化的な生活環境の確保と国土の均衡ある発展を図ることを国土利用の基本理念とし、全国計画とこれを踏まえた都道府県計画及び市町村計画により、総合的かつ計画的な国土の利用を図っています。
平成17年に国土総合開発法が抜本的に改正され成立した国土形成計画法において国土形成計画(全国計画)と一体的に策定することとされたことから、次期全国計画策定に向け、国土審議会計画部会及び計画部会に設置した専門委員会においてその検討を行いました。また、国土の利用状況や見通しについて調査を行うとともに、市町村計画の活用方策について事例の収集整理・分析や、全国計画の効率的な推進方策、所有者等以外の国民も広く国土の管理に関わる手法、エコロジカル・ネットワークの形成を通じた自然の保全・再生の推進方策について検討を行いました。
さらに、全国計画及び都道府県計画を基本として策定される土地利用基本計画に即して、公害の防止、自然環境の保全等に配慮しつつ、適正かつ合理的な土地利用の実現を図りました。


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