第8節 湿原・干潟・浅海域等湿地の保全

湿原、河川、湖沼、干潟、浅海域等の湿地は、多様な動植物の生息・生育地として重要な場です。しかし、これらの湿原や干潟などは全国的に減少・劣化の傾向にあるため、その保全の強化と、既に失われてしまった湿地の再生・修復の手だてを講じることが必要です。
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地の保全に関する条約」(以下「ラムサール条約」という。)に基づき、国際的に重要な湿地として、平成18年末現在33か所の湿地が登録されています。新たな湿地の登録に向けた調整を引き続き進めるとともに、ワークショップの開催やパンフレットの作成・配布による普及啓発等により、湿地の保全と賢明な利用の推進に努めました。
平成15年に定めた社会資本整備重点計画では、既に失われた湿地の再生の取組として、回復可能な湿地や干潟について19年までに3割回復するなどの具体的な数値目標を定めており、これに基づき18年は、釧路川等31水系において湿地等の整備に取り組んだほか、広島港等13港で干潟等の整備に取り組みました。
ウミガメの産卵地となる海浜については、自然公園法に基づく乗入れ規制地区に指定してオフロード車等の進入を禁止し、保護を図っており、伊勢志摩国立公園において日和浜等の海岸沿いの特別地域内の砂浜を乗入れ規制地区に指定しました(2区域、計12ha)。
また、基礎調査の一環として「生態系多様性調査(浅海域生態系調査)」では、全国の干潟及び藻場の調査を引き続き実施しました。さらに、有明海・八代海における海域環境調査、東京湾における水質等のモニタリング、海洋短波レーダーを活用した生物調査、水産資源に関する調査や海域環境情報システムの運用等を行いました。


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