「自然とふれあうみどりの日の集い」（４月29日）、「自然に親しむ運動」（７月21日〜８月20日）、「全国・自然歩道を歩こう月間」（10月）等を通じて、自然観察会等自然とふれあうための各種の活動を実施します。また、「自然に親しむ運動」の中心行事として伊勢志摩国立公園（三重県志摩市）において、第48回自然公園大会を開催します。

国立・国定公園の利用の適正化のため、自然公園指導員の研修を実施するとともに、利用者指導の充実を図ります。また、地方環境事務所等においてパークボランティアの養成及びその活動に対する支援を行います。さらに、自然解説活動における指導者育成のため、ビジターセンター等の職員の研修を実施します。

また、国立公園等において、自然保護官等の指導・協力の下、小中学生に「子どもパークレンジャー」として、各種自然保護活動等を体験してもらうことにより、自然環境の大切さなどを学ぶ機会を提供します。

国有林野においては、森林教室、体験セミナー等を通じて、森林とのふれあいを楽しみながら理解を深める森林倶楽部（森林ふれあい推進事業）等を実施します。

国営公園においては、専門講師やボランティア等による自然ガイドツアーや、環境・自然をテーマに体験活動型のイベントを開催、プロジェクト・ワイルド等を活用した指導者の育成等、多様な環境教育プログラムを提供します。

国立公園及び国定公園等において、自然環境の保全に配慮しつつ、自然とのふれあいを求める国民のニーズにこたえ、安全で快適な利用を推進するため、必要な施設の計画的な整備を実施します。

ア　国立公園の整備

国立公園における風致を維持する必要性が高い地域の公園事業、集団施設地区に係る公園事業、自然再生事業及び貴重な動植物の保護のための公園事業等を実施します。

イ　国定公園等の整備

国と地方の協力のもとで、自然とのふれあいの場の整備や自然環境の保全・再生を推進するため、地方の行う国定公園の整備、国指定鳥獣保護区における自然再生事業及び長距離自然歩道の整備を支援します。

ウ　森林の多様な利用の推進

都市近郊等における保健保安林等の指定を推進し、安全快適な利用の促進を図るための施設整備につき助成する等のほか、保健保安林等を対象として防災機能、環境保全機能等の高度発揮を図る共生保安林整備事業を推進します。また、国民が自然に親しめる森林環境の整備を行う森林空間総合整備事業等につき助成します。

また、森林環境教育、林業体験学習の場となる森林・施設の整備、学校林の整備・活用とモデル学校林の設定等を推進するとともに、教育関係機関と連携して子どもたちの入門的な森林体験活動を促進する「森の子くらぶ活動推進プロジェクト」を実施します。

さらに、森林総合利用施設等において、年齢や障害の有無にかかわらず多様な利用方法の選択肢を提供するユニバーサルデザイン手法の導入を図るとともに、森林所有者と利用者との里山林利用協定等の締結の促進、利用活動の立上げ支援や森林の保全・整備・利用活動を推進します。

国有林野については、自然休養林等のレクリエーションの森において、民間活力を生かしつつ、利用者のニーズに対応した森林及び施設の整備等を行うとともに、利用者にレクリエーションの森の整備等への協力を求める「森林環境整備事業」を推進します。また、スポーツ施設、保健休養施設等の総合的な整備により、人と森とのふれあいの場を創造するヒューマン・グリーン・プラン、及び家族等が気軽に自然とふれあえる場を提供する「森林ふれあい基地づくり整備モデル事業」を推進します。さらに、フィールドを学校等の体験学習の場として利用できる「遊々の森」や国民が中心となった森林の整備等の活動の場として「ふれあいの森」等の設定を推進するとともに、貴重な環境指標であり、次世代に残すべき遺産として選定した国有林野内の代表的な巨樹・巨木100本（「森の巨人たち百選」）の保護を図るための地域の取組に対する支援を行います。

エ　独立行政法人国立青少年教育振興機構

オ　海岸などへのふれあい施設

海と緑の豊かな海岸環境を確保する白砂青松の創出を実施し、また、自然と共生し、生物の豊かな生息環境を保全・創出するために生物の生息・繁殖場所となる砂浜、干潟等の保全や創出を行う「エコ・コースト事業」を実施します。

カ　河川等へのふれあい施設

河川の高水敷やダム周辺等を公園、緑地、運動場等に利用するための諸施設の整備を「水系環境整備事業」等により行います。カヌーポートや水辺の楽校等の整備により、水辺での活動を促進し、親水レクリエーションの促進を図ります。

エコツーリズムの普及・定着を図るため、引き続き５つの推進方策に取り組むとともに、国立公園内（１地区）におけるエコツーリズムの推進調査、全国２地区における全国エコツーリズムセミナーの開催等を行います。

グリーン・ツーリズムの普及を図るため、関係各省と連携しつつ、都市住民の農山漁村情報に接する機会の拡大、都市と田舎の出会いの場の設定や地域資源を活用した交流拠点の整備等を総合的に推進します。

温泉法の施行に当たり、温泉源の保護と温泉の適正かつ効率的な利用の増進を図るため都道府県等に対し適切な助言を行います。また、温泉の公共的利用増進のため、保健、休養等に適した温泉地を国民保養温泉地に指定します。