第8節 海洋汚染等の防止に関する国際的枠組みの下での取組と新たな国際的枠組みづくり

ロンドン条約96年議定書の日本の締結に向け、同議定書に対応した改正海防法の平成19年4月施行に向けた準備を行います。
平成12年に採択されたOPRC-HNS議定書の締結に向け、同議定書に対応するための有害危険物質による海洋汚染等を防止するため必要な国内体制の整備を行います。
有害液体物質の汚染分類の見直し等を目的としたMARPOL73/78条約附属書IIの改正が平成19年1月に発効する予定であることに伴い、国内体制の整備を進めていきます。
また、平成17年5月に発効した船舶からの大気汚染を防止するためのMARPOL73/78条約附属書VIに基づく国際規制の実効性の確保に引き続き努めます。IMOにおけるNOx、SOx等の船舶からの排出ガス規制の見直しに積極的に対応していきます。
IMOにおいて、平成16年に採択されたバラスト水規制管理条約を実施するための国際的な統一指針の作成が行われており、速やかに統一指針が策定されるよう積極的に参加します。また、日本における処理装置の認証に関する体制整備のための検討を引き続き行います。また、バラスト水中に含まれる生物による海洋環境への影響に関する基礎調査を引き続き行います。
昨今の老朽タンカー等による油流出事故の主な原因となっている安全・環境に関する国際基準を満たさないサブスタンダード船の排除を目的とするIMO加盟国監査スキームについて、平成17年11月の第24回IMO総会において承認され、18年内に監査が開始される見込みとなったことから、日本は、監査を早期に受け入れるとともに、同制度の運用について国際的な協調・連携の下で取り組みます。近年、シップリサイクル(船舶の解撤)に関して海洋環境の汚染等が問題視されていることから、問題解決のため、IMO等における議論に積極的に参加し、新たなルール作りに向けた取組を引き続き進めます。
日本近海の開発利用状況等を踏まえ、関係省庁が連携して、海洋環境の総合的な調査の実施等の調査研究、東アジア地域の沿岸国間によって共有される海洋環境に関する情報交換の円滑化等の国際協力の推進等に努めます。
また、PEMSEAにおいては、SDS-SEAの実施に向けた取組を進めます。
OPRC条約に関しては、同条約及び国家的な緊急時計画に基づき、環境保全の観点から油汚染に的確に対応するため、油汚染事故により環境上著しい影響を受けやすい海岸等に関する情報を盛り込んだ図面(脆弱沿岸海域図)の更新のための情報収集等を行うとともに油汚染事故への準備・対応に関する国際的な連携の強化、技術協力の推進等の国際協力に関する業務を推進します。このほか、NOWPAPの地域調整ユニット(RCU)が日本(富山)と韓国(プサン)に共同設置されたことから、RCUへの積極的な支援をはじめとして、NOWPAPの推進を図ります。
漂流・漂着ごみの問題については、NOWPAPの枠組みを利用した国際的な協力体制の構築に向けて、国内外の実態に関する情報収集や普及啓発等を推進します。GPAに関しては、次回政府間レビュー会合の対応に向けて、情報収集を推進します。


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