第5節 国際的循環型社会構築への取組


1 3Rイニシアティブの推進

2004年(平成16年)6月のG8シーアイランドサミット(米国)での合意を受け、2005年(平成17年)4月に「3Rイニシアティブ閣僚会合」(環境大臣主催)が東京で開催され、国際協力の下、3Rの世界的な推進のための取組を一層充実・強化していくことが合意されました。2005年(平成17年)7月のG8グレンイーグルズ・サミット(英国)において、小泉総理は3Rを国際的に推進していく旨を発言しました。
わが国は、3Rイニシアティブ閣僚会合において、「3Rを通じた循環型社会の構築を国際的に推進するための日本の行動計画(通称:ゴミゼロ国際化行動計画)」を発表しました。この計画に基づいて、アジア地域の途上国における3R計画/ビジョンの策定支援に着手し、事前調査等を実施しました。
また、2006年(平成18年)3月には、3Rイニシアティブ閣僚会合のフォローアップとして、3Rイニシアティブ高級事務レベル会合が東京で開催され、各国の良好事例を参加国・国際機関の間で共有するなどの成果がありました。

2 有害廃棄物の越境移動の規制

有害廃棄物の越境移動に起因する環境汚染等の問題に対処するため、「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」(以下「バーゼル条約」という。)が平成4年に発効し、わが国は特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(平成4年法律第108号。以下「バーゼル法」という。)を制定し、5年に条約を批准しました(規制対象は図4-5-1のとおり。)。また、廃棄物の輸出入についても、バーゼル法の制定と同時に廃棄物処理法を改正し、必要な規制を行っています。バーゼル条約の締約国は平成17年4月現在で164か国及びECであり、おおむね2年ごとに開催される締約国会議において内容の充実や見直し等が進められています(表4-5-1)。また、17年のバーゼル法に基づく輸出入の施行状況は表4-5-2のとおりです。

図4-5-1	有害廃棄物の種類


表4-5-1	これまでのバーゼル条約締約国会議の主な内容


表4-5-2	平成17年バーゼル法に基づく輸出入の施行状況

近年は、アジア各国の急速な経済成長による資源需要の増大等を背景に、循環資源の国際移動も活発化しています。こうした中で、わが国から輸出されたごみによる環境汚染が懸念されていることから、廃棄物等の不法輸出入を防止するために国内の諸機関や各国の政府機関と連携して対策を講じています。
国内においては、廃棄物の無確認輸出を抑止するため、廃棄物処理法を改正して罰則の強化等を行いました。また、不法輸出入の水際対策等に関する税関との定期意見交換会を行うなど、連携に努めています。さらに、平成17年10月に設置された環境省地方環境事務所により現場対応の充実を図っています。そのほか、輸出入事業者等への情報提供のため、バーゼル法等説明会を全国各地で開催しています。
国際的には、有害廃棄物の不法輸出入防止に関するアジアネットワークを活用し、参加国間で各国の関係制度や不適正事案等に関する活発な情報交換を行っています。また、アジア太平洋地域のE-wasteを環境上適正に管理するため、平成17年11月に東京で開催されたワークショップ(バーゼル条約事務局と環境省が共催)において開始されたバーゼル条約事務局が進めるプロジェクトについて、支援を行っています。


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