第8節 地盤環境の保全


1 地盤環境保全対策

地盤沈下の防止のため、工業用水法(昭和31年法律第146号)及び建築物用地下水の採取の規制に関する法律(昭和37年法律第100号)に基づく地下水採取規制の適切な運用を図るとともに、工業用水法に基づく規制地域等において国庫補助による地盤沈下防止対策としての工業用水道整備事業等の代替水源の確保及び供給事業を実施しました。
既に著しく地盤が沈下している地域については、この結果生じた被害を復旧するとともに、洪水、高潮等による災害に対処するため高潮対策、内水排除施設整備、海岸保全施設整備、土地改良等の事業を実施しました。また、雨水浸透ますの設置等、地下水かん養の促進等による健全な水循環を確保するための事業に対して補助を実施しました。濃尾平野、筑後・佐賀平野及び関東平野北部については、平成17年3月に地盤沈下防止等対策要綱に関わる関係府省により、「地盤沈下防止等対策要綱に関する関係府省連絡会議」を設置しました。連絡会議において、今後とも地盤沈下防止等対策要綱の取組を継続し、地盤沈下防止等の総合的な対策を推進することを申し合わせました。その結果を受け、引き続きそれぞれの地盤沈下防止等対策要綱に基づいて、代替水源の確保等の各種の施策が推進されており、各要綱についての実施状況、施策の効果、問題点の把握を行いました。
大深度地下の使用については、平成16年2月に策定・公表した「大深度地下の公共的使用における環境の保全に係る指針」を踏まえて、大深度地下に施設を設置する際の地下水への影響、地盤の変位、掘削土の処理等の環境への影響についての調査・検討を進めるとともに、交通機関の大深度地下の利用に伴う振動等の影響に関する検討を進めました。

2 調査研究等

平成17年度の税源移譲後においても地方公共団体の裁量を生かしながら地盤高、地下水位等の変動状況の監視が適切に執行されるよう、監視の在り方についての基本的な考え方を公表しました。また、環境保全上健全な水循環の確保に向けた取組として地下水の有効利用を含めた地下水管理手法の検討及び建築物用地下水の採取の規制に関する法律等の現行制度の点検を実施しています。さらに、地盤沈下の防止に向けた意識の啓発を図ることを目的として、地下水位の状況や地下水採取規制に関する条例等の各種情報を整理した「全国地盤環境情報ディレクトリ」を公表しています。(http://www.env.go.jp/water/chikasui_jiban.html


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