第2節 環境教育・環境学習の推進及び環境保全活動の促進


1 環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律について

 平成16年10月に、環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律が完全施行されました。同法に基づく基本方針において定められたところにより、各府省において施策を推進します。学校においては、各教科及び総合的な学習の時間を活用して、環境教育をさらに充実していきます。また、エコスクールや学校エコ改修事業の枠組みを活用して、環境に配慮した学校施設を整備するとともに、その施設が環境教育に活用されるよう施策を推進します。地域においてさまざまな場や機会を提供するとともに、人材の育成を図ります。家庭における環境保全活動をインターネット等を通じて支援します。また、官公庁、民間企業等の職場における環境教育が充実するよう取組を進めます。さらに、環境省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省が連携して、民間による人材認定等事業の登録制度を運用し、登録された事業について広く情報提供します。

2 環境教育・環境学習の推進

(1)多様な場における環境教育・環境学習の推進
 より幅広い主体が連携し、体験を重視した場や機会を広げながら、表7-2-1に例示するような環境教育・環境学習に関する各種施策を総合的に推進していきます。


表7-2-1 環境教育・環境学習に関する施策の例


(2)国際的な取組の推進
 2005年(平成17年)から始まった「国連持続可能な開発のための教育の10年」の国際的な動きを踏まえ、長期的な推進計画等を検討するとともに、国際的な協力をさまざまなレベルで進めます。
 平成17年度に韓国で開催される予定の日中韓三カ国における環境教育関係者により構築された日中韓環境教育ネットワークの第6回ワークショップ・シンポジウムの開催に協力するとともに、三カ国共通の子どものための環境教育教材の作成を推進します。

(3)環境研修の推進
 環境調査研修所では、法の施行等環境行政の新たな展開や地方公共団体等からの研修ニーズに対応し、各研修において内容の充実を図ります。
 行政研修においては、動物愛護管理研修及び産業廃棄物対策研修(いわゆる「産廃アカデミー」)を新設します。
 国際研修においては、第5回日中韓三カ国環境研修を、平成17年度は韓国において開催し、三カ国の環境行政担当者のネットワーク、相互理解の推進を図ります。
 分析研修においては、特定機器分析研修II(LC/MS)を新設するとともに、環境汚染有機化学物質(POPs等)分析研修を実施します。

3 環境保全活動の促進

(1)民間団体等による環境保全のための活動の推進
ア 市民、事業者、民間団体による環境保全活動の支援
 環境省では、引き続き環境カウンセラーの増加を図るとともに、個々の環境カウンセラーの詳細な活動実績等を公表し、環境カウンセラー登録制度の一層の普及を図ります。
 平成16年4月に独立行政法人環境再生保全機構に移管された「地球環境基金」において、引き続き、国内外の民間団体が国内及び開発途上地域で行う環境保全活動への助成、セミナーの開催、調査研究等民間団体による環境保全活動を促すための事業を行います。
 さらに、森林ボランティアをはじめとした広範な国民が行う森林づくり活動等を促進するための事業を実施します。特に、里山林や都市近郊林については、「森林と人との共生林」の整備に向けた条件整備やNPO等を対象とする公募モデル事業を実施するとともに、市民や森林保全・利用団体等による里山林等での多様な自然・文化体験活動を推進します。
イ 各主体間のパートナーシップの下での取組の促進
 環境省では、事業者、市民、民間団体等のあらゆる主体のパートナーシップによる取組の支援や交流の機会を提供するために、「地球環境パートナーシッププラザ」及び地域における環境保全活動の拠点として平成17年度に新たに2か所に整備する「地方環境パートナーシップオフィス」を拠点としてパートナーシップの促進を図ります。
 また、広くNGO・企業等の政策への提言等を受け、優れた提案についてはモデル事業化するなど、引き続き、パートナーシップによる政策の企画立案に努めます。

(2)ライフスタイルの変革に向けた取組
 内閣府では、地球環境と調和したライフスタイルの形成促進のため、省資源・省エネルギー国民運動の展開を図るとともに、各種の普及啓発活動等を行います。また、内閣府、経済産業省、環境省では、「買い物」における環境配慮行動の実践を呼びかける「環境にやさしい買い物キャンペーン」を平成16年度に引き続いて実施します。


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