第4節 光化学オキシダント対策


1 光化学オキシダント緊急時対策


 全国19か所の地方気象台などで、必要に応じスモッグ気象情報を発表して国民への周知を図っています。地方公共団体では、この情報と大気環境測定局のデータを基に、光化学オキシダント緊急時対策要綱等により注意報等を発令すると同時に、ばい煙排出者に対する大気汚染物質排出量の削減及び自動車使用者に対する自動車の走行の自主的制限を要請するほか、住民に対する広報活動と保健対策を実施しています。
 また、「大気汚染物質広域監視システム(愛称:そらまめ君)」により、都道府県等が測定している全国の大気環境データや光化学オキシダント注意報等発令情報をリアルタイムで収集して、光化学オキシダントによる被害を未然防止するため、これらのデータを広域地図情報等に加工し、インターネット等で一般に公開しています(http://w-soramame.nies.go.jp/)。

2 揮発性有機化合物(VOC)排出抑制対策


 光化学オキシダントによる大気汚染は、その原因物質である窒素酸化物及び揮発性有機化合物(VOC)の排出削減により、その改善が期待できます。
 工場から排出されるVOCについては、平成16年5月に大気汚染防止法(昭和43年法律第97号)が改正され、排出濃度規制と、事業者の自主的な取組とを適切に組み合わせて、効果的な排出抑制を実施することとなりました。18年度中に、VOC排出事業者に対してVOCの排出施設の届出義務、排出基準の遵守義務等が課され、さらに事業者の自主的な対策の取組が期待されます。
 自動車から排出されるVOCについては、大気汚染防止法に基づき排出ガス規制が実施されており、逐次規制の強化が行われています。
 また、船舶からのVOC排出規制として、貨物油等の積み込み時における揮発性の物質の放出を防止するため、船舶への揮発性物質放出防止設備の設置等の義務付けを新たに行うこととし、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律(昭和45年法律第136号)の一部改正を行いました。


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