コラム 環境の業績評価の取組
ある企業は、環境保全活動は通常業務と切り離されたものであってはならないとの考えから、各個人・部門が上げた成果を評価する「環境業績評価」を平成14年度から導入しました。各部門の環境保全活動を適正に評価する項目として、「二酸化炭素排出量の削減」「廃棄物総量に対するリサイクル率の向上」「エコプロダクツの販売比率の向上」の3項目を定め、グループ全体で取組を進めています。この業績評価制度により、環境戦略が事業計画に組み込まれ、環境保全に関する業務も他の業務と同様に評価されるようになります。 こうした環境配慮の取組をより確実なものにするため、事業所ごとの内部監査に加え、グループ企業や海外の事業所を含めた広範囲な監査体制を構築する例や、環境負荷に関わるデータの管理システムを構築することによって、監視を強化する例が見られます。ある企業では、国内外の生産子会社に「環境リスクマネージャー」を設置し、日常的な環境リスクの低減に取り組むとともに、社内の環境経営情報システムを活用し、各社の二酸化炭素排出量、廃棄物量、化学物質量等の環境データを収集・管理し、環境負荷に関するデータを共有することで、企業グループ全体の環境管理を強化しています。 企業が自主的に測定・集計した環境情報の信頼性や透明性を高めるためには、第三者がデータ検証役や成果の監視役等として参画することが有効な手段となります。ある企業では、平成24年度までに二酸化炭素排出量を14年度比で6%削減するという目標について、基準年の排出量の測定を第三者機関である監査法人が検証し、NPOが目標の達成状況を確認することを協定により約束しています。 |
コラム 企業における人づくり
ある企業では、全社員に対して毎年行う環境教育に加え、新任の役職者に対する「階層別教育」、特に環境に関わる社員に対して行う「職種教育」等、目的別に多面的な教育を実施しています。環境に配慮した事業活動の中核を担う人材を育成する「環境キーマン研修」では、参加者自らが考え意見を出し合う「ディベート式の教育」を行っています。参加者は、「パソコンのリサイクルは必要か」という質問に対し、賛成・反対の立場に別れ、いろいろな利害関係者の立場で考え役割を演じながら企業がパソコンのリサイクルに取り組むメリットとデメリットを議論し、知識とともに思考力を深める教育を採り入れています。 また、製品・サービスに関する環境教育は、例えば、開発部門に対しては、ハイブリッド自動車に代表される環境配慮製品が市場に受け入れられていること、販売部門には各種リサイクル法が施行され企業の義務が拡大してきたこと等、ビジネスとのつながりを明確にした事業特性ごとのプログラムを組んでいます。 |
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