総合環境政策

グリーンボンドに関する検討会(第4回) 議事要旨

日時

平成29年3月1日(水)15:00~18:00

場所

あずさセンタービル 12階 第3研修室

出席者

出席委員: 水口委員、足立委員、阿部委員、井上委員、河口委員、島委員、菅原委員、徳田委員、松岡委員

オブザーバー:日本公認会計士協会 岸上常務理事
日本証券業協会 自主規制本部 丸野公社債・金融商品部長

議事

1.開会

2.議論

【資料1 全体関係】

(1) 事務局より、第3回グリーンボンドに関する検討会資料「グリーンボンドガイドライン2017年版(仮称)骨子案」を、同検討会における意見を踏まえ修正し、修正後の骨子案を、①平成29年1月26日(木)から2月14日(火)までの期間パブリックコメント手続に付すとともに、②平成29年2月2日(木)に開催した「「グリーンボンドガイドライン(仮称)」に係る第三者委員会」(以下「第三者委員会」という。)において検証した。これらの手続における意見を踏まえ作成したものが、資料1「グリーンボンドガイドライン2017年版(仮称)案」である、との説明があった。

(2) 委員より、成果物の名称を「グリーンボンドガイドライン2017年版」とすることについて、異議はなかった。

(3) 委員より、本ガイドラインと「序文」(資料5)の関係性について質問があり、これに対し、「序文」は、本検討会とは別途環境省が開催した第三者委員会における委員からの意見を受け、本ガイドラインがどのような哲学の下で検討され、作成されたのかなどを謳うものであり、環境省の責任で本ガイドラインに付されるものである、という説明が行われた。

(4) 委員より、本ガイドラインには、策定までの経緯、本検討会・第三者委員会の名簿等を明記すべきではないか、との意見があった。

【資料1 第1章関係】

(5) 委員より、「グリーンボンド」には、債券のみならず、5ページに掲げる証券化商品等が含まれる旨を注記すべきではないか、との意見があった。

【資料1 第2章関係】

(6) 委員より、「3)成長分野としてのグリーンプロジェクトへの直接投資」(9ページ26行目)について、グリーンボンドは債券であり固定利回りを前提としているが、本項の記述は「事業が成長すればそれに応じた高収益が期待できる」という趣旨と誤解を招きかねないことから、「グリーンプロジェクトに直接関連した投資を行うことができる」という点が強調されるよう修正すべきではないか、との意見があった。

(7) 委員より、「4)キャッシュフローの長期安定性」(9ページ32行目)について、本項の記述の趣旨は「グリーンボンドへの投資はESG投資である」ということであり、「1)ESG投資の一つとしての投資」と内容が重複するのではないか、との意見があった。

【資料1 第3章1関係】

(8) 委員より、「具体的な資金使途の例」(12ページ以下)について、今後、環境保全の観点から資金需要が見込まれる事業(植林事業等)は可能な範囲で例示すべきである、との意見があった。

(9) 委員より、「(参考)環境認証について」(14ページ)について、「ここで例示されている認証は絶対的なグリーン性の証明ではない」という旨の注記を付すべきではないか、との意見があった。

(10) 委員より、「ネガティブな効果の具体例」(16ページ以下)について、「ここでの例示は環境面からのネガティブな効果に限定されているが、実際に事業を行う上では社会面からのネガティブな効果等についても留意することが重要」という旨の注記を付すべきではないか、との意見があった。

(11) 委員より、「ネガティブな効果の具体例」(16ページ以下)について、いくつかの事業例について「考えられる環境面からのネガティブな効果」欄が空白になっており、読者に対して「これらの事業には環境面からのネガティブな効果はない」といった誤ったメッセージを送ってしまうおそれがあるので、具体的な効果を記載できなくとも何らかの記述を行うべきではないか、との意見があった。

(12) 委員より、20ページに記載されている3つのイメージ図について、時系列が明確になるように修正すべきではないか、との意見があった。

【資料1 第3章2関係】

(特に意見はなかった。)

【資料1 第3章3関係】

(特に意見はなかった。)

【資料1 第3章4関係】

(13) 委員より、「開示事項、開示方法」⑤(27ページ1行目)について、「上記の開示」という文言が何を指すか不明確であるため、「③及び④の開示」であることが明確となるよう修正すべきではないか、との意見があった。

(14) 委員より、「環境改善効果の算定方法の例」(31ページ以下)について、これらの例示は「定量的指標を用いる場合における相当に簡略化された例」である旨を注記すべきではないか、との意見があった。

(15) 委員より、「環境改善効果の算定方法の例 10」(34ページ)について、この例はFSC等を取得することによる年間CO2排出量の削減量を算定するものではなく、植林事業による炭素吸収量を算定するものであることから、タイトルを適正に修正すべきではないか、との意見があった。

(16) 委員より、「環境改善効果の算定方法の例 13」(35ページ)について、この例が気候変動に対する適応に関する事業として行う放水路の建設事業である旨が明確となるよう、タイトルを修正すべきではないか、との意見があった。

【資料1 第3章5関係】

(17) 委員より、「投資家層として主に・・・」(37ページ20行目)という記述について、当該箇所では「投資家層として海外投資家が想定される場合」ということを記述すればよいと考えられることから、「主に」という文言を削除すべきではないか、との意見があった。

(18) 委員より、37ページの脚注について、「外部機関の評価規準」は時代や市場関係者の考え方の変化に応じて変わっていくものと考えられることから、「外部機関の評価規準」のみの記載にとどまらずそのような趣旨を追記すべきではないか、との意見があった。

(19) 委員より、「人的関係について」(41ページ5行目)について、発行体が会社更生・民事再生手続中にグリーンボンドを発行する事例は容易には想定し難く、管財人に関する記述をあえて行う必要はないのではないか、との意見があった。

(20) 委員より、外部機関については、発行体との資本関係の有無にかかわらず、公正公平な評価を行うことは当然である、との意見があった。

【資料1 第4章関係】

(21) 委員より、各モデルケース(42ページ以下)の「外部機関によるレビュー」の項の「レビュー」という記述が公認会計士の保証業務等を意味するのであれば、それが明確となるよう表現を修正すべきではないか、との意見があった。

(22) 委員より、各モデルケース(42ページ以下)の「外部機関によるレビュー」の項の「投資家向けのレポートを作成してもらう」という記述について、第三者性が確保されていないような印象を受けるので、適正な表現に修正すべきではないか、との意見があった。

(23) 委員より、モデルケース(42ページ以下)の大半について、調達資金の管理状況に係る外部レビューを監査法人が行うこととされているが、他の方法も考えられることから、調達資金の管理状況に係る外部レビューについて多様な例を示すべきではないか、との意見があった。

(24) 委員より、モデルケース6において住民参加型市場公募地方債のしくみを活用したグリーンボンドが取り上げていることについて、好例と考える、との意見があった。

(25) 委員より、モデルケース6中の「外部評価委員会」という文言(56ページ15行目)については、この部分で新たに使用されているものであることから、その性格につき説明を加えるべきではないか、との意見があった。

(26) 委員より、モデルケース6中の「財政課が②の意見を踏まえて最終判断を行う。」という記述(56ページ17行目)について、意思決定には様々なケースや方法があり、「最終判断」という文言の趣旨も不明確であるため、適正な表現に修正すべきではないか、との意見があった。

(27) 委員より、モデルケース6中の「外部機関によるレビュー」の記述(57ページ11行目)について、グリーンプロジェクトの適切性や環境改善効果を環境審議会や市議会に報告することとされているが、当該報告の前に外部評価委員会における検証や監査委員の監査の手続が記載されており、あえて環境審議会や市議会に報告する旨の記述を行って二重三重の厳格な手続が必要であるかのような印象を読者に与えることは避けるべきではないか、との意見があった。

【資料1 第5章関係】

(28) 委員より、第5章の記述(58ページ1行目)について、国際的な動向も勘案して改定を検討していくことを明記すべきではないか、という意見があった。

【その他】

(29) とりまとめに向け、各委員の意見を踏まえた文言の調整等については、全委員の同意のもと、座長に一任された。

(30) 委員より、今後、外部機関によるレビューの類型の整理や違いの明確化についても、実務の成熟度を踏まえて検討すべきではないか、との意見があった。

(31) 委員より、今後、本ガイドラインとグリーンボンド原則との対照表の作成を検討すべきではないか、との意見があった。

(32) 委員より、本ガイドラインの英語版を作成し、公表すべきではないか、との意見があった。

3.閉会