1.学びのプログラムづくりをデザインするヒント
2.学びあう関係づくりのヒント
3.新たな仲間を増やすヒント
4.相乗効果を生み出すヒント
5.知恵と力を共有する仕組みをつくるヒント
6.体制を維持するための基盤をつくるヒント
![]() 地域から学ぶ・つなぐ 39のヒント(日本語) |
![]() 地域から学ぶ・つなぐ 39のヒント(英語) |
全国事務局では、14地域の取組から、ESDを地域で始める・進めるための39のヒントを抽出し、
「未来をつくる学びをはじめよう〜地域から学ぶ・つなぐ39のヒント〜」を発行しました。
14地域が取り組んだ事業は、1)市民及び子ども向けESD事業、2)教育や地域づくりの担い手育成事業、
3)ESDを進める仕組みづくりに関する事業の3つのカテゴリーに分類することができます。それぞれ
の概要を以下に簡単にご紹介します。個別の事業は「39のヒント」 及び本ウェブサイト各地域の
ページを参照ください。→モデル地域の取組へ
1)市民及び子ども向けESD事業
大都市・地方都市・農山村など多様な地域において、それぞれの風土や歴史、産業や人のつながりを
生かしたESDプログラムが実施されました。多彩なプログラムの中で意識されていたキーワードとして
は、食と農、都市農村交流、異世代交流、学校と地域の連携、大学及び大学生の地域への参画、広域
連携による相乗効果などがあげられます。
また、子どもや一般の大人を対象としたプログラムを実施するだけでなく、その企画・実施を通して、
地域づくりや学びの場づくりなどの担い手側の連携を強め、このような活動に関心を持つ協力者を広
げる動きにつなげることができたことも成果です。
2)教育や地域づくりの担い手育成事業
上記のような地域のつながりを生かして、教員向け研修や地域づくりの担い手育成事業も展開されました。
担い手育成の共通点としては、地域の歴史や産業、課題などを、地域の人々との直接的な出会いを通じて
学ぶという視点が大切にされていることです。また、地域づくりの担い手育成では、育成した人材の活躍の
場をどうつくるかが課題ですが、カリキュラムによる育成後、市や町の行政施策とリンクさせ、実践を通し
たさらなる育成の場を設けていることが特徴的でした。
3)ESDを進める仕組みづくりに関する事業
地域内の連携を維持・発展させるための具体的なプロジェクトとしては、地域の人や活動をつなぐウェブ上
のリソースセンターづくりがありました。
また、協議会という形に関しては、平成18〜19年度に事業を実施した10地域へのアンケートを行いました。
その結果、本事業の支援終了後の平成20年度は、協議会の形態を継続しているところとそうでないところが
あるが、いずれも何らかの連携は続いていること、また、また、本事業でコーディネーター役を担った者があ
らたな資金を獲得しながら、事業を継続・発展させていることが確認できました。傾向としては、協議会に行政
が参画しているところのほうが協議会という形を継続できているようです。
1)本事業の枠組みに関して
ESD事業を始めるにあたり、本事業の枠組みであった「協議会をつくる」という条件は、多様な主体の協働を促すと
いう面でプラスに働きました。これに加え、環境省事業であるという枠組みが、行政や教育委員会などの協力を得る
ことや、メンバーのモチベーションを維持する上で有効であったようです。「本事業が終わっても、何らかの形で
環境省のESDモデルであるという位置づけを継続したい」という声が地域から届いています。
2)全国事務局機能に関して
・情報提供・アドバイス機能
地域担当者や全国事務局を通して、各地の取組情報、講座企画に対するアドバイスや人材の紹介が得られたことは、
有効に働きました。また、「目標共有シート」を作成することで、ESDの取組の目標をしっかり地域の中で話し合う
ことができ、有効だったという意見も頂いています。
・集合研修・経験交流機能
キックオフミーティングや、経験交流ミーティングなど、採択地域同士及び検討委員と交流の場は、参考になる
アイデアを得ること、また、悩みを語り合うことができ、有効だったとの評価を得ました。
3)地方環境事務所・地方EPOの支援機能に関して
地方環境事務所・地方EPOが協議会に参加した地域では、環境省としての位置付けを明確にし、モチベーションを高める効果がありました。
また、成果報告会は、ブロック内に本事業の存在と意義を周知・報告するよい機会となったとの評価を得ました。
・行政担当者に対するESDの普及、ESD研修の実施を進めてほしい。
・優良事例やESDに取り組む際のノウハウが共有できるしくみ(ウェブサイト、経験交流会など)を構築してほしい。
・ESD認定・登録制度の整備が有効ではないか。
・学校と地域の関わりを制度化してほしい。
・国連関係文書の翻訳・提供をしてほしい。
・活動を継続するための支援(資金等)が必要。
・持続可能な開発を可能にする仕組みづくり(規制、モニタリングなど)が必要。
・ESDのブロック内への普及、交流会、研修などを実施してほしい。
・地域版の円卓会議の設置促進など、連携から協働への仕組みづくりの促進をしてほしい。
・地方自治体との橋渡し役を担えるのではないか。
・活動を継続するための支援(資金等)が必要。
・ESDへのアドバイスができる機能を持たせてほしい。
14地域以外のESD実践の発掘と「見える化」が次のステップとしては重要です。国レベルの仕組みとして、
ESD登録制度やそれを広げるためのウェブサイトの運営などが考えられます。優良事例やノウハウの共有へ
の要望は高く、経験交流ミーティングのような仕掛けが継続して行われることも求められています。交流の
場は、全国レベルのみならず、地域ブロックレベルで進めることが有功だと思われます。
地域からは資金支援へのニーズが高いですが、協議会が継続されている・いないにかかわらず、コーディネーション
機能を保っている地域は独自に資金調達を行いながら、事業を継続・発展させています。このようなことから、ESDを
推進する上で必要なのは、ESDの視点で地域をコーディネートしようとする人材を育成し、雇用できる仕組みをつくる
ことであると考えます。
また、担当者の異動で連携ができなくなるようではESDは継続できません。なんらかの法整備やインセンティブなどで、
地方公共団体や学校といった組織がESDに取り組むことを促すことが必要でしょう。
多くの地域が、事業継続のための資金の必要性を指摘しています。そして多くの地域が、助成金や行政から資金を調達しています。
助成金の課題としては、期間限定のため継続的な事業構築ができにくい、スタッフ人件費に支出できない、などが挙げられます。
助成金では、事業遂行に必要な正規職員の人件費をカバーできるようにすることが望ましいと考えられます。
また、資金源としては行政への要請が多いのですが、それだけでなく、企業や大学、コミュニティビジネスなど、多様な資金源が
地域に存在していることが重要でしょう。ESDに資金が集まりやすくなるような仕掛け・工夫も求められています。
行政、教育委員会、学校、社会教育団体、NPO等、ESD推進の主要なセクターにすら、ESDはまだまだよく知られていないのが現状です。
連携の前提として、行政職員や教員、社会教育関係者等がESDを知っている状況を作り出すことが先決であり、行政職員や教員に対する
研修等でより積極的な周知を行うとともに、ESDへの参加を呼びかける必要があります。
上記支援事業を行うためのESD全国レベルでの支援拠点が設置されることが望まれます。ただし、ESD全般の推進の役割を担うには、
環境省のみならず、文部科学省をはじめとする関係省の推進施策の事務局機能も含め、一元化できる枠組みが望ましいと考えられます。