~アジア環境人材育成イニシアティブ(ELIAS)1~
産学官民の連携による分野ごとの環境人材育成プログラムの開発と普及
大学教育モデルプログラムの開発と普及
“強い意欲”を育むプログラム
~教養科目での位置づけ~
教養科目は、幅広い観点からの知見や個人の社会課題に対する関心を高め、各人が生きがいを感じられる分野を見出すことで学びたい専門分野を明らかにしていくステージです。この段階において、環境保全や持続可能な社会形成のための強い動機づけを行っていくことは、環境人材育成のために特に重要だと考えらます。
想定されるプログラム
- 各学部共通の必修または選択の教養科目における、環境保全に取り組む意欲を掻き立てるようなプログラム
- 環境問題の原理や環境管理に係る基礎的な理解を促進する学びの場の提供
- 環境問題の原理や直接的な解決策は科学的なアプローチが必要なことから、特に文系の学生に対して、教養課程において必要な科学的知識を習得するプログラム
具体例
- 環境問題に係る基礎的な理解(相互依存関係等)を促す講義・演習。環境問題の現地見学、具体的事例について学ぶロールプレイゲーム。学生間での環境問題の解決方策やビジョン構築等に係るディスカッションやディベート。環境問題解決に向けて行動を起こす動機付けになるようなプログラムなど。
“専門性”を習得するプログラム
~専門科目での位置づけ~
学部段階における専門科目は、大学院に進まない学生にとっては、社会の現場で活躍するために必要な専門性を身に付け、卒業後の進路を絞り込んでいくステージです。この段階において、法学、経済学、工学等の各自が選択した専門性を高めるための学習の機会を提供する際に、その専門性の追求にあたって環境保全の視点を統合することができるような横断的・融合的な学びが求められます。
想定されるプログラム
- 学部初期段階での環境に係る学びをベースとしたプログラム
- 各自の専門分野を社会に適用する際に配慮すべき環境保全の視点の学習
- 課題発見能力を高め、行動するために必要な企画力、創造力といった「能力」を習得できるような機会の提供
具体例
- 工学部等の理系の専門性が現実社会に導入された場合の技術の環境評価に関するカリキュラム。法学や経済学等の場合は、短期的な人間関係の福祉だけではなく、資源の有限性や経済活動がもたらす長期的な環境への外部性を考慮にいれて行動できるような学習。環境・社会・経済を包括的に捉えるためのロールプレイゲームや演習。企業インターンシップを通じた商品・サービス開発等への参加。NPOや行政等の関係者と協働して行う問題解決型フィールドワーク、アジアの学生との交流など。
“リーダーシップ”を醸成するプログラム
~大学院レベルを対象とした位置づけ~
大学院レベルでの学習は、将来的に企業の経営者や行政の施策企画立案者などの形で環境人材として活躍しうる人材を育成していくステージです。この段階においては、各自の専門を一層高めるとともに、環境保全・持続可能性の視点から追及される専門性を習得していくことにより、社会に活かせる「技能」を取得していくことが望まれます。
想定されるプログラム
- 鳥瞰的・俯瞰的な視点から環境保全・持続可能性への理解を一層深めることでT字型の能力を一層高めるプログラム
- 社会で活躍するために必要なコミュニケーション能力や合意形成能力等の「社会性」や新しい取組に挑戦する「起業家的精神」や「リーダーシップ」を醸成させていくプログラム
具体例
- 全ての学部の学生も選択できる副専攻的な位置づけで、社会起業家に必要なアントレプレナーシップ、事業構想力、経営能力等を学ぶ実践的なカリキュラム。
- 法学部における環境法の追求など環境保全・持続可能性の視点から求められる高度な専門性の習得とともに、副専攻的な位置づけで地球のメガトレンドなどについての俯瞰力・鳥瞰力を身につけるカリキュラム。
- 強い意欲と専門性に加え、実際の環境問題を率先して解決するリーダーを育むための、問題解決型のフィールドワークやインターンシップ。

平成20年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」
環境省は、日本の大学・大学院が、企業、行政、NPOやアジアの大学等と連携・協力して「アジア環境人材育成ビジョン」の中で描かれた環境人材を育成するために、平成20年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」を公募しました。合計35大学から応募があり、有識者による審査の結果、6件(提案者:茨城大学、東京大学、慶應義塾大学(湘南藤沢キャンパス)、信州大学、中部大学、高知大学)を採択しました。
平成21年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」
環境省は、平成20年度に引き続き、平成21年度「環境人材育成のための大学教育プログラム開発事業」を公募したところ、合計18の大学から応募があり、有識者による審査の結果、5件の事業(提案者:岩手大学、東北大学、上智大学、滋賀県立大学、大阪府立大学)を採択しました。
これらの事業はいずれも、日本の大学・大学院が、企業、行政、NPO やアジアの大学等と連携・協働し、環境人材を育成する実践的なプログラムを開発・実証するものです。
