稚内市環境基本条例
平成15年3月18日
条例第12号
改正 平成16年3月24日条例第1号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第6条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針及び環境基本計画(第7条―第9条)
第2節 環境の保全に関する施策(第10条―第26条)
第3章 環境審議会(第27条―第32条)
附則
稚内市は、宗谷海峡をはさんで東はオホーツク海、西は日本海に面し、宗谷岬からはサハリン(旧樺太)の島影を望み、また、利尻礼文サロベツ国立公園を擁するなど優れた北方の雄大な自然や景観に恵まれた日本最北端の街である。
このような環境の豊かな恵みは、基幹産業の水産、酪農、観光を育み、私たちの暮らしにも潤いと安らぎを与えてきた。
一方、私たちの生活は、生産性の向上と利便性の追求の結果、飛躍的に豊かになったが、それに伴う資源やエネルギーの大量消費等は、環境にさまざまな影響を及ぼすこととなり、更には人類の生存の基盤である地球全体の環境をも脅かすに至っている。
私たち稚内市民は、健康で文化的な生活を営むため、良好で快適な環境を享受する権利を有するとともに、自然環境や生活環境をはじめ、かけがえのない地球環境を保全し、これを良好な状態で将来の世代に引き継ぐ責務を負わなければならない。
稚内市に集う全ての人々が、自ら参加し行動することで、人と自然との共生を基本とした良好で快適な環境を維持し創造していくため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営む上で必要とする良好で快適な環境を確保することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 環境の保全 環境の保全上の支障の防止にとどまらず、清浄な水及び大気、静けさ、良好な自然環境の確保等健全で恵み豊かな環境を保全することをいう。
(2) 環境の保全上の支障 公害その他の人の健康若しくは生活環境に係る被害又は、広く公共のために確保されることが不可欠な自然の恵沢を確保できないことをいう。
(3) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(4) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(5) 公害 事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその成育環境その他の自然環境を含む。)に被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、市民が健康で文化的な生活を営む上で必要とする良好で快適な環境を確保し、これを将来の世代へ継承していくことを目的として行わなければならない。
2 環境の保全は、人と自然との共生を基本として、環境への負荷が少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けて、市、事業者及び市民が自らの活動と環境のかかわりを認識し、自主的かつ積極的な取組によって推進されなければならない。
3 地球環境保全は、地域の環境が地球全体の環境と深く関わっていることにかんがみ、市、事業者及び市民が自らの問題であることを認識し、事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、実施しなければならない。
2 市は、環境に影響を及ぼすと認められる施策の策定及び実施に当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、その事業活動に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 前項に規定するもののほか、事業者は、環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力しなければならない。
(市民の責務)
第6条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷を低減するように努めなければならない。
2 前項に規定するもののほか、市民は、環境の保全に自ら積極的に努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力しなければならない。
第2章 環境の保全に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針及び環境基本計画
(施策の基本方針)
第7条 市は、基本理念にのっとり、次に掲げる基本方針に基づく施策を総合的かつ計画的に推進するものとする。
(1) 人の健康の保護及び生活環境の保全を図るため、大気、水、土壌その他の環境を良好な状態に保持すること。
(2) 人と自然とが共生する豊かな環境を実現するため、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保を図るとともに、森林、緑地及び水辺等における多様な自然環境を保全すること。
(3) 潤い、安らぎ、ゆとり等の心の豊かさが感じられる社会を実現するため、良好な環境の保全を図りつつ、魅力ある自然景観の維持、身近な緑や水辺との触れ合いづくり、自然と調和した良好な都市景観の形成等を推進すること。
(4) 環境への負荷の少ない循環型社会を構築し、地球環境保全に資する社会を実現するため、環境にやさしい新エネルギーの導入、省エネルギーの推進等エネルギーの有効な利用、廃棄物の適正な処理及び排出抑制並びに資源の循環的な利用を促進すること。
(環境基本計画)
第8条 市長は、前条の基本方針の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境基本計画を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する長期的な目標
(2) 環境の保全に関する施策
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全に関する必要な事項
3 市長は、環境基本計画を策定するに当たっては、市民及び事業者の意見を反映することができるように必要な措置を講ずるとともに、あらかじめ、第27条に規定する稚内市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を策定したときは、速やかに、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境の状況等に関する報告書)
第9条 市長は、市民に、環境の状況、環境基本計画に基づき実施された施策の状況等を明らかにするため、報告書を作成し、公表するものとする。
第2節 環境の保全に関する施策
(規制等の措置)
第10条 市は、環境の保全上の支障を及ぼすおそれがある行為に関し必要な規制の措置を講ずるとともに、環境の保全上の支障を防止するため指導、助言その他の必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(助成の措置等)
第11条 市は、市民及び事業者が環境への負荷の低減のための施設の整備その他の環境の保全に資する措置をとることを促進するため必要があるときは、適正な助成又はその他の措置を講ずるように努めるものとする。
(環境影響評価の推進)
第12条 市は、環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行う事業者が、あらかじめ、その事業に係る環境への影響について自ら適性に調査、予測及び評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について適正に配慮をすることを推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全に関する施設の整備等)
第13条 市は、廃棄物及び下水道の処理施設その他の環境への負荷の低減に資する公共的施設の整備を推進するものとする。
2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するものとする。
(良好な水環境の保全等)
第14条 市は、河川、湖沼、海域等における良好な水環境の保全を図るため、必要な措置を講ずるものとする。
(野生生物の保護管理)
第15条 市は、野生生物の多様性を損なうことなく適正に保護管理するため、その生息環境の保全その他の必要な措置を講ずるものとする。
(森林及び緑地の保全等)
第16条 市は、人と自然とが共生できる基盤としての緑豊かな環境を形成するため、森林及び緑地の保全、緑化の推進その他の必要な措置を講ずるものとする。
(魅力ある自然景観の保全等)
第17条 市は、魅力ある自然景観の維持に努めるとともに身近な緑や水辺との触れ合いづくり、自然と調和した良好な都市景観の形成、歴史的文化遺産の保存及び活用その他の必要な措置を講ずるものとする。
(環境にやさしい新エネルギーの導入促進等)
第18条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民及び事業者による環境にやさしい新エネルギーの導入、省エネルギーの推進等エネルギーの有効な利用、廃棄物の排出抑制及び資源の循環的な利用が促進されるよう必要な措置を講ずるとともに、廃棄物の適正な処理を推進するものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たって、環境にやさしい新エネルギーの導入、省エネルギーの推進等エネルギーの有効な利用、廃棄物の排出抑制及び資源の循環的な利用に努めるものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進)
第19条 市は、環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進を図るため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(環境の保全に関する教育及び学習の推進)
第20条 市は、市民及び事業者が環境の保全についての理解を深め、自発的な活動を行う意欲が増進されるように、環境の保全に関する教育及び学習の推進を図るものとする。
2 前項の場合において、市は、特に児童及び生徒の教育及び学習を積極的に推進するため、必要な措置を講ずるように努めるものとする。
(市民等の自発的な活動の支援)
第21条 市は、市民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体による環境の保全に関する自発的な活動がより効果的に推進されるように、必要な支援の措置を講ずるように努めるものとする。
(情報の収集、調査等の実施等)
第22条 市は、環境の保全に関する必要な情報を収集し、適切に提供するように努めるものとする。
2 市は、環境の状況を的確に把握するため、必要な調査、監視等の実施に努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第23条 市は、環境の保全を図るために広域的な取組を必要とする施策については、国、道及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
(施策の推進体制の整備)
第24条 市は、市の機関相互の施策の調整を図り、環境の保全に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
2 市は、市民、事業者及び民間団体と協力して環境の保全に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
(財政上の措置)
第25条 市は、環境の保全に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
(地球環境保全に資する施策の推進)
第26条 市は、地球の温暖化の防止、オゾン層の保護等の地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。
2 市は、国、道、他の地方公共団体その他の関係機関等と連携し、環境の保全に関する技術及び情報の提供等により、地球環境保全に関する国際的な取組みへの協力に努めるものとする。
第3章 環境審議会
(設置)
第27条 環境の保全に関する基本的事項を調査審議するため、稚内市環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第28条 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査及び審議する。
(1) 環境基本計画に関すること。
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全に関する基本的事項に関すること。
(組織)
第29条 審議会は、委員15人以内をもって組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 学識経験を有する者 5人以内
(2) 関係行政機関の職員及び関係団体を代表する者 5人以内
(3) 一般公募による者 5人以内
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
注 平成17年10月1日から施行
第29条第1項中「15人」を「12人」に改め、同条第2項第1号中「5人」を「3人」に改め、同項第2号中「及び関係団体を代表する者」を削り、「5人」を「3人」に改め、同項第3号中「者」を「市民」に、「5人」を「3人」に改め、同号を同項第4号とし、同項第2号の次に次の1号を加える。
(3) 関係団体を代表する者 3人以内
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(委員の任期)
第30条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。
2 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第31条 審議会に会長及び副会長1人を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選とする。
3 会長は、審議会を代表し会務を総括する。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議)
第32条 審議会の会議(以下「会議」という。)は、会長が招集し、会長が会議の議長となる。
2 会議は、委員の過半数が出席しなければ、開くことができない。
3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。
(稚内市公害防止条例の一部改正)
2 稚内市公害防止条例(昭和49年稚内市条例第41号)の一部を次のように改正する。
目次中「第4章 公害対策審議会(第35条―第42条)」を「第4章 削除」に改める。
第13条第2項中「審議会」を「稚内市環境審議会」に改める。
第4章を次のように改める。
第4章 削除
第35条から第42条まで 削除
附 則(平成16年3月24日条例第1号)
この条例は、平成16年4月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(1)〜(7) 略
(8) 第7条の規定 平成17年10月1日
(9)〜(12) 略