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大雪山国立公園における登山道利用者数調査

 大雪山国立公園では、登山口にセンサー式の登山者カウンターを設置し、登山道利用者数を把握する試みを実施しています。このページでは、調査の概要とその結果に関する情報を提供します。

調査の目的

 主要な登山口ごとの入山者数を、無人の登山者カウンターを用いる簡易な手法により調査することで、大雪山国立公園の山岳地域におけるおよその入山者数を把握し、大雪山国立公園の管理運営の基礎的資料として活用することを目的とします。

 登山口ごとの入山者数をもとに、[1] 月別の入山者カウント数、[2] 登山口ごとの入山者カウント数を推定するとともに、今後調査結果を蓄積し、[3] 同じ手法を用いることにより得られる年ごとの変動を把握することを当面の目的とします。

計測方法の概要

 本調査では、主に、熱感知式カウンター、赤外線式カウンターを設置して調査を行いました。これら備品の数は限られるため、設置できない箇所では、人感センサー式カメラや入林簿等の資料を活用しました。

 それぞれの調査方法の特性は次のとおりです。

 

(1)熱感知式カウンター

 人体から放射された赤外線(熱)を検知し、通行者数をカウントします。

 大雪山国立公園の各登山口では、動物の影響、誤作動等により、実数よりも1~5割程度多くカウントされる傾向にあります。

 

(2)赤外線式カウンター

 本体から赤外線ビームを発射し、反射した物体を検出し、カウントします。

 一般的に霧の発生により実数より多くカウントされ、また、利用者が集中する箇所では実数よりもより少なくカウントされますが、大雪山国立公園の各登山口では、これら誤カウントが生じやすい要因は小さいため、実数に近い値がカウントされているものと考えられます。

 

(3)その他

 人感センサー式カメラについては、人体や動物の放射する遠赤外線を読み取り、自動的にシャッターを切って写真撮影や録画を行なうもので、実数に近い値がカウントできます。

 入林簿等資料については、一般的に実際の数は、入林簿資料よりも多いと考えられます。

 

調査結果

課題と今後の対応

 大雪山国立公園では、維持管理及び集計に要する労力が最も少ない熱感知式カウンターの誤差が比較的大きい状況にあります。

 このため、登山者カウンター等の機器自体の改善が期待されます。また、精度が高い場合の環境条件や人の動きを分析し、より精度が高い状況になるよう配置場所の工夫等が課題です。

 

調査協力

 本調査は、上川中部森林管理署、上川南部森林管理署、十勝西部森林管理署東大雪支署、上川総合振興局南部森林室との連携、協力のもと実施しました。

 

調査結果の活用

 調査研究を目的としてデータを活用したい研究者等の皆様は大雪山国立公園管理事務所、東川管理官事務所、上士幌管理官事務所にご相談ください。

 <活用事例1>
  2020年大雪山混雑予想カレンダー(北海道大学大学院農学研究院花卉・緑地計画学研究室)
  2017年~2019年の各登山口における登山者数カウンターのデータから、2020年の大雪山における混雑予想日を推定したものです。この推定は過去のデータに基づくものであり、新型コロナウイルスによる影響は考慮されていません。

 

参考

 大雪山国立公園では、平成26年度頃から順次、各登山口において、登山者カウンターの設置を行ってきました。

 平成28年度には、大雪山国立公園の主要な登山口で登山者カウンターを設置して入山者数を把握できる体制を整えることができたため、今般その結果を公表することとしたものです。

 

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