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世界の森林とその保全

ベトナム社会主義共和国

森林及び森林減少の現状

ベトナムは、南北1,650キロメートルに広がる、面積約33万平方キロメートル(3,300万ヘクタール)の国です。北部から中部にかけ、山岳地帯には亜熱帯の照葉樹林が、低地帯には落葉・半落葉の熱帯林が広がっています。また、メコン等の河口沿岸地域にはマングローブ林が広がり、その内陸部には熱帯湿地林が分布しています。こうした豊かな自然環境、とくに原生熱帯林やマングローブ林は、固有種を含む多様な生物の生息地となっています。

ベトナムはかつて国土のほとんどが豊かな森林に覆われていましたが、1943年頃までに森林率は43%程度にまで減少(注1)、さらにベトナム戦争終結後の1976年には1,117万ヘクタール(注2)、そして1990年には937万ヘクタール(注3)にまで減少しました。その背景には、ベトナム戦争による森林消失と枯葉剤の影響、そして戦後の経済成長に伴う過剰伐採や焼き畑などがありました。

国連食糧農業機関(FAO)の「世界森林資源評価2010」(注4)によれば、ベトナムの森林面積は2007年時点でおよそ1,284万ヘクタール、2010年には1,380万ヘクタールと推定されています。1990年以降は、森林減少傾向は緩和されており、植林によって森林の回復が図られてきています。2007年までに、国土に占める森林面積(ゴム農園を除く)は1990年(27.8%)から10%以上回復(40.0%)しています。

表 ベトナムの森林面積の推移
1990 1995 2000 2002 2003 2005 2007 2010
森林 9,363 9,580 11,725 12,222 12,530 13,077 13,387 13,798
 天然林 8,396 8,252 9,675 9,879 10,004 10,283 10,284 10,286
 うち原生林 384 - 187 - - 85 - 80
 うち天然再生林 8,012 - 9,488 - - 10,198 - 10,205
 人工林
(ゴム農園除く)
745 1,050 1,638 1,914 2,090 2,334 2,553 2,882
 ゴム農園 222 278 412 429 436 460 550 630
国土面積 32,931 32,931 32,931 32,931 32,931 32,931 32,931 32,931
森林率 28.4% 29.1% 35.6% 37.1% 38.0% 39.7% 40.7% 41.9%

単位:1,000ヘクタール
注1:2010年は推計値
注2:1995年、2002年、2003年、2007年の天然林の内訳(原生林、天然再生林)は不明

ベトナムの森林面積は、植林によって1990年代後半以降増えてきていますが、天然林の比率が高い中部高原などいくつかの地域では依然として減少傾向にあり、特に天然林全体における劣化と断片化が広がっていると指摘されています(注5)。その主な原因は、燃料としての利用を目的とした森林伐採、森林火災(焼き畑農業による火の延焼)、森林火災に起因する土壌流失、違法伐採を含む産業用の過剰伐採、エビ養殖目的のマングローブ林の伐採、農地転換、家畜の放牧、ベトナム戦争の影響による土壌汚染などが挙げられています(注6)

産業用の伐採による急激な森林減少を食い止めるため、1990年代初めよりベトナム政府は丸太の輸出を禁止したほか、天然林の商業伐採に関しては許容伐採量の割り当て制度を実施しています。

森林に関わる制度

ベトナムにおいて森林の保全・管理制度に関連する省庁は、農業、森林管理及び農村開発を担当する農村開発省(Ministry of Agriculture and Rural Development: MARD)と、総合的な環境管理を担当する自然資源環境省(Ministry of Natural Resources and Environment: MONRE)の2つです。

森林保護・開発に関する法制度としては、森林保護開発法(1991年)と「森林保護開発法の実施に関する政令」(2006年)があります。

森林保護開発法により、ベトナムの森林は生産林(620万ヘクタール)、保護林(470万ヘクタール)、特別利用林(210万ヘクタール)の3つに分類されています。

森林保全の取組等

ベトナム政府は数多くの植林プログラムを行っていますが、代表的なものとして「500万ヘクタール植林計画」があります。同計画では、500万ヘクタールの森林を新たに造成し、2010年までに国土に占める森林の割合を43%まで引き上げるとされており、200万ヘクタールの特別利用林の再生、300万ヘクタールの生産林の造成が行われることになっています。

また、「2010年までの環境保全戦略及び2020年までの環境保全の方向性」(2004年)には、自然地域について森林率を43%まで増加させる、劣化した流域の森林面積の50%の回復と質的向上を行う、自然保護区域面積を現状の1.5倍に増加させる、マングローブ林面積を1990年比で80%まで回復させるなどの目標が定められています(注7)

ベトナム政府はまた、複数の国際機関、援助機関の協力を得ながら、積極的にREDDプラス(途上国における森林減少・劣化抑制等による温室効果ガス排出削減)に取り組む姿勢を見せています。

我が国企業やNGO/NPOの事例

連携事例

企業の事例

NGO/NPOの事例

(2012年3月)

注釈

  • 1)(財)地球・人間環境フォーラム(2007)「環境省請負事業平成18年度我が国ODA及び民間海外事業における環境社会配慮強化調査業務PRT1:ベトナムにおける企業の環境対策と社会的責任CSR in Asia」
  • 2)Ministry of Natural Resources and Vietnam Environment Administration, 4th Country Report: Vietnam’s Implementation of the Biodiversity Convention [Draft], 2008.
  • 3)FAO. Global forest resources assessment 2010 (Main Report)
  • 4)FAO. Global forest resources assessment 2010 country report: Vietnam)
  • 5)特定非営利活動法人国際環境NGO FoE Japan(2010)「合法木材供給体制調査-ベトナム編-報告書」
  • 6)(財)地球・人間環境フォーラム(2007)「環境省請負事業平成18年度我が国ODA及び民間海外事業における環境社会配慮強化調査業務PRT1:ベトナムにおける企業の環境対策と社会的責任CSR in Asia」
  • 7)Ministry of Natural Resources and Vietnam Environment Administration, 4th Country Report: Vietnam’s Implementation of the Biodiversity Convention [Draft], 2008.

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