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世界の森林とその保全

マレーシア

森林及び森林減少の現状

マレーシアが面積は小さいながらも種の多様性が極めて高く、世界のメガダイバシティー国(注1)の一つと考えられています。中でもカリマンタン(ボルネオ)島(ブルネイとインドネシア領カリマンタンを含む)は、その生物多様性と直面する脅威度の両方において、地球上で最も優先順位の高い19地域の一つに特定されています(注2)

国連食糧農業機関(FAO)の「世界森林資源評価2010」(注3)によると、マレーシアの森林面積(2010年)は国土の約62%にあたる2,046万ヘクタールと推計されています。

表 マレーシアの森林面積の推移(注4)
1990 2000 2005 2006 2007 2010
森林計 22,376 21,591 20,890 19,801 19,663 20,456
 原生林 3,820 3,820 3,820 - - 3,820
 天然再生林 16,600 16,112 15,497 - - 14,829
 人工林 1,956 1,659 1,573 - - 1,807
 うちゴム農園 1,836 1,431 1,229 1,232 1,207 1,132
国土面積 32,974 32,974 32,974 32,974 32,974 32,974
森林率 67.9% 65.5% 63.4% 60.1% 59.6% 62.0%

単位:1,000ヘクタール

区分別
永久保存林(PRF) 12,600 14,400 14,400 14,326 14,301 14,301
-半島マレーシア 4,750 4,800 4,800 4,726 4,696 -
-サバ 3,350 3,600 3,600 3,600 3,605 -
-サラワク 4,500 6,000 6,000 6,000 6,000 -
州有林 6,820 4,640 4,141 3,529 3,416 3,077
国立公園及び野生生物・野鳥保護区 1,120 1,120 1,120 1,946 1,946 1,946

注1:2007年及び2010年は推計値

生物多様性ホットスポット、WWFのグローバル200などで重点的に保全すべき自然環境に指定されている地域を有するマレーシアですが、特にボルネオでは森林の農地転換が顕著となっています。1980年代の後半までにボルネオ島の5分の1と、半島マレーシアの半分の森林が喪失しており、主に商業伐採、農地開発(特に政策として行われたゴム・アブラヤシのプランテーションの開発)、ダム建設、再定住集落などが原因と言われています。FAOによれば、年間森林減少面積は1990〜2000年に7万9,000ヘクタール、2000〜2005年に14万ヘクタールとなっており、開発による森林減少が続いています。

森林に関わる制度

国全体での統一的な森林・林業政策と位置付けられる国家林業政策(1978年制定)では、生物多様性の保全、天然資源の持続的な利用、森林開発における地域社会の役割の重要性などが規定されています。また、1984年に制定された国家林業法は政策を効果的に実施するための細目を定めています。

マレーシアは半島部に11州(8州と3つの連邦直轄地)、ボルネオ島にサバ・サラワク2州を擁する、計13州からなる連邦国家で、その統治は大部分が分権化されています。マレーシア憲法により、森林を含む土地、農林業、水資源等などに関する事項については各州が権限を与えられ、法律を制定し管理できることとなっています。

半島部8州は国家林業法に基づき州法を制定している一方、サバ・サラワク両州は連邦編入以前からイギリス植民地政府によって制定された独自の森林法を有していたため、独自色の濃い森林政策と森林法を制定しています。

半島部

半島マレーシアにおいて、林業、土地、海洋生態系、河川、環境、野生生物、鉱物等は、「天然資源・環境省(Ministry of Natural Resources and Environment:MNRE)が管轄し、「プランテーション事業・商品省(Ministry of Plantation Industries and Commodities:MPIC)」が木材を管轄しています。

サバ州

サバ州の森林を管轄する機関は、サバ州首相官邸天然資源局が所管するサバ州林業局(Sabah Forestry Department)であり、林業経営や木材加工部門を担当していますが、野生生物保護区や国立公園等については、サバ州野生生物局(Sabah Wildlife Department)の管轄となっています。

サバ州は、「州の森林資源の持続可能な経営の実現」をその目標に謳っている独自の林業政策を有しています。伐採事業者に100年間の伐採権を与えることで、質の高い持続可能な森林経営を推進することを目的に、1997年から州独自の持続可能な森林経営協定(Sustainable Forest Management License Agreement)制度を導入しており、2005年現在、15件の伐採権が発行され、96,946ヘクタール(サバ州森林の2.2%)の永久保存林がこの制度によって管理されています。また、永久保存林の継続的な拡大にも取り組んでおり、2005年実績で1,947ヘクタールが永久保存林に指定されています(注5)

サラワク州

サラワク州ではマレーシア連邦憲法に基づき、森林部門の法令遵守の検証のため独自の制度を有しています。サラワク計画・資源管理省の下、サラワク森林局(Forest Department Sarawak)が森林政策や施業規則、伐採権などに関する責任を担っています。また、伐採に伴う徴税や施業規則の遵守状況のモニタリングについては、サラワク林業公社(Sarawak Forestry Corporation)が担っています。

サラワク州の森林政策では「森林に暮らす住民の利益を十分に保護する」ことが最初の項で謳われているのが特徴的です。サラワク森林法の森林区分では、永久林と州有林が伐採対象となり、特に前者の伐採には森林局の管理の下、年間伐採地割当が採用されています。

森林保全の取組等

森林減少への対応策の一つとして、半島マレーシアでは、我が国の国際協力事業団(JICA)の協力によって、木材不足を補うための造林計画が1980年代から本格的に始まりました。1990年代までに約3万9,000ヘクタールの植林が行われています。また、天然林資源の枯渇に対する対応策として、2006年から国家レベルでの人工造林計画も打ち出しており、特にサラワク州で人工造林が進められています。

違法伐採の問題も長い間の懸念事項でしたが、近年、マレーシアでは違法伐採の取り締まりが強化されています。1994年の国家森林法改正により、違反の程度により罰金を最大50倍にしたほか、1〜20年の強制実刑判決も課されるようになりました。また、軍の人員を森林のパトロールに起用できるようになったほか、国全体で伐採権のバーコード・タグ・システムが実施され、樹種とともに伐採地に関する情報も管理されるようになっています。また、インドネシアからマレーシアへ違法伐採木材が流入する問題に対しては、インドネシアからの丸太の輸入を2002年に禁止、翌2003年には製材等の輸入についても禁止しています。

森林認証については、2010年4月現在、3カ所(半島とサラワク州とサバ州にそれぞれ1カ所ずつ)、面積495万ヘクタールの森林が世界的な認証制度であるPEFCまたはマレーシア独自の森林認証制度MTCSの認証を取得しています。

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(2012年3月)

注釈

  • 1)環境白書によれば、多くの固有種を含む多種・多数の生物が生息している国。世界で15-20カ国があげられており、一般的には、オーストラリア、ブラジル、中国、コロンビア、コスタリカ、エクアドル、米国、インド、インドネシア、マダガスカル、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、南アフリカ、ベネズエラ、コンゴなどがあげられている。これらの国だけで全世界の約70%の生物多様性を有していると考えられる一方、絶滅に瀕している種の80%もこうした国にあると言われている。
  • 2)WWF (2008) Where We Work Available online at: www.panda.org
  • 3)FAO. Global forest resources assessment 2010 country report: Malaysia
  • 4)FAO. Global forest resources assessment 2010 country report: Malaysia
  • 5)(社)全国木材組合連合会「違法伐採総合対策推進協議会合法性・持続可能性証明木材供給事例調査 インドネシア・マレーシアにおける合法性証明の実態調査報告書」2008.

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