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世界の森林とその保全

森林保全のさまざまな方法

日本では森林保全活動というと木を植える(植林する)、というイメージを持つことが多いようです。しかし植林以外にも、天然林などの現存する森林の保護やコミュニティ・フォレスト活動といった森林の保全活動もあります。また合法性や持続可能性が証明された木材・木材製品の積極的な利用により、世界の持続可能な森林経営を推進するといった間接的な活動などもあります。ここではこれらの森林保全活動の方法について紹介します。

植林による森林再生

現在、森林が、土地利用の転換や伐採、火災を経ることなどにより成立していない、または劣化している土地においては、植林を行い、森林を再生することになります。

写真:植林イメージ
写真提供:FoE

植林を行う場合、森林再生の努力が水泡に帰すリスクを軽減し、再生した森林が持続的に成立するようにするためには、対象地の物理的な環境とともに社会的な環境の特性を踏まえて行うことが有効です。例えば、住民による活動、生計確保の手段などが森林に過度な負担を与えることにより森林が消失、または劣化した地域では、その土地を利用している地域の住民との調整が大きな課題となります。住民が事業の意義を理解し、賛同していなければ、植林地から燃料や木材を採取したり、放牧した家畜が植林地に入り込み食害が発生するなどの問題が起こる可能性が高くなります。

天然林の保護等

豊かな天然林が残っている地域では、それを守っていくことも大切です。原生林や状態の良い天然林は、数十年から数百年、数千年という長い時間をかけて成立してきたもので、そういう場所には貴重な、また固有の動植物などが生息・生育していることもあります。


わずかに残った貴重な原生林(フィリピン)
写真提供:バードライフ・アジア

長い年月をかけて形作られてきた天然林の生態系は大変複雑で、科学的に解明されていないことがまだまだ多くあります。保護地区に指定されていない原生林や良好な天然林では、農地への転換や商業伐採が行われる可能性があります。今ある天然林を守ることは、植林に比べて積極性や創造性に欠けるように受け取られるかもしれません。しかしそれが世界に残された貴重な森林及びその生態系を守ることになり、また温暖化を抑制するために重要な森林からの温室効果ガスの排出抑制にもつながるのです。


原生林には固有の種も多い(オーストラリア)
写真提供:飯沼佐代子


持続可能な森林経営の推進のための取組

日本は木材の約8割を輸入する世界有数の木材輸入国として、輸出国の森林の減少・劣化を抑制するために、当該国の持続可能な森林経営への取り組みを支援していく必要があります。

消費する立場からは「違法に伐採された木材は使用しない」との考え方を基本に、合法性や持続可能性が確認できる木材・木材製品の購入を促進していく取り組みがあります。調達方針やガイドラインを定め、合法性、持続可能性が確認できる木材・木材製品を購入したり、合法性や持続可能性が確認できない木材・木材製品が自社のサプライチェーンに入ってこないことを確認したりすることにより、輸出国の持続可能な森林経営への取り組みを支援することができます。

写真:持続可能な原材料調達イメージ
写真提供:FoE

また生産地において進められる、地域住民による森林の保全と利用を組み合わせたコミュニティ・フォレストの活動も、持続可能な森林経営の取り組みと言えます。

目的とニーズの把握

森林保全活動には、植林による森林の再生や現存する天然林等の保護及び保全、また持続可能な森林管理の推進に取り組むことによる間接的な森林保全といった方法があります。

国や地域社会には、それぞれに異なる条件やニーズがあります。このため、森林保全活動を通じたCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)や企業の社会貢献を考える場合には、まず目的を明確にするとともに、現地の物理的環境・社会的環境、また現地社会のニーズなどを把握し、その状況に適した方法で実施することが重要となります。

産業植林と環境植林

植林には様々な目的と手法がありますが、企業が行う植林はその目的・手法により産業植林と環境植林の二つ大別できます。

木材やパルプ原料等の木材や木材製品の生産を目的としたものは産業植林と呼ばれており、その主体の多くは企業となっています。

熱帯地域では一般的にチークなどの木材としての価値が高い木やパルプの原料などに利用されるアカシア、ユーカリなどの早生樹が植林されています。産業植林により成立した森林は、前述した森林の多面的機能の点から見ると、生物多様性や地域住民の生活を支えている非木材林産物の生産等、あまり期待できない機能もあります。

企業が現地政府や自治体と契約して比較的大面積に行う形態が一般的ですが、近年では、企業が地元農家と契約して各農家の土地に植林・管理してもらい、その収益を企業と農家で分け合う分収型の産業植林も行われています。

写真:ユーカリの産業植林(南アフリカ) 写真提供:レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表部
ユーカリの産業植林(南アフリカ) 写真提供:レインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表部

一方、これまでNGO/NPOが行ってきた熱帯林の再生や砂漠の緑化事業などによる植林は、環境植林と呼ばれています。近年ではCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)として企業によって進められる環境植林もあります。環境植林はその目的に木材生産も含むことがありますが、主な目的は森林の多面的機能の再生です。生物多様性の保全を目的に含む環境植林では、外来種ではなく郷土種を、単一ではなく複数の樹種の混植を行う例が多くみられます。しかし、環境植林は木材生産等による住民の経済的メリットが少ないことから、長期的に誰が森林管理の担い手となるのかということが課題となります。この課題を克服する一つの方法として、アグロフォレストリーがあります。アグロフォレストリーとは「森林農業」とも呼ばれ、樹木と農作物(家畜を含む)を同時に育成する生産システムのことです。

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